近年、東京の交通網は急速に進化しています。
その中でも注目すべきは、東京メトロ有楽町線の延伸計画です。特に、豊洲駅から住吉駅に到るまでの延伸は、周辺の住宅市場にも大きな影響を与えることが予想されています。
この記事では、有楽町線延伸計画の詳細と、それが住吉駅や豊洲駅周辺のマンション相場にどのように影響を与えるかを、最新のデータと共に詳しく解説していきます。
有楽町線延伸計画とは?
豊洲駅〜住吉駅を結ぶ延伸計画の概要
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【出典:マンションリサーチ株式会社 福嶋総研】
有楽町線延伸計画は、東京の交通インフラの中でも大きな転換点となるプロジェクトです。
現在、豊洲駅と住吉駅を結ぶ延伸が計画されており、これにより東西間の移動が格段にスムーズになります。延伸区間は約5km、これにより住吉駅と豊洲駅を含むエリアは、従来の交通網に比べて都心へのアクセスが大幅に改善することが期待されています。
具体的には、新たに「仙石駅(仮)」や「枝川駅(仮)」という駅が設置される予定で、これらの新駅が沿線エリアの発展にどのように影響を与えるかは、非常に注目されています。特に、これらの駅周辺は今後のマンション相場にとって重要なポイントとなるでしょう。
延伸の目的と狙い
延伸計画の最大の目的は、交通利便性の向上です。
住吉駅や豊洲駅周辺へのアクセスが改善されることで、これらのエリアはより多くの人々にとって魅力的な居住地となり、住宅需要が増加することが予想されています。また、交通の便が良くなることで、周辺の商業施設や飲食店などの発展が期待され、さらにエリア全体の魅力が高まるでしょう。
もう一つの大きな狙いは、東京メトロの他路線やJRの混雑緩和です。今回の延伸はその混雑解消に貢献することが期待されています。
有楽町線延伸で変わる住吉駅周辺のマンション相場
住吉駅周辺の成約坪単価の動向

【出典:マンションリサーチ株式会社 福嶋総研】
住吉駅周辺のマンション相場は、過去数年の間に坪単価が高騰しましたが、現在はその高騰が一旦落ち着きを見せています。住吉駅周辺では、今後の延伸によって住民の生活の質や周辺環境の改善が見込まれるため、再度価格が高騰する可能性があります。
住吉駅周辺でマンション価格が高騰した理由
住吉駅周辺でマンション価格が高騰した背景には、いくつかの要因があります。
まず、日経平均すなわち景気の上昇による価格の高騰があります。また、低金利が続いていることが住宅購入を後押しし、需要を促進しています。
さらに、コロナ禍による供給減少もマンション価格の高騰に影響を与えています。
供給が減少することで、在庫のマンションに対する需要が増え、価格が押し上げられる結果となりました。
これらの要因が重なり、住吉駅周辺のマンション価格は高騰を見せたのです。
豊洲駅周辺のマンション相場の変化
豊洲駅周辺で続く成約坪単価の高騰

【出典:マンションリサーチ株式会社 福嶋総研】
豊洲駅周辺のマンション相場も、いまだに勢いを保ったまま高騰し続けています。
このエリアは、湾岸地域として開発が進み、特にタワーマンションの需要が高いため、成約坪単価が年々高騰しています。現在、豊洲駅周辺は東京の中でも人気の高いエリアとなり、価格が高騰し続ける原因となっています。
このエリアの傾向は、交通の便や周辺の商業施設の発展も関係しています。
豊洲駅周辺には、ショッピングモールやレストランなども多く、住みやすさが増しています。これにより、多くの人々がこのエリアに住みたいと考えるようになり、結果としてマンション価格が押し上げられています。
有楽町線延伸が沿線マンション相場に与える影響
交通利便性向上による需要増加と価格高騰
有楽町線の延伸により、住吉駅、東陽町駅、豊洲駅などの沿線エリアの交通利便性が向上し、マンション相場に大きな影響を与えると予測されます。
交通の便が良くなることで、これまでアクセスに不便さを感じていた地域の魅力が高まり、需要が増加するでしょう。その結果、価格が高騰する可能性が高いと考えられます。
豊洲エリアの相場予測が難しい理由
既存駅の住吉駅・東陽町・豊洲駅周辺マンション相場も引き上げられることが予想されますが、豊洲エリアは、一般的な中古マンション市場とは少し異なり、特に「湾岸タワーマンション市場」と呼ばれる独自の市場が形成されています。
この市場は需要が高い一方で、様々な要素が複雑に絡み合い、投資としてのリスクも含まれているため、将来の価格や動向を予測するのは簡単ではありません。
新駅「仙石駅(仮)」・「枝川駅(仮)」周辺のマンション相場予測
仙石駅(仮)周辺の価格動向
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【出典:マンションリサーチ株式会社 福嶋総研】
図2は2024年(対前年比)のエリア別中古マンションの坪単価高騰率を示しています。
仙石駅(仮)の西側のマンション価格は、2024年においても価格の高騰が見られるのに対し、東側は青のプロット(5%未満高騰)が多く、横ばいもしくは下落傾向が見られます。
駅の立地や周辺の開発状況により、その後の価格動向には変動がある可能性があるので、今後の展開に注目が必要です。
枝川駅(仮)周辺の価格動向
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【出典:マンションリサーチ株式会社 福嶋総研】
枝川駅(仮)周辺も、2024年(対2023年)に高騰しているため、現在でもある程度ニーズがあることが分かりますが、豊洲や東陽町ほどではなく、相対的に割安なエリアになる可能性があります。
まとめ
有楽町線の延伸計画は、交通網の発展に伴い、周辺エリアのマンション市場にも大きな影響を与えることが予測されています。これからの相場動向を見守りつつ、各エリアの特徴を踏まえて投資や購入を検討することが重要です。
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