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マンション買取の注意点とは?契約前に知っておくべき落とし穴とリスクを徹底解説!

マンション買取は、すぐに現金化したい人や、面倒な手続きを避けたい人に向いている売却方法です。
仲介よりも迅速に売却できる一方で、相場よりも大幅に安く売却してしまったり、想定外の費用を請求されたりするリスクもあります。

この記事では、マンション買取を検討する際に知っておきたい注意点をはじめ、以下のポイントを詳しく解説します。

  • 仲介との違い
  • 買取が向いているケース
  • よくあるトラブル事例
  • 契約前に確認すべきポイント
  • 買取の準備

マンション買取の知識を深め、大切なマンションを後悔なくスムーズに売却しましょう。

  • クリーニング不要で、残置物など現状のままでOK!
  • 不動産会社からのしつこい営業なし
  • 共有持分、再建築不可など訳あり物件も相談可能
目次

そもそも「マンション買取」とは?仲介との違い

まずはマンション買取の特徴や、マンション買取が向いているケースについて紹介します。
マンションの売却方法として多くの人が選択する「仲介」と比較しながら、マンション買取の基本を押さえましょう。

マンション買取の特徴

マンション買取とは、買取業者に物件を買い取ってもらう売却方法のことです。一方で仲介は、不動産会社に物件の買い手を見つけてもらい売却します。
買取と仲介の違いについて、以下にまとめました。

項目買取仲介
売却先買取業者個人または法人
売却期間の目安数日〜1ヶ月3ヶ月〜6ヶ月
売却価格の目安仲介の70%〜80%相場から計算
仲介手数料不要必要
内見の対応不要必要

マンション買取は、買い手を探すための広告活動が必要ないため、仲介よりも手間がかからず短期間で売却できるというメリットがあります。買取業者が提示する条件に納得できれば、数日で契約が成立し、そのまま売却することも可能です。

その反面、一般的に売却価格が仲介よりも安くなる点は、マンション買取の大きなデメリットだといえます。
たとえば、仲介で売却価格が3,000万円だった場合、買取の売却価格は2,100万円〜2,400万円になる計算です。
買取には、3,000万円分の仲介にかかる105.6万円の仲介手数料が不要ですが、それを考慮しても仲介よりは売却益が小さくなります。

マンション買取が向いているケースとは?

マンション買取が特に適している状況は、以下のとおりです。

  • 売却を急いでいる
  • 物件の築年数が古い
  • リフォームする必要がある
  • 物件に心理的瑕疵がある
  • 売却活動の時間が取れない

住み替えや借金返済のために、まとまったお金を急いで用意する必要がある場合、早期売却を目指せるマンション買取が向いています。

また築30年を超えるような物件や訳あり物件、住むためにリフォームが必要な物件は、仲介だと買い手が見つかりにくいです。買取業者は、リフォームして再販売すること前提にマンションを買い取るため、物件の築年数や状態によって売却期間が長引くことはありません。
さらに心理的瑕疵や近隣トラブルがある、境界が不明確など、一般市場での売却が困難な物件でも、買取業者であれば引き受けてくれる可能性があります。

買取なら売却期間の物件管理や内覧対応が不要になるため、仕事が忙しい人や遠方に住んでいる人も、マンション売却にかかる負担を最小限に抑えられます。

マンション買取の注意点!よくある3つのトラブル事例

マンション買取でよくあるトラブル事例としては、以下の3つが挙げられます。

  • 相場より大幅に安い価格で売却してしまった
  • 契約書の内容をよく読まずに署名してしまった
  • 物件の引き渡し後に「追加費用」を請求された

それぞれの状況や内容について、詳しく解説していきます。

事例①相場より大幅に安い価格で売却してしまった

相場より大幅に安い価格で売却してしまい、トラブルや後悔につながるケースは少なくありません。
原因としては、はじめに依頼した買取業者の提示価格で売却を即決したことと、相場価格を把握できていなかったことが挙げられます。
売却後に、同じエリアで条件が近い物件が数百万円〜数千万円ほど高く売却されたことを知り、相場より大幅に安く売却してしまったことに気づくのです。

相場よりも安い価格を提示する買取業者も存在するため、複数の買取業者に査定を依頼し、より高く売却できる業者を選ぶことが大切です。

事例②契約書の内容をよく読まずに署名してしまった

契約書の内容をよく読まずに署名し、買取業者にマンションを売却してしまうと、想定外のトラブルが発生しかねません。
売り手側に不利な条件や、契約前に知らされていない条件が契約書に記載されている可能性があるためです。

トラブルにつながりやすい項目としては、違約金や遅延損害金、引き渡し時期が挙げられます。

  • 契約完了後に、急な事情で売却をキャンセルしたところ、違約金として200万円の支払いを求められた
  • 引き渡しの期日を過ぎてしまった際に、遅延損害金の存在を知った

このようなトラブルを避けるために、契約書は隅々まで読み、不明点を解消してから署名しましょう。

事例③物件の引き渡し後に「追加費用」を請求された

買取業者にマンションを売却したあとに、リフォーム代や残置物処理費などの追加費用を請求され、トラブルに発展するケースもあります。
買取業者はリフォームを前提に物件を買い取りますが、想定以上の修繕が必要になったり、残置物の処理に費用がかかったりした場合、その費用が売り手の負担となる可能性もあるのです。

追加費用がかかる可能性を契約前に確認し、その範囲や金額を契約書に明記しておくことが大切です。

マンション買取の「契約前」に確認すべき5つのポイント

マンション買取の「契約前」には、以下の5点を確認しておきましょう。

  • 査定価格の根拠は明確か?
  • 買取業者の実績・信頼性を調査したか?
  • 複数の買取業者を比較・検討したか?
  • 契約書に不利な条項がないか?
  • 買取価格以外の「諸費用」は明確か?

各ポイントについて、具体的に解説します。

POINT①査定価格の根拠は明確か?

査定を依頼した買取業者が信頼できるか否かを判断するために、査定価格の算出根拠を説明してもらいましょう。

査定価格は、物件の立地条件や近隣にある類似物件の売却事例など、さまざまな要素から計算されます。
「総合的な判断」のような曖昧な説明しかしない業者は、信頼性に欠けるため避けたほうが良いでしょう。

POINT②買取業者の実績・信頼性を調査したか?

買取業者の実績や口コミは、必ず事前に調査しておきましょう。実績はホームページに記載されていることが多く、すぐに確認できます。口コミは偏りが多いため、複数の情報源を参考にしてみてください。

また、マンション買取には「宅地建物取引業免許」が必要なので、ホームページや店舗に「国土交通大臣免許(10)第○○号」のような免許証番号が明記されているはずです。免許証番号のカッコ内の数字は免許の更新回数なので、数が大きいほど長く営業しているということになります。

さらに国土交通省のサイトで、買取業者の「行政処分歴」も見ておきましょう。過去の業務停止処分や指示処分の有無は、買取業者の信頼性を判断する材料になります。

POINT③複数の買取業者を比較・検討したか?

マンション買取では、最低でも3社に査定を依頼し、その結果を比較することが大切です。買取価格は業者によって大きく変わることがあり、1社だけでは価格の妥当性を判断できません。
担当者の対応をはじめ、査定結果における説明の丁寧さ、引き渡し時期など諸条件の柔軟性も比較し、信頼できる買取業者を選びましょう。

複数社に査定を依頼する際には、マンション一括査定サービスの活用が、便利かつ効率的です。

POINT④契約書に不利な条項がないか?

契約書の内容は、マンション売却後のトラブルを避けるために重要なポイントです。特に以下の項目を、注意深く確認しましょう。

  • 契約不適合責任
  • 手付解除の特約
  • 引き渡し時期

契約不適合責任とは、物件の状態や品質が契約内容と一致しない場合に、売り手側が負う責任のことです。
マンション買取では免責されるケースが多いですが、免責される旨が契約書に記載されているか否かを見ておくことが大切です。

また、売り手もしくは買い手が、契約をキャンセルする可能性もゼロではありません。そのため、手付金の額や手付解除ができる期限を明確にしておくことが、トラブル防止につながります。

POINT⑤買取価格以外の「諸費用」は明確か?

マンション買取には、仲介手数料がかかりません。しかし、以下のような諸費用が発生する可能性があります。

  • 登記費用:物件の所有権移転登記や抵当権抹消登記にかかる費用
  • 司法書士への報酬:登記手続きを司法書士に依頼した際に支払う報酬
  • 測量費用:土地の境界や面積を明確にするためにおこなう、測量にかかる費用
  • 譲渡所得税:マンション売却の利益に課される税金
  • 印紙税:売買契約書を作成する際に課される税金

諸費用の種類と金額に加えて、売り手または買い手のどちらが負担するのかを、明確にしておくことが大切です。

マンション買取で「後悔しない」ための準備

マンション買取で「後悔しない」ための準備として、以下の3つを押さえておきましょう。

  • 買取価格の相場を調査する
  • 購入希望者がつかない理由がないか確認する
  • 税金・確定申告などの知識も備える

いずれも、買取業者への依頼前に行動することが大切です。

買取価格の相場を調査する

査定内容や買取価格の妥当性を判断するために、相場を調査しておきましょう。

SUUMOやアットホームなどの不動産情報サイトでは、売却したい物件にエリアが近い類似物件の売り出し価格を見ることができます。
注意点として、売り出し価格は実際の成約価格よりも高くなる傾向があります。売り出し価格をもとに、売り手と買い手が交渉したうえで、成約価格が決まるためです。

過去の成約価格を調べる際には、「レインズマーケットインフォメーション」や「不動産情報ライブラリ」が参考になります。

また、マンションを売却したい人は、マンション専門の売却一括査定サイト「マンションナビ」の活用もおすすめです。地域や沿線を選択するだけで、さまざまなマンションの推定売買価格相場や売買価格推移がわかります。

購入希望者がつかない理由がないか確認する

マンション買取の準備として、以下のような「購入希望者がつきにくい理由」がないか、改めて考えてみてください。

  • 過去に事件や事故が起きた
  • 隣地との境界が曖昧になっている
  • 近隣住民とのトラブルがある
  • 騒音や悪臭などの居住環境に関わる問題がある
  • 建物の構造部に欠陥がある

買取業者は、購入希望者がつきにくい物件も買い取ってくれるケースが多いですが、問題点や欠陥がある場合は隠さずに伝えることが大切です。
特に見た目にはわからない問題点は、トラブルや事故のもとになりやすいため、項目を洗い出しておきましょう。

税金・確定申告などの知識も備える

マンション買取で後悔しないためには、売却する際にかかる税金や特別控除、確定申告などの知識を得ておくことも重要です。

たとえば、マンション売却の利益には譲渡所得税がかかりますが、一定の条件を満たすことで最大3,000万円分の控除を受けられ、税負担を軽減またはゼロにすることができます。これを「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といい、知らないと損をする制度のひとつです。

控除を受けるためには、マンションを売却した翌年の2月16日〜3月15日の間に確定申告をおこなう必要があります。年末調整を受けるサラリーマンも同様です。
わからないことは税務署に聞きながら、余裕を持って提出書類を準備しておきましょう。

マンション買取の注意点に関するよくある質問

最後に、マンション買取の注意点に関するよくある質問と、その回答をまとめます。

契約書で注意すべき具体的な条項とは?

売買代金の支払い時期と方法・契約不適合責任の免責範囲・違約金・遅延損害金・手付解除の特約・引き渡し時期が、注意すべき条項です。わからないことは質問し、内容に納得したうえで契約書に署名しましょう。

キャンセルしたい場合、違約金は発生する?

キャンセルのタイミングや契約内容によって、違約金の有無が異なります。契約書に手付解除の条項があれば、手付金の倍額を買い手に支払うことで、契約を解除できる可能性もあります。

マンション買取の契約の途中に辞めることはできる?

契約書に署名する前であれば、その場で取引を中止できます。契約締結後から引き渡しまでの間は、契約書に定められた条件に従って契約を解除することになりますが、違約金が発生する可能性もあります。

まとめ【注意点を押さえてスピーディーなマンション買取を実現しよう】

マンション買取は、現金化までのスピードが早く、手間と負担がかからない売却方法です。仲介だと購入希望者がつかないような物件も、買取業者なら引き受けてもらえる可能性があります。
しかし適切な準備と知識がなければ、大きな損失を被るリスクがあるため、注意が必要です。

マンションの相場価格を把握したうえで、必ず複数の買取業者に査定を依頼し、その結果を比較しましょう。
売却を急いでいる場合でも、買取業者の実績や契約書の内容などを十分に確認し、わからないことや不安なことがあれば、担当者や専門家に相談することが大切です。

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この記事を書いた人

宅地建物取引士の資格を保有するフリーライター。
不動産会社での勤務・接客経験をもとに、「次に起こすべきアクションがわかる易しい記事」をお届けします。

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