住宅ローン審査でチェックされる属性とは?信用性が低いと判断される項目を解説!

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マンション購入時、自己資金だけで購入資金を用意できる方はほとんどいません。したがって、大半の方が住宅ローン審査を受けることになるのですが、ここでポイントとなるのが申込者の属性です。

今回は、マンション購入時に住宅ローン審査でチェックされる属性について解説します。

審査時にチェックされる項目だけでなく、ローンに通りにくい方の特徴もご紹介します。審査項目を知っておくだけでもローンを組みやすくなりますので、借入を検討している方はぜひ参考にしてください。

目次

 住宅ローン審査でチェックされる属性とは

「マンション購入時、住宅ローンを利用するのであれば、属性を良くしておかなければいけない」このような文言を聞いたことがある方は多いでしょう。

住宅ローン審査における属性とは、簡単にいうと“申込者にどれくらい信用があるか”という指標のことを指しています。

そして金融機関にとっての申込者の信用度は、“十分な返済能力があるか”や“滞納せずに返済してもらえるか”といった、確実に完済してもらえるかにかかわる部分です。

住宅ローンでは金融機関は債務者に対して、何千万円という大きな金額を融資します。完済してくれる見込みのない人物に融資をしてしまうと、金融機関は多額の損失を生む可能性があるため、融資を行う前に申込者の属性を審査するというわけです。

住宅ローン審査の属性見極め方

借入先の金融機関は以下のような項目をチェックし、属性が良いか悪いかを判断します。

・年齢
・年収
・職業
・勤続年数
・家族構成
・金融資産

・既存借入金額

住宅ローンの審査基準は金融機関ごとに多少異なりますが、ここでは一般的に「審査に通りやすい」と言われている基準について解説します。

年齢

マンション購入時、住宅ローン審査で重視される属性の項目としては、まず“年齢”が挙げられます。多くの金融機関は、住宅ローン申し込み時の年齢を“満70歳未満(満20歳以上)”、完済時の年齢を“満80歳未満”と定めています。

つまり、上記より高い年齢の方は、融資をしてもらえないケースが多いということです。また、申し込み時の年齢が満70歳未満であっても、50歳を超えていると融資条件は厳しくなる傾向があります。

具体的には、「定年退職後、どのように返済していくのか」という計画の作成を求められることが多いです。ただ、退職金や年金などを受け取れる予定の方は、比較的高齢であっても返済計画が立てやすいため、そこまで心配する必要はないでしょう。

年収

マンション購入時、住宅ローン審査で重視される属性の項目としては、“年収”も挙げられます。これは、もっとも重視されるポイントと言っても過言ではありません

住宅ローン利用時、融資される金額の上限は、年収の約7~8倍と言われています。つまり年収500万円の方であれば、3,500~4000万円ということになります。ただ、これはあくまで上限金額であり、必ずしも上限いっぱいまで融資してもらえるとは限りません。

金融機関は、申込者のローン返済負担率や融資率、購入物件の担保価値などをもとに、“借入可能額”を決定します。返済負担率は年収に占める返済額の割合、融資率は購入する物件の価格に対する借入金の割合のことです。

特に「返済負担率」は年収帯ごとに設定されており、その割合を超えると将来的に返済不能に陥る可能性が高いとされています。そのため借入金額を減額されたり、審査に落とされたりしないよう、目安となる返済負担率の上限を超えない範囲で申し込むことが重要です。

参考までに、民間金融機関の住宅ローンと、住宅金融支援機構が提供する「フラット35」のそれぞれで設定されている、返済負担率をあげておきます。

民間銀行の住宅ローンの返済負担率

年収返済負担率
100万円~300万円20%以下
300万円~450万円30%以下
450万円~600万円35%以下
600万円~40%以下

フラット35の住宅ローンの返済負担率

年収返済負担率
400万円未満30%以下
400万円以上35%以下

職業

住宅ローンの審査においては、申込人の“職業”も重要とされています。理由としては、住宅ローンは返済期間が20年・30年という長期間に設定されることがほとんどで、返済が滞らないためには収入が安定していることが求められるという点が挙げられます。

具体的には大手企業に勤める会社員や公務員は、勤務先が安定しているという理由から、住宅ローンの審査に通りやすいとされています。また医師や弁護士も金融機関からの評価が高い職業です。

一方で、収入が安定していない個人事業主やフリーランスの方は、住宅ローンの審査においてはどうしても不利になってしまいます。

勤続年数

“勤続年数”とは、同じ勤務先に勤め続けている期間のことです。勤務を開始した初日から、何年経っているかという数え方が基本です。住宅ローンの審査においては、勤続年数が長ければ長いほど有利になります。

なぜなら勤続年数が長い方は、これまで同じ勤務先に長く勤め続けているように、何十年にも渡ってローンを返済し続けてくれると判断されやすいからです。また収入も安定しており将来的に昇給する可能性もあるという点も、金融機関から高く評価される理由の1つです。

逆に、年収は高いものの、数年単位ですぐに転職しているという方は、借入先金融機関から信用されにくいでしょう。継続して返済してもらえるかわからないという側面だけでなく、転職のたびに収入が変動するということも理由として挙げられます。具体的には、勤続年数が3年を下回る場合、かなり厳しい条件での融資になったり、審査に落ちてしまったりする可能性が高いです。

ちなみに、勤続年数が長くてもっとも評価される職業には、公務員や一部上場企業の会社員などが挙げられます。一方、勤続年数が長くても、収入の安定度が不安視される中小企業の会社員、自営業といった職業は、あまり高い信頼を得られない傾向にあります。

家族構成

意外に思われる方もいるかもしれませんが、マンション購入時の住宅ローンの審査では、申込者の家族構成も重要なカギを握ります。

申込人に家族がいる場合、生活費や子どもの教育費を支払ったあとに、残りの資金で住宅ローンを返済するものとして審査を行います。

それに対して独身の方の場合は、将来的に結婚して出費が増える可能性があると判断され、既婚者と比較すると審査に通りにくい傾向にあるのです。ただし教育費などの支払いがなく資金的な余裕があるとも考えられるため、余裕のある資金計画を立てておくことでクリアできる部分とも言えます。

不動産担保評価

金融機関は住宅ローン審査の際、購入予定の不動産の“不動産担保評価”も重視します。

住宅ローン契約では、融資実行と併せて対象となる不動産に抵当権を設定します。抵当権というのは、万が一債務者が返済不能に陥った場合に、債権者である金融機関が不動産を売却して、得られた売却金を以て資金回収に充てる権利のことです。

つまり将来的に売却した際に、資金を回収できるだけの資産価値が残る物件かどうかを判断する必要があるということです。

築年数が浅い物件や、需要の高いエリアにある物件であれば、資産価値が高いとみなされローン審査に通るが高いと言えます。反対に築年数が経過してしまっていたり、法定耐用年数を超えてしまっていたりする場合は、資産価値が低いためローンの審査にとおることは簡単ではありません。

既存借入金額

住宅ローン審査で重視される項目には、“既存借入金額”も含まれます。簡単にいうと、住宅ローン申し込み時点における、ほかの借入金の状況や金額のことです。

具体的には自動車ローンやショッピングローン、クレジットカードのキャッシング可能額などが挙げられます。これらの既存借入金額が残っているだけで、融資可能額が100万円単位で変わってくることも珍しくありません。

住宅ローン審査を受けるのであれば、あらかじめ自身がどれくらいほかの借入を行っているのか、どのような借入が既存借入金額に含まれるのかを確認しておきましょう。

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信用性が低い属性だと判断される項目

申込人が高齢であったり勤続年数が短かったりする場合、マンション購入時に利用する住宅ローンの審査において、属性が良くないと判断されやすい傾向にあります。

また、その他にも信用力が低い属性と判断される項目があるため、併せて押さえておきましょう

・過去7年以内に債務整理をしたことがある
・運転免許証の番号の最後の一桁が4以上の数字
・独身
・持病がある
・現在の居住年数が1年未満

過去7年以内に債務整理をしたことがある

債務整理とは、借金の減額や猶予により、借金のある生活から解放されるための手続きをいいますが、これを行ったという情報は、個人信用情報センター等に7年間残り続けます。

よって、過去7年以内に行った方は「支払い能力が低い」と判断されてしまいます。

運転免許証の番号の最後の一桁が4以上の数字

住宅ローン利用時、本人確認書類として提出することがある運転免許証には、番号が割り振られています。

また、この番号の最後の一桁は、免許証の“再発行”を行った回数を表していますが、これが4回以上の場合、金融機関から「何か問題がある人ではないか?」と思われてしまう可能性があります。

独身

独身だからといって、必ずしも住宅ローン審査が不利になるわけではないということは先述のとおりです。しかし、独身で住宅ローンを組む方の中には、“投資用物件の購入を目的に住宅ローンを利用するケース”もあり、ルール違反を疑われる可能性があるという点には注意しましょう。

持病がある

高血圧や糖尿病などの持病を持つ方は、住宅ローンを審査に通過したとしても、加入義務のある“団信(団体信用生命保険)”で否決されてしまう可能性があります。ちなみに、フラット35は団信の加入義務がないため、民間金融機関の住宅ローンと比較して利用しやすいと言えます。

現在の居住年数が1年未満

現在の住居が自身で購入した物件であり、かつ居住年数が1年未満の場合、住宅ローン審査のハードルが上がるケースがあります。これは頻繁に引っ越しをしなければならないような、大きな問題を抱えている人物であると思われる可能性が高いからです。

住宅ローン返済中の物件を売却すること自体は禁止されていませんが、長期間かけて融資金を回収しなければならない金融機関にとっては、あまりイメージが良いとは言えません。どうしても短期間で住み替えなければならない理由がある場合は、面談の際に理由を説明しておくことをおすすめします。

なお、自己所有や家族所有の住居からの転居であれば、信用力と返済能力がある人物と判断されるため、居住期間が1年未満であっても審査でマイナス評価を受けることはありません。

まとめ

マンション購入時の住宅ローン審査では、金融機関は申込人の属性をあらゆる角度から精査し、融資金を完済してくれるだけの信用のある人物かどうかを総合的に判断します。

住宅ローンの審査に落ちた場合、金融機関から不承認となった理由は開示してもらえません。そのため、あらかじめどんな属性が通りやすく、どんな属性が落ちやすいのかを把握しておくのは、とても重要なことだと言えます。

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この記事を書いた人

【保有資格】宅地建物取引士
上智大学外を卒業後、不動産調査会社在籍中に宅地建物取引士試験に合格。宅建士として事業用不動産の仲介営業職に従事し、退職後はレンタルオフィスの運営会社で入居者・契約管理をするかたわら、売買・賃貸・住宅ローンを中心とした不動産関連の専門性が高い記事を多数執筆。不動産初心者でもわかりやすい文章に定評がある。

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