品川の再開発とは?注目エリア・マンション市場への影響を徹底解説

品川駅では超高層マンションである「リビオタワー品川」の分譲が開始されるなど再開発が進んでいます。

品川駅周辺が再開発でどのように変貌するのか、気になる人も多いのではないでしょうか。

再開発により町並みが整備され、よりいっそう人気が高くなると推測されています。

品川駅周辺は現在でもマンション価格が高い地域として知られていますが、よりいっそう価値が上がるかもしれません。

本記事では品川再開発の概要や注目エリア・マンション、今後のマンション市場の影響まで解説します。

どのような町になるのか気になる人、品川駅周辺でマンションを購入したいと考えている人は記事の内容を参考に、品川が再開発でどのような町になるのか確認してみてください。

目次

品川再開発の概要

品川の再開発とは「日本の成長を牽引する国際交流拠点・品川」を目指す開発プロジェクトです。

開発プロジェクトは、2007年から進められており、2050年の完了を目指しています。

ここからは、品川駅周辺の再開発の背景と目的、現在の進捗状況と今後の予定について解説します。

品川駅周辺の再開発とは?背景と目的

引用:京浜急行電鉄株式会社 東日本旅客鉄道株式会社「品川駅西口地区 再開発等促進区を定める地区計画 都市計画(素案)の概要

品川駅周辺の再開発の背景と目的は、国際ビジネスの拠点化や交通インフラの強化によって日本の顔となる都市を作り上げることです。

「品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン」がベースとなっており「品川駅東口地区」「品川駅西口地区」「品川街区地区」「品川駅北口駅改良」などの各地区で再開発が進められています。

例えば、品川駅西口地区ではホテルや商業施設が入った地上29階建の高層ビルが建築され、品川駅北口駅改良ではバリアフリールートの整備や新規エレベーター8基増設などが検討されています。ほかにも東地区ではリビオタワー品川のような住宅も整備され、計画が完了したときには日本を代表する都市となることでしょう。

品川再開発の進捗状況と今後の予定

品川再開発で完了したプロジェクト、未完了のプロジェクトの代表例は以下のとおりです。

プロジェクト・施設名詳細
リニア中央新幹線・東海道新幹線品川駅の真下に開設予定
・開業未定
リビオタワー品川・地上34階建て、総戸数815戸の超高層タワーマンション
・2026年5月上旬完成予定
品川駅西口地区A地区新築計画・地上29階建て複合ビル
・2025年度に新築工事着工、2029年度の開業予定
高輪ゲートウェイ・高級賃貸やホテル、オフィスなどの複合施設
・2025年3月まちびらき済み
品川シーズンテラス・地上32階建の商業やオフィスの複合ビル
・2015年開業済み

再開発がすでに終わり、品川シーズンテラスのように開業して10年程度経過している施設があります。一方、リニア中央新幹線のように計画が進行中であるものの、開業が未定の施設も存在します。

今後も多くの施設が開業予定であるため、品川がどのような町並みになるのか今から楽しみですね。

品川再開発がもたらす影響

品川再開発は、以下の要素に影響をもたらすといわれています。

  • 住環境の向上とエリアの魅力
  • 交通インフラの強化
  • 商業・ビジネスエリアの発展

それでは、どのような影響が出るのか詳しくみていきましょう。

住環境の向上とエリアの魅力

引用:NEWoMan TAKANAWA|ニュウマン高輪ホームページ

品川の再開発では、以下の建物・施設が建設される予定です。

建設予定の施設名用途
ニュウマン高輪商業施設
田町タワーモール商業施設
高輪森の公園公園
リージャス品川グランドセントラルタワーオフィスビル
品川シーサイドパークタワーオフィスビル

商業施設としては、ルミネ史上最大の「ニュウマン高輪」や健康センター・クリニックも入居している「田町タワーモール」などが建築されています。

また、「高輪森の公園」の南側を拡充し、園内面積を広げるなどの再整備もおこなわれる予定です。

品川駅から既存の公園に直接行けるよう、通路を整備するといった工事も施工されます。

品川の再開発では「リージャス品川グランドセントラルタワー」「品川シーサイドパークタワー」といった、オフィススペースの増床もおこなわれます。

商業施設が増加すれば買い物に困ることがなくなり、公園が整備されれば休日の憩いの場として利用可能です。

オフィスが増えて賑やかな町となるのもよい点ですね。

交通インフラの強化

品川の再開発では交通インフラ強化のため、以下の工事がおこなわれます。

  • リニア中央新幹線駅の新設
  • 羽田空港アクセスの改善
  • 品川駅周辺のバリアフリー化

東海道新幹線品川駅の真下には、リニア中央新幹線駅が新設されます。

新幹線だと品川から名古屋まで1時間30分近くかかるものの、リニア中央新幹線なら40分程度に短縮されるとしています。

また、品川の再開発では、羽田空港アクセスの改善もおこなわれる予定です。

現状でも東京駅や新宿駅よりアクセスはよいものの、環状4号線の整備や羽田方向への首都高ランプ接続などの改善が実施されます。

引用:東日本旅客鉄道株式会社「品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)に係る都市計画について

そして、東西交通の利便性向上のために、品川駅・泉岳寺駅間に空中通路が整備されます。

バリアフリー化のために通路までのエレベーター、エスカレーターも設置される予定です。

空中通路には広場も設けられるため、休息する場所としての利用もできそうですね。

商業・ビジネスエリアの発展

引用: 京浜急行電鉄株式会社「(仮称)品川駅西口地区A地区新築計画の事業化決定について

品川の再開発ではオフィスビルの建築が予定されており、以下の企業の移転が決まっています。

企業名移転エリア
トヨタ品川駅西口地区A地区新築計画
KDDI高輪ゲートウェイ
神戸製鋼所高輪ゲートウェイ
マルハニチロ高輪ゲートウェイ
日本ペイントホールディングス品川シーズンテラス

表以外にも多くの企業がオフィスに入居するため、品川駅周辺の雇用機会が増大すると見込まれています。

また、オフィスだけではなく「ニュウマン高輪」や「田町タワーモール」といった大型ショッピング施設も整備されており、すでに多くの雇用も創出しています。

品川再開発とマンション市場の関係

品川再開発は住環境の向上とエリアの魅力、交通インフラの強化だけではなく、マンション市場にも影響を与えると考えられています。

品川駅周辺でマンション購入を検討する人にとって、確認しておくべき重要な要素といえるでしょう。

ここからは、品川駅周辺のマンション価格の動向、既存マンションと新築マンションの選び方や品川エリアでのマンション購入のタイミングを解説します。

品川駅周辺のマンション価格の推移

品川駅周辺マンションの築年数・駅までの距離、価格の関係性は以下のとおりです。

品川駅周辺800m 駅徒歩×築年帯別2024年4月~2025年3月の中古マンション新規売出数

~築1年~築5年~築10年~築15年~築20年築21年以上
徒歩1分000000
~徒歩3分000000
~徒歩5分000002
~徒歩7分1040366
~徒歩10分091183483
マンションリサーチ調べ

品川駅周辺800m 駅徒歩×築年帯別中古マンション坪単価

~築1年~築5年~築10年~築15年~築20年築21年以上
徒歩1分
~徒歩3分
~徒歩5分504万円/坪
~徒歩7分1,479万円/坪1,070万円/坪985万円/坪809万円/坪
~徒歩10分859万円/坪817万円/坪463万円/坪615万円/坪412万円/坪
マンションリサーチ調べ

品川駅周辺800m 駅徒歩×築年帯別中古マンション単価(60㎡換算)

~築1年~築5年~築10年~築15年~築20年築21年以上
徒歩1分
~徒歩3分
~徒歩5分9,140万円
~徒歩7分26,837万円19,421万円17,883万円14,688万円
~徒歩10分15,584万円14,826万円8,405万円11,154万円7,475万円
マンションリサーチ調べ

東日本不動産流通機構の「首都圏不動産流通市場の動向(2024年)」によると、東京23区の中古マンションの平均成約坪単価は381.72万円でした。

品川駅周辺では築21年以上、駅から徒歩10分以上の中古マンションですら、平均坪単価は412万円/坪です。

このことから、現状でも品川駅周辺の中古マンションは高額であるとわかります。

また、ほどんどのマンションが品川駅から徒歩10分以上の場所にあり、10分未満はあまり多くありません。

品川駅徒歩10分未満のマンションは希少価値が高いといえるため、駅から近くなるほど急激に値段が高くなる傾向にあります。

マンションナビなら品川エリアの平均売買価格の推移を確認することができます。

既存マンションと新築マンションの選び方

既存マンションと新築マンションを選ぶ際には、駅からの近さを重視するとよいでしょう。

品川駅周辺のマンションの多くは、徒歩10分以上の場所に建っています。

再開発エリア内だとしても、徒歩10分以内の立地だと売却時にほかのマンションと差別化しにくくなります。

もちろん、差別化できないと売却金額があまり高くなりません。

一方、徒歩10分以内のマンションは少なく、既存でも新築でも希少価値が高く、資産価値の減少が緩やかになります。

品川駅から近いマンションを購入できれば、資産価値の高い不動産が手に入るうえに、再開発の恩恵も受けられ、住環境のよい地域で快適に過ごせるはずです。

品川エリアでのマンション購入のタイミング

品川エリアでのマンション購入タイミングは、早いほどよいといえます。

再開発が進行するほど都市機能の良化を確認しやすくなり、不動産の需要が高まって価格が上昇するからです。

再開発が終わると、利便性や住環境がよくなって一般的に不動産の価格は上がります。

品川の再開発ではいくつものプロジェクトが同時進行しているため、計画が完了するごとに価格が上昇すると考えられます。

つまり、品川の再開発の場合は、マンション価格が上がるタイミングが何度も訪れる可能性もあるということです。

現在でも品川周辺のマンション価格は高く、今後も上昇する可能性を考慮すれば、早いほど買いやすいといえるのではないでしょうか。

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品川再開発で注目のエリアとおすすめ物件

品川の再開発では、いくつもの地域で開発がおこなわれています。

また、品川駅周辺にはいくつものマンションがあり、それぞれに特徴があります。

ここからは、品川再開発の注目エリア、おすすめの物件を紹介しますので、物件探しの参考にしてみてください。

再開発が進むエリアの特徴

再開発が進む注目エリアとその特徴は、以下のとおりです。

注目エリアおすすめの理由
品川駅西口エリア・品川駅と西口を分断する国道15号線上に、駅前広場ミチウエが開設されて行き来しやすくなる
・高輪の森公園を活かした再開発がおこなわれ、緑豊かなエリアとなる。また、避難場所としての防災拠点ともなる
・旧シナガワグース跡地、グランドプリンスホテル新高輪周辺、高輪三丁目品川駅前地区など再開発が広範囲であり、多様性のある都市機能の形成が期待できる
高輪ゲートウェイ駅周辺・外国人ビジネスワーカー向けの国際水準の高層高級賃貸住宅が整備されて国際交流の拠点となる
・200店舗が入居する商業施設のニュウマン高輪があり、ショッピングを楽しめる
・CO2排出実質ゼロを目指した最先端の町を体感できる

品川の再開発は目的をもって整備されるため、それぞれの地区によって特徴が異なります。

各エリアの特徴を理解すれば、自分に適した地域なのかわかるはずです。

品川エリアのおすすめマンション

品川駅周辺のおすすめマンションは、以下のとおりです。

マンション名価格品川駅からの距離築年数
ペアシティ・ルネッサンス24,980万円徒歩5分1980年10月
品川Vタワー13,990〜39,000万円徒歩6分2003年3月
高輪アビタシオン9,480万円徒歩8分1964年9月
パークタワー品川ベイワード11,780〜22,400万円徒歩14分2005年11月
ワールドシティタワーズ9,480〜49,800万円徒歩14分2006年10月
ラクシア品川ポルトチッタ7,380〜13,480万円徒歩15分2005年1月
ベイクレストタワー11,000〜18,500万円徒歩15分2005年8月
※2025年4月23日現在

売却金額は部屋の広さや状態などによって異なるものの、品川駅から離れるほど、築年数の新しいマンションが安く購入できる傾向にあります。

一方、駅から近いものは総じて高く、1981年以前の旧耐震基準のマンションでも高額な売却価格となっています。

マンションを購入する際はさまざまな要因を考慮しますが、資産性を重視するなら駅近の物件を選択すべきことがわかりますね。

品川再開発に関するよくある質問

品川再開発はいつ完了する予定?

各再開発エリアによって異なります。

例えば、品川駅街区地区土地区画整理事業は2033年度、品川駅西口土地区画整理事業は2050年度に完了予定です。

品川のマンション価格は今後どうなる?

再開発の影響を受けて上昇すると見込まれます。

リニア中央新幹線の駅になる予定であり将来性のあるエリアです。投資物件として価値が高いと考えられるため、価格は上昇すると考えるべきでしょう。

再開発後の品川エリアの住みやすさは?

再開発後の品川エリアは、今より住みやすさが向上すると予測されています。

再開発により、複合ビルの建設や交通インフラの強化が進んでいます。品川駅周辺だけで生活に必要なものが揃い、遠方にも行きやすいため老若男女問わず住みやすい町になるでしょう。

まとめ

品川駅周辺では、再開発により町並みが変わりつつあります。

品川駅では北口を中心に改良がおこなわれ、いずれはリニア中央新幹線も乗り入れます。

駅周辺では高層マンションや複合ビルが建設され、より住みやすい町になることでしょう。

また、住みやすい町になるほど居住希望者が増え、マンション市場がより活発になると予測されます。

品川駅周辺でマンション購入を考えているなら、価格高騰の予兆があるか注視しておきましょう。

今後ますます発展する可能性を秘めているため、早めに購入の準備を始めて値上りに備える必要がありそうですね。

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この記事を書いた人

保有資格:宅地建物取引士、行政書士、不動産コンサルティングマスター
大手不動産仲介会社など計5社に勤める。不動産売買仲介・不動産買取・事業用定期借地権での法人テナント誘致などを行う。これらの業務に18年間携わり、不動産売買全般、借地、税金、相続などの分野に強い。現在、不動産・金融webライターとして執筆活動中。愛知県出身。

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