アイランドキッチンとは
「アイランドキッチン」とは、島のように独立したレイアウトのキッチンのことです。
通常のキッチンが壁沿いに配置されるのに対して、アイランドキッチンは中央に台形や長方形のカウンターや調理スペースが配置されます。
キッチンの周囲に動きやすい空間が生まれるため、調理する際の利便性が高く、家族や友人とのコミュニケーションも取りやすくなります。
スタイリッシュなアイランドキッチンは、モダンで開放感のあるインテリアスタイルを好む人におすすめです。
アイランドキッチンがやめとけと言われる理由
スタイリッシュなデザインと機能性、コミュニケーションを楽しみながら料理ができるという点が人気のアイランドキッチン。
魅力の多いキッチンですが、設置には制限も多く、人によって向き不向きがあります。
こちらでは、アイランドキッチンがやめとけと言われる理由を、それぞれ詳しく紹介します。
リビングが狭くなる
アイランドキッチンは、中央に大きなカウンターや調理スペースを配置するため、広い空間が必要です。
間取りを共有するLDKの場合は、アイランドキッチンを設置すると、思った以上に部屋が狭くなることがあります。
さらに、周囲には人が通り抜けられる十分な通路も必要です。
狭いリビングだと、この動線を確保するのが難しくなり、結果として使い勝手が悪くなってしまうことも。
通常の壁付けキッチンより広いスペースが必要になることを考慮して、導入を検討しましょう。
収納スペースが少ない
広々としたアイランドキッチンは、一見すると収納スペースが豊富に見えるかもしれません。
しかし、吊り戸棚などの収納スペースが設置されないケースが多いため、食器や調理器具の収納場所が不足することがあります。
その場合は、キャビネットの設置や、パントリーの活用など、キッチン以外に収納場所を設ける必要があるでしょう。
リビングの広さや間取りに制限がある場合には、収納スペースの確保が問題になります。
掃除の手間がかかる
掃除の手間がかかることも、「アイランドキッチンはやめとけ」と言われる理由です。
キッチンの周囲には壁がないため、コンロからの油はねが床や天井まで飛び散ってしまうことも。
そのため、通常のキッチンよりもこまめな掃除が必要です。
さらに、油を放置すると床が滑りやすくなり、転倒の危険性が高まるだけでなく、家全体に汚れが広がってしまう可能性があります。
料理後に毎回、床やカウンター、さらには周囲の家具まで丁寧に掃除をしなければならないのは、時間的にも労力的にも大変です。
毎日自炊をする人や、小さなお子さんがいる家庭では、掃除の手間が大きな負担になることもあるでしょう。
キッチンの散らかりが目立つ
アイランドキッチンでは常に整理整頓を心掛け、清潔感を保つことが求められます。
アイランドキッチンは家族や来客が頻繁に集まる家の中心にあるため、少しの汚れや乱れがすぐに目立ってしまいます。
散らかったキッチンが目に入ると家事のモチベーションが下がるだけでなく、急な来客の際などに恥ずかしい思いをしてしまうかもしれません。
また、掃除が行き届いていないと、スタイリッシュなアイランドキッチンの魅力が損なわれてしまう点も、気をつけたいポイントです。
子どもの安全を確保するのが難しい
左右から回り込めるアイランドキッチンは、子どもが立ち入りやすく、調理中に危険を感じることがあります。
壁付けキッチンの場合は、片側にベビーゲートを設置すれば立ち入りを防止できますが、アイランドキッチンの場合は設置場所に工夫が必要です。
さらに、ゲートで侵入を防いでも、調理台の対面から子どもが手を伸ばしてしまうことも。
小さい子どもは好奇心旺盛で何にでも触りたがるため、包丁やフライパンなどの置き場所にも気をつけなければいけません。
小さい子どもがいる場合は、通路の両側にベビーゲートを設置したり、目の届く範囲にベビーサークルを設置したりして安全を確保しましょう。
アイランドキッチンのメリット3選
「アイランドキッチンはやめとけ」と聞くと、悪い点ばかりに思えてしまうかもしれませんが、実用性やデザイン性など多くのメリットもあります。
今回は、その中でも特に注目すべきメリットを3つ紹介します。
キッチンスペースが広い
アイランドキッチンのメリットの一つは、広々とした調理スペースを確保できることです。
カウンターを中央に配置することで、キッチンの周囲から自由にアクセスでき、料理や配膳準備もスムーズに行えます。
また、複数人での調理もしやすいため、家族や友人と共同で料理づくりを楽しめる点も魅力です。
作業を効率的に行える動線が確保されていることで、毎日の食事の準備も一段と快適になるでしょう。
コミュニケーションの場になる
アイランドキッチンのもう一つの大きな魅力は、コミュニケーションの場を提供してくれることです。
キッチン周りに壁や仕切りがないので、調理中でも家族や友人と向かい合って話ができます。
料理をしながらでも、自然と交流が生まれるため、家族や友人が集まるホームパーティーなどでは、楽しいひとときを共有できるでしょう。
見た目がおしゃれ
洗練された空間を演出できるのも、アイランドキッチンならではのメリットです。
シンプルでありながら存在感のあるデザインは、モダンなインテリアとも相性がよく、ハイセンスでスタイリッシュな印象を与えます。
また、LDKの中心に配置されたアイランドキッチンは、家のイメージを左右するインテリアの要にもなります。
オープンなレイアウトは視覚的にも広がりを感じさせ、家全体を明るく開放的にみせてくれる効果が期待できるでしょう。
アイランドキッチンのデメリット3選
こちらでは、「アイランドキッチンはやめとけと言われる理由」で紹介したもの以外に、知っておきたいデメリットを3つ紹介します。
設置費用が高い
アイランドキッチンの価格は、一般的な「I型キッチン」などよりも高額です。
注文住宅のキッチンの費用相場は、以下の通り。
| キッチンの種類 | 相場 |
|---|---|
| I型キッチン | 約15万～150万円 |
| L型キッチン | 約30万～180万円 |
| アイランドキッチン | 約120万～200万円 |
独立した形状のアイランドキッチンは、使用する化粧板などの部材が増えるため、全体的に高額になりやすい傾向があります。
インテリアの一部として、品質やデザインにこだわった製品を選ぶ場合は、さらに費用がかかります。
初期投資が大きいため、予算に余裕がないと導入が難しい点がデメリットです。
布製品に匂いが移る
アイランドキッチンは、リビングやダイニングと一体化したオープンな空間に設置されることが多いため、調理中の匂いが部屋全体に広がりやすくなります。
特に、カーテンやソファなどの布製品は匂いを吸着しやすく、焼き魚や揚げ物などを頻繁につくる家庭では、匂い移りが気になるでしょう。
染み込んだ油の匂いは残りやすく、リビングやダイニングで寛いでいる時に、不快に感じることがあるかもしれません。
調理中の音が気になる
アイランドキッチンはオープンスペースに設置されるため、調理中の音がダイレクトにリビングやダイニングに響きます。
家族がリビングでくつろいでいる時やテレビを見ている時に、調理の音が気になりやすいのが難点です。
特に、ミキサーやフードプロセッサーなどの大きな音を発する家電を使用する際には、音が部屋中に響き渡り、家族の会話やリラックスタイムを妨げることがあります。
アイランドキッチンにして後悔しないために
ここまで、メリット・デメリットの両方を紹介してきましたが、デザイン性の高さや機能面に魅力を感じてアイランドキッチンを導入したいと思っている人もいるでしょう。
そこで、アイランドキッチンにして後悔しないために、いくつかの工夫と対策を紹介します。
やめとけと言われる理由で多かった、「掃除が面倒」「子どもが心配」「匂いや音が気になる」点について、それぞれ詳しくお伝えします。
掃除の手間を減らす
アイランドキッチンの掃除の手間を省くには、以下のような対策が有効です。
- 汚れが落ちやすい素材や製品を選ぶ
- 油はね防止のためのスクリーンやカバーを利用する
- 定期的に掃除する日を決める
また、調理中に飛び散った汚れはすぐに拭き取るなど、日々のちょっとした心掛けも重要です。
安全を確保する
油はねで家族がやけどをしたり、子どもがキッチンに近づいたりしないように対策することも重要です。
- ベビーゲートやサークルを設置する
- コンロ周りに油はね防止のガードを設置する
- 鋭利な調理道具は子どもの手が届かない場所に収納する
適切な対策をすれば、子どものいる家庭でもアイランドキッチンを安全に利用することができます。
快適に使用できる環境を整える
アイランドキッチンの匂いや音の問題には、以下のような対策が有効です。
- 強力な換気扇を設置する
- 空気清浄機を使用する
- 静音タイプの調理家電を選ぶ
匂いを完全に防ぐのは難しいですが、換気能力の高い換気扇の設置や、キッチンに空気清浄機を置くことである程度軽減できます。
また、稼働音の大きいミキサーやフードプロセッサーなどは静音設計のものを選ぶと、音を最小限に抑えることができます。
それでも気になる場合は、家族の生活リズムに合わせて調理時間を工夫したり、テレビの設置場所を変更したりするとよいでしょう。
アイランドキッチンを導入する際には、メリットとデメリットのバランスを見極め、自分のライフスタイルに合った選択をすることが大切です。
注文住宅でアイランドキッチンの導入を検討されている方は、スーモカウンターなどの相談窓口を利用するのもおすすめ。
ハウスメーカーによって導入できるアイランドキッチンが異なる場合があるので、予算や間取りの希望を伝えて、複数のハウスメーカーを比較検討することが重要です。
経験豊富なアドバイザーと一緒に、憧れのアイランドキッチンを実現できるハウスメーカーをみつけましょう。
