都心タワマンを売却して地方移住~マンション売却体験談CASE31
マンションのご売却にあたっては、実際にマンション売却にいたった方の声が参考になるはずです。そこで、すみかうる編集部はマンションナビの一括査定をご利用いただいてマンションを売却された方のインタビューを敢行!包み隠さず、売主様のリアルな声をお届けします。
今回は、江東区のタワーマンションを売却されたH様にお話をお伺いしました。H様は地方移住を機にマンションをご売却されましたが、かねてからタワーマンションの課題も感じられていたようです。
40代男性H様
●●●でご成約

- 東京都江東区
- 築年: 2008年(平成20年)
- 専有面積:●㎡


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住んでからわかったタワーマンションの「課題」
編集部マンションを売却した理由をお聞かせいただけますか。



東京の暮らしに疲れたこともあって地方に移住しました。あとは……タワマンは長く住むものではないとも思っていたんですよね。



どのようなご経験から「長く住むものではない」と感じるようになったのでしょうか?



たとえば、管理費や修繕積立金の負担です。新築で購入した際の管理費・修繕積立金は計2万円ほどでしたが、売却する直前は6万円近くになっていました。途中で広い部屋に住み替えたということもありますが、それでも想定を上回るスピードで値上げしていきましたね……。



値上げの理由についてどのような説明がありましたか?



一度、理事もやっていたのですが、修繕積立金は「段階増額積立方式」だったので当初から徐々に上がっていく計画でした。ただ、駐車場やゲストルームなど共用部の稼働率が低く、計画通りの収益が得られなかったんです。
タワー型の駐車場だったのでただでさえ高額な維持費がかかるのですが、マンション自体が利便性の高い立地にあり、駐車場代も高かったことから空きが多く、採算が取れませんでした。ゲストルームは非常に眺めも良くて魅力的だったものの、階下の住人から頻繁にクレームが入って次第に使われなくなっていったようです。
私が理事になったときに管理会社を変え、駐車場の運用やコンシェルジュの廃止などにも取り組んだのですが、管理費が上がるのを多少遅らせただけで下げることはできませんでした。



魅力的な設備や共用施設も、使われなければ住人の負担が増えてしまうのですね……。その他、タワマンに住んで意外だったことなどありますか?



よく言われることですが、通学・通勤時はエレベーターが非常に混雑しました。約150戸に対し、低層階向け・高層階向け・運搬用の3台が稼働していましたが、朝は何分も待つことも多かったですね。



東日本大震災もご経験されていると思いますが、揺れや災害後の暮らしはいかがでしたか?



妻と子どもがマンションにいたのですが、かなり揺れたみたいです。本棚が倒れて火災保険の適用も受けました。12階だったのでそこまで高層ではありませんが、タワマン特有の船に乗っているような長い揺れだったようです。
制震構造だったので構造躯体に大きな損傷はなかったと思いますが、専有部の天井や共用部の内壁にいくつかクラックも見られました。1週間ほどエレベーターが使用できなかったので、その間の上り下りも大変でした。


タワーマンションを売却して移住。購入と売却のタイミングは?



タワマンの課題を少なからず感じられていたとのことですが、一度は同じマンション内で住み替えたのですね?



当時は子どもも小さかったですから、幼稚園や学校、妻の付き合いなどを考慮して一度は同じマンション内で住み替えましたが、下の子が幼稚園を卒園するタイミングで移住を決意しました。タワマンに住み続けるのは経済的にも現実的ではないというのと、仕事にも疲れて私が東京から出たくなってしまったんですよね。



移住について、奥様はすぐに同意してくれたんですか?



絶対に反対されると思ったので、新居の内見の日まで言いませんでした(笑)



内見当日にお気持ちを伝えられたと!とはいえ、最終的にはご理解を得て移住されたということですよね。お住み替えとなると売買のタイミングも難しかったと思いますが、どのような工程で移住されたのでしょうか?



住み替え先のリフォームをしている間に仮住まいに移り、その後、移住先に転居した形です。住み替えの順序を重視したというよりは、下の子の幼稚園卒園のタイミングで住み替えることを重視しました。





なるほど。3月のご卒園までは今の生活区で暮らすことを重視されたのですね。順序的には、マンションの売却と移住先のお住まいの購入、どちらが先だったのでしょうか?



まず「古家付き土地」として販売されていた戸建てを購入し、それからマンションの売却活動に本格的に着手しました。ただ、すでに売却活動はしていたので、マンションの引き渡しは新居の購入より前でした。



では、マンションの住宅ローンと新居の住宅ローン返済が重複する「ダブルローン」にはならなかったわけですね。



はい、マンションのローンを完済してから新居の引き渡し、そして融資実行という流れになったので、ダブルローンにはなりませんでした。


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新居購入のため投資マンション2件のローンを完済



近年、マンション価格は著しく高騰していますが、売却価格はいかがでしたか?お住み替えに際して仮住まいも挟み、新居もリフォームされたということですから、相応に費用もかかったと思いますが。



マンションは住宅ローン残債を3,000万円以上上回る金額で売却できました。



購入時より高く売れたということでしょうか?



そうですね。一度、同じマンション内で住み替えた際はそうはいきませんでしたが、今は市況がいいので購入時より高く売れました。繰り上げ返済もしていたので、売却後はある程度の資金が手元に残りました。
ただ、移住先の戸建てのリフォームに2,000万円かけたこともあって、新居の住宅ローンを組むときにちょっと苦労したんですよ……。



え?でもマンションを売った後に新居のローンを組んだんですよね?売却益も出たのに……どういったことで苦労されたのでしょうか?



実は、住んでいたマンション以外に投資物件を5件持っていまして。新居の住宅ローンを組む際に「与信枠が足りない」といわれ、このうち2件のローンを完済したんです。



投資物件を所有されていると住宅ローンが組みにくくなることもあるのですね。2物件のローンの完済資金は?



投資物件のローン完済に充てたのが、タワーマンションの売却益です。移住先の新居のほうは、ほぼフルローンで購入しました。
住宅ローン金利は不動産投資ローンと比べて非常に低いですから、手元の資金を新居の購入に充てるより、投資物件のローン返済に充てたほうがその後の利息負担が小さくなりますからね。



なるほど……!投資物件を所有している場合、与信枠に加えて住宅ローンと不動産投資ローンの金利差にも配慮して検討する必要があるのですね。
▶【イイタン相談室】不動産投資物件を複数所有している場合、自宅ローンの審査は通りにくくなりますか?
まとめ
- 移住のための売却だったが、かねてから管理費・修繕積立金の著しい上昇などもあって「タワマンは長く住むものではない」と感じていた
- 「売り先行」の住み替え。仮住まいに住んでいる間に新居をリフォーム
- 融資の与信枠が足りず、投資マンション2件のローンを完済
移住を機にタワーマンションを売却されたH様ですが、管理費・修繕積立金の著しい値上げなどもあって、かねてからタワマンの課題を感じられていたようです。お住み替えについては、新居の引き渡しに先立って住んでいるマンションを売却・引き渡しする「売り先行」という形で進められました。新居のリフォームをしている間は、マンションに近いエリアで仮住まいをされていたとのことです。
新居の住宅ローンを組む際には「与信枠が足りない」というハプニングもあったようですが、マンションの売却益を充てて投資マンション2件のローンを完済され、事なきを得ました。スムーズな住み替えには、スムーズな査定と不動産会社の選定が不可欠です。マンションの査定依頼には、マンション専門の一括査定マンションナビをご活用ください。
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最後になりますがH様、お忙しい中、貴重なお時間をいただきましてありがとうございました。感じられていたタワーマンションの課題や移住の具体的な流れ、そして投資マンションのローン完済のお話など、大変参考になりました。同様に移住や住み替えを検討されている方や投資マンションを所有されている方に役立てていただけると思います。今後ともマンションナビをどうぞよろしくお願いいたします。











