中央区は、再開発の進展や都心ならではの利便性の高さから、近年ますます注目を集めるエリアのひとつです。
マンションナビの最新データによると、中央区は価格上昇率で東京23区中3位にランクインしており、その存在感を示しています。
本記事では、具体的な数値やグラフを踏まえながら、中央区のマンション価格の推移をわかりやすく読み解いていきます。
調査期間: 2016年5月~2025年5月
調査機関: マンションナビ
調査対象: 東京都23区のマンション
データ基準: 調査期間中の東京都23区におけるマンション売買価格の中央値
「マンション売買価格の中央値」を指標とすることで、市場の動きや価値の変化を多角的に分析できます。
上昇率=(現在の値ー基準値)÷基準値×100%
【例】1年前に1,000,000円だった㎡単価が、現在は1,250,000円の場合。
(1,250,000-1,000,000)÷1,000,000×100=25…よって25%の上昇率がみられる。
東京全体から中央区の価格比較(2016年→2025年)
東京23区全体と比較することで、中央区の価格上昇がどれほど際立っているかがより明確になります。ここでは、まず東京都全体、そして23区全体の価格推移を確認した後、中央区の動向と比較します。
東京都全体の平均価格
2025年5月時点での東京都全体のマンション平均売買㎡単価は102万円で、9年前と比べて62.4%上昇しています。直近1年間でも13.9%の上昇が見られ、堅調な価格推移が続いています。
このような推移からも世界有数の大都市・東京としての地力と、資産価値の安定性が浮き彫りになっています。


23区全体の平均価格

2025年5月時点での東京23区におけるマンション平均売買㎡単価は約107万円です。これは2016年(当時約65万円)と比べて約65%の上昇となっています。
なかでも特に目立つのが中央区の価格上昇です。再開発エリアの増加や都心部の利便性の高さが評価され、9年前と比べて約97%もの大幅な価格上昇となっています。銀座・勝どき・晴海といった地域が注目を集め、資産価値の高さが反映されているといえます。
一方で、23区全体の平均だけを見ても、各エリアの個別事情や傾向までは把握しにくいものです。
たとえば、中央区や港区のような都心部ではブランド力や立地の希少性から高水準の価格が維持される傾向がありますが、城北や城東のエリアでは、交通インフラの整備や生活利便性の向上といった要素が価格形成に大きく影響します。
マンションを選ぶ際は、単なる価格の上下だけでなく、エリアごとの特性や将来的な資産価値にも目を向けることが大切です。
中央区は再開発とブランド力で資産価値が上昇中
中央区は、湾岸エリアを中心とした再開発と、都心ならではのブランド力により、近年マンション価格の上昇が続いています。
平均売買㎡単価は、2016年時点では約82万円でしたが、2025年には161万円まで上昇し、この9年間で約97%もの上昇率を記録しています。


晴海・勝どき・月島エリアでは、大規模マンションの供給が進み、交通利便性や生活環境の整備も追い風となっています。
中央区は都心へのアクセスはもちろん、銀座や日本橋といった成熟した都市機能を持つ街並みも人気の理由です。
マンション価格変動の背景とポイント
中央区のマンション価格上昇には、他の区とは異なるいくつかの要因があります。
- 都心アクセスとブランド力の両立
銀座・日本橋・月島といった街を擁する中央区は、生活の利便性と都市機能の両方を兼ね備えています。とくに銀座エリアのブランド力は根強く、資産性を重視する層からの人気が継続中です。
- 再開発によるエリア価値の底上げ
晴海フラッグをはじめとした湾岸部の再開発が進み、タワーマンション群や商業施設が次々と整備されています。新しい街並みと交通利便性が融合したことで、若い世代からの注目も集まっています。 - 投資と実需のバランス
中央区は、実需層(=自分で住む人)と投資家の両方に支持されており、特に「駅近・高層・新耐震」の物件は取り合い状態。海外投資家の動きは一時期より落ち着いたものの、高級志向の物件には引き続きニーズがあります。 - 価格の二極化と買い時の見極め
一方で、築年数が古く、立地にクセのある物件は売れ残り傾向にあり、中央区内でも価格の二極化が進行しています。「好立地・好条件」の物件にはプレミアムが付きやすく、今後もこの傾向は強まると考えられます。

東京23区価格上昇率ランキング(2025年5月時点)
東京23区における9年前との上昇率をランキング形式で紹介します。過去9年間で各エリアがどのように変動してきたのかを可視化しました。
売買の最適なタイミングを見極めるヒントとして、ぜひご活用ください。
23区 2025年5月時点
順位 | 23区 | 上昇率(9年前比) | ㎡単価(万円) |
---|---|---|---|
1 | 港区 | 116.3% | 221.0 |
2 | 千代田区 | 98.0% | 189.0 |
3 | 中央区 | 96.5% | 161.0 |
4 | 渋谷区 | 92.3% | 177.0 |
5 | 江東区 | 69.7% | 104.0 |
6 | 新宿区 | 66.3% | 123.0 |
7 | 品川区 | 64.9% | 121.0 |
8 | 足立区 | 64.2% | 56.0 |
9 | 文京区 | 60.6% | 117.0 |
10 | 豊島区 | 58.4% | 104.0 |
10 | 台東区 | 58.4% | 100.0 |
12 | 葛飾区 | 58.3% | 59.0 |
13 | 目黒区 | 57.9% | 127.0 |
14 | 荒川区 | 54.2% | 79.0 |
15 | 北区 | 50.8% | 83.0 |
16 | 世田谷区 | 48.9% | 98.0 |
16 | 墨田区 | 46.9% | 87.0 |
18 | 中野区 | 46.1% | 91.0 |
19 | 江戸川区 | 46.0% | 63.0 |
20 | 板橋区 | 43.0% | 67.0 |
21 | 杉並区 | 39.8% | 85.0 |
22 | 大田区 | 37.4% | 80.0 |
23 | 練馬区 | 37.3% | 71.0 |
中央区は、直近9年間の㎡単価がほぼ倍増しており、23区中でも3位という高い上昇率を記録しています。
長期的にも安定した推移を見せており、再開発や生活利便性の向上、そして都心ならではのブランド性などを背景に、ファミリー層から投資家まで幅広い層に支持されていることが価格の堅調な推移につながっています。
よくある質問
まとめ
中央区のマンション価格は、都心立地と再開発の進展を背景に、着実に上昇を続けています。
特に晴海や勝どき、月島などのエリアでは、大規模開発によって街の魅力が一層高まり、住宅としての快適性と資産としての価値を兼ね備えた物件が増えています。
「銀座や日本橋などの洗練された街に近く、なおかつ暮らしやすい」―そんな暮らしを叶えたい方にとって、中央区は魅力ある選択肢のひとつです。
今後も中央区は、「都心×再開発エリア」として、資産価値を重視する人々からの安定した需要が期待されるでしょう。
データ提供/マンションナビ