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【完全版】相続が発生したら何から始める?司法書士が解説!マンション相続で困らない手順

初めまして。司法書士法人ミライ代表の久保と申します。

弊所は、常日頃相続相談を多く受けている事務所になっております。

昨今では相続登記義務化の影響もあり相続相談が増えており、親が亡くなりマンションを相続したものの、「売却できるのか」「名義変更は必要なのか」と悩む方は少なくありません。

特にマンションや土地などの不動産を相続する場合、「何から手続きを始めればいいのか分からない」という相談が非常に多くなります。

この記事では、司法書士の視点から、相続手続きの最初のステップ、マンション相続でよくあるトラブル、事前にできる準備方法をわかりやすく解説します。

目次

相続手続きの基本フロー

相続手続きは大きく分けると以下のステップで進めます。

  • 相続人の確定
  • 相続財産の把握
  • 相続方法の決定(単純承認・相続放棄・限定承認)
  • 遺産分割協議
  • 不動産・預貯金の名義変更(相続登記)

マンション相続でよくある困るケース

マンション相続では、以下のケースが特に問題になりやすいです。

ケース1:居所不明の相続人

  • 遠方に住んでいる、老人ホームや長期入院中
  • 連絡が取れず手続きが滞る

相続手続きを進める過程において、戸籍謄本を集めることが必要になります。

それによって、相続人が確定し、相続人の住所も把握できますが、いざ手紙を出しても返答がない場合がしばしばあります。

ご住所が近所であれば、実際に現地に行くことも可能ですが、そうではない場合には、現地の便利屋等を手配して現地に行ってもらい、実際に住んでいるのか確認する必要が出てきます。

人によっては、住所変更は行っていないが、すでに老人ホームなどの施設に入所されている場合や、病院に長期入院している場合もあります。

そのため、年に数度は親族間で連絡を取り合う関係性を続けておくのは大切なことだと感じます。

もしくは、そのような相続人がいることがあらかじめ分かっている場合は、遺言書を作成しておくのはとても効果的になります。

対策:

  • 遺言書を作成しておく
  • 親族間で年数回でも連絡を維持
  • 必要に応じて便利屋や探偵で居所確認

ケース2:相続人間の関係が悪い

  • 遺産分割協議ができない場合、司法書士は非弁行為となる
  • 調停に進む場合、最低3回以上の裁判所出廷や弁護士費用が発生

相続人同士の関係が悪い場合には、条件等を交渉する場面が出てくることが予想されるため、司法書士事務所では対応できなくなってきます。

そのような場合に、司法書士事務所が間に入ると非弁行為として認識されるため、司法書士事務所にペナルティが科されるリスクが出てきます。

そのため、あらかじめ相続人間で関係が悪いことを認識している場合には、居所不明の相続人がいる場合と同様に遺言書を用意してもらっておくことが重要になってきます。

相続人間で話し合いができない場合には、家庭裁判所へ遺産分割調停を申し立てることになり、弁護士費用や弁護士を雇わない場合には、現地の家庭裁判所へ行く時間や労力が必要になります。

また、遺産分割調停で審判を下してもらうには、最低でも3回程度は家庭裁判所へ出向く必要があるため、ハードルが高くなってしまいます。

対策:

  • 遺言書で事前に分配を明確化
  • 相続人間の合意形成が困難なら、家庭裁判所の調停を検討

ケース3:不動産が多く現金が少ない場合

  • 現金が少ないと不動産を共有で所有するケースが多くなる
  • 共有者間の関係性が悪いと修繕費・管理費の負担で争いに
  • 共有者の子どもも次の相続で加わるため、売却や管理の合意がさらに難しくなる

【例】東京都内マンション(固定資産税評価額5,000万円、ローン残高2,000万円、預貯金1,000万円)を兄弟3人で相続する場合、差引相続財産は4,000万円。現金が少ないため売却か共有での管理かで争いが発生しやすい。

現金があると法定相続分を現金で渡すなど選択肢がありますが、現金が少ない場合には、不動産を共有で所有するか、不動産を売却して遺産分割協議で決めた相続分で分配する方法を選択する方向になってきます。

不動産を共有で所有した場合、関係が良好な相続人間で所有するには問題が顕在化しにくいですが、関係が悪い相続人間で共有した場合には、大規模修繕など必要費用が発生した場合、誰がどの程度出費するのか、話がまとまりづらくなってきます。

また、関係が良好な相続人間で所有している分には問題になりにくいですが、その中の誰かがお亡くなりになり、相続が発生した場合、その相続人の方々も共有者になってくることから、売却をしたくても話がまとまらない等、問題が顕在化しやすくなってきます。

ケース4:子どもがいない夫婦で遺言書がない場合

  • 配偶者と被相続人の兄弟・両親で遺産分割協議が必要
  • 心理的負担が大きく、遺産分割が難航

残された夫もしくは妻にとって、亡くなった夫もしくは妻の両親や兄弟は親族であるとはいえ、もともとは他人であるため、相続財産について話をすること自体、心理的負担が高いと言えます。

子供がいない夫婦の場合には、いざ万一に備えて遺言書などを準備しておくことで残された夫もしくは妻が困らなくなることが多いです。

兄弟には遺留分請求(法定相続分の半分を金銭で請求できる権利)がないため、とても意味があるものになってきます。 上記記載の通り、いざ相続が発生しても困らないように準備しておくことがとても重要になっております。

対策:

  • 遺言書を作成しておくと、配偶者が困らず手続き可能
  • 遺留分請求がないため、配偶者優先で分配できる

自筆証書遺言と公正証書遺言のメリット・デメリット

相続対策として遺言書を作成する場合、主に「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類があります。

それぞれ特徴が異なり、メリットとデメリットを理解して選ぶことが重要です。

自筆証書遺言

メリット

  • 手軽に作れる:自分で作成でき、費用がほとんどかからない
  • 誰にも知られず作成可能:自宅で自由に書ける
  • 修正が容易:内容を変更したい場合も新しい遺言を書き直せる

デメリット

  • 形式不備で無効になるリスク:全文自筆、日付、署名、押印が欠けると無効
  • 内容が不明確だと争いになる:「家は長男に任せる」など曖昧な表現は解釈でトラブルに
  • 紛失や改ざんのリスク:自宅保管では盗難・紛失・改ざんの可能性
  • 家庭裁判所で検認が必要:遺言書の内容を確認する手続きが必須で、相続手続きが遅れる

近年は法務局で自筆証書遺言を保管できる制度もあり、紛失や改ざんリスクは軽減されつつありますが、内容の不備には注意が必要です。

公正証書遺言

メリット

  • 形式不備による無効リスクなし:公証人が作成するため、法律上の形式は必ず満たされる
  • 紛失や改ざんの心配がない:公証役場で原本が保管される
  • 相続人間トラブルを防ぎやすい:内容を公証人が確認するため、争いになりにくい
  • 手続きがスムーズ:銀行口座や不動産の名義変更などで必要書類として有効

デメリット

  • 費用がかかる:財産の額に応じて手数料が発生(数万円〜数十万円)
  • 手間がかかる:公証役場で証人2名の立会いや予約が必要
  • 内容の修正が容易でない:変更する場合は新たに公正証書遺言を作成する必要がある

まとめ

特徴自筆証書遺言公正証書遺言
手軽さ◎(自分で作成可能)△(公証役場で手続き)
費用◎(ほぼ無料)△(手数料あり)
安全性△(紛失・改ざんリスク)◎(公証役場保管)
法的確実性△(形式不備で無効の可能性)◎(形式不備なし)
修正◎(自分で自由に書き直せる)△(新規作成が必要)
相続人間トラブル△(内容が不明確だと争いに)◎(争いになりにくい)

結論

  • 費用や手軽さ重視 → 自筆証書遺言
  • 安全性・法的確実性重視 → 公正証書遺言

多くの司法書士は、自筆証書遺言を作る場合でも法務局保管や専門家チェックを併用することを推奨しています。

また、財産が多く争いになりやすい場合は、費用をかけてでも公正証書遺言を作成する方が安心です。

相続手続きでやるべき事前準備

STEP
遺言書作成
  • 居所不明や相続人間トラブルを回避
STEP
親族間の連絡体制維持
  • 年数回でも連絡を取り合い住所・状況を把握
STEP
相続財産整理
  • 不動産、預貯金、負債を整理し、分配方法を検討
STEP
専門家への相談
  • 司法書士、弁護士、税理士に相談
  • マンション登記、遺産分割、税務対策も同時に確認可能

よくあるQ&A

遺言書がなくても遺産分割は可能ですか?

可能ですが、相続人間で協議がまとまらない場合は家庭裁判所で調停が必要です。

遠方に住む相続人がいる場合は?

郵送や代理人を活用。居所不明の場合は現地確認も必要です。

不動産相続で名義変更は必須ですか?

はい。相続登記を行わないと売却や担保設定ができません。

子どもがいない場合の配偶者の取り分は?

配偶者と被相続人の兄弟・両親で法定相続分に従います。遺言書があれば配偶者優先可能です。

マンション相続で注意すべきポイントまとめ

  • 相続登記の義務化:名義変更を早めに行う
  • 共有不動産のリスク:管理費・修繕費で争いになりやすい
  • 居所不明・関係が悪い相続人:遺言書でリスク回避
  • 子どもがいない場合の配偶者保護:遺言書作成で安心

マンション売買会社にとっても、相続登記や共有問題が解決されていない物件は売却や取引が進みにくいため、早期の準備が重要です。

司法書士に相談するメリット

  • 相続登記や遺産分割協議書の作成がスムーズ
  • 相続人間トラブルを避け、法的リスクを減らせる
  • マンション売却や名義変更に必要な書類を一括対応

相続登記や遺産分割で迷っている方は、早めに司法書士に相談するのがおすすめです。

\司法書士法人ミライさんに相談してみる!/

まとめ

相続は準備の有無で、手続きの負担やトラブルの大きさが大きく変わります。

  • 居所不明の相続人がいる
  • 相続人間で関係が悪い
  • 不動産が多く現金が少ない
  • 子どもがいない夫婦

このようなケースでは、遺言書作成・親族連絡・財産整理・専門家相談を事前に行うことが非常に重要です。

特にマンション相続では、相続登記や共有不動産の問題が売却にも直結するため、早めの準備が安心につながります。

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この記事を書いた人

葛飾区金町を拠点とする司法書士法人ミライ代表。
平成29年に葛飾区柴又で個人事務所として開業し、令和3年に現在の形で新たにスタート。

「人が未来に一歩踏み出す際に、隣でサポートできる存在でありたい」という想いのもと、登記手続きや相談業務など幅広い業務に対応し、「手続きの安心」「コミュニケーションの安心」「費用の安心」の3つを軸に支援。

身近で頼れる法律専門家として、安心して相談できる存在を目指している。

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