町田再開発はいつ？ 2024年策定の開発推進計画の詳細とマンション価格の推移

町田市は、東京都下の中でも人口が多く、大型商業施設や商店街が集中する賑わいのあるエリアです。町田駅の1日の平均乗降人員は、小田急小田原線で新宿駅に次ぐ2位につけています。

一方で、駅周辺施設は老朽化が進んでおり、リニア開通を見越した多摩地域の開発を推進する「首都圏広域地方計画」の重要拠点に位置づけられていることもあって、町田駅周辺では大規模な再開発が計画されています。

この記事では、町田の再開発計画の詳細や現状とともに町田駅周辺のマンション市況について詳しく解説します。

町田駅周辺の再開発計画

町田駅周辺では、A〜D地区に分けて再開発が計画されています。開発コンセプトは「いつだってまちだ」。街の新たな賑わいを創出し、便利な回遊動線の創出と「職・住・楽」の近接によって街の魅力や暮らしやすさの向上を目指しています。

A地区

小田急線町田駅南東側にあたるA地区の開発イメージは、町田の「シンボル」となるエリアとすること。2030年半ばを目指して計画されている多摩都市モノレール延伸後、町田駅は小田急線、JR横浜線を含め3つの鉄軌道が交差するターミナル駅となります。

A地区は、多摩都市モノレール町田新駅と小田急線、JR横浜線町田駅をつなぐ要となるエリアであることから、駅交通ターミナルやバス待合所などの導入が検討されています。また、町田のシンボルエリアとして、周辺の商業エリアと連続した賑わいと空間の形成も計画されています。

多摩都市モノレールの延伸

多摩都市モノレールの全体構想は約93㎞。このうち1998年に立川北駅・上北台駅間が開業し、2000年には多摩センター駅・立川北駅間が開業しました。現在は約16㎞で運行しており、今後、町田方面や八王子方面などへの延伸が計画されています。

2016年、多摩都市モノレールの町田方面延伸路線が『「東京圏の都市鉄道が目指すべき姿」を実現する上で意義のあるプロジェクト』とされたことを受け、検討段階から調整段階に大きく前進しました。

2019年から多摩都市モノレール町田方面延伸のルート検討がスタートし、2021年に延伸ルートは上記のB案に決定しています。

B地区

小田急線町田駅の西側に位置するB地区では、街の新たな賑わいを創出するため、主に「集客」を担うエリアとすることが計画されています。具体的には、シネマコンプレックスのようなエンタメ施設などの導入が検討されています。

また、B地区は駅前からＣ地区、Ｄ地区をつなぐ重要な拠点になることから、シームレスな動線の創出も目指しています。

C地区

再開発エリアの中央にあたるＣ地区は、東西南北の連結の拠点として町田の文化や学びを発信する交流拠点とする計画になっています。教育、文化施設に加え、演劇やミュージカルが上映できるライブホールなど、交流だけでなく新たな賑わいづくりの核となる施設の導入も検討されています。

D地区

境川沿いのD地区は、大規模なオープンスペースを活かした賑わいと憩いの空間とする計画が進んでいます。緑豊かな環境を活かし、災害時における避難機能に加え、ゆとりある都市型居住環境の整備も検討されています。

町田駅周辺の再開発は計画段階

町田市では、2022年10月に再開発の検討委員会を発足。2024年に入ってから市民や有識者、まちづくりの関係者、事業者などから意見を募集し、再開発計画の検討を進めました。開発推進計画が策定されたのは2024年6月です。今後、事業化および整備に向け、開発推進協議会（仮称）が発足される予定です。

町田駅周辺で開発中の新築マンション

町田駅周辺の新築マンション供給数は多くありませんが、現在、JR横浜線町田駅徒歩5分、小田急小田原線町田駅徒歩10分の町田市原町田3丁目で「ユニハイム町田」が開発中です。総戸数は58、間取りは40㎡台から60㎡台の1LDK〜3LDKです。すでに販売はスタートしており、引き渡しは2025年3月下旬を予定しています。

再開発の中で、新築マンションが開発される可能性もあります。境川周辺は浸水想定区域ですが、住戸や電気室、備蓄倉庫は想定浸水深以上に設けられる予定です。また、避難経路も確保される見込みとなっています。

町田駅周辺のマンション価格相場は？ 再開発が与える影響とは

近年、都心部や東京23区のマンション価格が大幅に高騰していることから、比較的手が届きやすい多摩エリアが注目されています。中でも町田は交通利便性が良く、将来性もあるエリアです。再開発および多摩都市モノレール延伸などへの期待感から、近年、上昇傾向にあるマンション価格ももう一段上がる余地があります。

町田駅周辺のマンション価格相場

	〜築1年	〜築5年	〜築10年	〜築15年	〜築20年	築21年以上
徒歩1分	0	0	0	0	0	0
〜徒歩3分	0	0	0	1	2	11
〜徒歩5分	0	0	13	6	5	38
〜徒歩7分	0	7	18	0	7	34
〜徒歩10分	0	3	9	5	2	57
〜徒歩15分	1	0	26	7	10	89

	〜築1年	〜築5年	〜築10年	〜築15年	〜築20年	築21年以上
徒歩1分	–	–	–	–	–	–
〜徒歩3分	–	–	–	245.2万円	233.7万円	183.9万円
〜徒歩5分	–	–	243.0万円	250.8万円	213.7万円	218.1万円
〜徒歩7分	–	343.2万円	282.9万円	–	249.3万円	175.3万円
〜徒歩10分	–	311.5万円	236.3万円	253.7万円	188.8万円	177.9万円
〜徒歩15分	241.9万円	–	222.3万円	216.8万円	206.9万円	135.2万円

	〜築1年	〜築5年	〜築10年	〜築15年	〜築20年	築21年以上
徒歩1分	–	–	–	–	–	–
〜徒歩3分	–	–	–	4,451万円	4,242万円	3,339万円
〜徒歩5分	–	–	4,411万円	4,553万円	3,880万円	3,959万円
〜徒歩7分	–	6,229万円	5,134万円	–	4,525万円	3,183万円
〜徒歩10分	–	5,654万円	4,289万円	4,604万円	3,426万円	3,229万円
〜徒歩15分	4,390万円	–	4,034万円	3,935万円	3,755万円	2,454万円

町田駅周辺で売り出される中古マンションの多くが築10年を超えており、駅近物件の数が多くないことから、築浅・駅近のマンションは総じて高値で取引されています。

築20年を超えてくると取引価格は下がる傾向にありますが、駅周辺の再開発および多摩都市モノレール延伸の計画が進んでいることから、駅徒歩7分や10分程度圏内のマンションは今後も資産価値の維持・上昇に期待できます。築浅・駅近物件は希少性が高いため、購入を検討している場合は物件情報をよくチェックしておくようにしましょう。

町田市の駅近マンションはこちら

町田市の価格高騰率の推移

町田市の中古マンション価格は、ほぼ一貫して上昇傾向にあります。2021年から2024年までの3年間の上昇率は「20.7％」。2024年以降は高止まり感がありますが、ここ数年の上昇率は他の再開発エリアも凌駕する水準です。

町田駅に最も近い地点（住宅地）の公示地価も、下記のように近年は町田市の平均を大きく上回る上昇率を見せています。

	町田市住宅地平均	町田-79地点（森野2丁目）
2024年	1.9％	5.4％
2023年	0.6％	3.1％
2022年	▲0.1％	0.6％

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再開発はマンション価格にどう影響する？

現在、町田駅周辺の再開発計画のスケジュールは発表されていませんが、新駅を作るには導入空間と道路整備が不可欠なため、再開発は多摩都市モノレール延伸計画と合わせて進んでいくものと見られます。

町田市は2022年、2040年までのまちづくりの方針をまとめた「まちだ未来づくりビジョン2040」を公表しました。それによれば、都市計画を含むまちづくりの方針は2031年度までと計画されています。再開発はいまだ計画段階であること、そして多摩都市モノレールの延伸は2030年半ばを目指していることにも鑑みれば、再開発が本格的にマンション価格に影響するようになるのはもう少し先になる見込みです。

現在の中古マンション価格高騰は、再開発やモノレール延伸への期待感が含まれている可能性はあるものの、東京都下エリアの魅力や元来、町田が持ち合わせている交通利便性の高さや住環境の良さなどのポテンシャルが再認識されていることによるものと考えられます。

町田再開発に関連するよくある質問

「町田 再開発」まとめ

町田駅周辺では、大規模な再開発が計画されています。多摩都市モノレールの延伸が計画されていることもあって、町田駅の利便性や魅力はますます高まっていくことが見込まれます。

すでに町田駅周辺では中古マンション価格が大幅に高騰していますが、これは再開発やモノレール延伸への期待感だけでなく、東京多摩地区の中でもとりわけ利便性が高く、住環境も良いという元来持ち合わせている町田の魅力が再認識されているからこそ。今後も中古マンションの需要、価格は堅調に推移していくものと見られます。