【2024年5月】住宅ローン金利は固定金利が全体的に上昇!変動金利は低水準

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2025年5月の住宅ローン金利は、固定金利が全体的に引き上げられました。

2024年4月の10年国債金利が上昇傾向にあったためです。

一方の変動金利は、今月も大きな変化はありません。マイナス金利政策が解除されたあとも、低水準で推移しています。

本記事では、2024年5月の住宅ローン金利をご紹介します。

目次

2024年5月の住宅ローン金利

まずは、固定金利の指標である10年国債の金利の推移をご紹介します。

10年国債の金利推移

※財務省「国債金利情報」をもとに筆者作成

2024年3月の金融政策決定会合で、日銀はイールドカーブ・コントロール(YCC)を撤廃しました。

YCCが撤廃された直後は、10年国債金利に大きな変化はみられませんでしたが、4月上旬からは上昇傾向にあります。

上昇の背景にあるのは、米国におけるインフレの根強さです。

4月10日に発表された米国の3月の消費者物価指数は、市場の予測を上回る伸びをみせました。

これにより、FRB(連邦準備制度理事会)が次回のFOMC(連邦公開市場委員会)で利下げを見送るとの観測が広がります。

それに加えて、円安の進行を受けて日銀が追加の利上げに踏み切るとの見方も市場で強まったため、10年国債金利は上昇しました。

その後はさらに、日銀が次回の金融政策決定会合で国債の買い入れ額を減らすという観測が強まったことで、10年国債金利は一時0.93%まで上昇しています。

このような中、各金融機関は住宅ローンの借入金利をどのように設定したのでしょうか。

金利タイプごとに、各金融機関の最優遇金利をみていきましょう。

また、金利上乗せなしで加入できる団信の保障内容とあわせてご紹介します。

団信の保障内容は、以下の通りです。

  • 一般:死亡または所定の高度障害状態の場合に住宅ローン残高を保障する団信
  • がん50%保障:所定のがんと診断されると住宅ローンの残高が半分になる団信
  • 全疾病保障:病気やけがで働けない状態が一定期間続いたとき                        ※金融機関によって保障内容は異なります。

2024年5月の変動金利とランキング

まずは、2024年5月の変動金利をみていきましょう。

結果は、以下の通りです。

スクロールできます
適用金利金利上乗せなしの団信
三菱UFJ銀行年0.345%(±0%)一般のみ
三井住友銀行年0.475%(±0%)一般のみ
みずほ銀行年0.375%(±0%)一般のみ
りそな銀行年0.34%(±0%)一般のみ
SBI新生銀行年0.29%(±0%)一般または介護保障付団信
PayPay銀行年0.315%(±0%)一般または一般+がん診断一時金+先進医療給付金または一般+がん50%保障
auじぶん銀行年0.319%(±0%)【満50歳以下の方】一般または一般+がん50%団信
※がん診断保障・4疾病保障・全疾病長期入院保障が無料付帯
【満51歳以上の方】一般団信のみ
住信SBIネット銀行年0.298%(±0%)一般または一般+全疾病保障または一般+全疾病保障+3大疾病保障
※契約者が40歳未満である場合のみ
ソニー銀行年0.397%(±0%)一般または一般+がん50%保障
楽天銀行年0.663%(+0.08%)一般または一般+がん50%保障+全疾病保障
※契約者が51歳以上の場合、がん50%保障はなし
イオン銀行年0.38%(±0%)一般または一般+全疾病保障

※ソニー銀行は自己資金10%以上で借り入れをしたときの金利
※SBI新生銀行は手数料定率型を選択した場合
※イオン銀行は物件価格の80%以内で住宅ローンを組んだ場合
※PayPay銀行は自己資金10%以上の場合
※住信SBIネット銀行は借入金額が物件価格の80%以下の場合

今月はほとんどの金融機関が変動金利を据え置きましたが、楽天銀行は引き上げてきています。

また、住信SBI銀行とイオン銀行は、変動金利の基準金利を引き上げました。

しかし、優遇措置が適用されたあとの借入金利については据え置かれています。

今月の最優遇金利の上位5行は、以下の通りです。

スクロールできます
1(→)SBI新生銀行:年0.29%(±0%)※手数料定率型の金利
2(→)住信SBIネット銀行:年0.298%(±0%)※借入金額が物件価格の80%以下の場合
3(→)PayPay銀行:年0.315%(±0%)※自己資金10%以上の場合
4(→)auじぶん銀行:年0.319%(±0%)
5(→)りそな銀行:年0.34%(±0%)

※カッコ内の記号の意味は、以下の通り
・(→):先月と同じ
・(↑)前月から上昇
・(↓)前月から下落

今月のランキングは、先月と変わらない結果となりました。

もっとも低金利なのは、SBI新生銀行です

またauじぶん銀行では、携帯電話や電気などを住宅ローンと一緒に利用すると、借入金利が年0.169%に引き下げられるキャンペーンが継続されています。

借り換えについても先月と同様に、SBI新生銀行の年0.29%が最低値であり、auじぶん銀行の年0.298%がそれに続きます。

2024年5月の固定期間選択型とランキング

続いて、2024年5月の固定期間選択型(10年固定金利)をみていきましょう。

各金融機関の最優遇金利は、以下の通りです。

スクロールできます
適用金利金利上乗せなしの団信
三菱UFJ銀行年1.06%(+0.08%)一般のみ
三井住友銀行年1.70%(+0.31%)一般のみ
みずほ銀行年1.50%(+0.1%)一般のみ
りそな銀行年1.725%(+0.14%)一般のみ
SBI新生銀行年0.95%(±0%)一般または介護保障付団信
PayPay銀行年1.155%(+0.07%)一般または一般+がん診断一時金+先進医療給付金または一般+がん50%保障
auじぶん銀行年1.255%(+0.06%)【満50歳以下の方】一般または一般+がん50%団信
※がん診断保障・4疾病保障・全疾病長期入院保障が無料付帯
【満51歳以上の方】一般団信のみ
住信SBIネット銀行年1.323%(+0.125%)一般または一般+全疾病保障または一般+全疾病保障+3大疾病保障
※契約者が40歳未満である場合のみ
ソニー銀行年1.340%(+0.05%)一般または一般+がん50%保障
楽天銀行年1.710%(+0.02%)一般または一般+がん50%保障+全疾病保障
※契約者が51歳以上の場合、がん50%保障はなし
イオン銀行年1.41%(±0%)一般または一般+全疾病保障

※ソニー銀行は自己資金10%以上で借り入れをしたときの金利
※住信SBIネット銀行は借入金額が物件価格の80%以下の場合

10年国債金利の上昇により、ほとんどの金融機関が10年固定金利を引き上げています。

今月の上位5行をランキング形式でみると、結果は以下の通りです。

スクロールできます
1(→)SBI新生銀行:年0.95%(±0%)
2(→)三菱UFJ銀行:年1.06%(+0.08%)
3(→)PayPay銀行:年1.155%(+0.07%)
4(→)auじぶん銀行:年1.255%(+0.06%)
5(→)住信SBIネット銀行:年1.323%(+0.125%)※借入金額が物件価格の80%以下の場合

※カッコ内の記号の意味は、以下の通り
・(→):先月と同じ
・(↑)前月から上昇
・(↓)前月から下落

順位自体は先月と変わらないものの、最優遇金利は全体的に引き上げられていることが見て取れます。

最優遇金利がもっとも低いのは、変動金利と同じくSBI新生銀行でした。

同行は、本記事で紹介している金融機関の中で唯一、最優遇金利が年1.0%を下回っています。

2024年5月の全期間固定金利(フラット35・固定金利35年)

2024年5月のフラット35(買取型)の最低金利は年1.83%です。

先月の年1.83%から若干上昇しました。※融資率9割以下・借入期間21年以上35年以下・新機構団信付きの金利

2021年10月から2024年5月までの推移は、以下の通りです。

フラット35の金利推移

【フラット35】借入金利の推移をもとに筆者作成

※上記は「買取型・融資率9割以下・借入期間21年以上35年以下・新機構団信付き」の金利

フラット35の借入金利は、2024年4月に年0.02%引き下げられています。

4月の10年国債金利は先月よりも全体的に上昇したものの、2024年5月にフラット35の借入金利が大幅に引き上げられることはありませんでした。

近ごろの10年国債金利の傾向に比べると、フラット35の借入金利の上昇幅は緩やかといえます。

続いて、大手都市銀行が独自に取り扱う35年固定金利をみていきましょう。

  • 三菱UFJ銀行:年1.79%(+0.06%)
  • 三井住友銀行:年2.58%(+0.15%)
  • みずほ銀行:年1.90%(+0.1%)
  • りそな銀行:年1.715%(+0.13%)

大手4行のすべてが長期固定金利を引き上げる結果となりました。

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住宅ローン金利は今後どうなるのか

2024年4月25日と26日に開催された金融政策決定会合で、日銀は政策の内容を変更しませんでした。

一方、10年国債の金利に上昇圧力がかかる主な要因となっている米国の強烈なインフレは未だ収まっていません。

では、2024年6月以降の住宅ローン金利はどう推移するのでしょうか。

2024年5月2日時点で判明している情報をもとに考察していきます。

変動金利は今後も基本的には低水準で推移する

大手都市銀行を含む金融機関の多くは、短期プライムレートという金利をもとに変動金利の基準金利を決めています。

マイナス金利政策の解除後も、金融機関のほとんどは短期プライムレートを据え置きました。

そのため、日銀が追加の利上げを行うまでは、短期プライムレートを指標とする金融機関の変動金利は据え置かれる見通しです。

一方、ネット銀行については、日銀が追加利上げを行う前に、変動金利を若干引き上げる可能性があります。

ほとんどのネット銀行では、貸出資金の調達コストや営業コストなどをもとに、独自の基準で変動金利の基準金利を決めているためです。

また楽天銀行は、住宅ローン金利の指標に東京銀行間取引金利(TIBOR)を採用しているため、マイナス金利政策が解除された直後から変動金利が上昇しています。

加えて、金利を優遇するキャンペーンの終了にともない、ネット銀行の変動金利が引き上げられる可能性も考えられます。

とはいえ、ネット銀行の住宅ローンの主な魅力は低金利です。

金利を上げてしまうと、顧客が離れてしまいかねません。

そのため変動金利は、全体的に今後もしばらくは低水準で推移するでしょう。

10年国債の金利は上昇傾向にあるも今後は不透明

2024年4月の会合では、市場の予測とは異なり、国債買い入れ額の減額は実施されませんでした。

そのため会合の終了後は、10年国債金利は下落に転じました。

ただし、10年国債金利が今後どのように推移するのかを予測するのは容易ではありません。

2024年5月1日、米国のFRB(米連邦準備制度理事会)はFOMCを開き、政策金利の据え置きを決めました。

また、記者会見でパウエル議長は、米国のインフレ収束が進展していないと発言し、年内の利下げを始めるタイミングや回数などについては明言しませんでした。

このまま米国のインフレが収まらず、利下げが先送りされ続けると、日本の10年国債金利は上昇する可能性があります。

一方で、年内には米国のインフレが鈍化し、FRBが利下げに踏み切ることで日米の金利差が縮小し、日本の長期金利が下がるとの見方もあります。

10年国債の金利は投資家の予測の影響を大きく受けるため、固定金利が年内にどのように推移するのかを正確に予測するのは、引き続き困難な状況にあるといえるでしょう。

まとめ

2024年5月の変動金利は、多くの金融機関が前月から据え置いていますが、ネット銀行の一部は若干引き上げました。

固定期間選択型と全期間固定金利は、全体的に引き上げられています。

ただし、フラット35については、10年国債金利の上昇幅と比較すると、さほど引き上げられていません。

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この記事を書いた人

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大手生命保険会社にて7年半勤務し、チームリーダーや管理職候補として個人営業、法人営業の両方を経験。その後人材会社で転職したのちに副業としてwebライターを始める。お金に関する正しい知識をたくさんの人々に知って欲しいとの思いから、2019年1月よりwebライターとして独立。これまで保険、不動産、税金、音楽など幅広いジャンルの記事を、多数のメディアで執筆・監修している。

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