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チラシやSUUMOなどのサイトで、不動産会社によって紹介されている物件。その物件の多くは、掲載元となっている不動産会社以外からでも購入可能なことをご存じですか?つまり、A社が販売している物件を、B社に相談して購入することも可能なのです。
もしA社に行って「対応が悪い」「担当者が合わない」…ということがあれば、購入前に不動産会社を変更することもできます。ただその場合は、“抜き行為”といって敬遠されることも。本記事では、不動産売買の仕組みを解説しながら、良い不動産会社や担当者から希望の不動産を購入するための方法を解説します。
まずは、不動産売買と不動産会社の仕組みを知りましょう。
不動産売買では、当然ながら「売主」と「買主」がいます。その両者を仲介するのが不動産会社の役割なわけですが、売主、買主、同じ不動産会社が仲介しなければならないわけではありません。
基本的には、売主と買主を担当する不動産会社は別です。ただ例外もあります。
売主に売却を依頼された不動産会社は、チラシや不動産ポータルサイト、自社ホームページなどで販促活動をおこないます。その結果、自社に問い合わせてきた顧客が買ってくれることになれば、売主、買主ともに同じ不動産会社が仲介することになるのです。
しかし、自社による販促活動によって買主を見つける以上に、他社によって客付けされる可能性は高いといえます。その理由は、売却活動中の物件は、原則的に“レインズ”という不動産業者専門のサイトで全国の不動産会社に物件情報が共有されるからです。
レインズとは、ほぼ全ての不動産会社が会員となっているネットワークシステムです。不動産情報を共有して不動産取引を中立的に行うために、1990年に現在の国土交通省が主導となって企画・設立しました。
売主の特別な意向がなければ、原則的に全ての売り物件はレインズに登録されます。顧客から購入相談があった不動産会社は、このレインズの情報を見て物件探しをおこないます。
このため、他社の物件であっても、レインズに登録されることで、全国の不動産会社から客付けされる可能性があるのです。
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売主が不動産会社に売却依頼するときの契約には、次の3つの種類があります。
・一般媒介契約
・専任媒介契約
・専属専任媒介契約
このうち一般媒介契約は複数社と媒介契約を交わすことができるので、複数社が同じ物件を同時期に販促活動しているという状況もありえます。一般媒介契約については、以下記事でより詳しく解説しています。
一方、専任媒介契約と専属専任媒介契約は1社のみとの独占契約となりますが、その場合においても他社が客付けしてはいけないという決まりはありません。むしろ、専任と専属専任についてはレインズ登録が義務付けられているため、他社が担当する買主が購入する可能性が高いといえます。
不動産売買の仕組みを少し理解していただけましたでしょうか?ここまでをまとめると、以下の通りです。
・売主と買主が同じ不動産会社である必要はない
・レインズによって他社から客付けされて売買が成立する可能性の方が高い
・専任媒介・専属専任媒介は1社の独占物件となるが、レインズ登録義務があるためむしろ他社からの客付けが奨励される
つまりは、販促活動をしている不動産会社以外から問い合わせても内覧は可能であり、購入も可能だということです。
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不動産会社はレインズにほとんどのケースで物件をレインズに登録することから、基本的にどの不動産会社と媒介契約を結んでも他社の物件を購入することは可能です。とはいえ、やはりどの不動産会社に相談するかで、自分の理想に近い物件を紹介してもらえるかは変わってくるでしょう。
それでは、自分の理想に近い物件を紹介してくれる不動産会社を選ぶにはどのような点に気をつけるとよいのでしょうか?ここでは、不動産会社を選定する際のポイントとして以下2つをご紹介します。
不動産会社は大手であれば安心ということでもなく、地域に根付いた小さな不動産会社の方が信頼できるケースもあります。このため、不動産会社を選ぶ際には、購入を検討しているエリアにおいて実績が豊富かどうかを基準にするのがおすすめです。
取扱実績は不動産会社のHPや、SUUMOなどのポータルサイトで確認することができます。その他、該当エリアで「売地」や「売物件」に、会社名が入った看板が多く見られる不動産会社であれば、そのエリアに強いと判断しやすくなります。
不動産会社に相談した段階で、適切かつ迅速な対応をしてもらえるかも判断軸の1つとしましょう。
最初の判断のポイントとしては、該当のエリアで物件を探していることを伝えるときに、いくつか条件を挙げて、それらの条件を満たした物件をしっかり紹介して貰えるかどうかで判断しやすいです。
ここまで述べた通り、チラシや不動産ポータルサイトの掲載元以外の不動産会社からでも物件は購入可能です。
しかし、内覧させてもらって購入の直前までいったにも関わらず、突如、不動産会社を変えるとするならばその行為は少しモラル違反だといえます。
購入直前で不動産会社を乗り換えることを、不動産業界では“抜き行為”といわれています。
ただ“抜き行為“とは、不動産会社が主導となって他社の顧客の引き抜く行為。買主が「この不動産会社から買いたくない」「こっちの不動産会社から買いたい」と思って不動産会社を変更することは、”抜き行為“には該当しないとも考えられます。
ただやはり、購入直前に不動産会社を変えるとすれば、変更先の不動産会社が“抜き行為”のレッテルを張られたり、変更前の不動産会社から文句を言われたりする可能性はあるでしょう。そのため大事になってくるのは、物件探しをする前に不動産会社や営業担当者を決めておくことです。
不動産購入される方の多くは、物件探しからスタートします。SUUMOやHOME‘Sで気に入った物件があれば、その物件を掲載している不動産会社に連絡して…という流れを想定している方が多いのではないでしょうか?
しかし、ここまでお話した通り、ほとんどの物件はどの不動産会社からでも購入可能。そのため、物件探しの前に不動産会社探しするということを考えてみましょう。
そしてさらにおすすめなのは、お気に入りの営業担当者を見つけておくことです。というのも、不動産購入において、物件案内してくれるのも契約に立ち会ってくれるのも、基本的に1人の担当者。あなたの希望にあった提案してくれ、なおかつ人間的にも信頼できる担当者に出会えれば、より良い物件に出会える可能性は高いといえます。
・住宅ローンに不安がある方は、FPや住宅ローンアドバイザーの資格を持った担当者
・買い替えの場合は、不動産売却も得意な担当者
・投資物件購入の場合は、収益物件の売買経験豊富な担当者
このように目的にあった担当者を先に見つけておくことで、どんな物件でもスムーズに、安心して購入できるのです。
物件の販促元、掲載元以外の不動産会社からでも、不動産は購入可能です。ただし、購入直前に仲介業者を変更するのではなく、できれば物件探しに先立って信頼できる不動産会社や営業担当者を見つけておくことをおすすめします。
今や買主自らが不動産ポータルサイトなどで物件探しからできる時代ですが、物件探しの前に不動産会社に相談しておくことで、非公開情報や公開前の情報を得ることもできます。良い不動産売買は、良い不動産会社探しから。お住み替えやマンションの売却も併せて検討している方は、不動産会社探しにマンションナビをご活用ください。
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保有資格:宅建士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(AFP)
地方銀行勤務後、住宅会社へ転職。住宅会社では注文住宅や建売住宅の販売を担当し、営業部長として従事。それらの経験を活かし、住宅や不動産、金融を中心としたWebライターとして活動を始め2018年より独立。多数のメディアでコンテンツ作成に取り組んでいる。
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