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【2026年マンション市場予測】金利上昇・税制改正・転売規制の影響は?

マンションの価格は新築・中古ともに10年以上、ほぼ一貫して上昇を続けています。一方で、エリア間の格差は広がり、都市部を中心とした賃料の顕著な上昇など、市場環境にも変化が見られるようになってきました。

2026年も、マンション価格は上昇を続けるのでしょうか?さくら事務所会長で不動産コンサルタントの長嶋修さんに聞きました。

お話を伺った方
長嶋修

株式会社さくら事務所創業者・会長
不動産コンサルタント

長嶋 修

1967年、東京生まれ。1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社・さくら事務所を設立、現会長。業界の第一人者として不動産購入のノウハウにとどまらず、業界・政策提言にも言及するなど精力的に活動。TV等メディア出演、講演、出版・執筆活動など、様々な活動を通じて『第三者性を堅持した不動産コンサルタント』第一人者としての地位を築く。

目次

2025年マンション市場の振り返り

まずは、2025年のマンション市場を振り返ります。新築・中古ともに価格は高水準を維持する一方で、供給数やエリア別の動きには明確な差が見られました。

新築マンション

2025年の新築マンションの平均平米単価は、首都圏が139.2万円/㎡、近畿圏が95.3万円/㎡でいずれも最高値を更新しました。

一方、供給数は首都圏が2万1,962戸で、1973年以降の最少を更新近畿圏の供給数は、前年比11.8%増の1万6,922戸で4年ぶりの増加に転じています。

長嶋修さん

2013年のアベノミクス、黒田バズーカ以降、異次元の金融緩和を追い風に、立地の良いマンションの価格は継続的に上昇してきました。
一方で、新築マンションの供給戸数は減少傾向にあり、供給エリアもグロスが高い好立地に偏っているため、実態以上に価格が「上がっているように見える」側面もあります。

中古マンション

首都圏 中古マンション 価格推移
出典:東日本不動産流通機構

中古マンションの平均価格も、首都圏・近畿圏ともに上昇したものの、いずれも都心部が上昇を牽引している形です。上記のグラフは、首都圏の中古マンションの成約価格や成約件数の推移を表していますが、都区部(23区)が大きく価格を伸ばしている中、都下や他の三県は2023年以降、ほとんど価格が上がっていません。

近畿圏 中古マンション 価格推移
出典:近畿圏不動産流通機構

近畿圏も価格上昇の中心は大阪市であり、その他のエリアではほとんど上昇が見られず、中には調整局面に入っている地域もあります。

ただ、こうしたマクロな相場動向だけでは需要の実態までは見えにくく、実際には都心部以外の一部エリアでは需要が高まっている動きも見られるようです。

長嶋修さん

都心部以外も一枚岩ではなく、過度に価格が高騰した都心部で購入できない層が流入し、価格を押し上げているエリアもあります。
首都圏でいえば都心5区、6区あたりが「ベスト」な立地だとすれば、都下や他三県の都心部に出やすい駅近エリアが「セカンドベスト」になってきます。2025年はセカンドベストの立地も価格が顕著に上がってきましたから、23区内の駅徒歩15分圏内、あるいは都下や他三県の駅徒歩10分圏内ほどの「サードベスト」のエリアの需要の高まりが見られました。

都心部では家賃も急騰

都市部 賃料 推移
出典:東京カンテイ

2025年は、マンションの賃料の上昇も目立った1年となりました。賃料はこれまでも緩やかに上昇傾向にあったものの、都市部を中心に2024年から2025年にかけて急騰。一般的に、家賃の可処分所得割合は25〜30%が適切とされる中、東京23区では2025年11月の2人以上の勤労世帯の家賃負担割合が可処分所得の45.5%に達しました。

長嶋修さん

賃料の上昇要因としては、もちろん価格の上昇の影響もありますが、「インフレマインド」が浸透したということが大きいと思います。
これまで約30年続いたデフレの影響で、賃貸オーナーには「家賃は上がらないもの」「むしろ築年数が経てば下げるもの」という意識が根強くあったはずです。
しかし、近年は人件費や修繕費などのコストが明確に上昇し、従来の賃料水準では賃貸経営が成り立ちにくくなっています。周囲の物件が家賃を引き上げ始めたことも後押しし、2025年に入ってから賃料上昇のトレンドが明確になりだしたのではないでしょうか。

2026年マンション市場はどうなる?

2025年は、マンション価格の上昇が続く一方で、エリアや物件条件による差がより鮮明になった年でした。

こうした流れを受けて、2026年のマンション市場はどう動くのでしょうか。

金利上昇の影響は?

日本銀行は2025年12月の金融政策決定会合で、政策金利を0.5%程度から0.75%程度まで引き上げることを決定しました。これにより、2026年4月から多くの金融機関が変動型の住宅ローン金利を引き上げる可能性が高いものと考えられます。

2026年1月の金融政策決定会合での追加利上げは見送られたものの、依然として利上げの機運は高く、年内に1から2度の追加利上げがあるとの予測も目立ちます。住宅ローン金利の上昇は、基本的に不動産の購買意欲を下げるものです。2026年は、金利上昇によるマンション価格の下落や市場の停滞があるのでしょうか。

長嶋修さん

都心・駅前・駅近・タワー・大規模に代表される好条件のマンションの購入層は総じて現金比率が高く、金利以上に資産性を重視している向きもありますので、ほぼ金利上昇の影響を受けないと思います。
一方で、住宅ローンの比率が高い価格帯の物件は、少なからず影響を受けることになるでしょう。ただ、0.25〜1%程度の政策金利の上昇であれば、それが大ブレーキとなってマンション価格の大暴落につながるようなことはないのではないでしょうか。

住宅ローン控除「拡充」のインパクト

2026年度税制改正 住宅ローン控除
出典:国土交通省「令和8年度税制改正概要

2026年度税制改正によって、住宅ローン控除の適用期限が延長し、中古住宅の控除期間と借入限度額が引き上げられる見通しです。住宅ローン控除とは、年末の住宅ローン残高の0.7%を上限に10年、あるいは13年にわたって所得税および一部住民税を控除する制度です。

これまで控除期間、借入限度額ともに新築住宅が優遇されていましたが、改正後は中古住宅の最長控除期間は新築と同じく13年に引き上げられ、借入限度額も新築とほぼ同等になります。また、これまで新築住宅に限定されていた「40㎡以上」という床面積要件も、改正後は中古住宅にも適用される見通しです。(所得等制限あり)

長嶋修さん

中古住宅の控除期間延長、借入限度額引き上げは、金利上昇によるマイナスを帳消しにするほどの効果があるかもしれません。
とくに今回新たに住宅ローン控除の対象となる40㎡〜50㎡の中古マンションは、しばらく狙い目でしょう。こうした改正が市場に認識されるまでには一定の時間を要しますが、確実に需要が高まることになると思います。

転売規制・外国人の購入規制の行方

千代田区は2025年7月、過度な住宅価格や賃料の上昇を危惧し、不動産協会に対して一部の新築マンションの短期転売を規制することなどを要請しました。不動産協会は2025年末、この要請に対し、登記・購入戸数の上限制限や契約・登記等名義の厳格化、引き渡しまでの売却活動禁止などの取り組み方針を発表しています。

また、2025年10月に発足した高市早苗政権は、外国人による投機的のマンション取引規制を検討しており、2026年にはなんらかの方針が示される可能性があります。

長嶋修さん

転売規制や外国人の購入規制をしたところで、市場を冷やすことにはならないと思います。行き過ぎたバブルが抑制されることはあったとしても、都心部のマンションは、転売目的や外国籍の方を補って余りあるだけの旺盛な需要が控えています。

「中古住宅シフト」が加速

2026年の新築マンションの供給予測は、首都圏は前年比2.2%増の2.3万戸、近畿圏は同3.2%増の1.6万戸となっています。首都圏は東京23区のシェアダウンにより、価格上昇が一服する見通しです。

一方、近畿圏は大阪市部や京都市部など主要エリアの供給数が増加する見通しのため、平均価格のもう一段の上昇が見込まれます。90年代〜2000年代のピーク時の新築マンション供給数は、首都圏が9万戸超、近畿圏が4万戸超。

当時と比べると、市場規模は大きく縮小しています。

長嶋修さん

すでに見られていることですが、2026年は「中古住宅シフト」が一段と加速することになると思います。かつては「新築が買えない人が買うもの」などネガティブなイメージがあった中古住宅も、ここ数年で大きく見られ方が変わりました。

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2026年マンション売買の勝ち筋は

市場環境の変化や金利上昇が危惧されるなか、2026年は買い時・売り時の判断や物件選びの重要性がより一層高まります。最後に、2026年のマンション売買の“勝ち筋”を長嶋さんに聞きました。

需要の波は「フォースベスト」にまで到達するのか

都心5区、6区などの「ベスト」な立地のマンション価格は、一般的な収入の世帯が手が届かない水準にまで達しています。需要は「セカンドベスト」「サードベスト」へと段階的に広がっていきましたが、2026年はバス便エリアやさらに郊外のエリアといった「フォースベスト」にまで需要が波及するのでしょうか?

長嶋修さん

90年代のバブル時には、一都三県を超えて栃木や茨城まで需要が拡大しましたが、今の人口・世帯数を考えれば、4番手、5番手の「ベスト」はないのではないでしょうか。23区内であっても、バス便エリアの需要が期待できるのは限定的。郊外となれば、さらにレンジは狭くなるはずです。

セカンドベスト、サードベストまでは、大幅な価格上昇は起きなくても、一定の資産価値が維持できる可能性が高いと思います。
一方で、4番手、5番手のエリアになってくると、今回はおそらく何も起きず、次第に価値が落ちていくことになるのではないでしょうか。

大阪・福岡は「価格上昇率」の優位性が高い

新築・中古ともに最もマンション価格が高いのは、言わずもがな「東京」ということになりますが、2025年10月までの半年間のマンション価格上昇率は「大阪」が東京を上回っています。大阪の上昇率は、東京どころか世界の主要国を上回り、世界トップとなりました。

長嶋修さん

私は2〜3年前から「上昇率でいえば今後は大阪・福岡」と言い続けてきましたが、実際に昨今の上昇率は著しいものがあります。
ずいぶん上がったと感じている方も多いでしょうが、東京都心部と比べればまだまだ割安感があるため、今年、来年ともう一段の上昇があると思います。

需要が下がり始めているエリアは2026年以降さらに下がることに

近年は「マンション価格の高騰」「過去最高値更新」といったニュースが目立ちますが、実際にはすべてのエリアが上昇しているわけではありません。すでに需要が弱まり、価格調整局面に入っている地域も見られます。こうしたエリアのマンションは金利上昇の影響を受けやすく、2026年以降、顕著に価格が落ちていく可能性があります。

長嶋修さん

今後、大半の不動産は価格を下げていくことになるでしょう。すでに価格が落ち始めている不動産は、金利が変わらなかったとしても、程度の差はあれど中長期的には落ちていく一方だと思います。
経済合理的には、こうした不動産は選ばないべきであり、お持ちであれば一刻も早く売るべきということになります。

とはいえ、住まいに求めることは経済合理性だけではないはずです。
マンション市場はこれから、「価格が下がるか上がるか」という単純な議論では語れない時代に突入します。2026年は、不動産が「持っていれば安心な資産」から、「中身を問われる資産」へと完全に移行する年になるのではないでしょうか。立地だけでなく、建物の性能や管理状態、災害リスクを見極めることが大切であり、こうした「理由のある価値」を持つ不動産だけが選ばれる市場になっていくと見ています。

まとめ

マンション価格は高騰基調を維持していますが、それは「平均値」に限ったことであり、都心部が牽引している形です。エリアや立地によって需給の状況は大きく異なり、すでに価格調整に入っている地域も見られます。2026年は、市場全体の動きだけで判断するのではなく、ミクロなエリアごとの需給に加え、物件そのものの安全性や快適性、持続可能性を見極める視点がより重要になっていくでしょう。

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この記事を書いた人

亀梨奈美のアバター 亀梨奈美 不動産ジャーナリスト/株式会社realwave代表取締役

大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。
2020年11月 株式会社real wave 設立。
不動産会社在籍時代は、都心部の支店を中心に契約書や各書面のチェック、監査業務に従事。プライベートでも複数の不動産売買歴あり。
不動産業界に携わって10年以上の経験を活かし、「わかりにくい不動産のことを初心者にもわかりやすく」をモットーに各メディアにて不動産記事を多数執筆。

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