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2022年9月の住宅ローン金利は、変動金利が引き続き低水準である一方、固定金利については多くの金融機関が引き下げました。
本記事では、2022年9月1日時点の住宅ローン金利と今後の動向を解説します。
2022年9月の住宅ローン金利について、金利タイプごとの最安金利と金利上乗せなしで加入できる団信の保障内容をみていきましょう。金利の一覧表に記載している団信の保障内容は、以下の通りです。
※金融機関によって保障内容は異なります。
日銀は、2022年7月20日と21日に開かれた金融政策決定会合で、金融緩和政策を続けることを決めました。そのため、変動金利の指標となっている短期プライムレートに変わりはありません。
よって変動金利は、先月に引き続き低水準となっています。各金融機関の最低金利は、以下の通りです。
適用金利 | 金利上乗せなしの団信 | |
三菱UFJ銀行 | 年0.475%(±0%) | 一般のみ |
三井住友銀行 | 年0.475%(±0%) | 一般のみ |
みずほ銀行 | 年0.375%(±0%) | 一般のみ |
りそな銀行 | 年0.47%(±0%) | 一般のみ |
PayPay銀行 | 年0.38%(±0%) | 一般+がん診断一時金+先進医療給付金 または 一般+がん50%保障 |
auじぶん銀行 | 年0.389%(±0%) | 一般+がん50%保障 |
住信SBIネット銀行 | 年0.44%(±0%) | 一般+全疾病保障 |
ソニー銀行 | 年0.397%(±0%) | 一般+がん50%保障 |
楽天銀行 | 年0.537%(±0%) | 一般+がん50%保障+全疾病保障 |
イオン銀行 | 年0.52%(±0%) | 一般+全疾病保障 |
※ソニー銀行は自己資金10%以上で借り入れをしたときの金利
※auじぶん銀行は2022年9月30日までに借り入れをしたときの金利
もっとも適用金利が低いのは、先月と同様にみずほ銀行の年0.375%であり、PayPay銀行の年0.38%とauじぶん銀行の0.389%がそれに続く点も変わりありません。また、au金利優遇割を適用できれば、auじぶん銀行の適用金利は0.289%と最安になる点も同様です。
変動金利で注目したいのが、借り換えの金利の低さです。たとえば、PayPay銀行の新規借入時の金利が年0.38%であるのに対し、借り換えの金利は年0.33%です。またイオン銀行の場合、借り換えの金利は年0.47%であり、新規借入よりも0.05%低く設定されています。
他にも、新生銀行では新規借入の変動金利は年0.45%ですが、キャンペーンを適用できると年0.35%に引き下げられます。
借り入れから一定期間が経過しているのであれば、金利が低い住宅ローンに借り換えることで、毎月の返済負担を軽減できる可能性があります。すでに住宅ローンを組んでいる人は、借り換えを検討してみてはいかがでしょうか。
変動金利が引き続き低水準であるなか、固定金利はどのようになったのでしょうか。
2022年9月の金利相場を確認する前に、固定金利(固定期間選択型・全期間固定金利)の指標となっている新発10年国債(10年国債)の金利をみていきましょう。
※財務省「国債金利情報」をもとに筆者作成
10年国債の金利は、2022年8月初旬まで低下していましたが、その後は上昇に転じました。
10年国債の金利が再び上昇傾向にあるなか、各金融機関の固定期間選択型(10年固定金利)の最低金利は以下の通りとなっています。
適用金利 | 金利上乗せなしの団信 | |
三菱UFJ銀行 | 年0.89%(▲0.1%) | 一般のみ |
三井住友銀行 | 年0.89%(▲0.09%) | 一般のみ |
みずほ銀行 | 年0.95%(±0%) | 一般のみ |
りそな銀行 | 年0.845%(▲0.05%) | 一般のみ |
PayPay銀行 | 年0.78%(▲0.08%) | 一般+がん診断一時金+先進医療給付金 または 一般+がん50%保障 |
auじぶん銀行 | 年0.745%(▲0.05%) | 一般+がん50%保障 |
住信SBIネット銀行 | 年1.01%(+0.05%) | 一般+全疾病保障 |
ソニー銀行 | 年0.75%(▲0.05%) | 一般+がん50%保障 |
楽天銀行 | 年1.115%(▲0.153%) | 一般+がん50%保障+全疾病保障 |
イオン銀行 | 年0.93%(±0%) | 一般+全疾病保障 |
※ソニー銀行は自己資金10%以上で借り入れをしたときの金利
多くの金融機関が、前月よりも0.05〜1%ほど引き下げていることがわかります。とくに三菱UFJ銀行は先月よりも0.1%、楽天銀行は0.153%引き下げました。
その一方で、もっとも金利が低いのは先月に引き続きauじぶん銀行の年0.745%であり、その次がソニー銀行の0.75%と、金融機関の順位にはあまり変わりがありません。
地方銀行のなかには、固定期間選択型を低金利で提供しているところがあります。たとえば、東海エリアを営業の対象とする十六銀行では、10年固定金利の最安値が年0.65%となっています。
10年固定金利に限った話ではありませんが、住宅ローンを検討する際は大手銀行やネット銀行だけでなく、地方銀行も選択肢に含めると良いでしょう。
2022年9月におけるフラット35(買取型)の最低金利は、年1.52%でした。前月の年1.53%から0.01%とわずかながら低下しています。※融資率9割以下・借入期間21年以上35年以下・新機構団信付きの金利
また、フラット35の金利が引き下がったとはいえ、2022年1月の金利が1.3%であったことを考えると依然として高い水準であることがわかります。
※【フラット35】借入金利の推移をもとに筆者作成
※上記は「買取型・融資率9割以下・借入期間21年以上35年以下・新機構団信付き」の金利
続いて、金融機関が独自に取り扱う35年固定金利をみていきましょう。結果は、以下の通りです。
フラット35の金利にあまり変化がなかった一方で、金融機関が独自に取り扱う35年固定金利については、三井住友銀行を除く3行が35年固定金利を引き下げてきています。とくに、りそな銀行は年1.095%と、三井住友銀行の半分程度の金利で提供しています。
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2022年10月の住宅ローン金利は、どのように推移するのでしょうか。変動金利と固定金利の今後を考えてみましょう。
変動金利については、2022年10月以降も引き続き低水準で推移するでしょう。日銀は金融緩和政策を継続する可能性が高く、変動金利の指標となっている短期プライムレートが上昇するとは考えにくいためです。
次回の2022年9月21日(水)と22日(木)に実施される金融政策決定会合で、金融緩和政策の継続が発表されれば、変動金利は2022年10月以降も低水準のままでしょう。
ただし、金融機関のキャンペーンが終了することで、変動金利が上昇する場合があります。
たとえばauじぶん銀行の場合、金利引き下げキャンペーンは2022年9月30日までです。新たなキャンペーンが始まらない場合、2022年10月1日からは金利が上昇すると考えられます。
また、金利の引き下げ競争に疲弊した金融機関が、変動金利を引き上げる可能性も考えられます。日銀の金融政策が変わる可能性が低いとはいえ、金融機関が変動金利を引き上げる可能性は0%ではありません。
2022年の8月中旬からは、新発10年物国債の利回りが再び上昇し始めました。9月以降も高い利回りが続くようであれば、10月には固定金利が上昇する可能性があります。
ただし、10年国債は金融商品であり投資家の予測をもとに取引されるため、今後の固定金利の動向を正確に予測するのは非常に困難です。
固定金利の住宅ローンを検討している方は、ローンの申し込みをしてから融資の実行までの金利上昇に注意しましょう。
住宅ローンの返済額は、融資が実行されたときの適用金利で決まります。融資の申し込みから実行まで、1か月以上かかるのが一般的です。そのため実際の適用金利が、申し込みをしたときに確認した金利よりも上がっている可能性があります。
2022年9月においても、変動金利は引き続き0.3%台後半から0.5%台前半です。とくに借り換えでの金利引き下げ競争が激化しており、もはや0.3%台で提供する金融機関は珍しくありません。
固定期間選択型と全期間固定金利については、多くの金融機関が引き下げてきています。フラット35(買取型)の金利については、前月から0.01%とわずかに引き下げられました。
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保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大手生命保険会社にて7年半勤務し、チームリーダーや管理職候補として個人営業、法人営業の両方を経験。その後人材会社で転職したのちに副業としてwebライターを始める。お金に関する正しい知識をたくさんの人々に知って欲しいとの思いから、2019年1月よりwebライターとして独立。これまで保険、不動産、税金、音楽など幅広いジャンルの記事を、多数のメディアで執筆・監修している。
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