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近年はマンションの価格が著しく高騰していることもあって、買い時に悩んでいる方も少なくないはずです。マンションの価格が落ちるのを待っている人もいるかもしれませんが、果たして「買い時を待つ」という選択は正しいのでしょうか?
この記事では、さくら事務所の創業者である長嶋修氏とさくら事務所の共著「マンションバブル41の落とし穴(小学館)」から一部抜粋して、マンションの買い時について考察していきたいと思います。
株式会社さくら事務所創業者・会長/不動産コンサルタント
長嶋 修
1967年、東京生まれ。1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社さくら事務所を設立、現会長。業界の第一人者として不動産購入のノウハウにとどまらず、業界・政策提言にも言及するなど精力的に活動。TV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動など、様々な活動を通じて『第三者性を堅持した不動産コンサルタント』第一人者としての地位を築く。
人気が高い不動産の特徴は、次の4点に集約されます。
つまり、都心の駅周辺の大規模タワマンが大人気だということです。かつては郊外の一戸建てに住むことがステータスでしたが、今は都心のタワマンに住むことがステータスです。
比較的収入の高いパワーカップルなどの実需に加え、富裕層や国内外の投資家も条件を満たす物件を求めており、引き合いはかなり強くなっています。
都心部にある職場のすぐ近く、たとえば千代田区・中央区・港区の都心3区の大規模タワマンに住みたいと思っている一般ファミリー層の方もいらっしゃるでしょうが、そのためには相当の資金力が必要になります。
2023年7月、1都3県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)の新築マンションの平均価格が9,940万円に達し、1億円に迫る勢いを見せたことが話題になりました。これは都内の高額物件の販売開始が相次いだことが影響しています。
東京23区に限定すると、新築マンション平均価格は2023年上半期時点で1億円の大台に初めて到達。平成バブル期を超えて、前年比60%超の1億3,000万円弱となりました。もっとも、これは一部の超高額物件が引き上げた結果なので、平均価格を見ることにはあまり意味がないとも言えます。
東京23区のなかでもとりわけ新築マンション平均価格が高いのは、都心3区です。建物の床面積1坪(約3.3㎡)あたりの価格を算出したものを坪単価と呼びますが、近年、都心3区では坪単価が1,000万円を超える途方もない高額物件が多く売出されています。
タワマンには、高いステータス性に加えてホテルライクな生活ができること、セキュリティ面での安心感、眺望の良さなどさまざまな魅力がありますが、特に大きなメリットと言えるのが生活利便性の高さです。
多くのタワマンは駅のすぐそばや駅直結の立地で、周辺に商業施設なども充実しています。駅に近いということは不動産価格を大きく左右するポイントなので、駅前・駅近のタワマン人気は、これからも長く続いていくでしょう。
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最近話題になったのは、2023年11月に開業した東京都港区の麻布台ヒルズの超高額物件です。
麻布台ヒルズには、オフィス、商業施設、ホテル、住宅、文化施設などが入っていますが、そのなかに大阪のあべのハルカスを抜いて日本一の超高層ビルとなった麻布台ヒルズ森JPタワーがあり、54〜64階部分が住宅エリアになっています。
この住宅エリアは「アマンレジデンス 東京」という名称で、世界有数のラグジュアリーホテル・アマンとの提携によって作られたもの。販売価格は明らかにされていませんが、1戸あたり20億円前後と見られており、もっとも広い最上階の住戸は200億円とも300億円とも噂される、異次元の価格設定です。
超高額物件は一般公開されず、一部のVIPに紹介制で販売されます。住宅ローンで借りられる金額には限度があるので、顧客の多くは現金一括で購入できるケタ外れの富裕層か投資家です。
特に海外の投資家は、昨今の円安で日本の不動産への投資に積極的です。彼らからすると、日本は「物価の安いお買い得な国」であり、なかでも東京は、さまざまな魅力を備えた投資妙味のある都市と見られています。
東京の不動産は、世界の大都市、たとえばシンガポールや香港などの不動産よりも割安です。それらの大都市でハイエンドな物件を買おうとするとかなり高くつくため、海外の投資家は東京の高級物件に目をつけるわけです。かつては東京のなかでも、湾岸エリアのタワマンに対する需要が旺盛でしたが、最近のターゲットは都心3区に移っています。
その結果、今では都心3区、及びその周辺の一部エリアの不動産だけが、グローバル基準に近い水準で売買されるようになりました。アマンレジデンス 東京はその象徴と言えます。東京の例を挙げましたが、2023年には大阪の一等地にある25億円のタワマン住戸が早々に売れるなど、好立地エリアのタワマンの強さが目立ちました。
日本の不動産価格全般が下落するような局面でも、このような物件が大きく値下がりする可能性は低いでしょう。不動産デベロッパーも、もはや一等地では一般ファミリー層への売却を念頭に置いていません。強気の価格設定は揺るがないはずです。
都心のタワーマンションやハイエンドクラスのマンション価格は、今後も落ちる見込みはありません。したがって、価格が落ちるまで待っていては、いつ購入できるかわからないということになります。一方、郊外ではすでに価格が落ち始めていたり、高止まりしていたりするエリアも見られます。郊外の物件は「安くなるのを待つ」というのも選択肢になってくるでしょうが、こうしたエリアの物件は取得後も価値が下がり続ける可能性があるため注意が必要です。
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大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。
2020年11月 株式会社real wave 設立。
不動産会社在籍時代は、都心部の支店を中心に契約書や各書面のチェック、監査業務に従事。プライベートでも複数の不動産売買歴あり。
不動産業界に携わって10年以上の経験を活かし、「わかりにくい不動産のことを初心者にもわかりやすく」をモットーに各メディアにて不動産記事を多数執筆。
え?そんなに高く売れたの!?
今売ったらいくら?