急成長を続ける東南アジアの中でも、今とくに注目されている都市がベトナム・ホーチミンです。
都市開発が進み、日本人の駐在・移住・投資先として関心が高まるこの街に、2025年7月、すみかうる編集部も実際に足を運び、街の表情や不動産事情を自分たちの目で確かめてきました!
この記事では、現地視察で見えてきたホーチミン不動産の“リアル”をお届けします。
外国人投資家に人気の背景
2015年の住宅法改正以降、外国人も条件付きでマンションの購入が可能になりました。
地下鉄(メトロ)建設や都市インフラの整備も追い風となり、将来的な資産価値の上昇に期待が高まっています。
ベトナムの経済成長と不動産ニーズ

2023年にはGDP成長率5%台を維持し、ASEAN諸国のなかでも安定成長が続いています。
人口約1億人・平均年齢35歳という若さもあり、中間層の拡大や都市化により住宅ニーズが継続的に高まっています。加えて、地下鉄(メトロ)建設や大規模な都市開発が進み、インフラの整備が不動産価格の上昇を後押ししています。
日本人にとってのメリット
物価が日本の約1/2〜1/3で、家具付き・共用施設完備の物件も多く、コストパフォーマンスが高いのが特徴です。日本語対応の医療機関や日本人街も整っており、駐在・移住・投資のいずれでも安心して検討できる環境です。
ベトナム不動産の購入・賃貸の基本事情【制度・価格帯】
ベトナムで不動産を検討する際には、日本とは異なる独自のルールを理解しておくことが重要です。
外国人の購入制限と法律の概要
ベトナムでは外国人が不動産を購入する際、いくつかの制限があります。
外国人はマンション棟総戸数の30%まで購入可能で、所有権は原則50年(更新可)。土地所有は不可で、対象は法律で定められた物件に限られます。
物件の売買は、外国人同士による取引(法律で定められた一定の制限あり)または外国人からベトナム人への売却は可能ですが、ベトナム人から外国人への直接売却は認められていません。
さらに、ベトナムでは不動産が「夫婦の共有財産」とされており、不動産登記や売却時には配偶者の同意が求められます。
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平均的な価格帯/家賃相場と管理費・修繕費の実態
ホーチミンのマンション価格はエリアにより幅があります。日本とベトナムの違いを、購入・賃貸の観点から表にまとめました。
日本とベトナムの不動産購入・賃貸の違い(2025年時点)
項目 | 日本(都心) | ベトナム(ホーチミン・中心地から2km圏内) |
住宅ローン | 利用可 | 外国人は難易度高い(基本は現金購入) |
契約名義 | 個人・共有名義 | 原則夫婦共有財産 |
購入価格(50㎡) | 約5,000万〜1億円 | 3,000万〜4,000万円 |
家賃相場(50㎡) | 月20〜40万円 | 月10〜15万円(家具付き) |
共用設備 | オートロック・宅配BOX・駐車場など | ジム・プール・テニスコートが標準装備 |
編集部が実際に内覧!現地物件を写真つきでご紹介
Saigon Sky Gardenの訪問レポ

今回編集部が訪れたのは、ホーチミン市旧1区の中心部、レタントン通りに立地するサービスアパートメント「Saigon Sky Garden(サイゴン・スカイガーデン)」です。
現地では“待ち合わせといえばここ”といわれるほどのランドマーク的存在で、出張者の短期滞在から駐在員の長期滞在まで、1日〜1年の柔軟な契約に対応しています。
Saigon Sky Garden 概要
敷地面積 | 5,795㎡ |
延床面積 | 26,543㎡ |
総戸数 | 全188戸(スタジオ〜3LDK) |
入居者情報 | 長期滞在者(日本人)と短期滞在者(日本人を中心に、韓国・台湾・中国・米国・豪州など国際色豊か) |
稼働率 | 80%前後 |
部屋タイプ | スタジオタイプ(40㎡)、1ベッドルーム(68㎡)、2ベッドルーム(79㎡)、3ベッドルーム(105㎡) |



※部屋タイプによって内装は異なります。
\各部屋タイプごとの間取りや詳細が知りたい方はこちら/
室内・水回り・収納などの設備比較



※部屋タイプによって内装は異なります。
室内は日本の分譲マンションと同等の快適さが感じられます。洗濯機・キッチン・浴槽・クローゼット完備で、長期滞在でも住みやすい環境です。
共有設備(玄関口・ジム・プール等)



プール・ジム・テニスコート・ゴルフ練習スペースなど、共用設備が非常に充実しています。


また、敷地内にはファミリーマート、ハーゲンダッツ、日本食レストラン「膳-ZEN-」、松屋といった日系店舗が揃っており、生活利便性が高い点が印象的でした。
\Saigon Sky Gardenをもっと知りたい方はこちら/
不動産ツアーで見えてきたリアルな現地事情
エヌアセット様のご案内で、2つの異なるエリアを視察
今回の視察では、日系不動産会社「エヌアセットベトナム」様のご案内のもと、2つのタイプの不動産エリアを訪問しました。
ひとつは、ベトナム南部の工業集積地として注目される【ビンズオン新都市ビンズン省】、もうひとつは、都心の高層コンドミニアムが立ち並ぶ【ホーチミン市のCBD(住宅開発エリア)】です。
【ビンズオン新都市】郊外のスマートタウン開発が進む注目エリア

ビンズオン新都市は、ホーチミンから車で1時間20分程度の外資誘致に積極的なエリアです。都市開発は、日本の東急とベトナム国営のベカメックスIDCによる合弁会社「ベカメックス東急」が手がけています。

ベカメックス東急のジオラマ模型でも確認できたように、ビンズオン新都市では都市インフラと住宅・商業施設の開発が一体で進められており、街づくり全体に“日本らしさ”が随所に見られる点が印象的でした。
現地には複数の工業団地が点在しており、入居者ターゲットは主に外国人マネージャーや現地のアッパーミドルです。メトロの延伸計画も進行中であり、今後は交通利便性の向上も期待されています。
ベカメックス東急内にあるTHE TENのモデルルーム(2025年7月)



商業施設(2025年7月)



ビンズオン新都市の玄関口に位置するSORA gardensは、TOKYU Garden Cityの基盤となるプロジェクトです。SORA gardens SCは、ビンズン新都市初のショッピングセンターとして開業しました。センター内の出店店舗だけでなく、レイアウトにも日本の雰囲気が感じられる施設でした。
インフラ(2025年7月)

ビンズオン新都市内を走るシャトルバス「KAZE SHUTTLE」は、「安全・快適・責任」を掲げ、個人のバイク移動から公共交通への移行を促す取り組みとして注目されています。交通インフラの観点から、持続的な都市発展を支えています。

ベトナム国内ではバイク通勤が主流です。
実際、駅前にオフィスを構える企業を訪問した際、「社員全員がバイクで通勤しています」と語る現地の方もいました。
今後、都市インフラの整備が進むにつれて、こうした移動手段がどのように変化していくのかも注目されます。
MIDORI PARK The GLORY(2025年7月)




(出典:東急ガーデンシティ)








マンション内には、プールやアスレチック、ジムなどの共用施設が充実しており、日常の中で気軽にリフレッシュできる環境が整っています。



実際に訪問した際も、子どもたちが元気に遊ぶ姿や、ご家族がプールサイドでくつろぐ様子が見られ、居住者にとって大きな魅力となっていることが伝わってきました。
【CBD編】富裕層向けの高層物件で味わうラグジュアリー
ホーチミン住宅開発エリア(CBDから2km圏内)には、外資系デベロッパーや国際ホテルブランドが手がける高級マンションが集中しています。
実際に内覧した物件は、いずれも眺望・内装・水回り・共用施設のすべてが高水準。
アッパーミドル~富裕層や外資系企業のエグゼクティブをターゲットとした、ハイクラスな生活設計が印象的でした。
①Sunwah PearSunwah Pearl(2025年7月)




②Vinhome Golden River(2025年7月)






ホーチミンでの生活コストは?住環境や利便性をチェック
スーパー・医療・飲食の価格感
ホーチミンの生活費は、東京と比べて抑えやすく、長期滞在者や駐在員にとって大きな魅力のひとつです。
- ローカルスーパーの食材価格は、日本の6〜7割程度
- ローカル外食は1食300〜500円、日本食でも1,000〜1,500円が目安\
- 日本語対応の病院や歯科も複数あり、海外旅行保険も利用可能
生活インフラが整っているうえ、医療や食の選択肢も豊富。物価だけでなく「安心して暮らせる」点も大きなメリットといえるでしょう。
まとめ
今回の現地視察を通じて感じたのは、ホーチミンという街が、今まさに大きな変化の中にあるということ。
不動産価格は着実に上昇している一方で、都市としての伸びしろやポテンシャルには、まだまだ余白があるように感じました。
特に印象的だったのは、街に漂うエネルギーと“人の流れ”。暮らしやすさ・利便性・インフラ整備が着実に進む一方で、どこか余白のある風景もまた、この街の魅力のひとつです。
「これからどう変わっていくのか」
―そんな期待を抱かせてくれる場所、ホーチミン。都市開発の現在地を肌で感じた今回の体験は、未来の姿を想像する上でも、大きなヒントになりました。
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不動産会社様のご紹介
エヌアセットベトナム様/Saigon Sky Garden様
今回の視察では、日系不動産会社「エヌアセットベトナム」様と、サービスアパートメント「Saigon Sky Garden(サイゴン・スカイガーデン)」様のご協力をいただきました。
エヌアセットベトナム様について
ホーチミンを拠点にベトナム全域の不動産を取り扱う日系企業です。日本語対応の現地スタッフが、物件案内から契約・法務面まで一貫してサポートします。初めての現地視察でも安心して参加できる体制が整っています。
Saigon Sky Garden様について
ホーチミン市1区、日本人街の中心に位置する歴史あるサービスアパートメントです。1998年竣工の伊藤忠商事が現地パートナーと合弁で運営しています。家具付き・充実した共用施設が魅力。ジムやプール、日本食レストランもあり、海外生活初心者の方でも安心して快適に暮らせる環境が整っています。
今回ご紹介したSaigon Sky Gardenに関して、Nアセット様が公開している動画を見たい方はこちら!
※この記事はすみかうる編集部現地視察の情報をもとに構成しています
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