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警察庁のデータによると、令和4年以降、3年連続で犯罪件数が増加しており、防犯性の高いマンションに住みたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。
とはいえ、具体的にどのような点に気を付ければよいか分からないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、防犯性の高いマンションの特徴や選ぶ際のチェックポイントなどをご紹介します。
ここでは、防犯性の高いマンションについて以下の項目に沿って解説します。
それぞれ見ていきましょう。
防犯性を左右するポイントとして、以下の3つを押さえておくとよいでしょう。
警察庁の令和5年の刑法犯に関する統計資料によると、10万世帯あたり、3階建て以下の建物の認知件数が2,519件に対し、4階建て以上の建物の認知件数は1,288件となっています。
階数は4階建て以上の建物を選んだ方が被害に遭いにくいといえます。
また、設備や防犯体制に関してはエントランスのオートロックや防犯カメラなどがあると安心です。
立地に関しては人通りの少ない閑静な住宅街や見通しの悪い立地、線路の近くで騒音が大きいエリアが狙われやすい傾向にあります。
マンション選びで防犯性を重視すべき理由としては、生活していくうえで安心感につながることが挙げられるでしょう。
空き巣に入られると、財産が盗まれてしまうことはもちろん、空き巣の現場に遭遇すると身の危険につながる可能性もあります。
特にお子様がいるご家庭では大きな問題となりやすいでしょう。
長く安心して過ごせるマンションにするためにも、防犯性を意識したマンション選びをすることが大切です。
ここでは、防犯性の高いマンションの主な特徴として、以下の項目に沿って解説します。
それぞれ見ていきましょう。
エントランスのオートロックや防犯カメラ、宅配ボックスなどのセキュリティ設備が整っているマンションを選ぶのがおすすめです。
マンションの犯罪による被害は空き巣が最も多く、また、空き巣の際のマンション侵入経路で一番多いのが「無締り」とされています。
エントランスにオートロック機能があるマンションを選ぶことで、無締りでの侵入を考えている空き巣から家を守りやすくなるでしょう。
また、防犯カメラはいざ犯罪に遭ったときに犯人を見つけるのに役立つだけてはなく、防犯カメラがあることによる抑止力としての効果も期待できます。
その他、宅配ボックスは不在時にも商品を受け取れるだけでなく、お子様が1人で留守番をしているときに、犯罪に巻き込まれるリスクを減らす効果も期待できるでしょう。
防犯性の高いマンションにおける立地や周辺環境の特徴として、以下のようなものが挙げられます。
空き巣に入られやすいマンションの特徴として、見通しの悪さや人通りの少なさが挙げられます。
周辺に街灯が多く、夕方になっても遠目から確認しやすかったり、人通りが多く人目につきやすかったりする場所であれば防犯性が高いといえるでしょう。
また、駅の近くだと人通りの多さという点ではよいのですが、電車が通るときに大きな音がしたり、犯罪を実行した後にすぐ逃げられたりするという点で防犯性に問題があるケースがあります。
事前に、騒音の大きさについても確認しておくことが大切です。
管理体制に関しては、常駐の管理人がいるか、や定期的に巡回しているかといった点を確認するのがおすすめです。
エントランスロビーに管理人が常駐していれば、日頃見かけない人がいたら不審に思う可能性は高いでしょう。
また、定期的に巡回していれば、玄関やベランダからの侵入を躊躇する可能性が高くなります。
防犯性の高いマンションを選ぶ際には、事前に以下の点をチェックしておくのがおすすめです。
それぞれ見ていきましょう。
防犯性能の高いマンションを選ぶ際には以下の設備があるかを確認しておきましょう。
上記のうち、必ずしも全てを備えている必要はありませんが、該当数が多いほど防犯性は高くなります。
賃貸物件において、空き巣などの犯罪に遭ってしまった場合に、入居者からオーナーに対して管理上の責任を追及できるかというと、一般的には難しいといえます。
一般的に、契約書の約款部分において、貸主の責によらない事故については貸主は責任を追わないといった条項が設けられているからです。
一方で、過去に数回、同じ手口で空き巣被害に遭っているのにも関わらず、対策を講じていないようなケースではオーナー側の責任を追及できる余地があるといえるでしょう。
防犯に関する契約条項に関しては、賃貸契約ごとに異なるため、事前にどのような条項が設けられているか確認しておくことをおすすめします。
防犯性能に関しては、設備や立地以外に、入居後に自分で取り組むことで高められることもあります。
ここでは、防犯性能を高めるための入居後の取り組みを見ていきましょう。
まずは個人でできる防犯対策として以下を検討するとよいでしょう。
特に重要かつすぐにできる対策として、毎回きちんと施錠するということが挙げられます。
空き巣被害の侵入経路として最も多いのが無締まりの玄関や窓からの侵入です。
特に2階以上だと窓からの侵入はないと考えてしまいがちですが、確実に施錠することが大切です。
その他、施錠による防犯をより強固にする補助鍵の取り付けや、窓に張り付けて強度を高め、ガラス破りによる侵入を防ぎやすくなる防犯フィルムの貼り付けなど検討するとよいでしょう。
マンションの場合、個人で取り組む防犯対策の他、マンションの住民同士で防犯意識を高める方法も有効です。
例えば、切れてしまった照明設備を早い段階で取り換えることでマンション内の暗所を減らしたり、共用部分に無用な障害物を設置することを禁止して死角を減らしたりといったことが考えられます。
防犯性が高いマンションを選ぶ際には、注意点もあります。
ここでは、防犯性が高いマンションを選ぶ際の注意点として以下の通り解説します。
それぞれ見ていきましょう。
防犯性が高いマンションのデメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
防犯性を高める方法として、管理人に常駐してもらったり、エントランスをオートロックにしたりすることが考えられますが、これらが採用されたマンションの家賃はそうでないマンションと比べて高くなりがちです。
また、エントランスをオートロックにすることで知人を家に招く際に不便が生じたり、共用部分に私物を置かないように取り決めることで不便に感じてしまったりする人もいるでしょう。
これらの費用や利便性に関しては、安全性を確保するための必要コストと考える必要があります。
ご自分にとって、どの程度の防犯性能があれば安心して住めるかを想定したうえで、バランスの取れたマンションを選ぶことが大切です。
いくら防犯性能の高いマンションを選んだとしても、100%防犯できるわけではありません。
防犯性が高いマンションに住んでいることに頼りすぎるのではなく、日頃からしっかり施錠を行うことを始め、防犯意識の高い取り組みを継続して行うことが大切です。
最後に、防犯性の高いマンションが持つ価値と将来性についてご紹介します。
防犯性の高いマンションは安心して住める分、入居者からの需要が高くなりやすいです。
警察庁の「令和6年の犯罪情勢」によると、平成14年をピークに減少傾向だった犯罪率は、令和4年より3年連続で上昇しています。
また、今後は外国人の移住が進むなどして、防犯性能の高さを重視する人が増える可能性もあるでしょう。
今後も犯罪数の増加傾向が続くようであれば、より防犯性能の高いマンションの人気が高まる可能性があるといえるでしょう。
結果として、長期的にみて防犯性能の高いマンションは資産価値が高まる可能性があります。
今後期待されるセキュリティ技術の進化として、スマートホーム化が挙げられます。
スマートホームはインターネットやAIの技術を活用し、家庭内の設備や家電をネットワークでつないだ住宅のことです。
マンションのスマートホーム化が進むことにより、例えば玄関先に設置した防犯カメラや室内の監視カメラ、玄関の施錠状況をスマートフォンで確認するといったことが可能になります。
また、長期間家を留守にするような場合でも、防犯対策として夜間に明かりを点けるといったことも可能です。
現在ではまだ高価な設備であり、一部のマンションにしか導入されていませんが、今後テクノロジーが活用されることでより安価に導入することができれば、多くのマンションで導入しやすくなるといえます。
階数、設備(オートロック、防犯カメラ)、管理体制、そして立地(人通りが多く、見通しの良い場所)をチェックしましょう。
3階建て以下に比べて、4階建て以上の建物では認知される犯罪件数が少なく、侵入のリスクが低くなります。
通りが多く、視認性の高いエリアが防犯性の高い場所です。逆に、閑静な住宅街や見通しの悪い場所はリスクが高い傾向にあります。
防犯性の高いマンションの特徴と選び方をご紹介しました。
近年では高齢者の増加などを理由に犯罪率が上昇傾向にあり、今後はより防犯性能の高いマンションの価値が高くなる可能性があります。
マンションを借りるときや購入するときなど、本記事でご紹介したチェックポイントを参考に防犯性能の高いマンションを選ぶようにしましょう。
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保有資格:宅建士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(AFP)
地方銀行勤務後、住宅会社へ転職。住宅会社では注文住宅や建売住宅の販売を担当し、営業部長として従事。それらの経験を活かし、住宅や不動産、金融を中心としたWebライターとして活動を始め2018年より独立。多数のメディアでコンテンツ作成に取り組んでいる。
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