住宅ローンを借り換える理由とは?メリット・デメリット、事例を解説

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低金利状態が続く中、「より金利が低い住宅ローンに借り換えた方が良いのだろうか」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

現在よりも金利が低い住宅ローンに借り換えることで、返済負担を軽減できる可能性があります。ただし、金利差だけで借り換えを決断する失敗してしまうかもしれません

そこで本記事では、住宅ローンを借り換える主な理由やメリット、デメリット、失敗する理由などを詳しく解説します。

目次

住宅ローンを借り換える理由とは

まずは、どのような理由で住宅ローンを借り換えている人が多いのかをみていきましょう。住宅金融支援機構の調査によると、住宅ローンを借り換える主な理由は以下の通りです。

  • 金利が低くなるから
  • 返済額が少なくなるから
  • 今後の金利上昇や毎月の返済額増加が不安になったから
  • (借り換え前の)適用金利が上昇し、返済額が増加するから
    ※出典:住宅金融支援機構「2022年度 住宅ローン借換えの実態調査

調査では、金利タイプ(変動金利・固定金利)を問わず、多くの人が金利の低下や返済額の減少を理由に、住宅ローンを借り換えていることがわかっています。

また、変動金利で住宅ローンを借り入れたものの、今後の金利上昇やそれにともなう返済額の増加が不安になり、固定金利に借り換えた人もいます。

変動金利への移行が不安であるという理由で住宅ローンを借り換えているのは「固定期間選択型」の住宅ローンを組んだ人でしょう。
固定期間選択型は、借り入れから5年や10年など一定期間の金利を固定する金利タイプです。金利の固定期間が終了すると、変動金利に移行します。
同じ金融機関が取り扱う範囲で、再び金利を一定期間固定することもできますが、他行が取り扱う固定金利の住宅ローンに借り換える選択をする人もいるようです。

住宅ローンを借り換えるメリットとデメリット

住宅ローンを借り換えるかどうか判断する前に、借り換えることにより得られるメリットと、考えられるデメリットを知っておく必要があります。

住宅ローンを借り換えるメリット

住宅ローンを借り換えるメリットは、大きく分けて下記の4つです。

  • 返済負担を軽くできる可能性がある
  • 金利タイプを変更できる
  • 返済期間を短くできる
  • 団体信用生命保険の保障を手厚くできる場合がある

現在よりも金利が低い住宅ローンに借り換えをすることで、毎月の返済額や総返済額を減らせる点は大きなメリットと言えます。逆に毎月の返済額を増やす代わりに、返済期間を短縮することも可能です。異なる金利タイプに変更することもできるため、家計やライフプランの見直しとしては有効な手段と言えます。

また、基本的には住宅ローンの返済途中に変更できないとされている団体信用生命保険(以下、団信)の保障内容も、借り換えであれば見直すことが認められています。団信には加入時に特約を付けることができ、ガンや三大疾病(ガン・心筋梗塞・脳卒中)のほか、要介護認定を受けた場合に保障してもらえる内容に変更できる場合もあります。
より手厚く備えたいのであれば、団信の保障が充実した住宅ローンに借り換えるのも方法でしょう。

住宅ローン借り換えるデメリット

住宅ローンを借り換える主なデメリットは以下の通りです。

  • 諸費用がかかる
  • 金融機関による審査を受けなければならない
  • 金利変動リスクが生じることがある
  • 住宅ローン控除の対象外になる可能性がある

住宅ローンを借り換える際、諸費用の支払いが発生します。元々組んでいる住宅ローン完済のための事務手数料のほか、抵当権抹消・設定のための登録免許税、新しいローンを組むための事務手数料や保証料、司法書士報酬など、合計で数十万円が必要とされています。毎月の返済額を下げられたとしても、諸費用を考慮すると借り換えのメリットがあまり得られないケースもあという点には注意が必要です。

また、借り換えることによって、住宅ローン控除の対象外になってしまう可能性もあります。借り換え後も住宅ローン控除の適用を受けるためには、残りの返済期間・返済額などにおいて一定の要件を満たしていることが求められるため、ご自身の返済状況をしっかり確認してから検討しなければなりません。

借り換えに向いているケース

住宅ローンの借り換えに向いているケースとは、ズバリ「借り換えで毎月の返済負担を下げられる」場合です。

一般的に返済負担を軽減できるのは、以下の要件をすべて満たす場合であるといわれています。

  • 借り換え後の金利差が年1%以上
  • 住宅ローン残高が1,000万円以上
  • 返済期間が10年以上

上記を満たしていなくても、借り換えによるメリットを得られることがあります。たとえば、金利差が1%に満たなくても、残りの返済期間が長く、ローン残高が多い場合は、借り換えをすることで返済負担を軽減できる可能性があります。

いずれにせよ、住宅ローンを借り換える際は、現在の金利や借入残高、返済期間を確認することが大切です。

住宅ローンの借り換えができないケース

一方で、住宅ローンの借り換えができない条件というものも存在します。住宅ローンの借り換えができない主なケースは、以下の通りです。

  • 同一の金融機関が取り扱う住宅ローンへの借り換え
  • 金融機関の審査に通過できない場合
  • 住宅ローンを申し込む人の健康状態に問題がある場合

借り換えとは、返済中の住宅ローンとは別の金融機関が取り扱う住宅ローンに乗り換えることです。たとえ金利や金利タイプなどが異なるとしても、同じ金融機関の住宅ローンに借り換えることは基本的にできません

また借り換えでは新しく住宅ローンを組むため、改めて金融機関の審査を通過する必要があり、審査に通らなけれアバ借り換えもできません。住宅ローンを借り入れたときよりも年収が減った人や、転職または起業をした直後である人、ローンの返済を長期間にわたって滞納した履歴がある人も、審査に通過するのは困難でしょう。

申込者の健康状態も、借り換えの可否に影響します。多くの金融機関は、団信への加入を住宅ローンの融資条件としているためです。過去に大病をした経験がある人や持病を抱えている人などは、申し込みをしたとしても団信に加入できず借り換えができないことがあります。

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住宅ローンの借り替えに失敗するケース

住宅ローンの借り換えに失敗する主なケースは、以下の通りです。

  • 金利の動向を読み間違えた
  • 住宅ローン控除の対象外になってしまった

たとえ専門家であっても、金利の動向を正確に予測するのは困難です。「将来的に金利が上昇する可能性は低いだろう」と考えて変動金利に借り変えたものの、途中で金利が上昇し返済負担が増えてしまうケースがあります。

住宅ローン控除は所得税や一部住民税を優遇してもらえる制度ですが、住宅ローンを借り換えるときに返済期間を10年未満に短縮してしまい、住宅ローン控除の対象外となってしまう人も少なくありません。

住宅ローンの借り換え比較・おすすめ紹介

住宅ローンを取り扱っている金融機関は数多くあるため、すべてを比較するのは非常に大変です。
そこでここからは、2024年1月現在おすすめの金融機関をご紹介します。

auじぶん銀行

借り換え時の金利・変動金利:年0.148%
・固定期間選択型(10年固定):年0.945%
※上記金利は「au金利優遇割」の適用後

auじぶん銀行は、住宅ローンの借り換えと同時に「au回線」「auじぶんでんき」「J:COM NETまたはコミュファ光」「J:COM TV」をセットで契約すると「au金利優遇割」により、適用金利が最大で年0.15%引き下げられます。

2023年12月現在、auじぶん銀行は借り換え時の変動金利を年0.298%、10年固定金利を年1.095%で提供しています。au金利優遇割を適用できると変動金利は年0.148%、10年固定金利は年0.945%での借り入れが可能です。

また、所定のがんと診断されると住宅ローン残高の半分が保障される「がん50%保障」を金利上乗せなしで付けることができます。

イオン銀行

借り換え時の金利・変動金利:年0.380%
・固定期間選択型(10年固定):年1.390%
※変動金利についてはキャンペーン適用後の金利

イオン銀行では2024年12月27日まで借り換えの金利を、変動金利は最大1.990%、固定金利は当初期間終了後に最大1.60%引き下げるキャンペーンを実施しています。同行における2023年12月10日時点での変動金利は年2.37%であるため、キャンペーンを適用することで金利が年0.380%に引き下げられます。

金利の上乗せなしで「全疫病団信住宅ローン」を付帯できるほか、金利を上乗せすればガン保障や8疫病保障の付帯も可能になっています。

さらに住宅ローン契約時に、イオングループでの買い物が5%オフになる「イオンセレクトクラブ」に入会できるのも特徴です。

PayPay銀行

借り換え時の金利・変動金利:年0.290%
・固定期間選択型(10年固定):年1.585%
※変動金利についてはキャンペーンを適用後の金利

PayPay銀行では、2024年3月12日まで事前審査申し込み分までを対象にした借り換えのキャンペーンを実施しています。キャンペーンを適用できると、変動金利については2023年12月時点で、年0.349%から0.059%引き下げられて、年0.290%での借り換えが可能です。

金利の上乗せなしで加入できる団信の保障が充実している点も特徴的です。たとえば「一般団信プラス」に加入すると、がんと診断された時は100万円の給付金を受け取れるだけでなく、がん先進医療を受けた際の治療費も通算1,000万円まで保障されます。

また、がん50%保障団信を選ぶと、所定のがんと診断されたときに住宅ローン残高の半分が保障されます。

住宅ローンの借り換えについてのよくある質問

最後に、住宅ローンの借り換えについてよくある質問とそれに対する回答をご紹介します。

①同じ銀行で借り換えはできる?

現在契約中の銀行が取り扱う住宅ローンに、借り換えることはできません。借り換えをする場合は、基本的に他の金融機関が取り扱う住宅ローンを検討することになります。

ただし、例外としてフラット35への借り換えができる場合もあります。フラット35は民間金融機関と住宅金融支援機構が共同で提供している住宅ローンです。

金融機関が独自に取り扱う住宅ローンを組んでいる人は、同じ銀行が申し込み窓口となっているフラット35に借り換えられることもあるため、確認してみてください。

②諸費用を借入金額に含められる?

金融機関によっては、住宅ローンの借入額に諸費用を含めることができます
借り換え後の手持ち資金を多く残したいのであれば、諸費用を借入額に含めるのも方法でしょう。

ただし、諸費用を借入額に含めると当然ながら毎月の返済負担が増えてしまいます。
諸費用を含めて借り入れをする場合は、毎月の返済負担が問題ないかどうかを返済シミュレーションで確認しましょう。

③借り換えはどのような流れで申し込む?

借り換えのおおまかな流れは、一般的に以下の通りです。

  1. 事前審査を申し込む
  2. 本審査を申し込む
  3. 契約手続きを結ぶ
  4. 融資が実行される

借り換えは店舗の窓口で申し込むのが一般的ですが、契約まで全てWebで完結する金融機関も多いです。

借り換えの審査では、源泉徴収票や運転免許証、物件の売買契約書などの書類が必要です。
申し込み手順や必要書類、審査にかかる期間などは、金融機関によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

まとめ

住宅ローンを借り換えることで、数百万単位で家計の負担を減らせる可能性があります。また、金利タイプを変更したり団信の保障をより手厚くしたりすることも可能です。

借り換えを検討するときは、金利差だけでなくローン残高や残りの返済期間を確認することが重要です。また、事務手数料や保証料などの諸費用を考慮してもメリットがあることを返済シミュレーションで確認したうえで、借り換えをしましょう。

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この記事を書いた人

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大手生命保険会社にて7年半勤務し、チームリーダーや管理職候補として個人営業、法人営業の両方を経験。その後人材会社で転職したのちに副業としてwebライターを始める。お金に関する正しい知識をたくさんの人々に知って欲しいとの思いから、2019年1月よりwebライターとして独立。これまで保険、不動産、税金、音楽など幅広いジャンルの記事を、多数のメディアで執筆・監修している。

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