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「マンションをできる限り高く売りたい!」というのは、すべての売主に共通する願いであるはずです。しかし、市況が良いときや競合物件が少ない時期などに狙って売却するのは難しいもの。
そこでこの記事では、さくら事務所の創業者である長嶋修氏とさくら事務所の共著「マンションバブル41の落とし穴(小学館)」から一部抜粋して、マンションを好条件で売るための方法をお伝えします。
株式会社さくら事務所創業者・会長/不動産コンサルタント
長嶋 修
1967年、東京生まれ。1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社さくら事務所を設立、現会長。業界の第一人者として不動産購入のノウハウにとどまらず、業界・政策提言にも言及するなど精力的に活動。TV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動など、様々な活動を通じて『第三者性を堅持した不動産コンサルタント』第一人者としての地位を築く。
自分が住むための不動産を買う場合、なるべくいい物件を安く買いたいところですが、自分にとって都合のいいタイミングと、不動産市況が安くなっているタイミングが合致するとは限りません。売る場合も同様で、高値で売りたいと思っても、そう都合よく事が運ぶかどうかは難しいところです。今のように市況が好調であっても、必ずしも高く売れるわけではありません。
たとえば自分が5,000万円で持ち家を売り出したとき、同じマンションでまったく同じ広さ・間取りの物件が3,000万円で売り出されていたら絶対に売れないでしょう。これは極端な例ですが、不動産売買はマクロの市況以上に、ミクロの競合に左右されがちなものであることは事実です。
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都合の良いときにマンションを売れるとは限りません。しかし、どのような状況においても、マンションを高く売るためにできることは少なからずあります。
売却を検討する際は、一般的に不動産会社に仲介を依頼し、買主を探してもらいます。この不動産会社選びは非常に重要で「うち、高く売りますよ」などと根拠のないことを言ってくるところを選ぶのはNG。高い査定額をつけたからといって実際にその値段で売却できるとは限らないので、査定額よりも売るためにどんな工夫をしてくれる会社なのかをチェックする必要があります。
高く売るために重要なのは、マーケットに合わせて柔軟に対応することです。たとえば、まず5,000万円で売り出して様子を探る。1週間で問い合わせ10件以上、内見希望が2件以上入らなければ、価格を少し下げる……といった具合に、マーケットにおける引き合いの強弱を見計らいつつ、常に最適な戦略を考えてくれる不動産会社がベストです。
仮に同じマンション、同じ広さの部屋で、急いで売りたいのか3,000万円で売却している物件が出ていたら、いったん売るのをやめて様子を見ましょう。同じタイミングで5,000万円で売り出したら絶対に売れず、価格を引き下げざるを得なくなるからです。
住み替えを検討していて早く売りたいケースなども多く、焦ってしまうこともありがちですが、必ず足元を見られてしまうので、納得の行く価格を守ってじっくり売りたいところ。かといって半年や1年もずっと売却情報を出し続けていると、頻繁に物件情報を見て物件を探している人に「売れ残り」のような印象を与えてしまいます。
情報は鮮度が命なので、古くなると見向きもされなくなります。そのため、物件情報を3カ月出しても売れなければ、いったん売却を中止して1カ月休む。その後、多少内容をリニューアルして再び物件情報を出せば、その情報の鮮度は保たれます。戦略に長けた不動産会社であれば、このような駆け引きはお手の物のはずです。
すべてを不動産会社任せにするのではなく、売主としてもできることはあります。
買主は物件情報サイトを見て情報収集をするため、物件の説明文は非常に重要です。書くのは不動産会社の担当者ですが、その人は実際に住んでいるわけではないので、住んでみたからこそわかるようなリアリティのある紹介文は書けません。
そのため、売主のほうから「そもそも自分がこの物件をなぜ買ったのか」「住んでみて良かったのはどんなところか」などを文章にまとめて不動産会社に渡すといいでしょう。
このように、具体的なメリットを挙げるのがおすすめ。景色について言及するなら、写真を一緒に不動産会社に渡しましょう。
リノベーションを行っているなら、その点も詳細にアピールを。たとえば「トイレ・2018年に交換済み」などと書くだけより「トイレ・2018年にTOTOのハイグレード商品『○○(商品名)』に交換」と書いたほうが、格段に魅力はアップします。ワークスペースのようにこだわった場所があるなら、そこも売りになるでしょう。
買主は一度や二度内見しただけでは、物件について隅々まで理解することはできません。ですので、このように詳細な説明があると、俄然関心を高めてくれるものです。うまくアピールすれば、その買主は物件を「買ってくれる人」ではなく「買いたくて仕方ない人」になっていきます。そこまでいけば、高値で売却できる可能性はかなり高くなってきます。
大規模なタワマンなどは住戸数が多いため、ライバルも多くなります。戸建住宅だとまったく同じ条件の物件というのは存在しませんが、マンションだとほぼ同じ条件の部屋もあるので、同時に売り出されたときにはライバルになります。そこで差別化をするためにも、前述のようにアピールをすることが大きな意味を持ってくるのです。
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大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。
2020年11月 株式会社real wave 設立。
不動産会社在籍時代は、都心部の支店を中心に契約書や各書面のチェック、監査業務に従事。プライベートでも複数の不動産売買歴あり。
不動産業界に携わって10年以上の経験を活かし、「わかりにくい不動産のことを初心者にもわかりやすく」をモットーに各メディアにて不動産記事を多数執筆。
え?そんなに高く売れたの!?
今売ったらいくら?