中古マンションの価格の下落率と築年数の相関とは?コロナでどうなる?

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マンションをご所有している方は、どれくらいの築年数で手放すべきか?住み替えるべきか?とお悩みなのではないでしょうか。

マンションは、築年数に「正比例」して価値を落としていくものではありません。一般的なマンションは、築15年ほどまでの下落率が大きく、変動が小さい時期を経て、再度下落率が大きくなるものです。

本記事では、築年数とマンション価格の下落率の相関とともに、気になるコロナが中古マンション価格に与える影響について考察していきます。

目次

中古マンションの築年数ごとの下落率!戸建てとの違いは?

まずは、マンションの築年数ごとの下落率を見てきましょう。

首都圏中古マンションの築年数別成約平米単価

築年数~築5年~築10年~築15年~築20年~築25年~築30年築30年~合計
(平均)
㎡単価
(万円)
84.774.460.256.748.531.132.652.5

東日本レインズによる2019年4~6月調査を元に筆者が作成)

上記グラフと表は、首都圏で成約に至った中古マンションを築年数別で見たときの平米単価の平均値を表したものです。

築5年~築10年の下落率:約13%
築10年~築15年の下落率:約20%
築15年~築20年の下落率:約6%
築20年~築25年の下落率:約15%
築25年~築30年の下落率:約36%

このように、マンションの下落率は築年の経過とともに一律ではなく、築年数ごとの下落率が大きく違うことがわかります。

マンションの下落率が最も大きいのは、「新築直後」だといわれています。一概にはいえませんが、新築から中古になった途端、マンションの価値は10~15%落ちます。それはやはり、「新築」のプレミアが損なわれるとともに、新築分譲価格に上乗せになっていた分譲会社等の利益を、手放すときには乗せられなくなるからです。

そして築15年までの下落率も13%~20%と大きく、築15年~築20年で下落率が落ち着いていることが見て取れます。

そして築20年から下落率は再び上がり始め、築25年~築30年の間で大きく価格が落ちます。その後はほぼ変わらない、あるいは緩やかに下降し続ける……というのが、一般的なマンションの価値の落ち方です。

もちろんこのグラフは、同じマンションの価値を計ったものではなく、市況が変わることでも下落率は変化していくはずです。ただ直近の調査で築年数ごとの価格にこのような違いがあることは、マンションの下落率を推察するにあたり参考にできるでしょう。

首都圏中古一戸建て築年数別成約価格

一方、中古戸建は、築年数によってどのように価格が下落していくのでしょうか?

築年数~築5年~築10年~築15年~築20年~築25年~築30年築30年~合計
(平均)
価格
(万円)
37473847354131642845238817522839

東日本レインズによる2019年4~6月調査を元に筆者が作成)

築5年~築10年の上昇率:約0.02%
築10年~築15年の下落率:約8%
築15年~築20年の下落率:約11%
築20年~築25年の下落率:約11%
築25年~築30年の下落率:約17%
築30年とそれ以上の下落率:約17%

一戸建てもまた、年数の経過に正比例して価値を落としていくわけではありません。マンションと比較して相対的に下落率は緩やかで、築15年まではとくに下落率が低く、築15年から下落率が大きくなります。

一戸建てのほうがマンションより下落率が緩やかな理由は、土地の占める割合が多く、マンションと異なり土地だけでも取引可能だからです。

マンションも土地の持ち分を有してはいるものの、土地だけの流用性はほぼなく、資産価値のうち土地が占める割合も低いものです。

土地は経年によって価値を落としていくものではないため、土地の比率が高い一戸建ては価値の下落率が緩やかなのです。

・マンションは築15年頃までの価値の下落率が大きい
・下落率がとくに大きいのは、「新築直後」と「築25~30年」
・一戸建ては土地の比率が高いため、マンションと比較して価値の下落率が緩やか

首都圏の中古マンションの下落率が少ない理由

マンションが建つエリアによっても、下落率は大きく異なります。

先ほどのグラフは、「首都圏」のマンションの築年数別の成約価格を見てみましたが、「近畿圏」の下落率とは違いがあるようです。

首都圏と近畿圏で下落率を比較

築年数~築5年~築10年~築15年~築20年~築25年~築30年築30年~合計
(平均)
㎡単価
(万円)
84.774.460.256.748.531.132.652.5

上記は、先ほどと同じく「首都圏」のマンションのグラフ。下記が、「近畿圏」のマンションの築年数ごとの成約平米単価です。

築年数~築5年築6~築10年築11~築15年築16~築20年築21~築25年築26~築30年築31~築35年築36年~合計
(平均)
㎡単価
(万円)
59.0145.5643.0234.1623.9920.0322.0518.1932

近畿レインズによる2018年度調査を元に筆者が作成)

首都圏マンションの下落率

築5年~築10年の下落率:約13%
築10年~築15年の下落率:約20%
築15年~築20年の下落率:約6%
築20年~築25年の下落率:約15%
築25年~築30年の下落率:約36%

近畿圏マンションの下落率

築5年~築10年の下落率:約23%
築10年~築15年の下落率:約6%
築15年~築20年の下落率:約21%
築20年~築25年の下落率:約30%
築25年~築30年の下落率:約17%

首都圏と近畿圏を比較すると、近畿圏のマンションの方が相対的に下落のスピードが早いことがおわかりいただけると思います。

首都圏のマンションが比較的、値下がりしにくい理由は、中古マンションに対するニーズが高いからです。首都圏のほうが新築マンションを建設する土地が不足しており、新築マンションと中古マンションの価格差大きいもの。さらに、土地が少ない分、一戸建てよりマンションの需要が大きく、中古マンションに人気が集まりやすいといえます。

首都圏では比較的マンションの築年による下落率が緩やか

下落率が少ないマンションの特徴

首都圏と近畿圏で下落率に大きな違いがあったことからもわかるように、マンションの下落率に最も大きく影響するのは「立地」です。

駅近マンションは希少性が高い

基本的に、駅近はマンション価格が下がりにくい傾向にあります。もちろん、個々でみたときの差はあり、駅近でも下落が進むところもあるでしょう。

しかし、一般的に駅近物件が下がりにくいのには理由があります。それは、駅から徒歩5分圏内の円面積と、徒歩10分圏内の円面積は4倍も違うということ。徒歩5分圏内の円面積が狭いということはそれだけマンション数も少ないということであり、希少性が高いということにつながります。さらに、希少性が高いということはそれだけ競争が激しいため価格も下がりにくいという理屈が成立します。

ただし、郊外では「駅近」だけが好立地とはいえないでしょう。たとえば、幹線道路沿い・高速インターの近く・商業施設が多く集まるエリアなどもまた、下落率の少ないマンションの要素となりえます。

ブランドマンション

プラウド、ブランズ、パークハウス……など、大手不動産会社が分譲している“名のある”マンションは、「ブランドマンション」と呼ばれ普遍的な人気があります。

ブランドマンションは好立地に建つケースも多く、価値の下落率がとりわけ低いといえるでしょう。

ヴィンテージマンション

マンションは基本的に、年数を経ることに価値を落としていくものです。

しかし中には、「ヴィンテージマンション」と呼ばれ、築年数を重ねても価値を保ち続ける、あるいは向上するマンションがあります。

ヴィンテージマンションの代名詞ともいえる「ドムス南麻布」は、1993年築にもかかわらず、いまだ1億円以上の高値で取引されます。

・都市部では駅近、郊外では人が集まるエリアではマンションの下落率は低いと考えられる
・ブランドマンションやヴィンテージマンションは唯一無二の価値からとくに資産価値の維持に期待できる

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これからは築年数が高いマンションストックが増える兆し

首都圏、近畿圏の築年数ごとの中古マンションの成約平米単価を見てきましたが、両エリアに共通しているのは築16年~20年で各エリアの中古マンション平均価格を下回り始めるということです。

ただ昨今、取引される中古マンションの築年数は上昇傾向にあるため、今後、築年によるマンションの下落率にも変化が見られる可能性があります。

築年数の平均は上がっている

(東日本レイズの数値を元に筆者が作成)

成約にいたる中古マンションの平均築年数は、年々、上昇傾向にあります。

2009年は首都圏の平均が築17.17年と築20年を下回っていたものの、2019年では築21.64年。この10年で築年数の平均は「4年以上」上がりました。

(出典:東日本レインズ

実際に成約にいたったマンションの築年数別の内訳を見てみても、この10年で築年数が高いマンションの比率が全体的に多くなっています。

いまや首都圏で成約にいたった中古マンション1/4以上が築30年を超えており、逆に築5年までの築浅マンションは年々減ってきて、2019年度には10%を下回っています。

「築古マンション」の今後の見通し

(出典:国土交通省

上記グラフは、国土交通省が今後の築30年超のマンションの数を予測したものです。

築40年超のマンションは、2019年(令和元年)時点で91.8万戸ですが、10年後には約2.3倍の213.5万戸、20年後には約4.2倍の384.5万戸になる見込みだといいます。

マンションストックの高築年化によって、築年数が古いマンションも売れやすくなる可能性がありますが、築40年、50年となっていくとマンションの「寿命」も気になり始める頃です。世帯数が減少に転じ、今後ますます人口が減っていく日本では、築年数が高いマンションが「空き家」化していく可能性も否めません。マンションの寿命は耐用年数と違う?結局のところいつまで住めるのか

築年数が高いマンションは、定期的なメンテナンスによって価値をできる限り維持することを心がけ、売却できるうちに手放すことも考えるべきでしょう。

また、マンションの下落率を知るには「今」のマンションの資産価値を把握することも不可欠。売り時に悩んでいる方はとくに、不動産会社に査定を依頼の上、売り時についての見解を聞いてみることをおすすめします。

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・成約中古マンションの築年数は上がりつつあるが、マンションには「寿命」があるため、一定の築年数を超えたマンションは引き続き売却しにいか
・「空き家」のマンションが社会問題になってしまう可能性も

withコロナ時代!マンションの下落率はどうなっている?

築年数のみならず、「コロナ」によってマンションの価値がどう推移していくかが気になる方もいらっしゃることでしょう。

コロナ禍のマンション価格推移

まずは、コロナ禍のマンション価格がどのように推移していたか見ていきましょう。

東日本レインズの数値を元に筆者が作成)

緊急事態宣言が発令された2020年(令和2年)4月には、一時的に前月比6%ほど下落しましたが、5月、6月と回復傾向に転じ、7月、8月はほぼコロナ前の水準に戻ったといえます。

アフターコロナの世では住まいのニーズが大きく変わる可能性も

コロナ禍では、ライフスタイルが大きく変わったという方も少なくないのではないでしょうか?

・電車に乗らなくなった
・在宅勤務になった
・子どももオンライン授業が中心になった

このように変わった暮らしの中で今、住まいへのニーズも変化しつつあります。

これまで都心住まいだった方が郊外に。マンション住まいから一戸建てに。このような変化が現れれば、中長期的には、中古マンションの価格や下落率にも影響が出てくる可能性があります。

たとえば、これまで揺るがぬ人気だった駅近エリアのマンションの下落率が大きくなったり、郊外のベッドタウンの地価が上昇したり……あくまで「可能性」の話ではありますが、コロナは私たちの暮らしにも大きな変化をもたらしたのは確かであり、これは中古マンションのみならずこれまでの不動産の「常識」を覆すきっかけにもなりえるのです。

以下の記事では、2021年のマンション価格を考察しております。マンション売り時や悩んでいる方や近々お住み替えを検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

・コロナ禍でに下落したマンション価格も2020年後半にはコロナ前の水準に
・コロナによって住まいのニーズが変わる可能性も

マンションの下落率まとめ

中古マンションの下落率
マンションの下落率まとめ
  1. 中古マンションは築15年までの下落率が大きい
  2. 最も下落率が大きいのは新築直後と築25~30年
  3. 首都圏は他エリアより築年による下落率が緩やか
  4. 下落率が低いマンションは立地・ブランドなどの条件がある
  5. これからは築年数の高いマンションが急増する見込み。マンションの下落率にも変化が起きる可能性が
  6. コロナ禍で下落したマンション価格は2020年後半には回復

一般的には、マンションは築15年までの下落率が大きいといえます。ただこれは平均的な話であり、マンションによって築年数ごとの下落率はさまざま。ひとつ言えるのは、どのマンションでも基本的に「今」が最も高額で売れるときであり、今後は価値を落としていくということです。

「築15年までに売るべき」「遅くとも築30年で手放さなければ」などの情報も多く見られますが、結局のところご家族の「都合」を優先させて不動産売買やお住み替えは考えるべきだと思います。下落率や市況、住宅ローン金利など、気になることは多くおありでしょうが、不動産売買を考えるのは、今のお住まいになんらかの不都合が生じたからではないでしょうか?

「売りたい」「住み替えたい」と思ったときが、一番の売り時です。まずはあなたのマンションがどれくらいで売れるかを把握し、より豊かな暮らしをすることを最優先に考えたご売却、お住み替えをしていただきたいと思います。

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この記事を書いた人

亀梨奈美のアバター 亀梨奈美 不動産ジャーナリスト/株式会社realwave代表取締役

大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。
2020年11月 株式会社real wave 設立。
不動産会社在籍時代は、都心部の支店を中心に契約書や各書面のチェック、監査業務に従事。プライベートでも複数の不動産売買歴あり。
不動産業界に携わって10年以上の経験を活かし、「わかりにくい不動産のことを初心者にもわかりやすく」をモットーに各メディアにて不動産記事を多数執筆。

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