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第4話 主な登場人物 【登坂不動産】 主人公・永瀬 財地(山下智久):登坂不動産のエース営業マン。嘘がつけない呪いにかかっており、正直すぎる営業を武器に不動産業界を生き抜いている 若手社員・月下咲良(福原遥):カスタマーファーストを第一に行動する登坂不動産の若手社員であり、永瀬のよきパートナーでもある 新入社員・十影健人(板垣瑞生):マダムの継孫として登坂不動産に入社することになったZ世代の新入社員。仕事よりもプライベートが第一で、残業せずにさっさと帰宅してしまう 新入社員、課長代理・藤原結弦(馬場徹):登坂社長がヘッドハンティングした敏腕営業マンで大地主の息子。売り手側の視点を熟知しており、永瀬のナンバーワンの座を脅かしていく。 【ミネルヴァ不動産】 営業・神木涼真(ディーンフジオカ):元登坂不動産の営業マンで、長年にわたってナンバーワンをとり続けた永瀬の師匠。悪魔じみた営業手法を武器に永瀬のライバルとして立ちはだかる 営業・花澤涼子(倉科カナ):育ち盛りの息子を育てるシングルマザー。大手ゼネコンで現場監督をするも、女性差別が激しく嫌気がさしていたところ、鵤に声をかけられミネルヴァ不動産へ。月下とは良きライバルか。 【第4話ゲスト】 藤森祥平:バーテンダーとして働いている 山本美玲:祥平の恋人で保育士をしている 貴島孝雄:ラプラス武蔵山のオーナー |
とある地鎮祭で石碑を壊して以降、嘘がつけなくなってしまった不動産仲介会社の営業マンが、海千山千の不動産業界で奮闘する姿を描くNHKドラマ『正直不動産2』。
山下智久が演じる登坂不動産の敏腕営業マンである永瀬財地は、嘘八百を並べて売上トップを誇り、“ライアー永瀬”という異名をとっていました。
しかし、ある日地鎮祭でほこらを壊してしまったことで嘘がつけない呪い(嘘をつこうとすると不思議な風が吹き、本音が飛び出す)にかかり、一転して正直すぎる営業マンとして舵を切ることに。
本記事では2024年1月30日の夜10時に放映された、『正直不動産2』の第四話のレビューと話のポイントについて解説します。
「永瀬これは一体どういうことだ!十影が入社以来一度も成約が取れていないじゃないか!おまえ一体どんなを指導しているんだ!」
登坂不動産で永瀬をまくしたてる大河部長。
オフィスに貼られた営業成績グラフは課長代理の藤原結弦がトップ、永瀬と月下がそれに続くも、Z世代の新人十影は未だに成約が取れていません。
「すみません、手は尽くしているんですがZ世代なかなか厳しい・・・」とぼやく永瀬と、どこ吹く風の十影。
挙げ句の果てには「タムパ最悪っす。無駄なことばっかしてる。永瀬さんは客に余計なこと言い過ぎだし、大河部長は口を開けば訓示、長い説教、しれから飲み二ケーション」と悪態をつく始末。
あきれた大河部長に十影はティッシュ配りを命じられ、永瀬は一連の流れを社長室から見ていた登坂社長に呼ばれます。
部下の人材育成を人事評価に反映する旨を伝えられ、永瀬わかるな?と念を押されてしまいました。
そんな中、十影がはじめての見込み客として若いカップルを登坂不動産に連れてきたのです。
なんとしてでも十影に成約をとらせるんだと、大河部長の言葉にも力がこもります。
十影が連れてきたのはバーテンダーをしている藤森祥平と、その恋人で保育士をしている山本美玲です。
できれば駅近築浅、日当たり良好で家賃がそこそこと要望を並べる祥平ですが、家賃やエリアは美玲に任せるとのこと。
それを聞いた美玲は「二人で武蔵山公園の近くに住みたい」とはっきり希望を伝えてきます。
2LDK以上で築年数が10年以内の物件をいくつかピックアップし、さっそく十影たちは内覧へと二人を案内することに。
3軒ほど物件紹介する中で、美玲が気に入ったのはラプラス武蔵山という窓から武蔵小山高縁が一望できるマンションでした。
「祥平君、わたしここが気に入った!」と嬉しそうな笑顔で話す美玲に、「おまえが気に入ったならいいよ、ここで」と祥平も承諾します。
物件の内覧を終え、申込書を記入しながら「賃貸保証会社に必ず加入しないとダメなのか?以前は保証人がいれば部屋を借りられたよね?」と祥平が尋ねます。
賃貸保証会社とは 保証人の代わりとなり、家賃滞納などトラブルの際に間に入ってくれる会社のこと |
それを聞いた月下は「以前は親族が保証人となるケースが多く見られましたが、昨今では高齢化社会に伴い収入が年金のみの親族が増え、賃貸保証会社への加入が必須の物件が増えたんです」と説明します。
ラプラス武蔵山はオリポスカード会社という賃貸保証会社を利用しており、永瀬は世帯月収50万円ならなんとかなるだろうとその様子を見守っていました。
ところが、後日、まさかの審査落ちという結果に。
理由を尋ねる祥平に、風に吹かれた永瀬は「2人とも若いとか関係ない!ガチヤバ物件よろしく系で!とかいってる時点で信用0。『自己破産』『消費者金融での多重債務』『クレジットカードで事故を起こしている』など、ブラックリストに載っている方は審査に通りません!!」とぶっちゃけてしまいます。
美玲によると祥平はかつてギャンブルにハマってカード事故を起こしてしまったとのこと。
10年も前の話だという祥平に、ブラックリストから名前が消えるまで5-7年だ、適当なことをいうなと永瀬がたしなめます。
そこで、今度は美玲の名義で審査にリベンジすることに。
しかし3日後、またも審査落ち。
借金も携帯料金の未払いも、運転免許証の再発行も該当しないという美玲でしたが、実は過去に信販会社とのローンを何度か対応していたことが明らかになります。
POINT① 信販系保証会社はすべて、入居希望者のクレジットカードの信用情報(自己破産、任意整理、未払い、遅延など)を取り扱っているカード会社と共有し、審査している POINT② 運転免許証の再発行回数が多すぎると審査落ちのリスクがあがる。 その理由として、管理能力の欠如や、二重取得など犯罪に加担しているのではと疑われることが挙げられる |
「おまえも俺のこといえないじゃん」という祥平に「延滞したのは祥平の借金を立て替えたとき」と言い返しますが、祥平は「立て替えてくれなんて頼んでない」とうそぶき、二人の間にはどこか不穏な雰囲気が漂ってしまいます。
後日、ラプラス武蔵山オーナーの貴島孝雄を尋ねる月島でしたが、入居審査の件は賃貸保証会社とやってくれと門前払いをくらってしまいます。
新たに探した物件情報を持って、美玲の勤務先を訪れますが、そこで美玲は祥平との結婚を悩んでいると明かします。
祥平がギャンブルでカード事故を起こしたのは10年前ではなく、3年前であること。
過去のことは水に流して2人でなんとか幸せになろうと思っていたこと。
だからこそ、「立て替えてくれなんて頼んでいない」というあのときの台詞が許せないこと。
「普段は調子いいくせに調子が悪くなるとすぐに逃げる。悪いことは何でも人のせい、世の中のせいにする」と嘆く美玲でしたが、突然口元をおさえてトイレに駆け込んでしまいます。
そのまま美玲を産婦人科へ連れて行き、美玲の部屋につくも、月島は美玲から妊娠していることを祥平には話さないでくれと口止めをされてしまいます。
「不安なんです、賃貸保証の審査も通らない、社会から信用されていない私たちがちゃんとした親になれるのか」と話す美玲。
美玲と祥平は昔、武蔵山公園の近くに住んでいた幼なじみであり、子どもの頃の祥平は正義感に溢れていて、まっすぐで、美玲のヒーローだったのです。
思い出を振り返りながら「私、賭けたんです。もしあの武蔵山公園を一望できる部屋に住めたら、きっとあの頃のまっすぐな彼に戻ってくれる、何があってもふたりでがんばっていけるんじゃないかと」と月下に話すのでした。
一方、藤森は勤務先のバーで同僚からとある知恵をもらい、その話をもって十影と永瀬のもとをおとずれていました
ちゃんとした会社に勤めている友達の名義で借りる、だめならアリバイ会社に偽物の給与明細、在籍証明書を発行してもらえばいいのではないかと。
しかし、永瀬にそれは「有印私文書偽造 同行使罪」に該当し、立派な犯罪であると指摘されてしまいます。
十影は「あの部屋を借りるのが現実的に無理なら、他人名義でもなんでもやるしかないのでは」と同調する姿勢を見せるものの、うちの信用問題に関わるからと永瀬は激怒。
その様子を見ていた祥平は「だったらあんたらには頼まない!」とその場を後にしてしまいます。
その夜、バーで「あいつを1人前にするなんて、300年かかっても無理」と登坂社長に訴える永瀬。
するとそこに居合わせたマダムが十影は死別した夫とその前妻の窓、つまり継孫であると明かしたのです。
十影は両親を早くに亡くして身寄りがなく、幼い頃から家のことでつらい思いをしてきたと話すマダム。
成人しているし私には何の義理もないとわかっているけど、トカゲの表情に死んだ夫の面影がちらつくというのです。
話を聞いていた永瀬にまたどこからか風が吹き、「あんな協調性のない、くそ社会人みたことない!俺があいつのために終電ギリギリまで作業、チルだのタムパだの、z世代は手に負えない!」と啖呵を切るも、「しかし、なんとか俺が十影を一人前の不動産営業として育てます!課長昇進がかかっているんで。」と登坂社長とマダムに宣言してしまいます。
その夜、十影を呼び出した永瀬は藤森が働くバーへと向かいました。
客として訪れていたミネルヴァ不動産の西岡に違法覚悟の仲介を頼もうか悩む祥平に、「違法覚悟であの部屋の仲介を頼もうとか考えてないですよね?」と突っ込む永瀬。
あんたらには関係ないと憤る祥平は、俺みたいな人間はこんなことでもしないとこの世の中やっていけないとボヤいてこう続けたのです。
「親ガチャ最悪。父親は3歳で借金を作って蒸発、母も死んで高校中退。そんななか、何もかも嫌になって世の中を恨んで、誰彼構わず喧嘩をふっかけた。美玲とそんな状況下で再会して、付き合い始めて。部屋を見つけたときの美玲の笑顔が本当に嬉しそうで。あの部屋さえ借りられたら、2人でうまくやっていけそうな気がした。不公平な世の中でちょっとくらい不正したってバチはあたらないだろう」
そう吐き捨てる祥平に風に吹かれた永瀬は「くそなのはあんたです!」と一括します。
「あなたが審査に落ちたのはブラックな世の中のせいじゃなくて、あなたがブラックだからです。山本さんとうまくいかないのも誰かのせいにしているあなた自身に問題がある。信用を得るのはクレジット会社からじゃなくて、まずは彼女からだろ!違法行為なんてしたらあんたら終わっちゃうぞ!!」と。
後日、永瀬は祥平をラプラス武蔵山に連れて行きます。
美玲が惚れた窓からの景色をもう一度見てみるように促す永瀬。
窓からは武蔵山公園が一望でき、その景色をみた祥平はかつてそこで帽子をとられて意地悪をされていた美玲を助け出したことを思い出します。
「昔しょっちゅうここで喧嘩してたけどそれがなに?」と話す祥平に、月下と共に現れた美玲が「私にとっては大切な思い出の場所。祥平君はヒーローだったんだよ、あの頃の気持ちを思いだしてほしかった。
人のせいにするのはもうやめない?親のせいにしたり、世の中のせいにしたって、誰からも信用されない。幸せなんて逃げていくばかり。」と説得します。
「俺はヒーローなんかじゃない。ギャンブルにて出して、借金にて出して、迷惑かけて・・・」と話し出す祥平に、風に吹かれた永瀬はこう話すのでした。
「私も清廉潔白な人間ではありません。たたけば大量にほこりが出るような人間です。こんなときだからこそ、正直に行きましょう。最後は人だと思うんです。」
そして美玲も自らに新たな命が宿っていることを祥平に告げたのです。
祥平は驚きながらも美玲の言葉に、「俺もう逃げねえよ。世の中のせいにも、親のせいにもしない。俺がおまえと子どもを守る」と誓ったのでした。
月下のアドバイスで、祥平と美玲はオーナーの貴島に手紙を渡すことに。
その手紙には2人がどうしてもこのマンションに入りたい理由が記されていました。
しかし、「信用できない人間に部屋を貸したくない。どんな人間かなんて見ればわかる」と貴島は拒みます。
またどこからともなく風が吹き、言い返す永瀬。
「そういうあんたの目玉は節穴どころか安いガラス玉だな!目に見える基準でしか人を判断しない、あんたや世の中の基準が間違ってる。人が生きる上で欠かせないのが住居なのに人の価値を職業、年齢、収入、国籍で値踏みし、貸すか貸さないかの線引きを行う。その線引きしているのが信用会社、その仕組みがおかしいと思いませんか!」
憤り、帰れと声を荒げる貴島に永瀬は続けます。
「ただし、実際に家賃の不払いなど不利益を被る可能性があるオーナー様の事情もわかります。トラブルが起きそうな人物を回避したいのもわかる。ですが、データや基準だけで人は判断できない、人間性を目で見て中身を判断すべきです。」
「彼の見た目はこんなですが、優しさと勇気に溢れた方です。地に足をつけた人生を歩めると登坂不動産が保証します、お二人は信用できる人間です。」
そんな永瀬の様子を見ていた藤森も土下座をし、こう続けました。
「これまでチャラくてこれまで定職に就けず、ふてくされていい加減なことをたくさんやってきました。これからは彼女と、生まれてくる子どもには胸を張れる人間でいたいんです。」
「お願いします、一度だけチャンスをください」と。
熱い想いを聞き、貴島は二人からの手紙をうけとりました。
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最終的に、貴島は審査に幅のある独立系の賃貸保証会社に加入することを条件に藤森の入居を認めました。
成約にこぎつけたのは永瀬と月島の努力が大きかったものの、登坂不動産としては十影のはじめての成約となった今回の出来事。
どこか感じるところがあったのか、タムパ主義の十影が始業10分前に出社して準備をしていたのでした。
さて、今回ご紹介した第四話は「家賃保証」「入居審査」がキーワードとなるエピソードでした。
入居審査では不動産会社やオーナーが安心して物件を貸せる人物であるかどうかを審査するもので、収入や勤務先などさまざまな情報から主に以下の項目をチェックします。
・常識のある人物か ・家賃の支払い能力は十分にあるか ・(保証人が必要な場合)連帯保証人の保証意思はあるか |
また、審査はオーナー自ら行うケースもありますが、物件の管理を委託された管理会社が実施することもあります。
上記のうち家賃の支払いに関して、かつては連帯保証人をつけることが一般的でした。
しかし、昨今では高齢者単身世帯の増加や人間関係の希薄化などを理由として連帯保証人をつけることが難しくなりつつあります。
そのため、現在では賃貸契約を結ぶ際に家賃保証会社(賃貸保証会社)を利用するケースが大半です。
第四話でもあったように、賃貸保証会社を利用する際は職業や雇用形態、収入、年齢、過去の滞納履歴などさまざまな項目で審査が行われ、家賃の支払い能力が十分であるかどうかをチェックされます。
また、家賃保証会社は大きく以下3つのタイプに分けられます。
信販系 | 信用情報を利用しており、申込者の信用情報を審査に活用する。 一般的に審査は厳しめ。 |
協会系 | 協会に加盟している会社間で、家賃の滞納歴や入居中のトラブルを共有している。 信販系よりは審査が通りやすい。 |
独立系 | 信販系と協会系以外の保証会社。独自の基準を持って審査している。 他の2つに比べて審査が比較的緩い。 |
それぞれ特徴が異なるほか、物件のオーナーによってどの保証会社を利用するかは異なります。
(第四話で貴島オーナーは信販系を採用していた)そのため、入居前にどのタイプを採用しているのか、不安がある場合には聞いておくとよいでしょう。
自身の身の丈に合った賃貸保証会社を採用している物件に申し込むことで、審査落ちのリスクを低減できます。
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元信託銀行員。宅建士・ 2級FP技能士をはじめ、複数の金融・不動産資格を所持。それらの知識をもとに、「初心者にもわかりやすい執筆」を心がけている。2児の子育て中でもあり、子育て世帯向けの資産形成、女性向けのライフプラン記事を得意とする。
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