【2023年12月】住宅ローン金利は全体的に引き下げ!その背景と今後の見通しを解説

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2023年12月の住宅ローン金利は、変動金利を引き下げた金融機関があり、さらに金利水準が低下しています。

また、固定金利についても、今月は多くの金融機関が引き下げをしました。

この背景には、固定金利の指標である10年国債金利の低下があります。

本記事では、2023年12月の住宅ローン金利を金利タイプごとにご紹介します。

目次

2023年12月の住宅ローン金利

まずは、固定金利の指標である10年国債の金利の推移をご紹介します。

※財務省「国債金利情報」をもとに筆者作成

2023年10月31日に、日銀がイールド・カーブ・コントロール(YCC)の運用方針を変更した影響で、10年国債金利は11月1日ごろに年0.95%程度まで上昇しました。

しかし、その後は一転して10年国債金利は低下し、2023年12月1日時点では年0.7%程度となっています。

10年国債金利が低下したのは、米国で続いていた強烈なインフレが、利上げなどの影響で鈍化したことが主な要因です。

ここで、各金融機関の住宅ローンの借入金利を金利タイプごとにみていきましょう。

金利上乗せなしで加入できる団信の保障内容とあわせてご紹介します。

団信の保障内容は、以下の通りです。

  • 一般:死亡または所定の高度障害状態の場合に住宅ローン残高を保障する団信
  • がん50%保障:所定のがんと診断されると住宅ローンの残高が半分になる団信
  • 全疾病保障:病気やけがで働けない状態が一定期間続いたとき                        ※金融機関によって保障内容は異なります。

変動金利

まずは、2023年12月の変動金利をみていきましょう。

結果は、以下の通りです。

適用金利金利上乗せなしの団信
三菱UFJ銀行年0.345%(±0%)一般のみ
三井住友銀行年0.475%(±0%)一般のみ
みずほ銀行年0.375%(±0%)一般のみ
りそな銀行年0.34%(±0%)一般のみ
SBI新生銀行年0.29%(±0%)一般または介護保障付団信
PayPay銀行年0.25%(−0.065%)一般または一般+がん診断一時金+先進医療給付金または一般+がん50%保障
auじぶん銀行年0.319%(±0%)【満50歳以下の方】一般または一般+がん50%団信※がん診断保障・4疾病保障・全疾病長期入院保障が無料付帯
【満51歳以上の方】一般団信のみ
住信SBIネット銀行年0.298%(±0%)一般または一般+全疾病保障または一般+全疾病保障+3大疾病保障※契約者が40歳未満である場合のみ
ソニー銀行年0.397%(±0%)一般または一般+がん50%保障
楽天銀行年0.55%(±0%)一般または一般+がん50%保障+全疾病保障
イオン銀行年0.38%(±0%)一般または一般+全疾病保障

※ソニー銀行は自己資金10%以上で借り入れをしたときの金利
※SBI新生銀行は変動フォーカスを選択した場合
※イオン銀行は物件価格の80%以内で住宅ローンを組んだ場合
※PayPay銀行は自己資金10%以上の場合
※住信SBIネット銀行は借入金額が物件価格の80%以下の場合

もっとも借入金利が低いのは、今月から新たなキャンペーンを開始したPayPay銀行です。

PayPay銀行では、借入金額が物件購入価格や建築請負価格の90%以内(自己資金10%以上)であれば、年0.25%での借り入れが可能となりました。

自己資金10%未満の場合、借入金利は年0.29%となりますが、他行と比較すると低水準といえます。

PayPay銀行に続くのが「SBI新生銀行」であり、最優遇金利は年0.29%です。

ただし、年0.29%で借り入れをするためには、2023年12月29日(金)までに申し込みをし、翌年6月28日(金)までに融資が実行されなければなりません。

次点は、住信SBIネット銀行の年0.298%です。

この金利で借り入れができるのは、借入金額が物件価格の80%以下である人です。

また、auじぶん銀行では、携帯電話や電気、インターネット、テレビといった所定のサービスを住宅ローンと一緒に利用すると、最優遇金利は年0.169%に引き下げられます。

借り換えについてもPayPay銀行がもっとも低金利であり、最優遇金利は年0.29%となっています。

また、ソニー銀行でも年0.297%での借り入れが可能です。

このように、変動金利では金利引き下げ競争が続いており、年0.2%台後半〜0.3%台前半に設定する金融機関が増えてきています。

固定期間選択型

続いて、2023年12月の固定期間選択型(10年固定金利)をみていきましょう。

各金融機関の最優遇金利は、以下の通りです。

適用金利金利上乗せなしの団信
三菱UFJ銀行年1.12%(+0.08%)一般のみ
三井住友銀行年1.19%(−0.1%)一般のみ
みずほ銀行年1.40%(−0.15%)一般のみ
りそな銀行年1.585%(−0.16%)一般のみ
SBI新生銀行年1.05%(−0.05%)一般または介護保障付団信
PayPay銀行年1.365%(+0.02%)一般または一般+がん診断一時金+先進医療給付金または一般+がん50%保障
auじぶん銀行年1.195%(−0.13%)【満50歳以下の方】一般または一般+がん50%団信※がん診断保障・4疾病保障・全疾病長期入院保障が無料付帯
【満51歳以上の方】一般団信のみ
住信SBIネット銀行年1.338%(−0.12%)一般または一般+全疾病保障または一般+全疾病保障+3大疾病保障※契約者が40歳未満である場合のみ
ソニー銀行年1.14%(+0.05%)一般または一般+がん50%保障
楽天銀行年1.855%(+0.106%)一般または一般+がん50%保障+全疾病保障
イオン銀行年1.39%(±0%)一般または一般+全疾病保障

※ソニー銀行は自己資金10%以上で借り入れをしたときの金利

もっとも低金利であるのは、SBI新生銀行です。

借入金利は年1.05%であり、前月から年0.05%引き下げられました。

SBI新生銀行に次いで低金利なのは三菱UFJ銀行です。

借入金利は年1.12%であり、先月から年0.08%引き上げられています。

次点は、ソニー銀行の年1.14%です。

ただし、自己資金が10%未満の場合、借入金利は1.44%となります。

10年国債の金利が下落傾向にあるためか、今月は10年固定金利を引き下げる金融機関が多くありました。

全期間固定金利(フラット35・固定金利35年)

2023年12月のフラット35(買取型)の最低金利は年1.91%であり、先月の年1.96%から年0.05%引き下げられました。※融資率9割以下・借入期間21年以上35年以下・新機構団信付きの金利

2021年10月から2023年12月までの推移は、以下の通りです。

【フラット35】借入金利の推移をもとに筆者作成
※上記は「買取型・融資率9割以下・借入期間21年以上35年以下・新機構団信付き」の金利

フラット35の金利は、先月まで4か月連続で引き上げられていました。

それが今月は、10年国債金利の低下により、フラット35の借入金利が5か月ぶりに引き下げられています。

続いて、大手都市銀行が独自に取り扱う35年固定金利をみていきましょう。今月の借入金利は、以下の通りです。

  • 三菱UFJ銀行:年1.89%(+0.05%)
  • 三井住友銀行:年2.19%(−0.06%)
  • みずほ銀行:年1.77%(−0.16%)
  • りそな銀行:年1.485%(−0.13%)

三菱UFJ銀行を除く3行が先月と比較して借入金利を引き下げています。

とくにりそな銀行は、年1.5%を下回る金利で借り入れが可能です。

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2024年1月以降の住宅ローン金利はどうなる?

2023年の住宅ローン金利は、変動金利が基本的に低下したのに対し、固定金利は先の予測が困難な状況でした。

2024年1月以降もしばらくはその傾向が続くでしょう。

固定金利は米国のインフレの状況次第

先述のとおり、米国のインフレが鈍化したことで、11月の10年国債金利は低下し、住宅ローンの固定金利も全体的に引き下げられました。

米国のインフレが緩やかになってきているのは、利上げだけでなく物流状況の改善やエネルギー・農産物などの価格低下の影響もあります。

2024年1月以降も物価の上昇率が低下するようであれば、米国政府は利下げをする可能性もあるでしょう。

物価の上昇が緩やかになっているにもかかわらず、高い金利を維持し続けると、かえって米国の経済が失速してしまいかねないためです。

利下げによって米国の金利が低下すれば、10年国債金利にかかる上昇圧力が弱まり、固定金利がさらに引き下げられる可能性があります。

ただし、米国は追加利上げの選択肢を捨てたわけではありません。

インフレが弱まらず、再度の利上げが行われると、10年国債金利に上昇圧力がかかる可能性も考えられます。

変動金利はしばらく低水準で推移する

変動金利に影響を与える「マイナス金利政策」は、2%の物価安定目標を達成するために実施されています。

2%の物価安定目標とは「賃金の上昇をともないながら物価が年に2%ずつ緩やかに上昇する状態」のことです。

厚生労働省が発表した9月分の毎月勤労統計調査によると、物価の上昇も考慮した1人あたりの賃金(実質賃金)は、18か月連続でマイナスとなりました。

※参考:厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果確報

つまり、現在の日本では物価の上昇に賃金の上昇が追いついておらず、マイナス金利政策を解除できる状態ではないといえます。

また、物価安定目標を達成するためには、賃金の上昇にともなう“安定的”な物価上昇が続かなければなりません。

実質賃金が一時的に上昇するだけでは、目標が達成されたとはいえないため、マイナス金利政策は今後も継続され、変動金利も低水準で推移すると考えられます。

ただし、キャンペーンの終了により借入金利が引き上げられる可能性はあります。

変動金利を選ぶ場合は、金利引き下げキャンペーンの有無や適用期間、条件を確認しておきましょう。

まとめ

2023年12月は、PayPay銀行が変動金利の最優遇金利を年0.25%に引き下げてきました。

このため、変動金利の主戦場は、0.2%台後半〜0.3%台にシフトしているといえます。

固定期間選択型については、10年国債金利の低下により先月から引き下げた金融機関が多数派でした。

また、フラット35の金利についても引き下げられています。

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この記事を書いた人

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大手生命保険会社にて7年半勤務し、チームリーダーや管理職候補として個人営業、法人営業の両方を経験。その後人材会社で転職したのちに副業としてwebライターを始める。お金に関する正しい知識をたくさんの人々に知って欲しいとの思いから、2019年1月よりwebライターとして独立。これまで保険、不動産、税金、音楽など幅広いジャンルの記事を、多数のメディアで執筆・監修している。

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