【都心5区】投資用コンパクトマンションの価格と賃料の相関から見る「利回り」の実態

投資用マンションは、対象不動産が将来生み出す純利益を想定して価格が算出されます。そのため「賃料」と「売却価格」には大きな相関がありますが、近年では40㎡以下の投資用コンパクトマンションの賃料相場と売却相場の成長率に大きな開きがあるようです。

マンションナビを運営するマンションリサーチ株式会社は、主要都市における投資用コンパクトマンションの賃料相場および売却相場の変動率を比較し、エリア毎の利回りの実態を検証しました。

都心5区のコンパクトマンションの「売却価格」と「賃料」推移

千代田区

賃料推移

	2019年	2020年	2021年	年間平均増減率
1981年以前築	12,625	12,631	12,112	-1.4%
1982年以降築〜2000年以降築	12,743	12,680	12,247	-1.3%
2001年以降築	15,249	15,115	15,182	-0.1%

千代田区のコンパクトマンションの賃料は「2001年以降築」はほぼ横這いですが「2000年以前築」のマンションは下落傾向が比較的、大きいと見られます。

売却価格推移

	2017年	2018年	2019年	2020年	2021年	年間平均増減率
1981年以前築	2,027,433	2,042,187	2,445,842	2,367,801	2,322,470	3.45%
1982年以降築〜2000年以降築	3,286,803	2,599,424	2,520,780	2,646,339	2,928,792	-2.84%
2001年以降築	3,026,457	3,128,245	3,522,884	3,689,823	3,953,166	6.91%

その一方で、物件価格は「1981年以前築」「2001年以降築」が2019年より大きく高騰。 売却相場価格の年間平均増減率が大きく上回っているため利回りは低下しています。

「1982年～2000年築」 のみ、売却相場の年間平均増減率が賃料相場を下回っており、利回りは上昇しているものと見られます。

中央区

賃料推移

	2019年	2020年	2021年	年間平均増減率
1981年以前築	11,995	11,909	12,052	0.2%
1982年以降築〜2000年以降築	12,259	12,295	12,562	0.8%
2001年以降築	14,634	14,619	14,441	-0.4%

中央区のコンパクトマンションの賃料は、どの築年帯もほぼ横ばいです。

売却価格推移

	2017年	2018年	2019年	2020年	2021年	年間平均増減率
1981年以前築	1,569,794	1,728,817	1,883,056	1,791,388	1,966,866	5.80%
1982年以降築〜2000年以降築	2,458,819	2,621,483	2,664,828	2,589,239	2,782,283	3.14%
2001年以降築	3,004,491	3,032,143	3,177,364	3,565,778	3,500,670	3.90%

賃料が一定の中、売却相場は高騰しているため、すべての築年帯で利回りの低下が見られています。

港区

賃料推移

	2019年	2020年	2021年	年間平均増減率
1981年以前築	12,869	13,283	12,843	0.20%
1982年以降築〜2000年以降築	13,731	13,806	13,715	0.80%
2001年以降築	16,252	16,312	16,190	-0.40%

港区のコンパクトマンションの賃料もほぼ横ばい。年間平均増減率は「2001年築以降」のみ微減、その他の築年帯は微増です。

売却価格推移

	2017年	2018年	2019年	2020年	2021年	年間平均増減率
1981年以降築	2,266,686	2,285,350	2,337,130	2,191,063	2,347,783	0.88%
1982年以降築〜2000年以降築	2,486,280	2,905,062	3,010,662	3,108,317	2,879,912	3.14%
2001年以降築	3,604,179	3,655,708	4,141,994	4,115,366	4,235,620	3.90%

売却価格は「1981年以降築」のみ大きな増減なし。その他の築年帯は、年間平均3％台の高騰です。

賃料と比較すると「1982年以降築」のコンパクトマンションの利回りは低下しているようです。

新宿区

賃料推移

	2019年	2020年	2021年	年間平均増減率
1981年以前築	10,607	10,902	10,703	0.3%
1982年以降築〜2000年以降築	11,738	11,954	11,817	0.2%
2001年以降築	14,165	14,217	14,428	0.6%

新宿区のコンパクトマンションの賃料もまた、ほぼ横ばいです。

売却価格推移

	2017年	2018年	2019年	2020年	2021年	年間平均増減率
1981年以前築	1,807,550	1,937,808	1,620,564	1,864,850	2,016,684	2.77%
1982年以降築〜2000年以降築	2,353,884	2,355,801	2,139,955	2,576,762	2,689,690	3.39%
2001年以降築	2,902,365	3,282,411	3,463,680	3,609,322	3,411,054	4.12%

売却価格は、築年帯が浅くなるほど増加率が大きくなります。賃料がほぼ横ばいであることを踏まえれば、築年帯が浅いマンションほど利回りの低下率が大きいということです。

渋谷区

賃料推移

	2019年	2020年	2021年	年間平均増減率
1981年以前築	11,910	12,172	11,930	0.1%
1982年以降築〜2000年以降築	12,622	12,774	12,766	0.4%
2001年以降築	15,152	15,368	15,790	1.4%

渋谷区のコンパクトマンションは「2001年以降築」のみ年間平均１％を超える高騰。その他の築年帯はほぼ横ばいです。

売却価格推移

	2017年	2018年	2019年	2020年	2021年	年間平均増減率
1981年以前築	1,993,735	2,033,349	2,367,897	2,367,752	2,646,474	7.34%
1982年以降築〜2000年以降築	2,855,702	2,843,946	2,773,063	2,680,577	2,601,920	-2.30%
2001年以降築	3,461,900	3,668,033	4,241,401	4,269,744	4,255,020	5.29%

売却価格は「1982年～2000年築」のみ下落傾向に。利回りも上昇しているものと見られます。

「1981年以前築」「2001年以降築」は大幅に売却価格が高騰する中、賃料の増加率は小さいため、利回りは低下しています。

都心5区のコンパクトマンション価格は高騰！利回りは下降傾向に

	千代田区	中央区	港区	新宿区	渋谷区
1981以前築	-4.67%	-5.33%	-0.94%	-2.41%	-6.78%
1982年以降築～2000年以前築	1.57%	-2.25%	-3.64%	-3.06%	2.74%
2001年以降築	-6.60%	-4.17%	-4.08%	-3.37%	-3.71%

上記は、直近５年間における築年帯ごとの平均利回りの推定成長率です。

千代田区および渋谷区の「1982年～2000年築」を除いた投資用コンパクトマンションに、マイナス成長が見られました。

都心５区は、全体的に賃料水準に大きな変動がありませんでした。その一方で、売却価格は大きく高騰しています。これは実質的な利回り低下を示しており、コンパクトマンションの売却価格は割高傾向にあると見られます。

ただし、割高感がある今は売り時としては好機とも考えられます。ご所有の投資用マンションの価格が知りたいという方は、どうぞマンションナビをご活用ください。