元本割れを起こした不動産クラウドファンディングはある？起こる原因や対策方法を解説

「実際に元本割れした不動産クラウドファンディングはどこ？」

「どんな元本割れ対策があるのか知りたい」

不動産クラウドファンディングは、比較的少額から不動産投資を始められるとして、人気を集めているサービスです。

サービスの利用を検討しているけど、元本割れして損をするのが怖い、という方も多いのではないでしょうか。

リスクを完全に排除することはできませんが、元本割れが発生する原因をしっかり理解し、対策を講じることで、元本割れリスクの軽減が可能です。

不動産クラウドファンディングが元本割れする原因と効果的な対策について、詳しく紹介します。

元本割れした不動産クラウドファンディングは？

過去に元本割れした不動産クラウドファンディングをリサーチしましたが、実際に元本割れが発生したサービスは見つかりませんでした。（2024年10月時点）

不動産クラウドファンディングは、インターネットを介して複数の投資家から集めた出資金をもとに、事業者が不動産を取得・運用し、得られた収益を投資家に分配する仕組みの不動産投資サービスです。

不動産クラウドファンディングにおける元本割れとは、ファンド運用終了後の償還金と配当の合計額が、出資金を下回ることを指します。

一般的な不動産クラウドファンディングには、元本保証がありません。

不動産クラウドファンディングには、元本割れリスクがあるため、サービスを利用する際には注意が必要です。

不動産クラウドファンディングが元本割れする原因3選！

不動産クラウドファンディングが元本割れする原因は、以下の3つです。

1. 事業者の倒産
2. 不動産価値の低下に伴う売却損の発生
3. 運用状況の悪化により想定されていた分配金が得られない

それぞれ解説します。

不動産クラウドファンディングが元本割れする原因1.事業者の倒産

不動産クラウドファンディングは、事業者の倒産により、元本割れする場合があります。

不動産クラウドファンディングサービスは、不動産特定共同事業法に基づき運営されている信頼性が高いサービスです。

しかし、事業者が倒産する可能性はゼロではありません。

事業者が倒産した場合は、出資金の全額もしくは一部が返還されない可能性があります。

また、倒産リスクは事業者によって異なるため、信頼できるサービスの見極めが大切です。

不動産クラウドファンディングが元本割れする原因2.不動産価値の低下に伴う売却損の発生

不動産クラウドファンディングでは、世界的な金融危機や自然災害の発生など、さまざまな要因により不動産価値が低下すると、想定されていた売却益が得られず元本割れが発生します。

不動産クラウドファンディングで得られる利益は、売却益のキャピタルゲインと賃貸収入のインカムゲインの2種類です。

サービスやファンドによって配当金の原資が異なり、2種類の収益を組み合わせたハイブリッド型もあります。

キャピタルゲイン型のファンドでは、投資対象物件の売却価格が購入金額を下回ると元本割れが発生するため、注意しましょう。

売却損が発生するケースがある一方で、不動産価値の上昇により、想定されていた利益を上回る可能性もあります。

不動産クラウドファンディングが元本割れする原因3.運用状況の悪化により想定されていた分配金が得られない

インカムゲイン型のファンドでは、運用状況の悪化により、想定されていた賃貸収入が得られなかった場合、元本割れが発生します。

入居率が低かったり、家賃の滞納があったり、運用状況によっては想定されていたインカムゲインが得られない可能性もあります。

不動産クラウドファンディングの元本割れ対策3選！

不動産クラウドファンディングの元本割れ対策は、以下の3つです。

1. 優先劣後システムを採用しているサービスを選ぶ
2. 事業者の信頼性を確認する
3. 分散投資でリスクを低減させる

それぞれ解説します。

不動産クラウドファンディングの元本割れ対策1.優先劣後システムを採用しているサービスを選ぶ

一般的な不動産クラウドファンディングには、元本保証がありません。

そのため、不動産クラウドファンディングの元本割れ対策には、優先劣後システムを採用しているサービスを選ぶとよいでしょう。

優先劣後システムは、優先出資者である投資家が利益を優先して受け取れる一方で、劣後出資者である事業者が先に損失を補填する仕組みです。

事業者が出資する割合を示す劣後出資割合の範囲内であれば、投資家の元本が守られます。

一般的な不動産クラウドファンディングの劣後出資割合は、10～30％程度です。

事業者やファンドによっても劣後出資割合は異なるため、できるだけ元本の安全性を高めたい方は、劣後出資割合が高いサービスやファンドを選びましょう。

不動産クラウドファンディングの元本割れ対策2.事業者の信頼性を確認する

不動産クラウドファンディングの元本割れ対策には、事業者の信頼性を確認することも重要です。

不動産クラウドファンディングの運営には、不動産特定共同事業者の許可が必須のため、比較的信頼性の高いサービスだと言えます。

しかし、運営会社の経営状態やファンド運用実績、配当遅延、元本割れ発生の有無などは、利用するサービスによって異なるため、注意が必要です。

また、現時点では元本割れなしでも、今後も元本割れが発生しないとは限りません。

運営会社の情報や償還実績、ファンドの物件内容などをしっかり確認して、信頼できるサービスを見極めることが大切です。

運営会社が上場企業の場合、厳しい基準をクリアして証券取引所に上場しており、非上場企業と比較すると、経営基盤が安定している傾向があるため、サービスを利用する際に安心感があります。

また、一般的には高利回りファンドほどリスクも高まる傾向があるため、リスクを抑えたい方は、安易に利回りだけで投資を判断しないようにしましょう。

不動産クラウドファンディングの元本割れ対策3.分散投資でリスクを低減

不動産クラウドファンディングの元本割れ対策には、分散投資も効果的です。

1つの不動産に資金を集中させると、不動産価格の下落などにより、資産全体が大きなダメージを受けます。

しかし、投資対象物件やエリア、利用するサービスなどを分散させることで、特定の不動産の影響を受けにくくなり、1つの不動産価値が低下しても、その他の不動産で損失をカバーできます。

不動産クラウドファンディングは、1口数万円程度から始められるため、分散投資しやすいメリットもあるでしょう。

多くの不動産クラウドファンディングでは、原則中途解約できません。

ファンド運用中に現金化できないため、急に資金が必要になった場合は、対応できないケースもあります。

運用期間は、数カ月から数年程度とファンドによって異なりますが、一定期間資金が拘束されるため、当面使う予定のない余裕資金を充てることが大切です。

まとめ

今回紹介した不動産クラウドファンディングの元本割れについて、重要なポイントを4つにまとめました。

• 現時点で元本割れした不動産クラウドファンディングは発見できていない（2024年10月時点）
• 優先劣後システムを採用しているサービスを選ぶ
• 事業者の信頼性を確認する
• 分散投資で元本割れリスクを抑えられる

不動産クラウドファンディングには、元本割れリスクがあることを十分に理解したうえで、サービスを利用してくださいね。