【2025年3月最新】金利上昇基調は変わらず、中古マンション市場では「売主の強気姿勢」がより顕著に

マンションリサーチ株式会社(東京都千代田区神田美土代町5-2)はホームローンドクター株式会社(東京都中央区八丁堀2-19-6)代表取締役 淡河範明(おごう のりあき)氏への聞き取り調査による住宅ローン金利の推移の予測と、マンションリサーチ株式会社保有データを用いて中古マンション市場の現況について調査しました。

目次

金利から見る、中古マンション市場

2025年3月DH住宅ローン指数の推移
グラフ1:DH住宅ローン指数の推移
【出典:ホームローンドクター株式会社

以下のグラフ2では東京都23区の一般向け中古マンションの「販売日数」と「値下げの回数」の推移を示しており、販売日数が長いほど購入需要が弱いことを示し、値下げの回数が少ないほど売却姿勢が強気であることを示します。

2025年3月東京都23区一般向け中古マンション:販売日数と値下げ回数
グラフ2:東京都23区一般向け中古マンション:販売日数と値下げ回数
【出典:福嶋総研

中古マンションの販売期間は、住宅ローン変動金利が上昇した2024年10月(グラフ1)を機に下げ止まり、以降は増加しています。2025年3月は先月とほぼ横ばいで、やや慎重姿勢を保っているように見えます。一方で「値下げ回数」は先月よりも更に低い水準で、売主強気姿勢はより顕著になっているようです。

変動金利

変動金利の現況

2025年3月は、日銀が利上げを続行するという観測が強まったものの、当面利上げはないとの見方が支配的となり、政策金利は0.5%近辺で推移しました。

2025年3月DH住宅ローン指数の推移(変動金利)
グラフ3:DH住宅ローン指数の推移(変動金利)
【出典:ホームローンドクター株式会社

今月は、DH住宅ローン指数の変動金利は、0.652%と前月の0.611%から約0.04%と上昇しました。1年前の0.488%なので、引き続き金利上昇の局面にあることは確認できます。

前月は、金利を上げた銀行が2社、下げた銀行は0社でした。今月に金利を変更したのは、いつもの楽天銀行に加え、イオン銀行でした。

多くの銀行は、1月の利上げを受けて短期プライムレートを引き上げましたが、来月に見直しが行われる予定で、0.25%の金利上昇が予想されています。みずほ銀行は+0.4%になると予想されていて、これは昨年の金利の引き上げ分と今年の分が合わさっているからです。表面金利が+0.4%になるのか注目です。

変動金利の今後の動向

植田総裁は「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて追加利上げを行い金融緩和の度合いを調整していく」との考えを発表し、物価上昇が加速しているため、国内の賃金動向、米国経済の先行き等を慎重に見ながら、徐々に利上げが行われていくとみられます。時期については様々な憶測がとびかっており、6月あたりに0.25%上昇という意見が多くみられるようです。

変動金利は、金利更改のタイミングである4月に0.25%程度の上昇を見込んでいますが、年末に1~1.3%くらいのレンジで推移すると考えています。

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10年固定金利

10年固定金利の現況

固定金利選択型の内、10年固定を中核に据えている銀行は少なくありません。ただ、10年が最長の固定金利となる銀行はともかく、全期間固定金利を有する銀行は、10年固定を積極的にとりたい意欲はないようです。


10年固定金利は、日本国債10年物の金利を参考に設定されていると言われています。

3月の国内の債券金利は、深刻な人手不足や物価上昇を受け、先月末1.25%でしたが1.5%近くまで上昇しました。その後、日銀の牽制や予算案の減額等により金利上昇は一服し、1.3%台まで落ちてきました。

2025年3月DH住宅ローン指数の推移(10年固定金利)
グラフ4:DH住宅ローン指数の推移(10年固定金利)
【出典:ホームローンドクター株式会社

今月は、DH住宅ローン指数の10年固定は1.551%と前月の1.443%と大きく上昇、1年前の1.209%よりも上昇しています。10年国債の上昇に呼応したのか、ウォッチしている13社全社が2カ月連続で金利上昇となりました。

今月は、概ね金利上昇の幅が大きかったのですが、金利の引き上げ幅は異なっていたため、順位変更がありました。1位のみずほ銀行は変わらずですが、前月4位のPayPay銀行が2位に、前月2位のSBI新生銀行が3位になりました。

今月のトピックスとしては、10年固定の金利が2%を超えた銀行が13社中4社になったことです。10年国債が1.5%近辺まで上昇してきたので、来月はさらに増えるかもしれません。

10年固定金利の今後の動向

ドル円は140円台に突入し、為替介入も国内の利上げ圧力もなくなったので、当面はトランプ政権下、米国金利の行方に関心がいくものと思われます。前月の予想を上回り、10年国債の1.4%オーバーとなったので、年内には1.5%オーバーもあり得るとの予想がより現実味を帯びてきました。

場合によっては、さらなる金利上昇が期待されるため、金利の上限を1.7%に引き上げることを検討しています。

全期間固定金利

全期間固定金利の現況

全期間固定金利は、変動金利との相対的な割高感から敬遠されています。変動金利の上昇が始まりましたが、全期間固定金利の方が金利上昇のスピードが速く、いまだ変動金利を選択する人が多数派です。

今年は、変動金利が1%を超える可能性があり、選択を悩む人が増えると予想していて、これからミックスプランを選択する人が増えていくことでしょう。

2025年3月DH住宅ローン指数の推移(全期間固定金利)
グラフ5:DH住宅ローン指数の推移(全期間固定金利)
【出典:ホームローンドクター株式会社

全期間固定金利は、日本国債10年物だけでなく超長期国債などの動向も参考に設定されているといわれています。3月は、ほとんどの固定期間の金利が上昇することとなりました。

今月初めは、DH住宅ローン指数の全期間固定金利は2.253%と前月の2.171%よりも上昇し、国内金利の上昇をそのまま反映しているようです。1年前の1.887%から上昇が続いていて、引き続き上昇トレンドにあります。

全期間固定金利の今後の動向

トランプ関税による金利上昇懸念が強くなってきていることから、早ければ来月にも2.0%超えがあるかもしれません。

まとめ

変動金利

植田総裁は「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて追加利上げを行い金融緩和の度合いを調整していく」との考えを発表し、物価上昇が加速しているため、国内の賃金動向、米国経済の先行き等を慎重に見ながら、徐々に利上げが行われていくとみられます。時期については様々な憶測がとびかっており、6月あたりに0.25%上昇という意見が多くみられるようです。

10年固定金利

10年国債の1.4%オーバーとなったので、年内には1.5%オーバーもあり得るとの予想がより現実味を帯びてきました。場合によっては、さらなる金利上昇が期待されるため、金利の上限を1.7%に引き上げることを検討しています。

全期間固定金利

トランプ関税による金利上昇懸念が強くなってきていることから、早ければ来月にも2.0%超えがあるかもしれません。

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この記事を書いた人

福嶋 真司のアバター 福嶋 真司 マンションリサーチ株式会社 不動産データ分析責任者

【保有資格】宅地建物取引士
早稲田大学理工学部経営システム工学科卒。大手不動産会社にてマーケティング調査を担当。現在はマンションリサーチ株式会社にて中古マンション市場調査を行い、顧客に情報の提供を行っている。

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