住宅ローンの団体信用生命保険(団信)を徹底比較!仕組みや種類、利率を解説

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住宅ローンを組む方の多くが「団体信用生命保険」に加入します。団体信用生命保険とは、病気などで住宅ローンの返済が難しくなったとき、残債が0円になる保険のことです。

住宅ローンを選ぶときは、金利だけでなく団体信用生命保険の保障内容や保険料などをよく比較することが大切です。

本記事では、団体信用生命保険の仕組みや保障内容、メリット・デメリットなどをわかりやすく解説します。

目次

住宅ローンの団体信用生命保険(団信)の仕組みとは

団体信用生命保険(以下、団信)とは、住宅ローンの契約者が亡くなったり所定の高度障害状態になったりしたときに備えて加入する保険です。

団信に加入する場合、住宅ローンを申し込むときに金融機関経由で生命保険会社と契約を結びます。団信に加入すると、被保険者(保険の対象となる人)が万一のときに、保険会社から支払われる保険金でローンが完済されます。

また、金融機関によっては、がんや3大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)などを保障する団信を選ぶことも可能です。

団信の種類と保険料

団信にはさまざまな種類があり、保障範囲や保険料などが異なります。ここでは、代表的な団信の種類をみていきましょう。

①一般団信

一般団信は、死亡と所定の高度障害状態になったときに保険金が支払われる商品です。

金融機関が独自に取り扱う住宅ローンを組む場合、一般団信の保険料は借入金利に含まれるのが一般的です。基本的に金利を上乗せして保険料を支払う必要はありません

ほとんどの金融機関は、団体信用生命保険への加入を住宅ローンの融資条件の1つとしています。団信の加入が義務づけられているのは、住宅ローンを返済している人に万が一のことがあったとしても、金融機関が融資金を回収できるようにするためです。

一方で、金融機関と住宅金融支援機構が共同で提供する「フラット35」については、新機構団信(フラット35の一般団信)の加入が必須ではありません。新機構団信に加入しない場合、 フラット35の借入金利から年0.2%が差し引かれます。

フラット35を組む場合、新機構団信の代わりに生命保険会社が取り扱う生命保険(死亡保険)に加入して備えることも可能です。

②がん団信

がん団信は、所定のがん(悪性新生物)と診断されると保険金が支払われる団信です。保険会社の多くは、上皮内新生物や悪性黒色腫を除く皮膚がんなどを保障の対象外としています。

また、がん団信の保障が開始される日(責任開始日)から90日(または3か月)以内に所定のがんと診断されても、保険金は支払われません

がん団信には、所定のがんと診断されたときに残債の半額が保障される「がん50%団信」と、全額が保障される「がん100%団信」の2種類があります。

がん50%団信は、多くの金融機関で金利上乗せなしとしています。一方、がん100%保障に加入する場合、借入金利に年0.1〜年0.2%程度上乗せして保険料を支払うのが一般的です。

③3代疾病保障団信

3大疾病保障団信とは、死亡と高度障害状態に加え、3大疾病と診断されて所定の状態になったときも残債を保障する団信です。3大疾病は、一般的には「がん(悪性新生物)・心筋梗塞・脳卒中」を指します。

がん団信と同様に、所定のがんと診断されたときは住宅ローンの残債が0円となります。

一方で、急性心筋梗塞と脳卒中については、診断されるだけでなく働けない状態が60日以上続かなければ、一般的に保障の対象とはなりません

同じ3大疾病保障団信という名称でも、金融機関によって保障が適用される条件は異なることがあるため、よく確認したうえで加入することが大切です。

3大疾病保障団信に加入する場合、住宅ローン金利に年0.1〜年0.3%程度を上乗せするのが一般的です。

④7大疾病保障団信・8大疾病保障団信・11大疾病保障団信

金融機関によっては、7大疾病や8大疾病、11大疾病で所定の状態になったときに保障が受けられる団信を取り扱っています。

保障の対象となる疾病の範囲は引受先の保険会社によって異なりますが、おおむね以下の通りです。

  • 7大疾病:がん・急性心筋梗塞・脳卒中・高血圧性疾患・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変
  • 8大疾病:7大疾病+慢性膵炎(すいえん)
  • 11大疾病:8大疾病+大動脈瘤(りゅう)および解離・上皮内新生物・悪性黒色腫以外の皮膚がん

7大疾病保障団信や8大疾病保障団信、11大疾病保障団信に加入する場合、借入金利に年0.1〜年0.3%程度を上乗せして保険料を支払うのが一般的です

保障の対象となる疾病の定義は、金融機関および引受先の保険会社によって異なります。

⑤全疾病保障団信

全疾病保障団信は、すべての病気やけがで所定の状態になると住宅ローンの残高が0円となる団信です。

全疾病保障団信に加入する場合、住宅ローンの金利に年0.1〜0.3%程度を上乗せするのが一般的ですが、上乗せ金利なしで加入できる金融機関もあります。

⑥ワイド団信

ワイド団信とは、通常の団信よりも引受基準が緩和されている団信のことです。

団信に加入する際は、現在の健康状態や過去の傷病歴などを告知し、保険会社の診査を受ける必要があります。そのため、持病がある人や過去の一定期間に持病を患った人は、団信の診査に通過できない可能性があります。

ワイド団信は、通常の団信と比較して告知項目が少なく引受基準が緩和されているため、健康状態に不安がある人でも申し込みやすいです。

ワイド団信に加入する場合は、住宅ローン金利に年0.3%程度を上乗せします。

団信のメリット・デメリット

続いて、団信に加入する主なメリットとデメリットをみていきましょう。

団信のメリット

団信に加入する主なメリットは、以下の通りです。

  • 万が一のときに住宅ローンの返済義務がなくなる
  • 一般団信であれば基本的に保険料はかからない
  • 特約で保障を手厚くできる

団信に加入していれば、万が一のことがあったときに住宅ローンが保険金で完済されます。そのため残された家族は、住宅ローンの返済に不安を抱えることなく、引き続きマイホームで暮らすことが可能です。

また、金融機関が独自に取り扱う住宅ローンを組む場合、一般団信であれば保険料は基本的にかからないため、毎月の返済負担を増やすことなく万が一に備えられます。

金融機関によっては、がんと診断されたときや病気やけがなどで所定の働けない状態になったときも保障する団信に、上乗せ金利なしで加入することも可能です。

死亡や高度障害状態だけでなく、がんや3大疾病などに備えられるのも団信のメリットです。2023年5月現在では、がんと診断されたときや病気を治療する目的で入院をしたときに給付金が支払われる団信も増えてきました。

団信のデメリット

団信の主なデメリットは、以下の通りです。

  • 健康状態によっては加入できない可能性がある
  • 途中解約や契約内容の変更ができない
  • 住宅ローンを完済すると保障が終わる

団信に加入するときは、健康状態や過去の傷病歴などを告知しなければなりません。過去に病気を患ったことがある人や、治療中の疾病がある人などは、団信に加入できない可能性があります。

健康状態に不安がある人は、引受基準が緩和されているワイド団信を選ぶのも方法です。

団信への加入を判断できるのは、住宅ローンを契約するときのみです。住宅ローンを組んだあとに、団信の解約や再契約はできません。

また、返済途中で特約を付けたり外したりすることもできないため、住宅ローンの契約時に団信の保障内容をよく検討する必要があります。

団信の保障を受けられるのは、住宅ローンの返済中のみです。住宅ローンを完済すると、給付金を含むすべての保障が受けられなくなります。

団信の選び方

2023年5月現在、各金融機関は金利の低さだけでなく、団信の保障内容やラインナップでも競い合っています。

住宅ローンを選ぶ際は、金融機関が取り扱う団信の種類や特約の選択肢、保険料をよく比較することが大切です。

また、団信の種類や保障内容を選ぶときは、がんや3大疾病などになったとき、住宅ローンの返済を継続できるのかどうかを考えると良いでしょう。

重い病気で働けなくなって世帯収入が低下すると、住宅ローンを返済できるかどうか不安になる可能性があるのなら、団信の保障を手厚くした方が良いかもしれません。

一方で、民間の保険会社が取り扱う医療保険やがん保険などに加入しており、働けなくなったとしても返済を継続できるのであれば、一般団信を選ぶのも方法です。

団信の保障を手厚くすると、上乗せ金利が発生する場合があります。そのため、返済シミュレーションを活用し、どれほどの保険料負担で保障が充実できるのかを確認すると、ご自身に合った団信が選びやすくなるでしょう。

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各金融機関の団信を徹底比較!

各金融機関は、どのような団信を取り扱っているのでしょうか。

どの金融機関も、基本的に一般団信は取り扱っています。一方で、一般団信以外のラインナップは、以下の通り金融機関によって異なります。

スクロールできます
  一般団信以外のラインナップ
三菱UFJ銀行7大疾病保障付住宅ローン ビッグ&セブン〈Plus〉:+年0.3%
ワイド団信:+年0.3%
三井住友銀行クロスサポート(連生団体信用生命保険):+年0.18%
8大疾病保障:+年0.3%
みずほ銀行8大疾病補償:借入条件(借入金額や借入期間など)や年齢などに応じた保険料
8大疾病補償プラスがんサポートプラン:借入条件(借入金額や借入期間など)や年齢などに応じた保険料
がん団信:+年0.1%  
ワイド団信:+年0.3%
りそな銀行3大疾病保障特約付団信:+年0.25%
特定状態保障特約付団信(団信革命):+年0.3%
ワイド団信:+年0.3%
SBI新生銀行がん団信:+年0.1%  
安心保障付団信:上乗せ金利なし
PayPay銀行・一般団プラス(がん先進付):金利上乗せなし
・がん50%保障団信:金利上乗せなし
がん100%保障団信:+年0.1%
がん100%+10疾病保障団信:+年0.3%
ワイド団信:+年0.3%
auじぶん銀行がん50%保障団信:金利上乗せなし
がん100%保障団信:+年0.1%
11疾病保障団信:+年0.2%
ワイド団信:+年0.3%
住信SBIネット銀行3大疾病50プラン(全疾病保障付)  40歳未満:上乗せ金利なし  40歳以上:+年0.25%
3大疾病100プラン(全疾病保障付) 40歳未満:+年0.2%  40歳以上:+年0.4%
ソニー銀行がん50%保障団信(がん団信50):上乗せ金利なし
がん100%保障特約付き団信(がん団信100) :+年0.1%
3大疾病保障団信:+年0.2%
生活習慣病団信:+年0.2%
ワイド団信:+年0.2%
楽天銀行がん50%保障/全疾病特約付団信:+年0.2%
イオン銀行全疾病団信:金利上乗せなし
がん保障付団信:+年0.1%
8疾病保障付団信:+年0.3%
ワイド団信:+年0.3%

ここでは、上記のうち「auじぶん銀行」「ソニー銀行」「住信SBIネット銀行」の団信について、解説します。

①auじぶん銀行

auじぶん銀行は、所定のがんと診断されたとき住宅ローン残高の半分が保障される「がん50%団信」に上乗せ金利なしで加入することが可能です。

がん50%団信とがん100%団信は、所定のがんと診断されたときだけでなく、すべての病気やけがで入院が180日以上継続したときも保障されます。

また、すべての病気・けがで入院が31日以上になったとき、30日が経過するごとに住宅ローン返済額と同額の給付金が支払われる「月次返済保障」が付いている点も特徴的です。

11疾病団信は、がんと診断されたときだけでなく、10種類の生活習慣病で入院が180日以上継続した場合も残高が0円となる団信です。11疾病団信には給付金特約が付いており、要件を満たすことで10万〜100万円の一時金が給付されます。

  • がん診断給付(100万円)
  • 上皮内がん・皮膚がん診断給付(50万円)
  • 入院一時金給付(10万円)
  • がん先進医療給付(1回の技術料につき500万円を限度に給付)

②ソニー銀行

ソニー銀行は、がん50%保障団信に上乗せ金利なしで加入できます。

また、団信の契約者と被保険者(保険の対象となる人)が女性である場合、ワイド団信以外の団信に加入すると、10万円の入院一時金が付帯されます。

がん団信100や3大疾病保障団信、生活終活病団信には以下の給付金が付帯されているため、がんに手厚く備えることが可能です。

  • がん診断給付金(100万円)
  • がん先進医療給付金(通算1,000万円)
  • 上皮内がん・皮膚がん給付金(50万円)

とくに生活習慣病団信は、悪性新生物や上皮内新生物、糖尿病、心疾患など10種類の生活習慣病を原因とする長期の入院に備えられるだけでなく、以下の保障も付帯されます。

  • 入院一時給付金(10万円)
  • 入院時ローン月額給付(ローン返済予定額)
    ※女性特典の入院一時金は付帯されません

ワイド団信を除くすべての団信に、何らかの給付金が付いている点がソニー銀行の主な特徴です。

③住信SBIネット銀行

住信SBIネット銀行は、がんや急性心筋梗塞、脳卒中で所定の状態になったときに、ローン残高の半額が保障される「3大疾病50プラン」や、全額が保障される「3大疾病100プラン」に加入できます。

契約時の年齢が40歳未満であれば、3大疾病50プランに上乗せ金利なしで加入できます

また、すべての団信に全疾病保障が付帯されている点も特徴的です。

全疾病保障では、すべての病気やけがで働けない状態が続いた場合、最長12か月分のローン返済額と同額の保険金が支払われます。働けない状態が12か月続いたときは、ローン残高が0円となります。

団信を踏まえて住宅ローンを選ぶときのポイント

住宅ローンを選ぶ際、団信だけでなく金利や諸費用なども踏まえて総合的に検討することが大切です。

金利と団信の保障内容のどちらを優先するか考える

借入先の金融機関を選ぶときは、金利と団信のどちらを優先するのかを考えると良いでしょう。

たとえば、金利の低さよりも重い病気に備えることを優先したいのであれば、保障が手厚い団信に加入できる金融機関の方が適している可能性があります。

一方、万が一の備えよりもできるだけ早く元金を減らすことを優先したいのであれば、低金利で借入が可能な金融機関を選んだ方が良いでしょう。

住宅ローンは、一般的に20〜30年ほどかけて返済していきます。長きにわたる返済において、何を優先した方が安心できるのかを考えて住宅ローンを選ぶことが大切です。

諸費用や相談のしやすさも重要な比較要素

住宅ローンを借り入れるときは、事務手数料や保証料、印紙代などの諸費用を支払います。

そのため、金融機関を選ぶときは、諸費用の金額も比較することが大切です。

また、困ったことがあったときすぐに相談したいのであれば、ネット銀行ではなく、相談窓口が豊富な都市銀行や地方銀行などで借り入れる方が安心でしょう。

金利や団信だけでなく、借入時の諸費用や困ったときの相談のしやすさも住宅ローンを選ぶ際の重要な比較ポイントといえます。

ローンが否決される可能性も考えて検討する

団信に加入するときは、健康状態を告知して引受保険会社の診査を受けます。また、借入先の金融機関に年収や勤続年数、担保となる物件の価値などに問題がないか審査されます。

団信の保障内容や借入金利などの条件が、希望に合致している金融機関が見つかったとしても、借り入れができるとは限りません。そのため、住宅ローンが否決される可能性も考えて、借入先の候補となる金融機関を選ぶことが大切です。

とはいえ、数多くの金融機関が住宅ローンを取り扱っているだけでなく、査定基準が一般公開されているわけでもありません。

そこで、金融機関を選ぶときは、住宅ローンや団信に精通した不動産会社の担当者やファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。

住宅ローンの専門家であれば、借り入れできる可能性がある金融機関の候補を挙げてくれるだけでなく、ローンが否決されたときの対処方法も考えてくれるでしょう。

団信を選ぶ際によくあるご質問

フラット35を組むとき団信と生命保険はどちらが得ですか?

団信と生命保険のどちらがお得かは一概にはいえません。保険会社や保険代理店、ファイナンシャルプランナーなどに相談のうえ、新機構団信と生命保険のどちらに加入すべきか慎重に検討しましょう。

住宅ローンにがん団信は付けた方が良いですか?

がん団信の必要性は人によって異なります。がんと診断されたときに住宅ローンの返済が続けられるかどうかを考えて、がん団信の加入を検討することが大切です。

団信に加入すると金利は上乗せされますか?

金融機関が独自に取り扱う住宅ローンの場合、一般団信であれば基本的に金利の上乗せなしで加入できます。また、がんや3大疾病になったとき、ローン残高の半額が保障される団信に、金利の上乗せなしで加入できる金融機関もあります。

まとめ

団信に加入すると、返済途中で亡くなったときや所定の高度障害状態に該当したとき、保険金でローンが完済されます。

また、がんや3大疾病などに備えられる団信に加入することも可能です。

住宅ローンを選ぶときは、加入できる団信の保障内容や選択できる特約、保険料などを比較することが大切です。

住宅ローンに詳しい不動産会社の担当者やファイナンシャルプランナーなどに相談のうえ、加入する団信や金融機関を慎重に選びましょう。

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この記事を書いた人

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大手生命保険会社にて7年半勤務し、チームリーダーや管理職候補として個人営業、法人営業の両方を経験。その後人材会社で転職したのちに副業としてwebライターを始める。お金に関する正しい知識をたくさんの人々に知って欲しいとの思いから、2019年1月よりwebライターとして独立。これまで保険、不動産、税金、音楽など幅広いジャンルの記事を、多数のメディアで執筆・監修している。

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