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周囲を見渡せる見事な眺望と、共用施設の充実ぶりなどから人気を集めるタワーマンション。
とはいえ、いったいどのようなマンションを「タワマン」と呼ぶのか、いまひとつ定義がわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回の記事ではタワマン(タワーマンション)の定義をはじめ、平均価格やメリット・デメリットについて解説します。
タワマンの購入を検討している方はぜひ、本記事を参考にしてみてください。
結論から言えば、タワーマンション(以下、「タワマン」)に明確な定義はありません。
ただし、建築基準法では高さが60mを超える建物を「超高層建築物」としていることから、世間では超高層建築物を指してタワマンと呼ぶケースが多く見受けられます。
先に述べた「超高層建築物」はその多くが20階を超えており、おおむね20階以上のマンションを指してタワマンと呼ぶことがほとんどでしょう。
また、タワマンは大規模な建築物ということもあり、建物に関する厳しい審査を通過していることはもちろん、安全対策もとられているのが特徴といえます。
昨今タワマンの人気が高まる理由として、従来のマンションよりも眺望がよいことに加え、共用施設の充実ぶりなど住み心地に優れている点が挙げられます。
芸能人や有名YouTuberなどがタワマンで暮らしていることもあり、成功者のステータスシンボルとしての役割を担っている側面もあるでしょう。
また、タワマンのなかには駅直結・複合施設型の物件も多く見られ、利便性の高さはもちろん日々の生活のしやすさといった観点でも人気が高まりつつあります。
ここではタワマンの家賃相場における平均価格と、家賃が高いといわれる理由について解説します。
タワマンの家賃相場はエリアによって大きく異なります。
とくに東京23区の中でも港区や新宿区、千代田区にタワマンは比較的家賃が高く設定されている傾向にあり、1LDKであっても20万円後半から30万円前半の家賃が設定されていることも珍しくありません。
そのため、そのエリアで2LDKから3LDKのタワマンに住むとなれば毎月40万円~50万円の家賃が必要となるでしょう。
一方で、豊島区や台東区・荒川区・湾岸エリアなどはタワマンの家賃相場が比較的安く設定されており、1LDKで20万円前後、2LDKから3LDKでも30万円前後で物件を借りることができます。
タワマンだからといって一概に家賃が高く設定されているわけではなく、都心から少し離れたエリアや所在階を下げることで家賃を抑えられるでしょう。
タワマンの家賃が高い理由として、主に以下の3つが挙げられます。
・一定の需要があるから ・設備が充実しているから ・家賃以外の管理費等が高いから |
タワマンの人気は高く、常に一定の需要があることから家賃が高くなる傾向にあります。
また、タワマンは従来のマンションに比べて共用設備が充実しており、物件によってはスーパーやコンビニをはじめ、ジムやラウンジが設けられていることもあるでしょう。
こうした設備によって暮らしの豊かさが担保される一方、施設を維持するためにはお金が必要不可欠です。
施設維持費をはじめ、修繕積立金など、家賃以外の管理費が高く設定されているのもタワマンの家賃が高いと感じる原因といえます。
ここではタワーマンションに住む主なメリットを5つ、紹介します。
タワーマンションに住んでいるという事実は、一種のステータスになります。
それ相応の資産を有していることの証明になるほか、最新鋭の設備が整っていて、眺望もよいとなれば他の住居にはないステータスを得られることにもなるでしょう。
タワーマンションにもよりますが、なかには最寄り駅に直結しているほか、周辺施設が充実している物件も数多く見受けられます。
直結している場合には雨の日でも傘をささずに駅までいけることに加え、帰宅が遅くなってしまっても夜道で不安を感じずに済むでしょう。
また、周辺に商業施設等が立ち並んでいる場合、入居時から利便性の高い暮らしをおくれるほか、買い物や外食も遠くまで足を運ぶことなく自宅周辺で楽しめます。
タワマンの中にはエントランスがある1階部分に住戸がない物件も多いほか、天井が高くとられているケースも少なくありません。
そのため、住戸が従来のマンションの3階程度の高さから始まることが多く、低層階であっても一定の日当たりや採光が期待できます。
また、リビングやベランダからの眺望が魅力的なのもタワマンに住むメリットのひとつです。
高層階になればなるほど、周囲を遮る物がないため遠くの山が見えるほか、夜は都市の夜景を楽しめます。
また、カーテンを開けたままでも室内をのぞき見される恐れがなく、一定のプライバシーが確保されていることも利点といえるでしょう。
タワマンの中にはコンシェルジュが常駐しているところがあり、多種多様なサービスを受けられます。
クリーニングや宅配便などの取り次ぎをはじめ、デリバリーやケータリングサービスの手配、タクシーの手配など、物件によってサービスはさまざまです。
また、コンシェルジュは警備の役目も担っていることから、防犯面でのメリットも大きいといえます。
一般的に階数が高くなればなるほど、害虫と遭遇しづらくなります。
その理由として、地表の虫が飛べる高さには限界があるほか、建物が機密化されており、外から虫が侵入しづらいことが挙げられるでしょう。
特に夏場は蚊に、秋口はカナブン等の害虫に悩まされるケースも多く見受けられますが、タワマンであれば一戸建てや低層階と比較してそれらの害虫が侵入しづらいといえます。
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タワマンに住むデメリットとして、洗濯物を外に干せないことや、混雑時にエレベーターの待ち時間が長いことなどが上げられます。とはいえ物件によっては対策がとられているケースも多く、一概にすべてのタワマンに当てはまるデメリットというわけではありません。
タワマンに住むデメリットについては以下の記事で詳しく紹介しているため、あわせて参考にしてください。
あわせて読みたい|タワマンに住んだら後悔する?デメリットや体験談、選び方を解説!
タワマンに住むメリット・デメリットを把握したところで、ここではタワマンを選ぶ際のポイントや注意点について解説します。
タワマンを選ぶ際は、必ず内覧してから検討することをおすすめします。
その理由として、物件の間取りだけを見ても、実際の日当たりや周辺環境を全て把握することは困難だからです。
また、タワマンを選ぶ際に眺望が優れていることを重視する人も多いかもしれませんが、実際にはどのように見えるのか、自分の目でしっかりと確認するようにしましょう。
タワマンでは毎月の家賃に加え、修繕積立金や管理費といったその他の費用が高くつくケースも少なくありません。
そのため、毎月の収入に対して家賃等の支出が身の丈に合っているか確認することが大切です。
また、万が一タワマンを手放さなければならなくなってしまった場合でも、資産価値が高ければ売却や第三者に貸し出すといった手段で収益を得ることができます。
資産価値が下がりにくいマンションであるかどうか、資産シミュレーションを行って価値を把握しましょう。
どんなに素敵な物件であっても、買い物ができる施設が周辺にない場合は生活するのに不便と感じる機会が増えてしまいます。
また、病院なども近くにあると万が一の際に安心です。
このように、生活するにあたって必要な施設が近くにある場合、高い需要をキープできます。
結果として、資産価値が極端に落ちることはないでしょう。
タワマン選びの失敗例として、以下の3つのケースが多く見受けられます。
タワマン選びの際には以下の点を考慮して検討することをおすすめします。
1つめの失敗事例は、タワマンに憧れを持って購入したものの、結果として身の丈に合わない物件を選んでしまったケースです。
タワマンは購入したら終わりではなく、その後も将来の修繕費のための積立て費用を支払う必要があります。
また、タワマンに住む人の減少や滞納者の増加によって修繕費が足りなくなった結果、購入時よりも積立て費用が値上がりするケースも少なくありません。
家賃だけでなく、費用も考慮して物件を選ぶことはもちろん、万が一値上がりした際のことも考慮してシミュレーションをしておくことが大切です。
2つめの失敗事例は、どんな人が住んでいるのかをきちんと確認しないまま購入してしまい、結果として雰囲気の悪さに嫌気が指してしまったケースです。
タワマンの多くは総戸数が100近くなることも珍しくなく、それに伴ってさまざまな人たちが集まっています。
また、分譲用のタワマンであっても投資家などが賃貸用として購入し、第三者に貸し出していることもあるでしょう。
その場合、隣人が頻繁に入れ替わる恐れがあるため、タワマンを購入して長く住もうと思っている場合には、両隣はもちろん上下にどのような住民が住んでいるのかを確認しておくことをおすすめします。
3つめの失敗事例は、事前に下調べをきちんとしないままタワマンを購入した結果、思っていたよりも資産価値が下落してしまったケースです。
タワマンは資産価値が下落しやすいともいわれており、その理由として価格が落ちにくいとされる土地の持ち分がごくわずかであることが挙げられるでしょう。
土地の資産価値はあまり大きな変動がない一方で、建物は老朽化に伴い資産価値が次第に減少してしまいます。
そのため、ある程度の下落は致し方ありませんが、購入前に数十年後も需要がありそうな立地であるか、また周辺環境はどうかなどさまざまな観点から物件を検討することが大切です。
ここでは、タワマンに関してよくある質問をいくつかご紹介します。
相続税評価の見直しによって、2024年1月1日以降に相続・贈与によって取得した財産では「タワマン節税」ができなくなるといわれています。
なお、タワマン節税とはタワマンなどの物件の時価とその物件の相続税評価額の差額を利用し、相続税の負担を抑える節税方法のことを指します。
タワマンは相続税評価額と時価の乖離が大きいため、とくに節税効果があると重宝されていました。
一概にはいえませんが、一般的には年収1,000万円が最低ラインといわれています。
住宅ローンの返済額目安は手取り年収の25%以内とするのが理想といわれており、年収1,000万円で購入できるマンションの価格目安は5,000万円前後となるからです。
タワマンは入居後の管理費等もそれ相応にかかることから、身のためにあった物件選びが欠かせません。
超高層建築物に分類されるタワマンは構造の強度や安全性に関し、国によって厳しい建築基準が設けられています。
地震大国の日本では1981年に耐震基準が改正され、以降建てられたタワマン全てに新耐震基準が適用されました。
そのため、タワマンは新耐震基準を満たすだけの強い構造や耐震性を有していることに加え、一般のマンションよりも防火性能や避難時の安全性といった安全基準も厳しく設定されています。
今回の記事ではタワマン(タワーマンション)の定義をはじめ、平均価格やメリット・デメリットについて解説しました。
タワマンとは一般的に20階以上、60mを超える超高層マンションのことを指し、眺望の良さやサービス・施設の充実ぶりから高い人気を集めています。
とはいえ、その一方でタワマンの購入に失敗したという声も見受けられるため、自分の目で実際に確認することはもちろん入念なシミュレーションを行うことを心がけましょう。
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元信託銀行員。宅建士・ 2級FP技能士をはじめ、複数の金融・不動産資格を所持。それらの知識をもとに、「初心者にもわかりやすい執筆」を心がけている。2児の子育て中でもあり、子育て世帯向けの資産形成、女性向けのライフプラン記事を得意とする。
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