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大手不動産デベロッパー会社が分譲している、ブランドマンション。高い人気を誇り、中古になっても価値が落ちない物件も多くあります。
今回、マンションリサーチ株式会社はブランドマンションの中古取引は関連不動産会社による仲介が多いのか検証いたしました。
東京都23区の各大手不動産仲介会社の市場規模を基準とし「各ブランドマンションがどの程度、仲介されているのか=販売業務受託力」を定量化。相対的に各社の各ブランドマンションの販売業務受託力を比較し、さらに各社の自社ブランドマンション販売への依存度を明らかにしていきます。
・三井不動産「パーク・ホームズ」
・住友不動産「シティー・タワー」
・野村不動産「プラウド」
・三菱地所レジデンス「パークハウス」
・東急不動産「ブランズ」
・東京建物「ブリリア」
以下の基準で、大手不動産仲介会社における上記6つのブランドマンションの売出数の割合および販売業務受託力を調査しました。
➀東京23区全体の中古マンション売出数に対する各社の売出数の割合
➁東京23区全体のブランドマンション売出数に対する各社のブランドマンションの売出数の割合
③各社のブランドマンションの販売業務受託力(➁/➀)
➁の各社のブランドマンションの売出数の割合が、➀で示すマーケットシェアの何倍かを示す。この数値が高いほど「販売業務受託力」が高いと推測できる。
④ブランドマンション売出総数に対する各社の売出総数の割合
➀で示すマーケットシェアに対する、各ブランドマンションの依存度を示す。
まずは、三井不動産会社の「パーク・ホームズ」。関連仲介会社は「三井のリハウス」でおなじみの三井不動産リアルティです。
東京23区全体の中古マンション販売シェアは、2019年から継続して8%台。大手不動産仲介会社の中でも、トップレベルの水準です。
続いて「パーク・ホームズ」の売出数の割合です。各社、23区全体の中古マンション売出数シェアより高い水準のみ色付けしています。
やはり、三井不動リアルティの水準が非常に高いことがわかります。2021年4月末は、4割超。他社を凌駕しています。
自社ブランドである「パーク・ホームズ」の販売受託力は、自社の中古マンション売出数シェアと比較しても4~5倍高く、他社と比べても非常に高い水準となっています。
従って、三井不動産リアルティは自社ブランド「パーク・ホームズ」の販売受託力は高いと判断できます。
最後に、三井住友不動産リアルティの全体売出数に対する「パーク・ホームズ」売出数の割合を見てみると「5%」前後となっています。
他社と比較して高い水準ではあるものの、三井不動産リアルティ単体の構成比として決して依存度が高い水準とはいえません。
続いて、住友不動産の「シティー・タワー」。関連仲介会社は、住友不動産販売です。
東京23区全体の中古マンション売出数シェアは「8~11%」。2021年4月末時点では、大手6社の中でトップです。
さて、続いて「シティー・タワー」全体の売出数に対する各社の割合を見ていきましょう。
住友不動産販売は「3割前後」。2021年4月末時点では4割と、非常に高いシェア率となっています。
自社ブランド「シティー・タワー」の販売受託力は、自社の中古マンション売出数シェアと比較して3倍以上。相対的に他社と比較して非常に高い水準ですが、2020年には東京建物不動産販売が住友不動産販売を超えています。
東京建物不動産販売は、その他の年も他社と比べて高い水準で推移しているようです。
住友不動産販売の中古マンション全体の売出数に対する「シティー・タワー」売出数の割合は「5%弱」です。
他社と比較して高い水準ではあるものの、依存度が高いといえるほどではありません。
3つ目のブランドマンションは、野村不動産の「プラウド」。関連仲介会社は「野村の仲介+」「ノムコム」で知られている野村不動産ソリューションズ(旧:野村不動産アーバンネット)です。
野村不動産ソリューションズの東京23区全体の中古マンション売出数シェアは「4~5%」。大手6社の中では4番手の水準です。
東京23区内の「プラウド」全体の売出数に対する各社の割合を見てみると、やはり野村不動産ソリューションズが他社を凌駕しており「3~4割」と非常に高い水準です。
自社ブランドである「プラウド」の販売受託力は、自社の全体シェアと比較して約6.5~11倍と高く、他社を引き離しています。
野村不動産ソリューションズの中古マンション売出数に対する「プラウド」の売出数の割合は「10%前後」と高い水準です。
販売マンションの10戸に1戸ほどは「プラウド」ということ。従って、野村不動産ソリューションズは、やや自社ブランドマンションへの依存度が高いといえそうです。
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続いては、三菱地所レジデンスの「パークハウス」。関連仲介会社は、三菱地所ハウスネットです。
三菱地所ハウスネットの東京23区全体の中古マンション売出数シェアは「1%以下」。大手6社の中では最も小さく、ここ数年は減少傾向にあるようです。
東京23区内の「パークハウス」全体の売出数に対する各社の割合を見てみると、とりわけ三菱地所ハウスネットが高いということはないようです。
2021年4月末時点の水準では、三井不動産リアルティ、東急リバブルに次いで3位となっています。
「パークハウス」総売出数のうち三菱地所ハウスネットが占める割合は高くないものの、自社全体のシェアと比較すると非常に高い水準です。
この割合はここ数年で上昇傾向にあり、販売受託力に関していえば非常に高いといえるでしょう。
三菱地所ハウスネットの売出総数に対する「パークハウス」の売出数は、直近のデータで「40%」。これは他社の自社ブランドマンションの販売割合と比較しても、非常に高い水準であり、依存度が高いと判断できます。
さて続いては、東急不動産の「ブランズ」。関連仲介会社は、東急リバブルです。
東京23区全体の中古マンション売出数は、大手6社の中でもトップレベル。直近2021年4月末のデータでは、住友不動産販売に次いで2位となっています。
東京23区内の「ブランズ」全体の売出数に対する各社の割合は、東急リバブルが「3割前後」と非常に高い水準となっています。
東急リバブルの自社ブランド「ブランズ」販売受託力は、自社の全体シェアと比較して「4倍弱」。他社と比較しても、高い水準となっています。
また三井不動産リアルティ、野村不動産アーバンネットも、大手の中では高い傾向にあるようです。
東急リバブルの売出総数に対する「ブランズ」の売出数は「1%台」。他社と比較してもわずかに高い程度で、自社ブランドマンション販売への依存度は低いと判断できます。
最後は、東京建物の「ブリリア」。関連仲介会社は、東京建物不動産販売です。
東京23区全体の中古マンション売出数の割合は「1%以下」と、大手6社の中でも非常に低いようです。
その一方で、東京建物不動産販売の自社ブランドマンション「ブリリア」の販売シェアは「3割前後」と高く、他社と比較しても高い水準となっています。
マーケットシェアが大手6社の中では小さいながらも、自社ブランドマンション「ブリリア」の販売業務受託力に関しては、自社内全体シェアと比較して50倍前後と非常に高いようです。
東京建物不動産販売の売出総数に対する「ブリリア」売出数の割合は「30%前後」。自社ブランドマンション販売への依存度は、非常に高いと判断できます。
今回の調査結果から、いずれの大手不動産仲介会社も自社ブランドマンションの販売業務受託力は他社と比較して高くなる傾向にあることがわかりました。
しかし、仲介会社の自社ブランドマンション販売に対する依存度は、仲介会社のマーケットシェアが高ければ高いほど低いようです。つまり、マーケットシェアが高い仲介会社ほど多種多様なマンションを扱い、低い仲介会社ほど自社ブランドマンションの比率が高く、限定的になっているものと考えられます。
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大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。
2020年11月 株式会社real wave 設立。
不動産会社在籍時代は、都心部の支店を中心に契約書や各書面のチェック、監査業務に従事。プライベートでも複数の不動産売買歴あり。
不動産業界に携わって10年以上の経験を活かし、「わかりにくい不動産のことを初心者にもわかりやすく」をモットーに各メディアにて不動産記事を多数執筆。
え?そんなに高く売れたの!?
今売ったらいくら?