【2023年2月最新】住宅ローン金利はフラット35が上昇!変動金利との差が拡大
2023年2月の住宅ローン金利は、変動金利と固定金利のどちらも前月ほど大きな変化は見られませんでした。
しかし、その一方で代表的な全期間固定金利型の住宅ローンであるフラット35の金利は急上昇しました。
本記事では、2023年12月における金利タイプごとの最安金利や今後の動向を解説します。
2023年2月の住宅ローン金利
2022年12月に行われた金融政策決定会合で、日銀は長期金利の変動幅を±0.25%から±0.5%に拡大しました。この影響により、固定金利の主な指標である10年国債の金利は、12月半ばに急上昇しました。
2023年1月における10年国債の金利の推移は、以下の通りです。
※財務省「国債金利情報」をもとに筆者作成
2023年1月の中旬に開催された日銀の金融政策決定会合で金融政策の変更が発表されなかったため、10年国債の金利が一時的に下落しました。
しかし、その後は再び金利が上昇しており、月末時点では0.5%程度に戻っています。
この点を踏まえて、2023年2月の住宅ローン金利をみていきましょう。前月までと同様に、金利上乗せなしで加入できる団信の保障内容もご紹介します。団信の保障内容は、以下の通りです。
- 一般:死亡または所定の高度障害状態の場合に住宅ローン残高を保障する団信
- がん50%保障:所定のがんと診断されると住宅ローンの残高が半分になる団信
- 全疾病保障:病気やけがで働けない状態が一定期間続いたとき
※金融機関によって保障内容は異なります。
変動金利
2023年2月における各金融機関の変動金利は、以下の通りです。
適用金利 | 金利上乗せなしの団信 | |
---|---|---|
三菱UFJ銀行 | 年0.475%(±0%) | 一般のみ |
三井住友銀行 | 年0.475%(±0%) | 一般のみ |
みずほ銀行 | 年0.375%(±0%) | 一般のみ |
りそな銀行 | 年0.47%(±0%) | 一般のみ |
SBI新生銀行 | 年0.32%(±0%) | 一般または一般+介護保障 |
PayPay銀行 | 年0.349%(±0%) | 一般+がん診断一時金+先進医療給付金または一般+がん50%保障 |
auじぶん銀行 | 年0.389%(±0%) | 一般+がん50%保障 |
住信SBIネット銀行 | 年0.44%(±0%) | 一般+全疾病保障 |
ソニー銀行 | 年0.397%(±0%) | 一般+がん50%保障 |
楽天銀行 | 年0.539%(+0.004%) | 一般+がん50%保障+全疾病保障 |
イオン銀行 | 年0.38%(−0.14%) | 一般+全疾病保障 |
※ソニー銀行は自己資金10%以上で借り入れをしたときの金利
※イオン銀行は借入額が物件価格の80%以内である場合
※SBI新生銀行は変動フォーカスを選択した場合
楽天銀行がわずかに引き上げたものの、その他の金融機関に変化はありませんでした。
2023年2月の最安金利は、前月に引き続きSBI新生銀行の年0.32%です。2番目に低金利であるのは、PayPay銀行の年0.349%でした。みずほ銀行の年0.375%がそれに続く点も前月と変わりません。
また、auじぶん銀行は「au金利優遇割」を継続しており、住宅ローンと同時にau回線とauじぶん電気を契約すると借入金利が年0.289%に引き下げられます。
借り換えの金利についても、先月と同様にPayPay銀行の年0.33%が最安であり、続いて三菱UFJ銀行の年0.345%となります。
変動金利では依然として低金利が続いており、0.3%台で提供する金融機関も珍しくない状況です。
固定期間選択型
10年国債の金利上昇の影響により、2023年1月は多くの金融機関が固定期間選択型(10年固定金利)を引き上げました。
2023年2月については、以下の通り金融機関によって対応が異なる結果となっています。
適用金利 | 金利上乗せなしの団信 | |
---|---|---|
三菱UFJ銀行 | 年1.15%(+0.1%) | 一般のみ |
三井住友銀行 | 年1.14%(±0%) | 一般のみ |
みずほ銀行 | 年1.4%(±0%) | 一般のみ |
りそな銀行 | 年1.185%(+0.06%) | 一般のみ |
SBI新生銀行 | 年1.05%(-0.05%) | 一般または介護保障付団信 |
PayPay銀行 | 年1.19%(+0.14%) | 一般+がん診断一時金+先進医療給付金または一般+がん50%保障 |
auじぶん銀行 | 年1.115%(-0.02%) | 一般+がん50%保障 |
住信SBIネット銀行 | 年1.66%(-0.05%) | 一般+全疾病保障 |
ソニー銀行 | 年1.163%(+0.218%) | 一般+がん50%保障 |
楽天銀行 | 年1.727%(+0.285%) | 一般+がん50%保障+全疾病保障 |
イオン銀行 | 年1.44%(±0%) | 一般+全疾病保障 |
※ソニー銀行は自己資金10%以上で借り入れをしたときの金利
2023年2月は、SBI新生銀行の年1.05%がもっとも低金利でした。
次いで金利が低いのは、auじぶん銀行の年1.115%となりました。
10年固定金利を引き上げる金融機関も多いなか、SBI新生銀行は先月よりも年0.05%、auじぶん銀行は年0.02%引き下げています。
先月の最安金利はソニー銀行の年0.945%であり、次いでイオン銀行の年0.99%でしたが、2行とも金利を引き上げたため、順位が大きく入れ替わりました。
また、本記事で取り上げている金融機関のすべてが、年1.0%を超えています。
全期間固定金利(フラット35・固定金利35年)
2023年2月のフラット35(買取型)の最低金利は年1.88%となり、先月の年1.68%から年0.2%引き上げられました。
※融資率9割以下・借入期間21年以上35年以下・新機構団信付きの金利
2021年10月から2023年2月までの推移は、以下の通りです。
※【フラット35】借入金利の推移をもとに筆者作成
※上記は「買取型・融資率9割以下・借入期間21年以上35年以下・新機構団信付き」の金利
前月のフラット35は、前々月より上昇はしたものの、民間金融機関が独自に取り扱う固定金利に比べれば上昇幅はわずかでした。
それが今月は、民間金融機関の1か月遅れでフラット金利も大幅に引き上げられました。2022年1月の年1.3%から比較すると、年0.58%も上昇しています。
一方で、大手都市銀行が独自に取り扱っている35年固定金利については、前月に大きく引き上げられたこともあり、今月は緩やかな上昇となりました。
- 三菱UFJ銀行:年1.88%(+0.07%)
- 三井住友銀行:年2.49%(±0%)
- みずほ銀行:年1.67%(+0.01%)
- りそな銀行:年1.445%(+0.05%)
三井住友銀行のみ先月から据え置きですが、その他の金融機関は引き上げています。
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2023年に固定金利の住宅ローンを組むときのポイント
2023年2月現在も、アメリカをはじめとした諸外国のインフレやロシア・ウクライナ情勢などの影響により、10年国債をはじめとした長期金利が変動しやすい状況が続いています。
そのため、固定金利が今後どのように推移するのか予測が困難です。
このような状況にあるなかで固定金利の住宅ローンを組む場合は、融資が実行されたときの金利上昇を想定して資金計画を立てることが大切です。
融資実行時の金利上昇を想定して資金計画を立てる
住宅ローンの借入金利や毎月の返済額が決まるのは、融資が実行されるときです。
建売住宅やマンションなどの場合、売買契約と住宅ローンの契約を結んだときから融資が実行されるまで数週間〜1か月ほどかかるのが一般的です。
売買契約と融資の実行が月をまたいでしまうと、借入金利が上昇したことで、契約当初の返済計画に狂いが生じるかもしれません。
そのため、固定金利型の住宅ローンを組むときは、融資が実行されるときに金利が上昇して返済額が増えても問題なく返済ができるような資金計画を立てましょう。
金利上昇が上昇したときの返済額をシミュレーションする
金利上昇を想定して資金計画を立てるときは、毎月の返済額や返済総額がいくら増えるのかをシミュレーションしましょう。
ここで、融資が実行されたときに金利が0.2%上昇した場合の返済額をシミュレーションで確認してみましょう。
条件は以下の通りです。
- 借入額:4,000万円
- 返済期間:35年
- 返済方法:元利均等方式(毎月の返済額が一定)
- ボーナス返済なし
住宅ローンの契約を結んだときの金利が年1.7%、融資の実行時に借入金利が1.9%である場合、それぞれの金利をもとに計算した返済額は、以下の通りとなります。
金利 | 年1.7% | 年1.9% |
毎月の返済額 | 126,430 円 | 130,461 円(+4,031円) |
返済総額 | 53,100,600 円 | 54,793,620 円(+1,693,020円) |
うち利息額 | 13,100,600 円 | 14,793,620 円(+1,693,020円) |
融資の実行時に金利が年1.9%になると、毎月の返済額は4,031円(130,461円−126,430円)、返済総額は1,693,020円(54,793,620円−53,100,600円)増加しました。
毎月の返済額の差は数千円ほどですが、返済期間が35年になると返済負担は約169万円も増えます。
返済負担が増えたことで、住宅ローンの返済やマイホーム購入後の生活、将来的に起こりうるライフイベントに支障が生じるのであれば、資金計画の見直しが必要です。
不動産会社や金融機関などに相談し、融資の実行時に金利が上昇する可能性や上昇幅を確認し、返済額をシミュレーションをしたうえで固定金利を借り入れると良いでしょう。
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2023年の住宅ローン金利については、以下の記事で詳しく解説していますのでご一読ください。

まとめ
2023年2月の変動金利はほとんど変化がなく、年0.3%代の低金利に設定する金融機関も多い状況が続いています。
固定期間選択型については、一部の金融機関が引き上げたことで全体的に年1.0%を超えています。全期間固定金利は、フラット35が前月から+0.2%と大幅に引き上げられました。
※「買取型・融資率9割以下・借入期間21年以上35年以下・新機構団信付き」の金利