
荒川区のマンション購入を検討する場合、どのくらいの年収が必要か気になるのではないでしょうか。
東京都の23区の中で北の方に位置する荒川区は、下町情緒があり、都心へのアクセスに優れています。下町としての特色を残しつつ、再開発が行われており、特に南千住ではマンションの建設が相次いでいます。子育て世代に優しい環境が整っており、若いファミリーから人気を集めるエリアです。
この記事では、そんな荒川区で暮らすにはいくら必要なのか、世帯年収や家計支出、マンション価格から総合的に分析します。
荒川区の世帯年収データをチェック
まず、実際に荒川区に暮らしている人の世帯年収がどのくらいなのかチェックしましょう。
LIFULL HOME’Sが集計したデータ(2022年4月末時点)によると、荒川区の平均世帯年収は525万円です。
年収階級別世帯数では、300万円未満が35.5%、300万円〜500万円未満が26.0%、500万円〜700万円未満が17.0%、700万円〜1,000万円未満が12.9%、1,000万円〜1,500万円未満が6.7%、1,500万円以上が1.8%です。300万円未満~700万円が78.5%を占め、中間層が多いことがわかります。
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荒川区の世帯年収は、他のエリアと比べるとどのくらいなのでしょうか。東京都や東京23区の中での立ち位置がわかるように、表にまとめました。
比較対象 | 平均世帯年収 | 比較対象の比較対象の差 荒川区と | 比較対象内の順位 荒川区の |
東京都 | 564万円 | ▲39万円 | 33位/66市町村 |
東京23区 | 593万円 | ▲68万円 | 18位/23区 |
上記の表は、東京都全体と東京23区、それぞれの平均世帯年収と、荒川区との差を示したものです。荒川区の平均世帯年収は、東京都平均の564万円より39万円低く、23区平均の593万円より68万円低くなっています。
東京都66市町村の中では33位、23区の中では18位で、東京都の中では中間の水準、東京23区では低めの水準といえます。
東京都が公表している課税状況の調査(2024年7月1日時点)も見てみましょう。このデータによると、2024年度における荒川区の「給与所得に係る収入金額」の平均は、545万円でした。
東京都平均の609万円よりも64万円、23区平均の636万円よりも91万円低く、市町村平均の538万円に近い水準です。
このデータは世帯年収ではなく1人あたりの収入、かつ給与に限ったもの(給与以外で得た収入は含まれない)ですが、本データからも、荒川区の年収は東京23区の中では低めであるとわかります。
参考:LIFULL HOME’S「住まいインデックス」
参考:東京都総務局行政部区政課「令和6年度市町村税課税状況等の調査(特別区関係)令和6年7月1日現在」
単身・ファミリー別の支出モデル
次に、荒川区に住むとどのくらいの出費が必要になるのか、1人暮らしと2人以上世帯で支出モデルを確認しましょう。
ここでは、LIFULL HOME’Sが2022年4月時点で集計している支出データをもとに、2022年から2025年の物価上昇を加味してまとめました。
日本全国の世帯が購入するモノやサービスの価格変動を示す消費者物価指数が、2022年から2025年で約8%上昇していることを考慮し、LIFULL HOME’Sのデータの数値に8%をかけて算出しています。
1人暮らしの支出モデル
荒川区に住む単身世帯の年間支出額は、平均約178万円です。東京23区の中では20位と世帯年収の順位よりも低く、収入に対して支出が少なめ、すなわちコストパフォーマンスが高いと読み取れます。
支出の内訳は下記のとおりです。
内訳 | 支出 |
---|---|
食費 | 49.6万円 |
水道光熱費 | 10.8万円 |
住居費 | 30.5万円 |
医療費 | 8.5万円 |
被服費 | 7.5万円 |
教育費 | 0円 |
交通・通信費 | 16.8万円 |
趣味・娯楽費 | 23.4万円 |
家具・家事用品 | 5.3万円 |
その他諸雑費 | 25.8万円 |
2人以上世帯の支出モデル
荒川区の2人以上世帯の年間支出額は、平均約315万円です。単身世帯同様に、東京23区での支出ランキングは20位です。
2人で折半すると、1人あたりの負担は約157.5万円。1人暮らしの場合よりも、約20.5万円負担が減っています。
2人以上世帯の支出モデルの内訳は、下記のとおりです。
内訳 | 支出 |
---|---|
食費 | 89.6万円 |
水道光熱費 | 20.3万円 |
住居費 | 24.9万円 |
医療費 | 15.4万円 |
被服費 | 14.1万円 |
教育費 | 18.9万円 |
交通・通信費 | 35.0万円 |
趣味・娯楽費 | 37.0万円 |
家具・家事用品 | 11.3万円 |
その他諸雑費 | 48.0万円 |
参考:LIFULL HOME’S「住まいインデックス」
参考:総務省「2020年基準 消費者物価指数 東京都区部 2025年(令和7年)7月分(中旬速報値)」
マンション相場と家計のバランス感
マンションナビのデータによると、荒川区におけるマンション売買価格相場(2025年7月時点)は、5,453万円〜5,853万円です。
㎡単価は77.9万円/m²〜83.7万円/m²、東京23区の中では17位と、相場は低めです。


周辺の区と㎡単価を比べてみましょう。以下に、荒川区と、隣接する5つの区、文京区、台東区、墨田区、北区、足立区における、マンション㎡単価の東京23区内の順位(高い順)を示します。前述の平均世帯年収の順位も記載します。

順位(23区内) | マンション㎡単価順位(23区内) | 平均世帯年収|
文京区 | 8位 | 4位 |
台東区 | 11位 | 10位 |
墨田区 | 14位 | 14位 |
北区 | 16位 | 20位 |
荒川区 | 17位 | 18位 |
足立区 | 23位 | 23位 |
表のとおり、マンション㎡単価は、文京区8位、台東区11位、墨田区14位、北区16位、荒川区17位、足立区23位です。荒川区は、周辺エリアと比較してマンションの価格相場が安いとわかります。
さらに世帯年収のランキングでは、文京区4位、台東区10位、墨田区14位、荒川区18位、北区20位、足立区23位となっています。
北区よりもマンションの㎡単価は安く、世帯年収は高いため、荒川区は収入に対してマンション価格がやや低めであると読み取れるでしょう。
荒川区とその周辺5区の住居費の支出額を比べると、やはり文京区が最も高く、次いで台東区、墨田区、北区、荒川区、足立区の順になっています。このことからも、荒川区の住居費は周辺エリアと比較して低いことがわかります。
つまり、荒川区は収入水準が高くはない分、周辺エリアよりもマンション価格は抑えめでバランスの取れたエリアといえるでしょう。
参考:マンションナビ「東京都荒川区のマンション売却・購入価格相場」
参考:LIFULL HOME’S「住まいインデックス」
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共働き or 片働きの家計モデル
荒川区でマンションを購入して暮らすには、どのくらいの年収が必要なのでしょうか。まず、荒川区のマンション平均価格をもとに、以下の条件で月々の支払額を算出します。※数値はすべて概算です。
- マンション価格:5,650万円
- 頭金:850万円(マンション価格の約1.5割)
- ローン金利:0.6%
- ローン返済期間:35年
- ボーナス払い:0円
この条件だと、月々の支払額は13万円となります。
月々13万円の支払は、世帯年収がどのくらいであれば可能なのか、共働きと片働きのイメージで家計モデルを作成しました。
共働きの家計モデル(年収800万円)
共働きで年収800万円と想定すると、概算で手取り額は年間600万円、月額50万円です。前述の「2人以上世帯の支出モデル」も参考に、生活費を月額30万円と設定すると、月々の家計モデルは以下のイメージとなります。
- 手取り:50万円
- 生活費:30万円
- 住宅ローンの支払額:13万円
- 残り:7万円
概算ではあるものの、月々ローンを13万円支払っても、手元に7万円残ると見込みです。年収800万円であれば、荒川区のマンション購入は十分に検討できるでしょう。
マンションナビのデータで、荒川区の過去5年間のマンション価格中央値を間取り別で見ると、3LDKが4,780万円、4LDKが5,498万円のため、ファミリーで暮らす広さのマンションも購入可能です。
片働きの家計モデル(年収550万円)
次に、片働きで年収500万円の想定で考えてみます。この場合、手取りは年間430万円、月額36万円となります。生活費を抑えて25万円と設定すると、月々の家計モデルは以下のとおりです。
- 手取り:36万円
- 生活費:25万円
- 住宅ローンの支払額:13万円
- 残り:▲2万円
この計算だと、毎月赤字になってしまいます。実際にはより詳細なシミュレーションが必要ですが、年収550万円だと荒川区にある平均価格のマンション購入は難しいでしょう。
しかし荒川区では、2,000万円~4,000万円台のマンションも多数販売されています。たとえば、マンション価格を4,000万円、頭金を600万円とすると月々の支払額は9万円に下がり、年収550万円でも無理なく支払える金額です。
マンションナビによる荒川区の過去5年間のマンション価格中央値を間取り別で見ると、1LDKは3,180万円、2LDKは4,230万円となっています。子どものいない2人世帯や、子どもが小さい3人家族など向けのマンションであれば、年収550万円ほどで検討できるでしょう。


荒川区の平均世帯年収が525万円であることからも、年収550万円であれば物件価格を抑えることでマンション購入は可能といえます。
荒川区に住んでいる方の声
荒川区に実際に住んでいる方からは、次のような声が寄せられています。

子育て世帯に人気なエリアということもあり、かなり物件価格は上昇しているエリアだと思いますが、実際に足を運ぶと大きな公園やリバーサイド沿いのウォーキングコースは非常に自然豊かで気持ちが良く、また子供たちのにぎやかな声が聞こえる明るい街だと感じます。 2025年前半時点ではやや割高に思える価格設定の物件も多い印象ですが、総じて住んだ後の満足感は高いエリアなのではないかと思います。



ファミリー層が住むには、ちょうどいい街だと思います。都心に近い、交通も便利、買い物にも困らない。高層マンションがある中、昔ながらの店や銭湯などがあって、懐かしい気持ちも持てる。徒歩圏内で事足りることが多いため、非常に生活しやすい。
出典元:マンションレビュー
まとめ
荒川区は、東京23区や周辺5区と比べると世帯年収は低く、マンション価格も抑えられているエリアです。
荒川区で平均価格帯のマンションを購入するのであれば、世帯年収800万円前後がひとつの目安になります。
もちろん、平均よりも安価なマンションも存在します。平均世帯年収を考えても、年収550万円前後であれば、荒川区でのマンション購入は可能でしょう。
この記事では、荒川区でマンションを購入して暮らす収入の目安をイメージしていただけるように、モデルケースを使って説明しました。しかし、家計支出などは各世帯で異なります。特に食費や教育費、趣味・娯楽費は、ライフスタイルによって大きく変動します。
今回のイメージをもとに、ぜひご自身の事情に合わせてシミュレーションしてみてください。




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