「マンションを売りたいけど、買取だと安くなるって本当?」
そんな不安を抱えたことはありませんか?
確かに、買取は仲介と比べて価格が下がる傾向があります。しかし、それには明確な理由があり、ポイントを押さえれば“相場より安く手放してしまう”失敗は防げます。
この記事では、買取価格が安くなる3つの理由から、損をしないための見極めポイントまで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。「とにかく高く売りたい!」という方には仲介との使い分け方法もご紹介!ぜひ最後までお読みください。
- クリーニング不要で、残置物など現状のままでOK!
- 不動産会社からのしつこい営業なし!
- 共有持分、再建築不可など訳あり物件も相談可能!

そもそもマンション買取とは?
マンション買取とは、不動産会社などの業者が物件を直接買い取る仕組みです。買主を探す必要がなく、スピーディーかつ確実に現金化できるのが特徴。一方で、一般的に仲介より価格は低くなる傾向があります。
マンション買取の基本的な仕組み
マンション買取は、売主が不動産会社に直接売却する方法で、買主を探す「仲介」とは大きく異なります。
業者は購入後、自社でリフォーム・再販売することを前提に物件を仕入れるため、査定はその再販価値を見越して行われます。
契約から現金化までが早く、内見や広告活動も不要。離婚や相続、急な引っ越しなど「すぐに売りたい」事情がある方に選ばれるケースが多いでしょう。
仲介と買取の価格の違い
仲介は市場に公開されるため、多くの購入希望者の中から競争が生まれ、希望価格に近い金額で売れる可能性が高くなります。一方、買取は再販を前提とした「業者向け価格」で査定されるため、価格が抑えられる傾向があるでしょう。
特に、築年数が古い・リフォームが必要・立地に難ありといった「売れにくい物件」は、業者側のリスクを加味して価格が大きく下がることも。
こうした特性を理解したうえで、「スピード重視なら買取、価格重視なら仲介」といった使い分けが重要です。
また、価格以外にも注意すべきポイントがあります。
たとえば、契約後に想定外の費用を請求されるなど、スムーズな進行の裏で思わぬ落とし穴がある場合も。
トラブルを避けるためにも、契約前に知っておきたいポイントは以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてチェックしてください。

マンション買取はなぜ安い?その理由をわかりやすく解説
「買取だと安くなる」と言われるのには、いくつかの明確な理由があります。
単に業者が利益を取りたいから、という理由だけではなく、業者側のビジネス構造やリスク回避の観点から価格が決まっているのです。
ここでは、買取価格が仲介よりも低くなる主な3つの理由を解説していきましょう。
理由①買取業者は「再販リスク」込みで査定している
買取業者は、あなたのマンションを買い取った後、必要に応じてリフォームやリノベーションを行い、再販することで利益を得ています。
しかし、この再販には多くのコストとリスクが伴います。
たとえば、リフォーム費用が多くかかると予想される物件や、立地や間取りの影響でなかなか売れにくい物件は、価格を下げてリスクヘッジする必要があります。
さらに、想定よりも時間がかかる、あるいは全く売れない場合の「不良在庫化リスク」も考慮されるため、査定は仲介よりも保守的な価格が提示されるのが一般的です。
理由②内装や立地に関わらず一律で減額されやすい
仲介の場合であれば、室内の状態や立地の良さが価格にプラス材料として評価されることが多いでしょう。しかし、買取ではそれが反映されにくい傾向にあります。
というのも、業者は再販を前提としているため、物件ごとの「クセ」や「好み」をできるだけ排除したいと考えるからです。
たとえば「デザイン性が高い内装」や「個性的な間取り」は、一般の買主には刺さっても、業者にとっては再販しづらい“リスク”となります。
その結果、物件の良し悪しにかかわらず一律で減額されやすく、魅力が十分に反映されない価格になってしまうことがあります。
理由③仲介のように「競争入札」が起きにくい
仲介では、複数の購入希望者が現れると価格交渉が発生し、希望価格よりも高く売れる「競争入札」が起きるケースもあります。
しかし、買取では買主が不動産業者に限られるため、このような価格の競り合いが起きにくくなるでしょう。
また、業者同士で積極的に競合することも少なく、あらかじめ決まった再販利益を確保する価格設定が前提となるため、ユーザーの希望価格が反映されにくいのが実情です。
その結果、「仲介で売っていればもっと高く売れたかもしれない」と感じるような価格差が生じることもあります。
相場より安く売らないために!3つのチェックポイント
買取価格が抑えられる理由について見てきましたが、大切なのは「どうすれば損せず売却できるか」を知ること。必ずしも「安く手放す」ことになるとは限りません。
ポイントを押さえて準備すれば、納得感のある価格での売却も十分可能です。
ここからは、相場より安く売らないために、売却前に確認しておきたい3つのチェックポイントをご紹介します。
①複数の業者に査定依頼をする
まず大前提として、「1社だけの査定で決める」のは避けましょう。
不動産買取では業者によって価格差が大きく出ることがあり、場合によっては100万円以上の差が生じることもあります。
最低でも3社以上に査定を依頼し、それぞれの提示価格と対応を比較することが大切です。
一括査定サイトなどを活用すれば、手間なく複数の業者に依頼できるため、相場感をつかむ第一歩として活用するのもおすすめです。
②査定額の「根拠」を確認する
査定価格を提示されたら、金額だけでなく「どうしてこの価格なのか」を必ず確認しましょう。
信頼できる業者であれば、類似物件の成約事例や地域の相場、リフォーム想定費用などを根拠として提示してくれるはずです。
一方で、説明が曖昧だったり「とにかくこの価格で」と押してくるような業者は要注意。
価格の理由を丁寧に説明してくれるかどうかは、その後の対応にも関わる大切な判断材料になります。
③査定結果をエリアの成約価格と照らし合わせる
提示された査定額が妥当かどうかを判断するには、周辺エリアの成約価格と比較してみることも重要です。
不動産ポータルサイトの「成約事例検索」などを使えば、近隣で同じような条件のマンションがいくらで売れているかが確認できます。
築年数や専有面積、階数など条件が近い物件と比べて明らかに安すぎる場合は、再度の交渉や見直しを検討しましょう。
客観的な視点を持つことで、感覚に頼らない納得の売却につながります。
高値で売りたいなら「仲介」も検討を!ただし注意点も
「できるだけ高く売りたい」「価格を最優先したい」という方には、買取よりも仲介の方が向いているケースもあります。
とはいえ、仲介にもデメリットは存在します。ここでは、買取との比較や、それぞれに向いている物件の特徴を整理しておきましょう。
仲介と買取のメリット・デメリット比較表
以下に、仲介と買取の違いを分かりやすくまとめました。
項目 | 仲介(一般売却) | 買取(業者による直接買取) |
売却価格 | 市場価格で売れる可能性が高く、競争で価格が上がることも | 相場の6~8割程度になるケースが多く、価格は低めに設定される |
売却スピード | 売却活動から契約成立まで1〜3ヶ月かかることが一般的 | 価格合意後、最短で数日〜数週間で現金化が可能 |
手間・対応 | 内見準備・買主との交渉・広告掲載など、売主側の負担が大きい | 内覧対応不要/広告非公開で近隣に知られず売却できる |
契約の確実性 | 買主の住宅ローン審査が通らなければ契約不成立になるリスクがある | 不動産会社が買主のため、契約後のキャンセルリスクが低く、確実性が高い |
契約不適合責任 | 引き渡し後のトラブル対応(修繕費用負担など)のリスクあり | 原則として契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)が免除される |
仲介手数料 | 仲介会社に対して、物件価格の3%+6万円(税抜)の手数料が発生 | 仲介を介さないため、手数料は不要 |
リフォーム対応 | 売主自身でクリーニングや補修を行った方が高く売れる可能性あり | 基本的に業者がリフォーム前提で購入するため、現状のままでOK |
住み替えとの相性 | 売却完了まで読めないため、資金計画が立てづらい | 価格が早期に確定するため、住み替え資金の見通しが立てやすい |
向いている人 | 「価格を最優先したい」「時間に余裕がある」人 | 「早く・確実に売りたい」「手間なく進めたい」「周囲に知られたくない」人 |
仲介は「少しでも高く売りたい人」に適した方法ですが、手間や時間、売れないリスクが伴います。
一方、買取は「スピードと安心感を重視したい人」におすすめ。価格は抑えられがちですが、手間をかけずに確実に売却できる点が魅力です。
どちらを選ぶべきかは、物件の状況やあなたのライフプラン次第。自分の優先順位を整理したうえで、後悔のない選択をしましょう。
仲介に向いている物件・買取に向いている物件の特徴
すべてのマンションが「仲介のほうが高く売れる」とは限りません。物件の条件や売主の事情によって、最適な売却方法は異なります。
たとえば、築浅で人気エリアにある物件なら仲介での高値売却が見込めますが、逆に築年数が古く、買い手が付きにくい物件は買取のほうがスムーズかつ納得度の高い取引になることもあります。
以下に、それぞれの売却方法に向いている物件の特徴をまとめました。
【仲介に向いている物件】
- 築浅で状態が良い
- 駅から徒歩圏内に立地している
- 周辺に生活施設(スーパー・学校・病院など)が充実している
- 一般的で使いやすいファミリー向けの間取り
- リフォーム済みまたは室内の状態が良好
- 購入希望者が集まりやすい人気エリア
- 売却までに時間的な余裕がある
【買取に向いている物件】
- 築年数が古く、設備も経年劣化している
- 室内のリフォームが必要、または現状のままで手放したい
- 駅から遠く、バス便などでアクセスする立地
- 間取りが古い・特徴的で一般受けしにくい
- 周辺に生活施設が少ない
- 空き家、または長期間使われていない物件
- 相続や離婚、住み替えなどで早急に現金化したい
- 売却活動を近所に知られたくない
売却で何を優先するか、そして物件が市場でどれだけ魅力的かによって、仲介と買取の向き・不向きは大きく変わります。
まずは自分の物件の特徴と状況を見極めて、後悔のない売却方法を選びましょう。
マンション買取の相場・価格に関するよくある質問
最後に、マンション買取にまつわる疑問の中でも特に多い「査定額の信頼性」や「キャンセルの可否」、さらに「リフォームとの関係」についてわかりやすくお答えします。
事前に確認しておくことで、後悔のない売却につなげましょう。
査定価格と実際の買取価格は違うの?
はい、異なる場合があります。査定価格はあくまで「目安」であり、最終的な買取価格は現地調査後に決定されることがほとんどです。
現地調査によって、室内の状態・管理状況・設備の不具合などが判明すると、価格が上下する可能性があります。
また、査定時点では含まれていなかった諸費用(解体費用・測量費・残置物処分費など)が加算され、最終価格が下がることも。
「査定=そのままの金額で売れる」と思い込まず、事前に詳細な説明を受けることが大切です。
査定額が安すぎる場合、キャンセルできる?
はい、査定を受けたからといって売却の義務はありません。
基本的に査定は無料で行われ、提示価格に納得がいかなければキャンセルして問題ありません。
ただし、すでに契約書に署名・捺印した後はキャンセルできない場合があるため注意が必要です。
また、業者によっては「しつこい営業」をかけてくるケースもあるため、複数社を比較しながら信頼できる業者を選びましょう。
リフォームした方が高い価格で買い取ってもらえる?
ケースバイケースですが、基本的にはリフォームせずに売却する方が良い場合が多いでしょう。
というのも、買取業者は自社の判断で再販前にリノベーションを施すため、個人が事前に手を加えたリフォームは評価対象になりにくいからです。
むしろ、リフォーム費用をかけてしまうとコストだけがかさみ、買取価格がほとんど変わらない…という事態になりがち。
不要な出費を避けるためにも、リフォーム前に一度、現状のままで査定を受けてみるのがおすすめです。
まとめ
マンション買取は、スピーディーかつ確実に売却できる一方で、仲介よりも価格が下がる傾向があります。
しかし、その「安さ」には明確な理由があり、ポイントを押さえれば損をせずに賢く売却することも可能です。
買取価格が安くなる理由を理解し、複数業者への査定依頼や価格の根拠確認、相場との比較を行うことで、納得のいく売却につながります。
さらに「少しでも高く売りたい」と思う方は、仲介との比較もしっかり行い、自分の物件や状況に合ったベストな方法を選びましょう。
大切な資産だからこそ、焦らず、冷静に判断することが何より重要です。
- クリーニング不要で、残置物など現状のままでOK!
- 不動産会社からのしつこい営業なし!
- 共有持分、再建築不可など訳あり物件も相談可能!