
高輪ゲートウェイ駅の西側で開発されている「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」が、ついにまちびらきします。
高輪ゲートウェイの開発地は非常に広く、さまざまな用途の大規模建築物が完成するため、街の活性化につながると期待されています。
また、街の活性化にともなって周辺のマンション市場にも大きな影響を与えると推測されており、港区で新居を購入しようと考えている人は動向を理解しておくことが大切です。
本記事では高輪ゲートウェイ再開発の概要、マンション市場への影響について解説します。

高輪ゲートウェイ再開発の概要
高輪ゲートウェイの再開発は、高輪ゲートウェイ駅の西側にある「品川車両基地跡地」を利用しておこなわれています。
「品川開発プロジェクト」のひとつで、設計共同企業体(JR東日本建築設計・JR東日本コンサルタンツ・日本設計・日建設計JV)が設計を、大林組が施工を担当しています。
デザイナーには「サニーヒルズ」「根津美術館」など多くの建築物をデザインした「隈研吾」氏が担当しており、見た目にもよい街になると期待できるでしょう。
それでは、高輪ゲートウェイ再開発がどのようなものなのか詳しく解説していきます。
高輪ゲートウェイ再開発とは?基本情報と目的
高輪ゲートウェイ再開発の目的は「ひと、自然、テクノロジーをつなぎ、世界で最も生命力が溢れる街へ。」です。
目的を達成するため、以下の4つの建物建築を進めています。
1街区 | 2街区 | 3街区 | 4街区 | |
建物名称 | 住宅棟 | 文化創造棟 | 複合棟Ⅱ | 複合棟Ⅰ(North・South) |
敷地面積 | 約12,700㎡ | 約8,000㎡ | 約15,000㎡ | 約38,300㎡ |
延床面積 | 約149,000㎡ | 約31,000㎡ | 約211,000㎡ | 約460,000㎡ |
高さ | 約173m | 約45m | 約167m | 約164m |
階数 | 地上44階地下3階 | 地上6階地下4階 | 地上31階地下5階 | 地上30階地下3階 |
用途 | 住宅・教育施設など | 文化創造施設 | オフィス・商業施設など | オフィス・ホテル・商業施設など |
なお、当初の開発計画から建設する建物の位置が変更されています。
変更された理由は、建築途中で「高輪築堤」が発見されたからです。
高輪築堤とは、1872年に高輪海岸沿いの海上に鉄道を走らせるために敷設された鉄道敷です。
これは日本初の鉄道が新橋から横浜まで開通したときのものであり、貴重な遺構でもあります。
高輪ゲートウェイシティでは高輪築堤を後世に残すため建物の位置をずらしたうえで、文化創造棟と住宅棟の間に設けられる公園の地下に鉄道の歴史を学べる施設を設置する予定です。
再開発エリアと対象地域
高輪ゲートウェイ駅と泉岳寺駅の東西、品川駅から高輪郵便局付近までの南北に及ぶ開発です。
この広大な土地は品川車両基地跡地であり、面積約7万4,000㎡にも及びます。
開発地区は「JR京浜東北線」の西側にあり、港区芝浦方面への交通に支障が出ないよう歩行者専用道路や高架道路も整備される予定です。
東西のスムーズな行き来を実現し、多くの人が訪れる場所となるでしょう。
また、高輪ゲートウェイ駅周辺では、以下のような開発がおこなわれています。
開発名 | 建築される建物など |
三田三丁目・四丁目地区 | 複合施設(地上42階建・5階建)住宅(地上9階建)など |
泉岳寺駅地区再開発 | 泉岳寺駅のホーム拡張住宅・複合施設(地上30階建) |
品川駅街区地区 | 複合施設(地上28階建・9階建) |
高輪ゲートウェイ再開発は品川開発プロジェクトの中核として、人の流れがよくなる環境を作り、それぞれの開発地への流入者を増やす効果も期待されています。
高輪ゲートウェイ再開発がもたらす影響
高輪ゲートウェイ再開発は、品川駅から高輪ゲートウェイ駅までの街並みが変わるため周辺環境に大きな影響を与えると予測されています。
再開発がもたらす主な影響は、以下のとおりです。
- 品川エリアの経済活性化と雇用創出
- 交通インフラの強化|アクセスの向上
- 生活環境の向上と住みやすさ
それでは、どのような影響が考えられるのかみていきましょう。
品川エリアの経済活性化と雇用創出
高輪ゲートウェイ再開発により、品川エリアの経済が活性化して雇用の創出が期待されています。
オフィス棟には国際会議が開催できるほどの広さの大規模カンファレンスルーム、ビジネス支援施設なども整備され働きやすい環境となります。
交通の利便性が高く働きやすい環境も整うため、KDDIやマルハニチロといった企業の本社が移転する予定です。
また、商業施設には数多くの店舗やクリニックの入居も決まっています。
働く場所が増えるほど雇用機会が増加し、勤務先の近くで消費される金銭も増加します。
経済活性化すれば人口減少や高齢化など、品川エリアにおける問題を改善できるはずです。
交通インフラの強化|アクセスの向上
高輪ゲートウェイ駅に関連する施設の整備により、交通インフラが強化されます。
高輪ゲートウェイ再開発において、駅周辺の整備は不可欠です。
オフィスや商業施設を建築しても利便性が高くなければ、人は集まらないからです。
多くの人が集まるよう、高輪ゲートウェイ再開発では街と駅が一体化した歩行者広場、新交通広場の整備を予定しています。
歩行者広場・通路は泉岳寺駅や田町駅から品川駅方面、芝浦港南地区まで整備されるため、歩行者の動線が確保され、各駅からの流入も見込まれるはずです。
また、新交通広場を設置し、鉄道以外の利用者の利便性も考慮されています。
バスやタクシー、一般車両の停車場が駅すぐの場所に整備され、どのような交通手段でも高輪ゲートウェイシティを訪れられます。
利用者が多くなればなるほど、地域が活性化されていくことでしょう。
生活環境の向上と住みやすさ
高輪ゲートウェイ再開発ではオフィスや商業施設だけでなく、教育や医療の施設も入居するため、生活環境の向上が見込まれます。
たとえば、教育施設としては「ポピンズナーサリースクールそら 高輪ゲートウェイ駅前」という保育園の入居が予定されています。
駅前に保育園が開設されれば、仕事に行くときでも帰るときでも送迎ができて生活にゆとりが出ることでしょう。
また、商業施設の代表として挙げられるのは「ニュウマン高輪」です。
ニュウマン高輪は、ルミネのなかでも最大規模となる、延床面積約60,000㎡の新商業施設です。
200店舗以上が入居する予定となっており、生活利便性の向上が期待できます。
駅前だけで生活に必要なものが揃えば、快適で便利な生活ができることでしょう。
高輪ゲートウェイ再開発と不動産市場の関係
高輪ゲートウェイ再開発が終わると、不動産市場にも変化が現れると考えられています。
ここからは、高輪ゲートウェイ駅の周辺にあるマンションの現状と価格への影響、投資用不動産への影響について解説します。
マンション価格への影響
現状、高輪ゲートウェイ駅周辺のマンションの築年数と駅までの距離、価格は以下のとおりです。
高輪ゲートウェイ駅周辺800M 駅徒歩×築年帯別2024年2月~2025年1月の中古マンション新規売出数
~築1年 | ~築5年 | ~築10年 | ~築15年 | ~築20年 | 築21年以上 | |
徒歩1分 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
~徒歩3分 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 16 |
~徒歩5分 | 0 | 1 | 2 | 0 | 2 | 36 |
~徒歩7分 | 0 | 0 | 0 | 4 | 6 | 55 |
~徒歩10分 | 0 | 49 | 16 | 12 | 146 | 101 |
高輪ゲートウェイ駅周辺800M駅徒歩×築年帯別中古マンション坪単価
~築1年 | ~築5年 | ~築10年 | ~築15年 | ~築20年 | 築21年以上 | |
徒歩1分 | – | – | – | – | – | – |
~徒歩3分 | – | – | – | 476万円/坪 | – | 447万円/坪 |
~徒歩5分 | – | 773万円/坪 | 912万円/坪 | – | 433万円/坪 | 442万円/坪 |
~徒歩7分 | – | – | – | 435万円/坪 | 734万円/坪 | 352万円/坪 |
~徒歩10分 | – | 992万円/坪 | 586万円/坪 | 729万円/坪 | 680万円/坪 | 418万円/坪 |
高輪ゲートウェイ駅周辺800M駅徒歩×築年帯別中古マンション単価(60㎡換算)
~築1年 | ~築5年 | ~築10年 | ~築15年 | ~築20年 | 築21年以上 | |
徒歩1分 | – | – | – | – | – | – |
~徒歩3分 | – | – | – | 8,639万円 | – | 8,113万円 |
~徒歩5分 | – | 14,030万円 | 16,553万円 | – | 7,59万円 | 8,022万円 |
~徒歩7分 | – | – | – | 7,895万円 | 13,322万円 | 6,389万円 |
~徒歩10分 | – | 18,005万円 | 10,636万円 | 13,231万円 | 12,342万円 | 7,587万円 |
東日本不動産流通機構の「首都圏不動産流通市場の動向(2024年)」によると、東京23区の中古マンションの平均成約価格は115.47万円でした。
高輪ゲートウェイ駅周辺のマンション価格と東京23区の平均値を比べると、平均よりもかなり高い数字です。
このことから、高輪ゲートウェイ駅周辺のマンションは、再開発が終わる前においても非常に人気があるとわかります。
再開発が終わり、より一層利便性が高くなって誰もが住みたい洗練された街というイメージになると、さらに地価が上昇して近隣マンションの価格も高くなるでしょう。
投資用不動産の需要増加
高輪ゲートウェイ再開発が終わると、投資用不動産の需要が増加すると考えられています。
高輪ゲートウェイシティが完成すると、大規模なオフィスや商業施設が整備されます。
当然ながら、これらの施設が稼働すれば、近隣に働き手の住まいが必要です。
国際交流の拠点として、住宅棟は外国人ビジネスワーカー向けの賃貸住宅となるものの、働き手を確保できるほどの戸数とはいえません。
住まいの需要が多く、供給が少ないと競争が起きて賃料が高くなります。
賃料が高くなれば不動産価値が増加するため、高輪ゲートウェイ駅周辺で投資用不動産を買い求める人も増えるはずです。
しかも、周辺地区でも開発が進んでおり、将来的により発展する可能性を秘めています。
このことからも、高輪ゲートウェイ駅周辺の投資用不動産は非常に魅力的であるといえるでしょう。
高輪ゲートウェイ周辺でのマンション選び
高輪ゲートウェイ駅周辺のマンションは、今後価値が高くなると予測されています。
価格が高くなると購入しにくくなるため、高輪ゲートウェイ周辺のマンションの現状を理解しておくことが大切です。
先ほどは高輪ゲートウェイ駅周辺のマンションと東京23区の平均値を比較しました。
ここからは、具体的なマンション名を挙げつつ、価格も紹介します。
再開発エリア内のおすすめマンション
高輪ゲートウェイ駅周辺には、以下のようなマンションがあります。
マンション名 | 価格 | 高輪ゲートウェイ駅からの距離 | 築年数 |
コープ高輪車坂 | 12,380万円 | 徒歩5分 | 1970年3月 |
レグノプレミア高輪 | 7,780万円 | 徒歩6分 | 2011年9月 |
ドルフ高輪 | 14,800〜24,800万円 | 徒歩9分 | 1972年8月 |
豊栄ジャルダン高輪 | 9,480〜15,800万円 | 徒歩9分 | 1985年5月 |
高輪ザ・レジデンス タワー棟 | 34,000万円 | 徒歩13分 | 2005年10月 |
グランドメゾン白金高輪パークフロント | 20,800〜23,700万円 | 徒歩14分 | 2023年6月 |
プラウドタワー芝浦 | 9,980万円 | 徒歩15分 | 2023年1月 |
高輪シティハウス | 9,680万円 | 徒歩15分 | 2000年6月 |
価格は、2025年3月16日現在に売りに出されているものです。
マンション価格は、面積や築年数で変わるものの1〜2億円します。築年数が経過しているマンションでも価格が高く、人気があることもわかります。
徒歩10分以上のマンションでも1億円前後の価格なのは、駅から離れても需要があるということでしょう。
再開発エリア外の狙い目物件
品川・高輪周辺で、将来的な値上りが期待できるのは築年数が新しく、かつ品川駅と高輪駅の両方が徒歩圏内の物件です。
たとえば、以下のマンションは狙い目といえます。
- ブリリア高輪ザ・ハウス
- ブリリア高輪レフィール
- THE IMPREST 高輪
これらのマンションは築10年以内で、品川駅から徒歩10分以内で高輪ゲートウェイ駅から徒歩20分程度です。
高輪・品川エリアではいくつもの開発がおこなわれており、より利便性の高い街になることが期待されています。
また、品川駅にはリニアが乗り入れる予定であり、開業後に地価の上昇も見込まれます。
そのため、品川に近いエリアの新しいマンションを購入すれば、住まいを資産として活用できることでしょう。
高輪ゲートウェイ再開発に関するよくある質問
まとめ
高輪ゲートウェイ再開発とは、2020年に開設された高輪ゲートウェイ駅の西側でおこなわれている開発です。
開発により約7万4000㎡の敷地に84万5000㎡もの建物面積が生み出され、オフィスや商業施設や、住宅などを通じて国際交流の拠点として整備されます。
オフィスの創設による雇用機会の増大、商業施設の開業による訪問者増加などにより、高輪ゲートウェイ駅周辺の活性化が期待されています。
街の活性化にともなって、周辺のマンション市場も活発化するはずです。
高輪ゲートウェイ駅周辺のマンションを検討されている方は、再開発による不動産市況を注視していきましょう。
価格が上昇する前に購入できれば、マンションを資産として保有できるだけでなく、再開発による利便性の高さも享受できます。
編集部がまちびらきに行ってみました!
2025年3月27日、「TAKANAWA GATEWAY CITY」がついにまちびらきを迎えました。
それを受け、編集部もさっそく当日の夜に現地を訪れて、いち早く新しい街を見てきました。
実際に足を運んで感じたまちびらきの様子をご紹介します!
駅の様子
わくわくしながらカメラを片手に高輪ゲートウェイ駅に降り立つと、早速面白いものを発見しました。
最初に目に入ったのは、壁に張り巡らされた線路のような模様でした。
「可愛い!」と盛り上がっていた私たちですが、近づいてみるとさらに驚きが!
なんと、木製の電車を実際に線路上で走らせることができるデザインになっていました。
駅を訪れた際は、ぜひこの”遊べる壁”を探してみてください。
ちょっとだけヒントをお伝えすると、お手洗いに向かう途中の壁にありますよ。
街の様子
高輪ゲートウェイシティは現在も開発が進行中です。
そのため、その過程を実際に見ることができるのも大きな魅力のひとつです。
建設中のエリアや工事中の場所が点在しており、街がどんどん形になっていく様子をリアルに感じることができます。
新しいビルや施設がどんどん建っていく瞬間を目の当たりにしながら、未来の都市がどのように作られていくのかを楽しめるのは貴重な体験です。
120日限定のナイトミュージアム&クラブ体験
最後に、期間限定の注目スポットをご紹介いたします。
現在、高輪ゲートウェイシティでは120日間限定のナイトミュージアムバー&クラブがオープンしています。

編集部メンバーも少しだけお邪魔してみました。
ムードあふれる空間で、音楽とお酒を楽しめる場所となっています。
高輪ゲートウェイシティに遊びに行った際は、ぜひこちらも立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
街全体を「100年先の心豊かなくらしのための実験場」と位置づけて誕生した「GATEWAY CITY」。
これから先、どんな街になっていくのか、どんな進化を遂げていくのか、ますます楽しみですね。
すみかうる編集部は、2025年秋に予定されている全面開業の際にも改めて現地を訪れ、その様子をレポートする予定です。
今後の続報も、ぜひ楽しみにしていてください!