リースバックはやばい?騙された?トラブル事例と後悔しないための注意点を徹底解説!
リースバックは、自宅を売却するとともに新たに賃貸契約を結び家賃を支払って再び同じ家に住み続ける方法です。
通常の不動産売却とは異なり、自宅から引っ越しをすることなく、まとまった売却代金を得られるというメリットがあります。
しかし、その一方で「リースバックはやばい」「リースバック業者に騙された」などと言われるケースも少なくありません。
本記事では、リースバックがやばいと言われる理由や実際にあったトラブルなどを詳しく解説します。
リースバックを利用すべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

「リースバックやばい」と言われる理由とは?

リースバックは、家を売却する「売買契約」と、その家を借りて住み続ける「賃貸借契約」の2つがセットになった取引です。
セール・アンド・リースバックとも呼ばれます。
リースバックが「やばい」と言われる主な理由は、以下のとおりです。
〇リースバックがやばいと言われる理由
- 売却価格が市場価格より低い傾向にある
- 家賃が周辺相場より割高になるケースがある
- 悪徳業者によるトラブルが報告されている
- リースバック業者が倒産するリスクがある
リースバックの売却価格は、市場価格の70%程度になるのが一般的です。
これは、リースバック業者が将来の空室リスクや再販時の費用を見込んで買い取るためです。
また、売却後に支払う家賃は、事業者の利益や物件の維持管理費などが上乗せされるため、周辺の家賃相場より高くなる傾向があります。
加えて、リースバックについて詳しく知らない高齢者を狙った強引な勧誘をしたり、契約内容の説明が不十分なまま契約を迫ったりする悪質な業者も存在するのが実情です。
さらには、万が一契約した事業者が倒産すると、家が第三者に売却され、最悪の場合は退去を求められる可能性もあります。
このように、リースバックを利用するとトラブルに巻き込まれたり、損をしたりする可能性があるため「やばい」「おすすめしない」と言われることが少なくないのです。
実際に起きたリースバックのトラブル事例

実際に起きたリースバックに関するトラブルは、以下のとおりです。
〇実際に起きたリースバックのトラブル事例
- 思っていたよりも売却価格が安かった
- 家賃が想定以上に高くなり生活が苦しくなった
- 再購入できると思っていたが契約書に明記されていなかった
- 契約の満了時に退去を迫られた
事例①思っていたよりも売却価格が安かった
リースバックは、自宅の売却価格が市場価格よりも安くなる仕組みです。また、売却価格はリースバック業者によって大きく異なります。
中には、利用者の知識が不十分なことにつけ込み、市場価格からかけ離れた安い価格で買い取る悪質な業者も存在します。
本来であればもっと高値で売れるはずの物件を、非常に安い価格で売却してしまい、あとでそれが発覚してリースバック業者とトラブルに発展するケースがあります。
事例②家賃が想定以上に高くなり生活が苦しくなった
リースバックで設定される家賃は、物件の売却価格をもとに算出されるため、周辺にある同程度の広さの賃貸物件と比べて一般的に割高です。
また、家賃が途中で値上げされたことで支払いが困難になり、退去を迫られてリースバック業者とトラブルになる場合があります。
契約時に「家賃が変わることはありません」などと口頭で説明されていたとしても、オーナーの変更や契約更新のタイミングで値上げされることがあります。
事例③再購入できると思っていたが契約に明記されていなかった
リースバックは、契約時に将来的に自宅の買い戻しをする特約を設定することが可能です。
しかし「資金に余裕ができたら自宅を買い戻そう」と考えてリースバックを利用したにもかかわらず、買い戻しを拒否される事例も発生しています。
契約を結ぶときは「いつでも買い戻せますよ」と業者に言われても、契約書に買い戻しに関する条件が明記されておらず、言った言わないのトラブルに発展することがあります。
事例④契約の満了時に退去を迫られた
売却したあとも同じ自宅に住み続けられるのがリースバックの利点ですが、契約期間が終わった途端に退去を求められる場合もあります。
これは、リースバックの賃貸借契約を「普通借家契約」ではなく「定期借家契約」で結んだ場合に起こりやすいトラブルです。
〇リースバックの主な賃貸借契約
普通借家契約:契約期間の満了後も借主の希望があれば同条件で更新が可能な賃貸借契約
定期借家契約:契約期間が満了すると原則終了する賃貸借契約
定期借家契約を結ぶと、貸主は正当な理由がなくても契約の更新を拒否できます。
契約の際に「期間が満了したときは再契約できますよ」と口頭で伝えられていても、実際には更新を断られて家を出ていかざるを得なくなるケースもあるのです。
リースバックで“やばい状況”を避けるために知っておくべき契約チェック項目

リースバックで後悔しないためには、契約内容を十分に理解したうえで締結することが大切です。
「こんなはずではなかった」と後悔することのないよう、契約を結ぶ前には以下の項目は契約書でチェックしましょう。
〇リースバックでやばい状況を避けるためにチェックすべき項目
- 売却価格と市場価格にどれくらい差があるか
- 家賃は相場に対して高すぎないか
- 契約内容に「再購入の可否・期間・価格など」が明記されているか
- 賃貸契約の更新条件・退去条件を確認したか
①売却価格と市場価格にどれくらい差があるか?
リースバックの場合は、自宅の売却価格は不動産会社による仲介で売却したときよりも、低い傾向にあります。売却価格の目安は、市場価格の70%程度です。
リースバックの契約を結ぶときは、自宅の市場価格を調べたうえで売却価格が著しく安くないかよく確認することが大切です。
また、リースバック業者が提示する査定額が妥当か判断するためには、1社のみに自宅を査定してもらうのではなく、複数の業者から見積もりを取り寄せましょう。
複数の見積もりを比較することで、不当に安い価格での契約を避けられるだけでなく、より良い条件で売却するための交渉材料にもなります。
②家賃は相場に対して高すぎないか?
一般的な賃貸物件の家賃は、周辺の需要と供給で決まるのに対し、リースバックの家賃は「売却価格」をもとに算出されるのが一般的です。計算式は、以下のとおりです。
- 家賃=売却価格×期待利回り(年率)÷12か月
期待利回りは、不動産を運用した際に見込まれる年間の収益率です。物件の価値や事業者の運営方針などで異なり、年3%程度に設定されることもあれば、10%と高くなるケースもあります。
期待利回りと売却価格ごとの家賃は、以下のとおりです。
売却価格(万円) | 期待利回りごとの家賃(万円) | |||||
5% | 6% | 7% | 8% | 9% | 10% | |
1,000 | 4.2 | 5.0 | 5.8 | 6.7 | 7.5 | 8.3 |
2,000 | 8.3 | 10.0 | 11.7 | 13.3 | 15.0 | 16.7 |
3,000 | 12.5 | 15.0 | 17.5 | 20.0 | 22.5 | 25.0 |
4,000 | 16.7 | 20.0 | 23.3 | 26.7 | 30.0 | 33.3 |
5,000 | 20.8 | 25.0 | 29.2 | 33.3 | 37.5 | 41.7 |
6,000 | 25.0 | 30.0 | 35.0 | 40.0 | 45.0 | 50.0 |
7,000 | 29.2 | 35.0 | 40.8 | 46.7 | 52.5 | 58.3 |
8,000 | 33.3 | 40.0 | 46.7 | 53.3 | 60.0 | 66.7 |
9,000 | 37.5 | 45.0 | 52.5 | 60.0 | 67.5 | 75.0 |
10,000 | 41.7 | 50.0 | 58.3 | 66.7 | 75.0 | 83.3 |
リースバックの契約を結ぶときは、家賃に関する以下の項目をよく確認しましょう。
〇家賃に関する確認ポイント
- 売却価格や近隣の家賃相場と比較して支払う家賃が妥当か
- 家賃が契約後も問題なく支払える金額であるか
- 契約の途中や期間の満了時に家賃が値上げされるか
③契約内容に「再購入の可否・期間・価格」が明記されているか?
リースバックで売却した家を買い戻したい場合は、契約書に買い戻しに関する条件が明記されているかよく確認しましょう。具体的な確認ポイントは以下のとおりです。
〇リースバックの契約時に確認した買い戻しに関する条項
- 買い戻しの可否
- 買い戻し契約の種類(再売買の予約・民法の買い戻し特約)
- 買い戻しができる時期・買い戻しが可能な期限
- 買い戻し価格と算出根拠
- 買い戻しをする際の手数料の有無(不動産取得税や登録免許税など)
- オーナーが変わった際に買い戻しに関する条項が引き継がれるか
買い戻し価格は、売却価格の1.1~1.3倍程度が相場です。
買い戻しの契約には、当事者間で条件を自由に決められる「再売買の予約」と、民法第579条で定められる「買い戻し特約」の2種類があります。それぞれの特徴は以下のとおりです。
再売買の予約 | 買い戻し特約 | |
契約のタイミング | 売買契約と同時でなくても可 | 売買契約と同時に締結必須 |
買い戻し期間 | 当事者間の合意で自由に設定可能 | 最長10年 |
買い戻し価格 | 当事者間の合意で自由に設定可能 | 売却価格+契約費用が上限 |
買い戻しに関する取り決めをする際は、当事者間で条件を比較的自由に決められる再売買の予約が採用されるケースが多いですが、中には買い戻し特約が選ばれるケースもあります。
トラブルを防ぐためにも、リースバックの契約を結ぶ際は買い戻しの価格、期間、条件などを契約書で細かく確認しましょう。
④賃貸契約の更新条件・退去条件を確認したか?
リースバックで売却した家にいつまで住み続けられるかは、売買契約と同時に結ぶ賃貸借契約の内容で決まります。
前述のとおり、賃貸借契約には以下の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。
契約形態 | 普通借家契約 | 定期借家契約 |
特徴 | 貸主側に「正当な事由」がない限り、借主が希望すれば契約更新が可能 | あらかじめ定められた契約期間(2~3年程度)の満了をもって契約が終了する |
メリット | 長く安心して住み続けられる可能性がある | 家賃が比較的安く設定される傾向がある |
デメリット | 家賃が割高に設定される傾向がある | 契約期間満了時に貸主の合意が得られない場合は退去する必要がある |
リースバックを利用する際には「契約が更新できるか」「いつまで更新可能なのか」が明記されているかを確認しましょう。
自宅にできるだけ長く住み続けたいのであれば、普通借家契約を結べる業者を選ぶのも1つの方法です。
定期借家契約を結ぶ場合は、再契約ができるかどうかや条件などをよく確認しましょう。
リースバックを“やばくしない”ための業者選びのポイント

リースバックを利用する際の失敗を防ぐためには、以下の点をもとに信頼できる事業者を選ぶことが大切です。
- リースバック専門のサービスとして十分な実績があるか
- 売却後の賃貸契約について、条件をオープンにしているか
- 実際に利用した人の口コミや評判、具体的な事例が確認できるか
POINT①リースバックの取り扱い実績は豊富か?
リースバックは比較的新しい商品であり、取り扱い実績があまりない不動産会社も少なくありません。業者を選ぶ際は、リースバックの取り扱い実績を確認することが大切です。
リースバックの取り扱い実績が豊富な業者は、多くの顧客に対応してきた経験があり、豊富なノウハウが蓄積されている可能性があるため、より安心して依頼できます。
また、業者によって得意分野が異なるため、売却をする予定の物件の種類(マンション・戸建て住宅など)の取り扱い実績も確認することをおすすめします。
POINT②売却後の賃貸契約条件をオープンにしているか?
公式Webサイトなどで賃貸契約の条件を事前に公開している、透明性の高い業者を選ぶことも失敗を防ぐための重要なポイントです。
後で「聞いていない」「知らなかった」というトラブルを防ぐには、契約前に賃貸の条件を把握することが欠かせません。
信頼できる業者ほど、家賃の決まり方や売却価格の根拠、契約更新の可否などの重要事項を契約前にきちんと提示し、わかりやすく説明してくれるものです。
リースバックの契約内容が不明確であり、充分な説明もないまま強引に契約を迫る業者や、不明点や疑問点を質問しても明確に回答しない業者などは、避けたほうがよいでしょう。
POINT③口コミ・評判・事例が確認できるか?
実際にサービスを利用した人の口コミや評判も、業者選びの大切な判断材料です。
公式サイトの情報だけではわからない、担当者の対応の質や査定への納得感、契約後のフォローといった実態を知る手がかりになります。
とくに、以下のようなネガティブな口コミが見られる業者は、契約後にトラブルに発展しやすい可能性があるため、契約を結ぶべきか慎重に検討することが大切です。
- 担当者が説明した内容と契約書の内容が異なっていた
- 近隣の家賃相場より明らかに高い家賃を提示された
- 考える時間を与えられず、その場で契約を迫られた
もちろん、インターネット上の情報をすべて鵜呑みにするのはおすすめしません。
しかし、実際に利用した人の意見を参考にすることで、信頼できる業者か判断しやすくなるでしょう。
リースバックはすべてが“やばい”わけではない|正しく使えば有効な選択肢

リースバックの売却価格や家賃をめぐるトラブルが起きているのは事実です。
しかし、トラブルの多くは契約内容の確認不足や、不適切な業者選びなどが原因で生じており、リースバックそのものに問題があるわけではありません。
リースバックの仕組みを正しく理解して活用すれば、住み慣れた家を離れることなくまとまった資金を確保できる、有効な選択肢の1つとなります。
ここでは、リースバックを活用するための基礎知識を解説します。
①手元に資金を確保しながら住み続けられる
リースバックの主なメリットは、自宅を売却してまとまった資金を手にしながら、賃貸契約を結んで同じ家に住み続けられる点にあります。
通常の不動産売却とは異なり、引っ越しの必要がないため、生活環境を変えずにまとまった資金を得ることが可能です。
また、売却後は家の所有権が事業者に移るため、これまで支払っていた固定資産税や都市計画税といった税金、マンションの場合は管理費・修繕積立金などの負担がなくなります。
②老後資金・相続対策・離婚や転職時の一時資金確保にも有効
リースバックで得られた売却代金の使い道に制限はないため、さまざまな方法に活用できます。資金の主な活用方法は以下のとおりです。
〇リースバックで得られた資金の代表的な活用方法
- 老後資金の確保:セカンドライフの生活資金、介護施設の入居資金、医療費や介護費などを賄う資金など
- 相続対策:相続税の納税資金の確保など
- 事業資金の確保:事業の運営資金や設備投資のための資金など
- 財産分与:離婚時に自宅を売却して得られた資金を夫婦で公平に分ける
- 緊急予備資金の確保:働けなくなったときの医療費や家具・家電・自動車などの修理費用や買い替え費用などを賄うための資金
- その他:旅行や趣味を楽しむための資金、子どもや孫などに援助するための資金
このように、リースバックで得られた売却代金は、老後の生活だけでなく、相続や離婚、事業などで生じる資金として幅広く活用が可能です。
また、通常の不動産売却とは異なり、売却活動をして買い手を探す必要がなく、迅速に現金を手にできるため、急に資金が必要になった際にも対応できます。
【比較】リースバックと他の選択肢(住み続けたい人向けの資金確保策)

住み慣れた家を手放さずに資金を確保する方法は、リースバックの他にも自宅を担保にお金を借りる「リバースモーゲージ」や「不動産担保ローン」があります。
仕組みや条件がそれぞれ異なるため、ご自身の状況や目的に合わせて最適な方法を選ぶことが大切です。
ここでは、それぞれの方法とリースバックの違いを詳しく見ていきましょう。
リバースモーゲージとの違い
リバースモーゲージは、簡単に言えば自宅を担保にお金を借りることができる商品です。
リースバックが「不動産の売却」であるのに対し、リバースモーゲージは「不動産を担保にした融資(借金)」である点が異なります。
契約者が生きているあいだは利息のみを支払い、契約者が亡くなったときまたは契約期間が満了したときに担保となっている自宅を売却して元金を一括返済します。
リースバックとリバースモーゲージの主な違いは、以下のとおりです。
リースバック | リバースモーゲージ | |
契約形態 | 不動産売買+賃貸借契約 | 不動産担保融資 |
所有権 | 売却時に買主へ移転 | 契約者の生存中は自己所有 |
資金の性質 | 売却代金(自己資金) | 借入金 |
資金の受取 | 原則一括 | 分割または一括 |
月々の支払 | 家賃 | 原則として利息のみ |
年齢制限 | なし | あり(55歳以上の金融機関が多い) |
資金使途 | 原則自由 | 老後の生活資金、住宅のリフォーム資金など金融機関が指定する使途に限定 |
維持費 | 原則不要 | 必要(固定資産税など) |
リバースモーゲージの主なメリットとデメリットは、以下のとおりです。
リバースモーゲージのメリット | リバースモーゲージのデメリット |
・所有権を失わずに資金を調達できる ・月々の支払いを利息のみに抑えられる ・元金の返済を亡くなったあとにまで延ばせる | ・年齢や収入の要件がある ・資金使途が限定される場合がある ・固定資産税などの維持費は自己負担 |
リースバックとリバースモーゲージのどちらが合っているか判断する際は、以下を参考にしてみてください。
〇リースバックが向いている人
リバースモーゲージを利用できない年齢である
所有権を手放すことに抵抗がない
得られた資金を自由に使いたい
〇リバースモーゲージが向いている人
老後の資金を確保したい
月々の支出を利息のみに抑えたい
家の相続を希望する人がいない
不動産担保ローンとの違い
不動産担保ローンは、リバースモーゲージと同じく自宅を担保にお金を借りる「融資」の一種です。リースバックが「売却」である点と根本的に異なります。
不動産担保ローンを利用しても所有権を失うことはありませんが、ローンを組むため、元金と利息を毎月返済していかなければなりません。
対してリースバックは、売却代金を受け取るため返済の必要はありませんが、代わりに家賃の支払いが発生する仕組みです。
両者の違いをまとめると以下のとおりです。
リースバック | 不動産担保ローン | |
形態 | 不動産売買+賃貸借契約 | 融資 |
所有権 | 買主へ移転 | 自己所有のまま |
返済義務 | なし | あり |
月々の支払い | 家賃 | 元本+利息 |
審査 | 原則なし | あり(個人の返済能力・物件の担保価値など) |
リフォーム | 不可(所有者の許可が必要) | 自由 |
維持費 | 原則不要 | 必要(固定資産税など) |
差し押さえリスク | なし(家賃滞納時は退去) | あり(返済の滞納時) |
現金化の速さ | 比較的速い | 審査・手続きに時間がかかる |
不動産担保ローンの主なメリットとデメリットは、以下のとおりです。
不動産担保ローンのメリット | 不動産担保ローンのデメリット |
・所有権を手放さずに済む ・必要な額だけ借り入れできる ・自由にリフォームや建て替えができる | ・返済が滞ると家を失うリスクがある ・年齢や収入など返済能力の審査がある ・固定資産税などの維持費は自己負担 |
リースバックと不動産担保ローンのそれぞれが向いている人の特徴は、以下のとおりです。
〇リースバックが向いている人
収入や年齢を理由にローンの審査に通らない可能性がある人
早急にまとまった資金を準備したい人
できるだけ借金を負いたくない人
〇不動産担保ローンが向いている人
必要な資金額が少ない人
家の所有権を手放したくない人
安定した収入があり、計画的な返済が可能な人
もし「騙されたかも」と思ったら?相談先と対処法

リースバックの契約後に生じたトラブルを解決するためには、法律や不動産などの専門知識が求められます。1人で抱え込むのではなく、すぐに専門の相談窓口へ連絡しましょう。
ここでは、万が一の際に頼りになる相談先を紹介します。
リースバック問題に強い弁護士
買い戻しを断られるなどのトラブルが生じたときは、リースバックや不動産取引に詳しい弁護士に相談するのがよいでしょう。
状況をヒアリングのうえ、解決策を提案してくれるだけでなく、リースバック業者との代理交渉や民事訴訟など法的手段による解決を依頼することも可能です。
依頼する弁護士を探す際は、以下の点を意識するとよいでしょう。
〇弁護士事務所を選ぶ際のポイント
リースバックに関するトラブルの解決実績と専門性を確認する
複数の事務所に相談して比較・検討する
弁護士事務所の多くは、初回相談は無料としています。無料で相談できる時間は30分または60分程度が一般的です。
初めから弁護士事務所に相談することに抵抗がある方は、以下のような相談窓口を利用するのも方法です。
法テラス(日本司法支援センター) | 弁護士会の法律相談センター | 自治体の無料法律相談 | |
料金 | 無料 | 初回無料または低額の場合が多い(地域による) | 無料 |
相談内容 | 不動産トラブル全般(リースバック、賃貸借契約、住宅ローン問題など) | リースバック契約のトラブル、借地・借家問題、土地境界問題など | 不動産トラブル全般(リースバック、住宅ローン、賃貸契約など) |
相談方法 | 対面、電話、メール | 対面、電話での相談が中心 | 対面での相談が中心 |
注意点 | ・相談は1回30分程度・収入や資産状況が一定の要件を満たす必要がある | ・予約制・相談内容に応じて弁護士費用が発生する場合あり | ・相談日は限られるため早めの予約が必要・相談時間は30分程度 |
消費生活センターでのトラブル相談
「契約内容の説明が不十分だった」「強引に契約させられた」など、リースバック業者との間にトラブルが生じた際には「消費生活センター」に相談するのも1つの方法です。
消費生活センターは、全国の地方自治体(市区町村・都道府県)が運営する公的機関です。
契約上のトラブルや商品事故など消費生活に関することを専門の相談員に無料で相談できます。また、相談者と事業者の間に立って話し合いによる解決を促すあっせんを行ってもらえる場合もあります。
相談したい場合は、全国共通の電話番号「消費者ホットライン188(いやや!)」に電話するとよいでしょう。最寄りの消費生活センターを紹介してくれます。
受付時間は各自治体の窓口によって異なりますが、平日は9時~17時、土日祝日は10時~16時が目安です。
金融庁や国土交通省の窓口に相談することも可能
リースバックに関するトラブルは、金融庁や国土交通省が設置した窓口に相談することも可能です。受付時間や電話番号、料金などは以下のとおりです。
金融庁 | 国土交通省 | |
主な相談窓口 | 金融サービス利用者相談室 | 住まいるダイヤル |
担当分野 | 金融機関との取引、住宅ローン関連、資金調達 | 不動産売買契約、宅地建物取引業者とのトラブル |
相談方法 | 電話、Web、FAX(高齢者・障害者のみ) | 電話のみ |
受付時間 | 電話:平日10-17時Web:24時間 | 平日: 10-17時 |
電話番号 | 0570-016811 | 03-3556-5147 |
料金 | 相談無料(ナビダイヤル通話料は有料) | 相談無料(通話料は有料) |
これらの相談窓口では、あっせんや仲介などを依頼することはできませんが、公的かつ中立的な立場でのアドバイスを受けることが可能です。
リースバックのトラブルに関するよくある質問
最後にリースバックのトラブルに関するよくある質問に回答します。
まとめ
リースバックが「やばい」と言われる主な要因は、売却額が市場の7〜8割に下がりやすいこと、家賃が相場より高くなりがちなことなどが挙げられます。
リースバックを利用する際は、契約を結ぶ前に「売却価格や家賃が適切か」「買い戻しはできるか」「更新は可能か」などの条件を契約書でよく確認しましょう。
万が一トラブルが生じたときや契約上の不安があるときは、法律の専門家や公的窓口などに早急に相談することをおすすめします。