東京都23区投資用マンションの価格が乱高下!今後の行方は?

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第二次安倍政権発足直後の2013年より今日にいたるまで、投資用マンションの価格は高騰基調にあります。

この傾向は今も継続していますが、コロナ禍となった2020年からは価格の乱高下が見られるようにもなりました。上記グラフでも、依然として平均坪単価は上昇基調にあるものの、2020年後半からは価格の不安定さが目立ちます。

そこで今回は、東京都23区の投資用マンション流通の“プロ”である株式会社PLANINVEST(プランインベスト)の加藤さん今後の不動産投資マーケットについてすみかうる編集部がお話を伺いました。

お話を伺った方

株式会社PLANINVEST売買事業部 営業一課課長
加藤 誠二 https://www.planinvest.co.jp
主に東京都のコンパクトマンション投資の売買仲介・コンサルティングを行う㈱PLANINVESTの売却査定総責任者。賃貸仲介業務を経て、不動産投資業界未経験で設立メンバーに。独学投資論で顧客との関係を築き上げ、年間契約数は200を超える。同社は、2019年から全国不動産会社レビューランキングで継続的に1位を獲得。

目次

不動産投資マンション売却のタイミングはいつ?

ーーコロナ禍でも継続的に不動産投資マンションの価格は高騰基調にあります。やはり今は売り時なのでしょうか?

僕たちが言うと営業に聞こえてしまうかもしれませんが、やはり価格が上がっている今、投資マンションは売り時だと思います。

ただそれは「売ったほうがいい人が増えた」という話であり、逆に言えば、価格が上がっているからといって今売るべきではない人もいます。というのも、僕は東京都23区に限っていえば「今が最後の売り時」ということではないと考えているからです。

コロナ、人口減少……など、今後の不動産投資マーケットを占ううえでナイーブな話題も多くあるのは事実です。しかし中長期的にみても、23区の投資マンションの価格は引き続き上昇、あるいは安定していくと僕は見ています。

やはり、都心が過疎化するというのはないでしょうからね。先進国の首都である東京で人が急激に減り、不動産価格が暴落する……というのは、諸外国を見てみても考えにくいといえるでしょう。

もちろん地方や東京以外の都市部はこの限りではないと思いますが、やはり東京23区という唯一無二の価値のあるエリアにおいては、価格が高騰している今、必ずしも売り急ぐ必要はないのではないでしょうか。

価格の乱高下はコロナ禍の不確実性

ーーコロナ禍での価格の乱高下。この要因はどこにあるとお考えですか?

全体的には、不動産投資マンションの価格は上昇基調にありますが、やはりコロナ禍で乱高下が見られましたね。

この要因は、これまでの日本では見られなかった「緊急事態宣言」の発令や近年では誰も経験したことのない未知のウイルス蔓延という「不安感」があったからでしょう。

そんな中、不動産の在庫数は減り続け、市況的には「高騰一直線」のような状況ではあるものの、そこをコロナ禍という不安定さが少々足を引っ張ているような構図にあります。

乱高下については「上がりたい市況」と「コロナ禍での不安」「強制的に流通を止める緊急事態宣言」がせめぎ合っているが故の現象でしょうね。

価格が高騰している今、投資用マンションを売却するべきなのはどんな人?

ーー「売ったほうがいい人が増えた」ということですが、具体的にはどのような人が今、この時期にマンションを売却すべきなのでしょうか?

今は「売値」が、近年でも最高値という状況です。しかし投資用マンションを手放すタイミングというのは、税制であったり、今の収益、将来的な収益、そして今の価値、将来的な価値など様々なことを複合的に考えて判断しなければなりません。

複合的に考えたうえで、相対的にみて、今の時期に手放すことがプラスになれば今売ればいいということです。

具体的にいえば、次のような人・マンションは売り時だと考えられます。

1.所有してから「5年超」の人

まずは、投資用マンションを所有してから5年を超えている人ですね。厳密にいえば、売却する年の年始時点で5年を超えている場合です。

収益物件に限ったことではありませんが、日本の税制では「所有期間」によって「譲渡所得」にかかる税率が異なります。

所有期間所得税住民税税率合計
短期所得(5年以下)30.63%9%39.63%
長期所得(5年超)15.315%5%20.315%

譲渡所得とは、簡単にいえば不動産を売却したときの利益。利益にかかる税率が、所有期間によって2倍ほど異なるんですね。

ですから5年超の長期所得の方は、今の好機にマンションを売却して大きな利益が出たとしても税金を抑えられるので「売り時」かなというところです。

2. 短期譲渡でもキャッシュフローがマイナスの人

ただそれは「所有期間が5年以下であれば売らないべき」というわけではありません。

短期所得の方であっても、今現在キャッシュフローがマイナスの人は市況がいいときに手放すメリットはあるでしょう。所有から間もない段階でキャッシュフローがマイナスということは、今後もマイナスが積み重なっていきかねないからです。

税率が高い時期ではありますが、今後もマイナスである状況が続くのであれば、少しでも高く手放せる時期に売却するメリットは大きいと思います。

3.長く所有している人は「最大値」も出せる時期

10年、15年、それ以上所有している場合には、今は価格の最大値も出せる時期にあると思います。

・出口を伺っている
・買い替えを検討している
・物件の修繕の時期にある

このような状況にある方にとっても、やはり今は売り時だといえそうですね。

4. 築15年前後のマンション

マンションの築年数によっても、売り時かそうでないかの見極めは分かれると思います。

今現在、キャッシュフローがプラスで、向こう何年も収益を上げ続けられる見込みがある物件は、価格が上がっているからといっても必ずしも売り時ではないでしょうね。

ただその一方で、今後、収益が落ちていく、資産としての価値もどんどん目減りしていくことが見えている物件に関しては、この限りではありません。

具体的にいえば、目安は築15年ほどになってくると思います。これから家賃も下がっていく、それに伴って資産価値も落ちていく……境目の時期ではないでしょうか。

それは物件の需要という側面でもそうなのですが、築20年ほどまでの物件は、好条件の融資が付きやすいというのも非常に大きな理由です。

基本的には不動産投資ローンは築55年までですので、築20年を超えてしまうと融資期間が短くなっていく一方なんですよね。

やはり、買主がいてこその不動産売買です。購入できる人が限られる・購入時の融資条件が良くないとなれば、ニーズは下がってしまいます。

ですから、今現在、築15年前後で資産価値や需要を考えて築20年までには手放したい……とお考えの方もまた、やはり今の価格高騰期は売り時なのではないかと考えられます。

こんな投資マンションは売ったら損する?

ーー逆に、価格が高騰している今の時期にあっても、売却しないほうがいい投資マンションというのはあるのでしょうか?

それはありますね。

むしろ「売ったら損するケース」を挙げさせていただいたほうが分かりやすいかもしれません。

購入したばかりの新築マンション

ズバリ言えば、購入したばかりの方ですよね。具体的には新築で購入してから築2、3年というマンションは、この時期に売却することで損してしまう可能性があります。

理由はいくつかありますが、まずはまだまだ家賃収入が見込めるということですね。築浅のマンションはやはり賃貸物件としての需要が大きいですから、ここからが稼ぎ時という段階ではないでしょうか。

また、取得してから期間が経っていないマンションはまだローン残債が多い時期ですよね。

所有してから2、3年ということは、すでにマンションが高騰しているときに購入されていますから「売値 < ローン残債」になってしまう可能性は高いといえます。

新築で取得していたら、なおのことです。新築物件は、市場価格に「新築プレミア」が付加した価格で購入しているわけですから。

価格が高騰しているとはいえ、2、3年前と比較すれば平均して1割上がったかどうかというところ。場所や条件によってはそれ以上、上がったマンションもあるでしょうが、もちろんその逆もあるわけです。

ですから一概にはいえませんが、取得から期間が経っていないマンションについてはローン残債が減るのを待ってから手放したほうがいいかもしれませんね。

ただ先ほども申し上げた通り、すでにキャッシュフローがマイナスであれば価格が高騰している今を出口とした方がいいということも考えられます。

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投資用マンションを買い替えたい……「売り時」の今「購入」は避けるべき?

ーー「売りたい」というだけでなく「買い替えたい」と考えている方も多いと思います。ただ「売り時」である今、購入することは避けるべきなのでしょうか?

今って、矛盾しているかもしれませんが不動産の「買い時」でもあると思うのです。たしかに価格は高騰傾向にあるわけですが、やはり融資が変わってきたことが最も大きな要因でしょう。

昔から不動産投資ローンにも「団信(団体信用生命保険)」はありましたが、今の保証範囲ってすごいんですよね。所有者が亡くなってしまったときだけでなく、ステージの低いガンが発覚した時点で保証されるものもあります。そして、金利もすごく低い。また、30年、40年と長期間借り入れられるローンも出てきていますしね。

あとは、昨今の投資熱の増加ですね。老後資金の問題ですとか、今のコロナ禍の不安定な時期だからこその不安からも、不動産投資に限らず投資業界全体が伸びています

株や仮想通貨、外資の保険とか。色々な商品があるわけですが、業界同士で競合するのもまた投資界全体としてはいい傾向だといえるでしょう。

ですから今はマンション価格も上がっていますが、マンション投資全体の需要も上がっているわけです。だからこその、在庫物件数の減少ということもありますよね。

高騰基調が今後、落ち着いてくることはあると思います。ただ東京23区に限っては、今後も相場価格が暴落することはないと僕は見ています。

また下がったとしてもこのエリアは最低値が高いですから、中長期で捉えれば取り返すことはできると思います。

価格が上がった・下がったことに一喜一憂するのではなく、長期的にみて東京23区で不動産投資することがどうなのかということを考えていただければ、売り時と買い時が共存する今の時代も理解できるのではないかなと思いますね。

プロが考える!投資マンション売却【成功のための5箇条】

ーー加藤さんが考える投資マンション売却“成功の秘訣”みたいなものはありますか?

そうですね。一概には「こうすれば成功する!」という答えはないと思います。マンションの状況も、所有者の状況も違いますからね。

ただ少しでも高く売るため、好条件で売るために共通して言えることは、所有者自身の考えを変えること、そしてやはり不動産会社選びが大切なんじゃないかなと思います。

1.不動産投資は「ビジネス」とわきまえる

投資マンションの売却って、マイホームの売却とは違うと思うんです。これをわきまえることこそが、投資マンションを高値で売る一番のコツじゃないですかね。

どういうことかというと、不動産投資は「ビジネス」なのです。利益を出すため、その利益を最大化するために収益物件を売却するのであり、それが全てですよね。

ですから、マンションを売却される方自身がある程度知識を持っていることも大切ですし、不動産会社に丸投げするのではなく、不動産会社を一緒にビジネスするうえでのパートナーと考えてみるといいと思います。

2.一括査定サイトを使う

これ言うと、マンションナビさんへのゴマすりみたいに聞こえてしまうかもしれませんが(笑)やはり、一括査定サイトは便利だと思いますよ。もちろん、すでに信頼できる不動産会社さんや担当者がいれば使う必要はないと思いますが。

しかし、まだ不動産会社を決めかねている方、購入したときの不動産会社がちょっと信頼できない……という方は、まずは頼れる不動産会社を探さないと売却の判断もできないのではないでしょうか。

一括査定サイトを使うと何がいいって、足元を見られないんですよね。複数社が査定を出しますから変な査定額は出せないし、競合に勝とうと一生懸命対応する不動産会社は多いと思います。

あとこれもマイホーム売却とは違うところだと思うのですが、一括査定は受動的に使うのではなく能動的に使うべきです。

要は、しっかり自分が売りたい価格を伝えるということです。もちろん希望の価格で売れるとは限りませんが、先ほども言いましたが不動産投資はビジネスですから。マイホームなど実需の不動産の様に「売ってもらう」という感覚は持たないほうがいいでしょうね。

3.査定の根拠を確認する

ただ、一括査定サイトを活用するとありがちなのが「査定額の高さ」で選んでしまうということ。この点は気を付けないといけないと思います。

査定額は「その額で売れますよ」という価格ではありません。「いくらか」より重要なのは「なぜこの不動産会社はこの査定額を出したか」というところにあるでしょう。

査定額の根拠を知るためには「この価格で買ってくれる買主が実際にいるのか?」「なんでこの価格で売れると思うの?」と、ダイレクトに突っ込んだ質問をしてみてください。

ここで納得できる回答が返ってこなかったり、タジタジになってしまったりする不動産会社に大事な資産を任せてはいけませんよね。

4.不動産会社の担当者を重視する

不動産売買は、不動産会社というより個人の「担当者」にサポートしてもらうものです。ですから、不動産会社の実績とかサービスとかだけではなく個人の担当者も見たほうがいいでしょう。

ちょっとこれは専門的な見解とかではないのですが……仲良くなってしまうと悪いことは絶対できないですから(笑)それが人間の心理だと思いますよ。担当者は、AIではありませんからね。

担当者と仲良くなる、ビジネスパートナーになる、というつもりで腹を割って担当者にぶつかっていくといいと思いますよ。

5.契約内容をしっかり理解する

マンションの売買は「契約」です。もし契約内容に疑問があれば、署名・捺印はするべきではありません

言い換えれば、これも「信頼できる不動産会社・担当者と一緒にビジネスするべき」ということにつながるのですが。ビジネスの場において「商談でこちらの利益が感じられない」「契約内容が理解できない」となれば、そんな契約に判を押したりはしませんよね。

収益物件を売る目的を明確にして、その契約が自分にとって利益があるのかはしっかり見極めていただきたいと思います。

東京都23区不動産投資マンションのプロに聞いた「これからの投資マンションマーケット」取材後記

今回、プランインベストの加藤誠二さんにお伺いしたこれからの投資マンションマーケット

価格が高騰している今の時期にあっても、必ずしもすべてのマンションが売り時ではないということ。そして、共存しえないはずの収益物件の「売り時」「買い時」が共存するという今の時期の特異な状況について、非常にわかりやすく解説していただきました。

すみかうる編集部が感じたのは、どんな人・どんなマンションにも共通する「売り時」や「成功のコツ」は存在しないということ。だからこそ、判断の手助けをしてくれる不動産会社や担当者の見極めが非常に重要になってくるのではないでしょうか。

今は東京都23区を中心に収益物件の価格が高騰している時期ではありますが「今売るべきなのか」「所有し続けるべきなのか」お悩みの方は、マンションナビの一括査定をご活用ください。コンパクトマンションの査定は、今回お話を伺った加藤さんが査定責任者を務めるプランインベストにも依頼していただけます。

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この記事を書いた人

亀梨奈美のアバター 亀梨奈美 不動産ジャーナリスト/株式会社realwave代表取締役

大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。
2020年11月 株式会社real wave 設立。
不動産会社在籍時代は、都心部の支店を中心に契約書や各書面のチェック、監査業務に従事。プライベートでも複数の不動産売買歴あり。
不動産業界に携わって10年以上の経験を活かし、「わかりにくい不動産のことを初心者にもわかりやすく」をモットーに各メディアにて不動産記事を多数執筆。

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