2025年建築基準法改正とは? 不動産市場への影響を徹底解説

こんなお悩みありませんか?

マンションを売ろうかなと思っているけど、何から始めたら良いか分からない...

不動産会社をまわるのは面倒...

Webから最短45秒で申し込み!
比較することで納得売却に繋がります。

2025年4月、建築基準法が改正されました。この改正により、住まいの新築やリフォームの手続き方法が変わります。建築コストや工期にも少なからず影響することになるでしょう。

この記事では、2025年建築基準法改正の内容と不動産市場への影響を解説します。

目次

2025年建築基準法改正の概要

まずは、2025年建築基準法改正の大枠から確認していきましょう。

建築基準法とは? 基本的な役割と目的

建築基準法とは、建物の敷地や構造、設備、用途に関する最低の基準を定めた法律です。国民の生命、健康、財産の保護を図り、公共の福祉の増進に資することが目的とされています。対象は建築構造と建築物で、防火性能や用途地域の規制などが定められています。

2025年の改正ポイント

2025年の建築基準法改正のポイントは「4号特例」が縮小されたことです。4号特例とは、一定の規模を下回る4号建築物の審査が省略できる制度を指します。改正後は、一般的な大きさの家屋は審査省略の対象から外れたため、新築や一定規模の改修の前に建築確認申請が必要になります。

この改正は、原則すべての新築住宅に省エネ基準適合が義務づけられた建築物省エネ法の改正と密接に関わっています。省エネ化に伴い重量化する建築物に対応するため、審査プロセスを経て構造の安全性の基準適合などを確保することが建築基準法改正の大きな目的です。

2025年建築基準法改正による「4号特例縮小」とは?

ではここからは「4号特例」の縮小について詳しく解説していきます。

4号建築物とは?

建築基準法改正前の「4号建築物」とは、以下に該当する建物です。

  • 都市計画区域内に建てられる2階建て以下・延べ面積500㎡以下・高さ13m・軒高9m以下の木造建築物
  • 平屋かつ延べ面積200㎡以下の非木造建築物

つまり、2階建て以下の一般的な広さの木造住宅は4号建築物に該当し、これまで一部の審査が省略されていたということです。

4号特例の縮小とは?

4号特例縮小
出典:国土交通省

4号建築物は、2025年の建築基準法改正によって「新2号建築物」と「新3号建築物」に分かれました。新3号建築物は、これまでの4号建築物のように審査省略制度の対象ですが、新2号建築物は対象外となります。

新2号建築物は「2階建て」以上または「延べ面積が200平方メートル」を超える木造建築物です。つまり、改正後は多くの一戸建てが審査省略制度の対象外となり、建築前には建築確認および検査の手続きが必要になります。

大規模なリフォームにも建築確認手続きが必要に

2025年4月以降、新2号建築物は、新築時のみならず、一定以上の規模のリフォームをする際にも建築確認申請が必要です。一定以上の規模のリフォームとは、具体的に主要構造部の過半を超える改修となります。主要構造部に該当するのは以下のとおりです。

  • 屋根
  • 階段

2025年建築基準法改正がもたらす影響

4号特例縮小により、これまで多くの木造戸建てで省略されていた審査の手続きが必要になることで、次のような影響が出ることが予想されます。

建築コストの上昇

これまで不要だった手続きが増えることで、新築や大規模なリフォームにはこれまで以上の時間と労力がかかることになります。その分、設計や申請手続きにかかるコストが上がることは避けられないでしょう。建材や人件費が上がっていることもあって、ただでさえ建築コストも上昇傾向にある中、2025年4月以降はさらに上がる可能性があります。

工期の延伸

これまでになかったフローが加わることになるため、工期の延伸も避けられないでしょう。改正前の確認審査の法定期間は「7日以内」でしたが、2025年4月以降は「35日以内」となります。とくに改正直後は、申請する側も審査する側も不慣れなため、混雑が予想されます。

建築物の安全性が増す

コストが上がり、工期が伸びるというと悪い改正のようにも思えますが、新築や大規模なリフォームの前にしっかり審査されることは決して悪いことではありません。

これまでも、審査がないだけで、建築基準法に適合した建築物を建てなければならなかったことには変わりありません。しかし、設計する建築士に一任されるのではなく、第三者がしっかり審査することで、建物の安全性や省エネ性能が担保されやすくなるといえるでしょう。

一括査定しないと
500万円以上損をするかも!?

2025年建築基準法改正後の注意点

2025年建築基準法改正は、単なる建築手続きの変更ではありません。これまで省略されてきた審査が必要になることから、施工業者選びや資金計画、スケジュール調整の重要性が増します。

施工会社選びがより重要に

これまで建築士に一任されていたものに審査が入ることで、業者間の技術力や設計力などの差もわかりやすくなるでしょう。建築基準法改正前からしっかり計算して設計していた業者にとっては、今回の改正は単に手続きが増えるだけのものです。一方、審査されないことに甘んじて法律を遵守していなかった業者は、構造などの計算方法から変える必要があります。

とくに建築確認申請を要するリフォームは、建築士が在籍しておらず、設備の交換など簡易なリフォームだけ請け負っている業者はすぐに対応することはできません。体制を整えるにも一定の時間を要するものと推測されます。したがって、2025年4月以降は施工業者選びの重要性が増したといえるでしょう。

資金計画・スケジュール調整の重要性も増す

2025年4月以降は新築やリフォームにこれまで以上の費用や期間を要する可能性が高いため、資金計画やスケジュール調整は徹底しましょう。工費・工期がどれくらいになるか把握したうえで、施工業者やプラン選びをスタートさせることが大切です。

建築基準法改正に関するよくある質問

2025年の改正で建築確認の手続きはどう変わる?

これまで4号建築物に該当していた建物は新2号建築物、新3号建築物に分かれ、新2号建築物は審査省略制度の対象外となります。新2号建築物は「2階建て」以上または「延べ面積が200平方メートル」を超える木造建築物です。

既存住宅への影響は?

新築のみならず、大規模なリフォームも建築確認申請が必要になります。大規模なリフォームとは、主要構造部の過半を超える改修です。

既存住宅の資産価値への影響は?

2025年の建築基準法改正は、省エネ基準適合義務化に伴い重量化する建築物に対応するため、審査プロセスを経て構造の安全性の基準適合などを確保することが大きな目的です。既存住宅まで省エネ基準に適合しなければならないわけではありませんが、日本の住宅は今後ますます省エネ化していくものと推測されるため、省エネ性能が既存住宅の資産価値にも影響するようになる可能性があります。

また、大規模なリフォームにも建築確認申請が必要になることで、申請に要する検査済証の有無が既存住宅の資産価値に影響する可能性もあります。

「2025年建築基準法改正」まとめ

これまで建築基準法は何度も改正されてきましたが、2025年の改正は多くの方に影響するものです。建築コストの上昇や工期の延伸などの直接的な影響だけでなく「住宅の価値」も変わる可能性があります。

決して「改悪」ではなく、日本の不動産市場としても、施主からしても、省エネ性能や安全性が向上するのは良いことです。とはいえ、改正直後は一定の混乱が見られる可能性もあります。

これから建物の新築、大規模な改修をする方は、業者選び、資金計画、スケジュールに留意しましょう。

今ならいくらで売れる?
初めての方にオススメできる
一括査定サイトNo.1

最短わずか60秒無料一括査定で、あなたのマンションを高く評価してくれる不動産会社にまとめて査定依頼。

初めてマンションを売りたい方にオススメできる一括査定サイトNo.1に選ばれているので、安心してご利用いただけます。

すみかうるの記事をシェアする

この記事を書いた人

亀梨奈美のアバター 亀梨奈美 不動産ジャーナリスト/株式会社realwave代表取締役

大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。
2020年11月 株式会社real wave 設立。
不動産会社在籍時代は、都心部の支店を中心に契約書や各書面のチェック、監査業務に従事。プライベートでも複数の不動産売買歴あり。
不動産業界に携わって10年以上の経験を活かし、「わかりにくい不動産のことを初心者にもわかりやすく」をモットーに各メディアにて不動産記事を多数執筆。

目次