価格上昇率で5位にランクインした江東区は、ここ数年でさらに注目を集めているエリアです。
マンションナビの最新データによると江東区は、再開発プロジェクトの進展や新しい住環境の整備から、価格上昇率で注目を集めるエリアです。
本記事では、具体的な数値やグラフを踏まえながら、江東区のマンション価格の推移をわかりやすく読み解いていきます。
調査期間: 2016年4月~2025年4月
調査機関: マンションナビ
調査対象: 東京都23区のマンション
データ基準: 調査期間中の東京都23区におけるマンション売買価格の中央値
「マンション売買価格の中央値」を指標とすることで、市場の動きや価値の変化を多角的に分析できます。
上昇率=(現在の値ー基準値)÷基準値×100%
【例】1年前に1,000,000円だった㎡単価が、現在は1,250,000円の場合。
(1,250,000-1,000,000)÷1,000,000×100=25…よって25%の上昇率がみられる。
東京全体から江東区の価格比較(2016年→2025年)
東京23区全体と比較することで、江東区の価格上昇がどれほど際立っているかがより明確になります。ここでは、まず東京都全体、そして23区全体の価格推移を確認した後、江東区の動向と比較します。
東京都全体の平均価格
2025年4月時点での東京都全体のマンション平均売買㎡単価は101万円で、9年前と比べて61.2%上昇しています。直近1年間でも13.1%の上昇が見られ、堅調な価格推移が続いています。
このような推移からも世界有数の大都市・東京としての地力と、資産価値の安定性が浮き彫りになっています。


23区全体の平均価格

2025年4月時点での東京23区におけるマンション平均売買㎡単価は約106万円です。これは2016年(当時約65万円)と比べて約63%の上昇となっています。
背景には、都心部への人口集中、再開発の進展、長引く低金利政策などが挙げられ、東京23区の中でも特に江東区や中央区、港区などの湾岸・都心エリアは、価格上昇率が高い傾向です。
ただし、23区全体の平均だけでは見えにくいそれぞれのエリア特性や変化に注目することが大切です。
たとえば、都心の港区や中央区は再開発やブランドイメージで高値を維持し続けている一方、城東や城北エリアでは、生活利便性や住環境の変化が価格に反映されやすい傾向です。
マンション選びの際は、こうしたエリアごとの個性や将来性にも目を向けてみましょう。
江東区は都心アクセスと新しい街づくりで注目の的に
江東区は、タワーマンションの増加や湾岸エリアの再開発により、価格上昇が続いています。
江東区のマンション平均売買㎡単価は、この9年間で実に68.2%の上昇を記録。2016年時点では約61万円だった平均売買㎡単価が、2025年には102万円にまで上昇しました。


マンション価格変動の背景とポイント
江東区をはじめとする湾岸エリアのマンション価格上昇には、いくつかの要因があります。
- 大規模再開発の進行
豊洲・有明エリアを中心に再開発プロジェクトが進み、街の利便性やブランド力が向上しています。
- タワーマンションの増加
新しいタワーマンションの建設が進み、現代的な住環境と将来性が評価されています。
- 住みやすさと将来性
住環境の良さや比較的手頃な価格帯が魅力となり、今後の成長性にも期待が集まっています。
一方で価格高騰による買い手離れ、金利上昇リスク、管理費や修繕費の増加などにも注意が必要です。

江東区にあるマンションの価格推移
”パークタワー豊洲”の価格推移
江東区を代表するタワーマンション「パークタワー豊洲」も価格が大きく変動しています。2016年には93万円だった平均売買㎡単価が、2025年には170万円になり、およそ83%上昇となっています。
2016年: 93万円/㎡
2025年: 170万円/㎡(+82.8%)


東京23区価格上昇率ランキング(2025年4月時点)
東京23区における9年前との上昇率をランキング形式で紹介します。過去9年間で各エリアがどのように変動してきたのかを可視化しました。
売買の最適なタイミングを見極めるヒントとして、ぜひご活用ください。
23区 2025年4月時点
順位 | 23区 | 上昇率(9年前比) | ㎡単価(万円) |
---|---|---|---|
1 | 港区 | 111.7% | 215.0 |
2 | 千代田区 | 95.1% | 185.0 |
3 | 中央区 | 93.5% | 158.0 |
4 | 渋谷区 | 91.3% | 174.0 |
5 | 江東区 | 68.2% | 102.0 |
6 | 新宿区 | 64.9% | 121.0 |
6 | 足立区 | 64.9% | 56.0 |
8 | 品川区 | 64.2% | 120.0 |
9 | 文京区 | 59.8% | 116.0 |
10 | 台東区 | 58.3% | 99.0 |
10 | 葛飾区 | 58.3% | 59.0 |
12 | 豊島区 | 57.1% | 103.0 |
13 | 目黒区 | 57.0% | 126.0 |
14 | 荒川区 | 53.9% | 79.0 |
15 | 北区 | 50.7% | 82.0 |
16 | 世田谷区 | 48.7% | 98.0 |
17 | 墨田区 | 47.2% | 86.0 |
18 | 中野区 | 46.0% | 90.0 |
19 | 江戸川区 | 45.4% | 62.0 |
20 | 板橋区 | 43.1% | 67.0 |
21 | 杉並区 | 40.0% | 85.0 |
22 | 大田区 | 37.4% | 80.0 |
22 | 練馬区 | 37.4% | 71.0 |
江東区は、直近9年間で安定した価格上昇を続けており、23区中でも5位という高い上昇率を記録しています。
長期的にも堅調な推移を見せており、再開発や生活利便性の向上などを背景に、現在も安定した需要が続いていることがうかがえます。
FAQ
まとめ
江東区のマンション価格は、再開発や住みやすい街づくりの影響で、しっかりと上昇を続けています。
特にタワーマンションは人気が高く、資産価値の面でも注目される存在です。実際に、9年間で価格は約1.7倍に。「買って終わり」ではなく、「住んで良し・持って良し」のエリアとして、今後も期待が持てる地域といえるでしょう。
データ提供/マンションナビ