中古マンション投資とは?メリット・デメリット、失敗事例も詳しく解説!

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不動産投資を始める際、投資先として中古マンションが選ばれるケースがあります。中古マンションは物件価格が安い傾向にあり、高い利回りが期待できるためです。

しかし、物件選びに失敗すると期待した収益が得られないおそれがあります。

そこで本記事では、中古マンション投資の主なメリット・デメリット、失敗を防ぐためのポイントなどをわかりやすく解説します。

目次

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中古マンション投資とは

中古マンション投資とは、中古のマンションを取得して第三者に貸し出し、賃料収入を得る投資方法のことです。

将来的に、マンションの価格が高くなれば、売却して利益を得ることも可能です。

中古マンション投資は「区分マンション投資」と「1棟マンション棟投資」があります。

区分マンション投資は、一室に投資をするため比較的少ない資金で始められます。投資の初心者は、中古区分マンション投資を選ぶケースがほとんどです。

一方で、1棟マンション投資は多額の資金が必要ですが、区分マンション投資よりも高く安定した収益が期待できます。

中古マンション投資のメリット・デメリット

続いて、中古マンション投資の主なメリットとデメリットをご紹介します。

中古マンション投資の主なメリット

中古マンションの主なメリットは、以下のとおりです。

  • 少ない資金で始められる
  • 高い利回りが期待できる
  • 高い節税効果が期待できる
  • 資産価値の下落が比較的緩やか

1つずつ解説します。

少ない資金で投資できる

中古マンションは、同程度である新築マンションに比べて価格が低い傾向にあるため、少ない資金で投資ができます。

近年は、新築マンションの価格が高騰しているため、投資をするハードルが高くなっています。

東京カンテイの調査によると、首都圏における新築区分マンションと中古区分マンションの価格は、以下のとおりです。

※出典:東京カンテイ「マンション・一戸建て住宅データ白書2022

調査結果をみると、2022年の価格相場は新築区分マンションが6,341万円であるのに対し、中古区分マンションは4,087万円と大きな差があることがわかります。

不動産投資ローンを利用して新築マンションに投資をすると、返済負担が重くなってキャッシュフローが悪化してしまうかもしれません。

一方で、価格が割安な中古マンションであれば、新築マンションよりも少ない借入金額で投資が可能です。

借入金額が少ないと、毎月の返済負担が軽減されるため、キャッシュフローは悪化しにくくなるでしょう。

高い利回りが期待できる

中古マンションと新築マンションには大きな価格差がある一方で、家賃についてはさほど変わらないケースも少なくありません。

新築マンションと同程度の家賃収入が期待できる中古マンションに投資できれば、より高い利回りが期待できます。

利回りとは、投資した資金に対する収益の割合のことです。利回りが高いほど、少ない投資資金で多くの収益を得られる効率のよい投資といえます。

想定利回りは、新築マンションが2〜5%程度であるのに対し、中古マンションは3〜7%程度と高い傾向にあります。

高い節税効果が期待できる

不動産投資では、家賃収入から諸経費を差し引いた残りが利益となります。

不動産投資の諸経費とは、ローンの利息、管理費、修繕費、減価償却費などのことです。

このうち「減価償却費」は、時間とともに減少した建物部分の価値を、経費に計上する際に使用する勘定項目です。

不動産投資では、建物部分の取得金額を一括で経費に計上するのではなく、一定年数に分けて少しずつ計上していきます。

減価償却費は、実際の支出をともなう経費ではありません。

そのため、減価償却費を経費に計上すると、実際は黒字であるにもかかわらず、帳簿上は赤字となることがあります。

帳簿上で発生している赤字分を、給与所得や事業所得など他の所得と相殺すると、その年の総所得が減り、所得税や住民税の負担を軽減することが可能です。

中古マンションは、新築マンションよりも減価償却費を計上できる期間が短く、1年あたりの計上金額が大きくなりやすいため、高い節税効果が期待できます。

資産価値の下落が比較的緩やか

新築マンションは購入後に3割ほど下がるといわれているのに対し、中古マンションの下落幅は比較的緩やかであり、資産価値が下がりにくいといえます。

東日本不動産流通機構の調査によると、首都圏で2022年1月〜12月までに成約した中古マンションの築年数別の㎡単価と、それをもとに計算した下落率は以下のとおりです。

平米単価下落率
築0〜5年105.21万円
築6〜10年93.76万円89.1%
築11〜15年79.86万円85.2%
築16〜20年74.01万円92.7%
築21〜25年61.91万円83.7%
築26〜30年44.57万円72.0%
築31年〜38.98万円87.5%

※出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「年報マーケットウォッチ2022年・年度

㎡単価の下落率は、築26〜30年の7割台を除くと、その他は8〜9割台です。

また、築30年を過ぎると、資産価値はほぼ横ばいになるといわれています。

加えて、築古のマンションは、リフォームやリノベーションによって内装や設備を刷新することで、物件の資産価値を高めることも可能です。

とくに、立地が良い物件であれば、リフォーム・リノベーションで新築マンションや築浅マンションと同等の魅力を持たせられる可能性があります。

中古マンション投資の主なデメリット

中古マンション投資には多くのメリットがある一方で、以下のデメリットがあることを理解したうえで投資判断をすることが大切です。

  • 空室リスクがある
  • 修繕・メンテナンスコストがかかる
  • 融資の条件が不利になりやすい
  • 売却時に大きな損失が発生する可能性がある

中古マンション投資を始める際は、デメリットの種類や内容を理解し、必要に応じて対策をすることが重要です。

空室リスクが高くなりやすい

中古マンションは建物や設備が劣化していることが多く、新築マンションよりも魅力が劣る傾向にあります。

そのため中古マンション投資では、退去者が出ると次の入居者がなかなか見つからない可能性があります。とくに、立地や物件の状態が芳しくないと、入居者探しに苦労してしまうかもしれません。

空室になると家賃収入が得られなくなるばかりか、次の入居者が見つかるまで物件の維持・管理の費用はかかり続けます。

空室の期間が長引けば長引くほど、収益性は低下していくでしょう。

修繕費用やメンテナンス費用がかかりやすい

中古マンションは、築年数が経過している分、建物や設備の修繕・メンテナンス費用がかかりやすいです。

とくに築年数が古い物件では、外壁・廊下の破損や給湯器の故障、トイレのつまりなどで、修繕費用が多額になるかもしれません。

エレベーターなど共用部の設備が、耐用年数を迎えて交換することになるとさらに多額の費用がかかるでしょう。

安定的に家賃収入を得られていたとしても、修繕やメンテナンスの費用がかかると、収益が圧迫され、利回りは低下してしまいかねません。

融資の条件が不利になりやすい

中古マンションは、新築マンションよりも金融機関の担保評価が低くなりやすいため、借入金利や借入金額、返済期間などの条件が不利になる可能性があります。

そのため、中古マンション投資では「借入可能額が少なく多くの自己資金が必要になった」「借入金利が高くなり返済負担が重くなった」などの事態が起こりやすいといえます。

売却時に大きな損失が発生する可能性がある

中古マンションは価格の下落スピードが緩やかであるとはいえ、築年数の経過とともに資産価値が減少することに変わりはありません。

物件の選択を誤ると、資産価値が急落して将来の売却価格が安くなるおそれがあります。

融資を組んでいる場合、売却価格が安いとマンションの売却代金で残債を返しきれずに、貯蓄からの持ち出しが必要になるかもしれません。

また、売却時に大きな損失が発生してそれまでの利益が吹き飛んでしまうこともあります。

中古マンション投資に失敗しないコツ

中古マンション投資の失敗を防ぐコツは、次のとおりです。

  • 立地が良い物件を選ぶ
  • 実質利回りをシミュレーションして投資判断をする
  • 物件の管理状況を見たうえで購入すべきか判断する

①立地が良い物件を選ぶ

中古マンションは、新築マンションよりも建物や設備が古い分、相対的に魅力が劣るため、立地が良く入居希望者から選ばれやすい物件を選ぶことが重要となります。

立地が良い物件の特徴は、以下のとおりです。

  • 駅から徒歩10分以内
  • 最寄り駅が主要駅に直結している
  • スーパーやコンビニ、飲食店などが徒歩圏内にある
  • 病院や学校、公園などが近くにある

立地というのは、物件に投資をしたあとに変更できない要素です。中古マンションに投資をする際は、駅からの距離や周辺の施設などをよく調べて、好立地の物件を選びましょう。

②実質利回りをシミュレーションして投資判断をする

物件に投資すべきか判断するときは、実質利回りをシミュレーションすることが大切です。

実質利回りとは、不動産投資にかかる税金や手数料などの諸費用も考慮して算出する利回りのことを指します。計算方法は、以下のとおりです。

  • 実質利回り:「(年間家賃収入-経費)÷(物件価格+諸経費) 」

不動産ポータルサイトやチラシなどに掲載されているのは、年間の家賃収入を物件の購入価格で割って求める表面利回りです。

表面利回りだけで物件を選んでしまうと、実際は修繕費用や利息負担などがかさみ、思ったような利益が得られない可能性があります。

とくに、中古マンション投資では「ローンの金利が高く利息負担が重い」「修繕費がかかった」などの理由で、収益が低下しやすいです。

その一方で、中古マンションはすでに運用されており、必要経費がいくらかかるのかを把握しやすいため、実質利回りも試算しやすいといえます。

中古マンション投資を始めるときは、表面利回りだけでなく実質利回りも計算し、安定した収益が期待できる物件を選ぶことが重要です。

③修繕積立金の状況や大規模修繕の時期を確認する

マンションは築年数の経過とともに、建物の外壁や廊下などが劣化していくため、10〜15年ほどの周期で大規模修繕を行います。

また、大規模修繕時にかかる費用を計画的に準備するために、入居者から修繕積立金を集めて積み立てているのが一般的です。

利回りが高く魅力的な物件に投資できたとしても、購入の直後に大規模修繕が実施されて多額の費用を支払うことになると、キャッシュフローが悪化するかもしれません。

マンションによっては、修繕積立金が計画的に積み立てられておらず、大規模修繕が実施されずに破損箇所がそのままになっていることもあります。

マンションが適切に管理されていないと建物や設備の劣化が早まり、資産価値が下がりやすくなるだけでなく、入居者も付きにくくなるでしょう。

そのため、修繕積立金の状況や大規模修繕の時期も、投資物件を選ぶ際の重要な判断要素といえます。

④人口が増加しているエリアを選ぶ

たとえ魅力的な物件であったとしても、人口の減少が想定されるエリアにあると、将来的に入居者探しに苦労してしまうかもしれません。

そのため、中古マンション投資を始めるときは、今後人口の増加が見込まれるエリアにある物件を選ぶことが重要です。

今後の人口推移を確認する方法としては「自治体が公表する統計データを確認する」「不動産会社の担当者に相談する」などがあります。

複数の方法を用いて、人口の増加が見込まれるエリアを慎重に選ぶことが中古マンション投資の失敗を防ぐ重要なポイントです。

物件を必ず内見して状態を確認する

中古マンション投資では、すでに入居者がいると室内を見ることは基本的にできませんが、物件の外観や共用部分の状態などは確認できます。

内見で確認すべきポイントは以下のとおりです。

  • 外壁や廊下などの共用部分が適切に清掃・修繕・メンテナンスされているか
  • どのような住民が住んでいるか
  • 日当たりはどうか
  • 騒音などの問題がないか など

また、内見時にマンションの周辺を歩いたり車で走行したりして、周辺施設や道路の状況などを把握することも可能です。

投資を始める際は、必ず内見をして建物・設備の状態や周辺の住環境などを確認し、入居者が付きやすい物件を探すことが大切です。

⑥災害リスクを確認し、必要に応じて対策をする

中古マンション投資には、他の不動産投資と同様に「災害リスク」があります。

災害リスクとは、台風や地震などの自然災害、火災などで、物件や設備が破損・損傷するリスクのことです。

物件が自然災害や火災などの被害にあって、建物が貸し出せる状態ではなくなってしまうと、家賃収入が途絶えたり多額の修繕費用が発生したりするおそれがあります。

中古マンション投資を始めるときは、ハザードマップポータルサイトを閲覧し、物件周辺の災害リスクを確認して、投資すべきか判断するとよいでしょう

また、火災保険や地震保険に加入して、災害が発生したときに保険金で修繕費用や得られなくなった家賃収入などをカバーできるようにしておくことも、有効な対策方法です。

⑦信頼できる不動産会社やエージェントを探す

中古マンション投資の失敗を防ぐためには、不動産や税金、法律などさまざまな専門知識が欠かせません。

しかし、初めて中古マンション投資をする方が、仕事や日常生活で多忙を極めるなか、不動産投資の専門知識を身に付けるのは現実的とはいえないでしょう。

そこで頼りになるのが、不動産会社や不動産エージェントです。

実力のある不動産会社や不動産エージェントを見つけることができれば、物件選びや運用のシミュレーションなど、さまざまな場面でサポートしてもらえるでしょう。

中古マンション投資を始める際は、自分自身でも不動産投資に必要な知識を身に付けつつ、信頼できる不動産会社やエージェントを探すことをおすすめします。

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中古マンション投資の注意点

中古マンション投資の主な注意点は以下のとおりです。

  • 築古のマンションは旧耐震基準が適用されていることがある
  • 頭金がなければ融資を受けるのは困難

築古のマンションは旧耐震基準が適用されていることがある

1981年(昭和56年)5月31日までに建築確認されたマンションは「旧耐震基準」が適用されています。

旧耐震基準は、震度5強程度の揺れでも建物が倒壊せず、たとえ破損したとしても補修をすると引き続き生活ができる構造基準です。

一方で、1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認がされたマンションに適用されているのは「新耐震基準」です。

新耐震基準が適用されたマンションは、震度7程度の揺れでも倒壊しないような構造を持っています。

旧耐震基準が適用されているからといって、必ずしも耐震性能が劣るわけではありませんが、災害リスクは高まるでしょう。

そのため、中古マンションに投資をする場合は、物件に新耐震基準が適用されているかどうかを確認しておくと安心です。

頭金がなければ融資を受けるのは困難

近年、金融機関の融資審査は厳しくなってきているため、物件の購入資金のすべてを不動産投資ローンで賄うのは困難です。

中古マンション投資を始める場合は、少なくとも物件購入価格の3割程度の頭金を準備しておきましょう。

頭金を多く入れると、金融機関から「この人はお金をきちんと扱える人だ」と評価され、融資審査に通過しやすくなる可能性があります。

また、不動産投資ローンの借入額が少なくなるため、運用を始めたあとの返済負担が軽減され、キャッシュフローが悪化しにくくなるでしょう。

中古マンション投資の失敗事例

最後に、中古マンション投資におけるよくある失敗例をご紹介します。

事例①空室が埋まらず収益が発生しない

価格が安く高い利回りが期待できるというだけで物件を選ぶと、空室が埋まらずに思うような収益を得られず失敗してしまうことがあります。

とくに「駅から遠い」「周辺に商業施設や学校がない」など利便性が低い物件を選んでしまうと、入居者探しに苦労するおそれがあります。

失敗を防ぐためには、販売価格や期待利回りだけに着目するのではなく、立地や今後の人口推移などもよく確認のうえ、空室リスクが低い物件を選ぶことが重要です。

事例②想定外に支出が発生して収益が悪化した

修繕費用や管理費などを十分に見積もることなく投資を始めてしまったために、想定外の支出が生じて資金繰りに困るケースがあります。

また、ローンの返済計画をきちんと立てずに融資を利用したことで、返済負担が重くなって期待どおりの収益が得られないというのも、よくある失敗例です。

中古マンション投資を始める際は、実質利回りもシミュレーションのうえ、修繕費やローンの返済負担なども踏まえて物件の収益性を確認しましょう。

まとめ

中古マンションは価格が割安で高い利回りが期待できるだけでなく、減価償却による節税効果を高めることも可能です。

また、資産価値の下落が比較的緩やかであるため、慎重に物件を選び必要に応じてリフォームやリノベーションをすると、将来的に高値で売却して利益を得られるでしょう。

中古マンション投資の失敗を防ぐためには、立地や管理状況などをよく確認し、実質利回りを試算したうえで物件を選ぶことが大切です。

不動産会社や不動産エージェントにも相談し、安定した収益が期待できる物件を探しましょう。

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この記事を書いた人

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大手生命保険会社にて7年半勤務し、チームリーダーや管理職候補として個人営業、法人営業の両方を経験。その後人材会社で転職したのちに副業としてwebライターを始める。お金に関する正しい知識をたくさんの人々に知って欲しいとの思いから、2019年1月よりwebライターとして独立。これまで保険、不動産、税金、音楽など幅広いジャンルの記事を、多数のメディアで執筆・監修している。

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