渋谷区は、都心立地と再開発、カルチャー発信地としてのブランド力を併せ持つ人気エリアです。
マンションナビの最新データによると、渋谷区は過去9年間で約94%の価格上昇を記録し、東京23区中で第4位にランクインしています。
本記事では、具体的な数値や比較データを交えながら、渋谷区のマンション価格の推移をわかりやすく解説します。
調査期間: 2016年6月~2025年6月
調査機関: マンションナビ
調査対象: 東京都23区のマンション
データ基準: 調査期間中の東京都23区におけるマンション売買価格の中央値
「マンション売買価格の中央値」を指標とすることで、市場の動きや価値の変化を多角的に分析できます。
上昇率=(現在の値ー基準値)÷基準値×100%
【例】1年前に1,000,000円だった㎡単価が、現在は1,250,000円の場合。
(1,250,000-1,000,000)÷1,000,000×100=25…よって25%の上昇率がみられる。
東京全体から中央区の価格比較(2016年→2025年)
東京23区全体と比較することで、渋谷区の価格上昇がどれほど際立っているかがより明確になります。ここでは、まず東京都全体、そして23区全体の価格推移を確認した後、渋谷区の動向と比較します。
東京都全体の平均価格
2025年6月時点の東京都全体の中古マンション平均売買㎡単価は104万円です。これは2016年の63万円と比べて約64%の上昇を記録しており、直近1年間でも10%以上の伸びを見せています。
世界有数の大都市・東京として、資産価値の高さが改めて示されています。


23区全体の平均価格

2025年6月時点の東京23区マンション平均売買㎡単価は約109万円で、9年前の約66万円と比べて約63%の上昇を記録しています。
港区や中央区などの都心部が相場をけん引している一方で、渋谷区もカルチャー性と再開発の相乗効果により価格を押し上げています。
23区平均は都心と周辺エリアの動きが組み合わさるため、一見安定して見えますが、エリアごとの差が大きくなっているのが実情です。
物件選びの際は、単純な平均だけでなく、渋谷区のように再開発やブランド力の高いエリアがどの程度全体相場に影響しているかを把握することが大切です。
渋谷区は再開発とカルチャー発信地として資産価値が上昇中
渋谷区の2025年6月時点での平均売買㎡単価は179万円で、2016年の92万円と比べて約94%の上昇を記録しました。
渋谷駅周辺を中心とした再開発や、代官山・原宿などカルチャー性の高い街並みが若年層からも支持を集めており、エリア全体として安定した需要を維持しているのが特徴です。
特に駅近の高層物件や築浅マンションは、将来的な資産価値を重視する投資家からも注目されています。


「都心×カルチャー×再開発」という独自の強みを活かし、渋谷区は長期的にも堅調な価格推移を見せています。
渋谷区は都心アクセスとカルチャーで資産価値を維持
渋谷区の価格上昇には、いくつかの特徴的な要因があります。
- 再開発と利便性の強化
渋谷駅周辺の大規模再開発により、ビジネス・商業・住環境が一体化し、エリア価値が高まっています。再開発は2027年完了予定であり、さらなる発展の余地があるといえるでしょう。
- カルチャー発信拠点としてのブランド力
渋谷・原宿・代官山が生み出す文化的価値が若年層に支持され、賃貸・売買ともに人気を維持しています。青山、恵比寿、表参道、広尾といった高級住宅街も存在し、多様な魅力があるのも渋谷区ならではです。
- 投資と実需のバランス
「都心×カルチャーの希少立地」として、海外投資家や高所得層の投資需要も根強く、実需も安定している点が価格を支えています。
一方で、駅から離れた築古物件などは買い手の選別が進んでおり、価格の二極化も進行しているため注意が必要です。

東京23区価格上昇率ランキング(2025年6月時点)
東京23区における9年前との上昇率をランキング形式で紹介します。過去9年間で各エリアがどのように変動してきたのかを可視化しました。
売買の最適なタイミングを見極めるヒントとして、ぜひご活用ください。
23区 2025年6月時点
順位 | 23区 | 上昇率(9年前比) | ㎡単価(万円) |
---|---|---|---|
1 | 港区 | 119.8% | 226.0 |
2 | 千代田区 | 101.2% | 194.0 |
3 | 中央区 | 97.8% | 164.0 |
4 | 渋谷区 | 93.8% | 179.0 |
5 | 江東区 | 71.1% | 105.0 |
6 | 新宿区 | 67.4% | 124.0 |
7 | 品川区 | 66.2% | 123.0 |
8 | 足立区 | 63.4% | 56.0 |
9 | 文京区 | 61.2% | 118.0 |
10 | 台東区 | 59.3% | 101.0 |
11 | 目黒区 | 58.9% | 129.0 |
11 | 豊島区 | 58.9% | 105.0 |
13 | 葛飾区 | 58.1% | 59.0 |
14 | 荒川区 | 54.7% | 80.0 |
15 | 北区 | 51.4% | 83.0 |
16 | 世田谷区 | 49.7% | 99.0 |
16 | 墨田区 | 47.0% | 88.0 |
18 | 中野区 | 46.6% | 92.0 |
19 | 江戸川区 | 46.3% | 63.0 |
20 | 板橋区 | 42.8% | 68.0 |
21 | 杉並区 | 40.0% | 86.0 |
22 | 練馬区 | 37.4% | 72.0 |
23 | 大田区 | 36.8% | 80.0 |
渋谷区は港区・千代田区・中央区に次ぐ第4位にランクインしています。
都心立地と独自のカルチャー性、さらに駅周辺の大規模再開発が進むことで、今後も価格水準を維持する可能性が高いエリアです。渋谷区ならではの魅力が、ランキングでも確実に裏付けられています。
よくある質問
まとめ
渋谷区のマンション価格は、再開発×カルチャー×都心立地の掛け合わせにより、今後も注目を集めるエリアです。
9年間で93.8%の価格上昇率を記録しており、資産価値の面でも安定した動きが期待できます。渋谷区固有の魅力によって、これからも若い世代や投資家に選ばれ続けるでしょう。
データ提供/マンションナビ