共有持分に関する完全ガイド!トラブルと相続方法を解説

こんなお悩みありませんか?

マンションを売ろうかなと思っているけど、何から始めたら良いか分からない...

不動産会社をまわるのは面倒...

Webから最短45秒で申し込み!
比較することで納得売却に繋がります。

「共有持分をもっているとトラブルになりやすいって本当なの?」と、共有持分を保有するのに抵抗がある人もいるのではないでしょうか?確かに共有持分はトラブルを引き起こしやすいため、抵抗がある人もいるかもしれません

しかし、共有持分についてきちんとした知識をもっていれば、資産として保有し続けられます

本記事では共有持分について必要な知識やトラブル事例、トラブル防止の対策について解説します。記事の後半では、共有持分のトラブルに巻き込まれたときの相談先についても紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

共有持分とは?基本的な概念を解説

1つのものを複数人で所有することを「共有」といい共有している人がもつ所有権の割合を「共有持分」といいます

たとえば、1つの土地に対して共有者が3名いたとします。共有者3名が平等に所有権を分けたのであれば、それぞれが3分の1の共有持分を保有することになるわけです。共有持分の割合は平等にする必要はないため、3人の共有持分をそれぞれ10分の5、10分の4、10分の1と分けても構いません。

また、共有持分は財産として認められる権利であり、資産価値があります。そのため、共有持分を売ればお金が手に入りますし、相続や贈与などで他人に譲れます。

共有持分が発生する典型的なケース

不動産において共有持分が発生するケースは、次のような場合です

  • 1つの不動産を複数人で購入した
  • 相続した不動産を複数人で共有した
  • 不動産の贈与を受けた人が複数人いた など

共有持分を保有するケースで多いのは、不動産を複数人で購入するケースと、相続で不動産を複数人で共有したケースです。

たとえば、夫婦でペアローンを借りて自宅を購入したり、1つの不動産を兄弟姉妹で相続したりしたりするケースです。不動産において共有持分が発生する機会は多く、共有持分についての知識をもっておくといいでしょう。

共有持分の管理と運用

共有持分を所有する際には、次の内容に注意する必要があります

  • 共有者間の合意形成の重要性
  • 共有持分の活用方法とメリット

共有者どうしのコミュニケーションや活用方法とメリットを理解しておけば、トラブルなく共有持分を所有できるようになります。

共有者間の合意形成の重要性

共有持分をトラブルなく管理するには、共有者の間で不動産の取り扱いについてコミュニケーションをとっておくことが大切です。

共有している不動産は、次の表のように単独では自由に使えないケースがあります。

行為の名称共有持分
保存行為共有者1人の独断で実行可能・建物の簡易的な補修・不動産の不法占拠者に対する立ち退き請求 など
管理行為共有持分の過半数の同意が必要・第三者に賃貸する・建物の形状を変更しない程度の工事 など
変更行為共有者全員の同意が必要・不動産の売却・建物の取り壊し・抵当権の設定 など

たとえば、共有している不動産を他人に貸したいとしても、共有持分の過半数以上の同意がないと賃貸できないわけです。突然、不動産を貸したいと相談してもスムーズに進まないため、日頃から共有者と共有不動産をどのように利用するのか話し合っておく必要があります。

共有持分の活用方法とメリット

共有持分はトラブルを引き起こしやすいものの、次のように保有するメリットもあります

  • 複数人で共同出資して不動産が購入できる
  • 共有者それぞれが税金の優遇制度を利用できる
  • 相続財産をうまく分けられる

それぞれどのようなメリットなのか、解説していきます。

複数人で共同出資して不動産が購入できる

不動産は高額な商品であるものの、共同出資すれば少ない手持ち資金でも購入できます

近年、不動産は資産として考えられるようになり、現金を不動産にする人も増えています。インフレで現金の価値は下がるものの、不動産はインフレ率に応じて資産価値が上がるからです。

しかし、不動産は高価であり、単独で購入するのは難しいものです。単独で購入できない場合、共同出資して共有持分として資産が保有できます。

共有者それぞれが税金の優遇制度を利用できる

税金によっては、共有者全員に適用される優遇制度があります

たとえば、居住用財産3,000万円特別控除は、共有者全員がそれぞれ利用できる優遇制度です。居住用財産3,000万円特別控除とは、一定の条件を満たして自宅を売却した場合、譲渡所得から3,000万円が控除できて、譲渡所得税の課税が抑えられます。

単独名義で自宅を所有していた場合、最大で3,000万円しか控除できません。しかし、共有者2人が所有している自宅を売却すれば、合計6,000万円まで譲渡所得が控除できます。

相続財産をうまく分けられる

共有持分をうまく利用すれば、スムーズに相続が進みます

相続人が複数いるのにも関わらず、相続財産が高価な物品がひとつだけで現金がない場合、財産分与に苦労してしまいます。相続人ひとりだけに高価な物品を渡し、ほかの相続人には財産を相続させないわけにはいきません。

しかし、相続財産を共有持分として相続させれば、相続人に均等に分けられます。共有持分には、相続トラブルを防ぐ使い方もあるということです。

300万円以上差がつくことも!?
査定は比較することが重要!

最短わずか60秒無料一括査定で、あなたのマンションを高く評価してくれる不動産会社にまとめて査定依頼。

共有持分のトラブルと対策

共有持分を所有する際には、次のようにトラブルや対策について理解しておきましょう

  • 共有持分の紛争事例と解決方法
  • 共有持分の売却・分割方法

共有持分は、単独で所有するよりもトラブルが起きやすい権利です。どのようなトラブルが起きやすいのか、どのように対策したらいいのか確認しておきましょう。

共有持分の紛争事例と解決方法

共有持分はトラブルが起きやすい権利であり、とくに不動産売却のときにもめるケースが多く見受けられます

共有不動産を売るには、共有持分をもっている人が全員、売却を承諾する必要があります。極端な話をすると、共有持分100分の99の人が売却に承諾しても、100分の1の人が反対した場合は不動産を売却できません。

共有者のほぼ全員が売却に賛成しているのに、ごく一部の人が反対して売れないのでは感情的になってしまうのも無理はありません。とくに、お金に困っている共有者がいる場合はなおさらです。

共有不動産でもめないようにするためには、共有者どうしで常にコミュニケーションを図っておくといいでしょう。コミュニケーションを図っておけば急に売却の相談をするよりも、売れる可能性が上がります。売却以外にも共有持分のトラブルはありますが、多くは共有者どうしのコミュニケーション不足から発生しています。

共有持分の売却・分割方法

共有持分は、資産価値のある権利で売却が可能です

しかも、共有不動産とは違い、自分の共有持分は共有者の売却承諾がなくても売れます。手続きについても不動産の売却と同じで、不動産仲介会社に売却を依頼したり買取業者に買い取ってもらいます。

また、共有持分自体をさらに分割することも可能です。たとえば、共有持分2分の1をもっている人が、共有持分の一部売買や贈与をおこなって、共有持分2分の1の半分である4分の1を第三者に分けられます。分割する方法も売買であれば通常の不動産と同じ方法で売却でき、贈与も通常の財産と同じ方法で分割できます。

共有持分の相続

共有持分は相続できる権利であるため、次のように相続について理解しておきましょう

  • 共有持分の相続手続き
  • 相続税対策と節税方法

ここからは、共有持分の相続手続きの方法や、相続対策、節税方法について解説します。

共有持分の相続手続き

共有持分を相続するときの手続きは、次のような流れで進めていきます

  1. 遺言書が残されているか調べる
  2. 相続人を確定させる
  3. 遺産分割協議をおこなう
  4. 遺産分割協議書を作成する
  5. 相続税の申告して相続登記をおこなう

共有持分は相続できる財産であるため、不動産や現金などと同時に相続の手続きを進めていきます。

相続財産を受け継ぐには、まず遺言書が残されているか確認します。遺言書の内容は法定相続より優先されるため、遺言書が見つかったら基本的には内容どおりに相続しなければなりません。

遺言書が見つからなかった場合は、相続人の数を確定してから遺産分割協議をおこないます。遺産分割協議とは、相続人全員で相続財産をどのように分けるのか決める協議です。相続人全員の話し合いがまとまったら、遺産分割協議書を作成し、相続人が受け継ぐ財産を確定します。

後は遺産分割協議書の内容にしたがって税務署に相続税の申告、法務局に共有持分の相続登記の手続きをすれば相続は完了です。

なお、共有持分の相続順位は、通常の不動産と同じで法定相続の順に相続人を決めていきます。共有者に、相続の優先権があるわけでないため注意しましょう。

相続税対策と節税方法

共有持分は相続税の課税対象となる権利であるため、相続税の基礎知識や節税方法を理解しておく必要があります

まず相続税の基礎知識として「基礎控除額」について理解しておきましょう。

相続税には基礎控除額があり、控除額以内の相続財産を相続する場合には相続税は課税されません。基礎控除額の計算は、次の式を利用して算出します。

相続税の基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

たとえば、法定相続人が3人いた場合、相続税の基礎控除額は次のような金額になります。

3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円(相続税の基礎控除額)

つまり、この場合、相続する財産が4,800万円以内であれば相続税は課税されないということです。

また、相続税には税額を少なくする制度があります。優遇措置の代表例として「小規模宅地等の特例」が挙げられます。

小規模宅地の特例とは、相続した宅地の相続税評価額を最大で80%下げられる税制です。制度を利用するには多くの要件があるため、利用できるかどうかは税理士に確認しましょう

共有持分に関する法的支援

共有持分はトラブルになりやすい権利であるため、次のようにトラブルを解決してくれる相談先について理解しておくといいでしょう

  • 弁護士や司法書士の役割
  • 共有持分に関する相談先

ここからは、共有持分に関する法的な支援をしてくれる人や機関について解説します。

弁護士や司法書士の役割

共有持分を長期間にわたって保有していると、トラブルにあってしまったり、相続が発生したりすることもあるでしょう。

共有持分のトラブルに巻き込まれた場合は、弁護士に相談しましょう。弁護士は、法的なトラブルを解決してくれます。費用はかかるものの、トラブルを防止するのに必要なことも教えてくれます。

また、司法書士は共有持分の相続の際に相談しましょう。司法書士は相続の手続きのプロであり、遺産分割協議に必要な準備から遺産分割協議書の作成までおこなってくれます。ただし、相続税の申告は税理士の専門範囲となり、司法書士は相談に乗れないので注意しましょう。

共有持分に関する相談先

共有持分についての法的トラブルに巻き込まれた場合、日本弁護士連合会の利用を検討しましょう。

日本弁護士連合会では、相談の内容に適した弁護士を紹介してくれます。法律の範囲は広く、弁護士はそれぞれが得意分野をもっています。得意分野ではない相談をしてしまうと、トラブルの解決に時間がかかってしまうかもしれません。日本弁護士連合会に相談すれば、共有持分のトラブル解決に適任な弁護士を紹介してくれます。

また、相続について相談する人がいない場合、日本司法書士会連合会に問い合わせしてみましょう。

司法書士は相続の専門家であり、相続登記だけでなく相続人の確定や遺産分割協議書の作成もおこなってくれます。しかし、司法書士は登録している数が多く、どこに相談すればいいのか迷いがちです。日本司法書士会連合会に相談すれば、自分にあった司法書士を紹介してくれることでしょう

まとめ

共有持分とは、1つのものを複数人で共有したときに得られる権利です。

不動産も複数人で共有できる財産であり、共有持分で保有することが可能です。共有にすれば高価な不動産を共同出資して購入できたり、共有者それぞれが優遇税制を受けられたりするなどのメリットがあります。しかし、共有持分を所有すると共有者とのトラブルに巻き込まれやすくなったり、共有物を単独の意向で使えなかったりします

メリットを活かし、デメリットを抑えるには共有持分の基礎知識を得ることが大切です。共有持分の性質や相続の方法、相談先まで理解しておけばトラブルを未然に防止できます。

今ならいくらで売れる?
初めての方にオススメできる
一括査定サイトNo.1

最短わずか60秒無料一括査定で、あなたのマンションを高く評価してくれる不動産会社にまとめて査定依頼。

初めてマンションを売りたい方にオススメできる一括査定サイトNo.1に選ばれているので、安心してご利用いただけます。

すみかうるの記事をシェアする

この記事を書いた人

保有資格:宅地建物取引士、行政書士、不動産コンサルティングマスター
大手不動産仲介会社など計5社に勤める。不動産売買仲介・不動産買取・事業用定期借地権での法人テナント誘致などを行う。これらの業務に18年間携わり、不動産売買全般、借地、税金、相続などの分野に強い。現在、不動産・金融webライターとして執筆活動中。愛知県出身。

目次