マンション売却時におけるハウスクリーニングの重要性と費用相場
「マンションの売却活動を始める前に、ハウスクリーニングをおこなったほうが良いのだろうか…」
このようなお悩みを抱えていませんか?
ハウスクリーニングは売り手の義務ではありませんが、多くのメリットがあるサービスです。
この記事では、ハウスクリーニングの概要やメリット・デメリット、費用相場について解説します。

ハウスクリーニングとは?
ハウスクリーニングとは、清掃の専門業者に住まいを隅々までキレイにしてもらうサービスのことです。
以下のように、さまざまな目的で利用されます。
- 賃貸物件で借主の退去後、新たな入居者を募集するための準備として
- 年末の大掃除の代わりに
- 住まいを長持ちさせるための定期的なメンテナンスとして
この章では、マンション売却におけるハウスクリーニングのメリット・デメリットや、具体的な清掃内容について解説します。
ハウスクリーニングのメリット
マンション売却におけるハウスクリーニングには、以下のようなメリットがあります。
- プロの技術で住まいをキレイにしてもらえる
- 清掃する箇所に漏れが出にくい
- 購入希望者が増える可能性がある
ハウスクリーニングで使うのは、業者専用の洗剤や清掃道具です。
清掃のプロの技術も相まって、自分では落とせない汚れや、手が届かない場所までキレイにしてくれます。
さらに清掃業者は、数多くの住まいを見てきた経験から、清掃しておいたほうが良いポイントを理解しています。
住んでいると気づきにくい汚れや、開けたことのないような箇所の汚れも指摘してもらえるため、清掃の漏れが出にくいです。
マンションの購入希望者から、汚れがあるという理由で値引き交渉されたり、トラブルに発展したりするリスクも減らせるでしょう。
キレイな住まいは印象が良いため、ハウスクリーニングによって購入希望者が増える可能性もあります。
ハウスクリーニングのデメリット
メリットが多いハウスクリーニングですが、以下のようなデメリットもあります。
- 費用がかかる
- 住まいに傷が付くリスクがある
大きなデメリットは、費用がかかる点です。
ハウスクリーニングによって購入希望者が増え、早く売却できる可能性はありますが、マンションの売却価格を上げられるほどの効果は期待できません。
清掃のために家具を動かした際に、床や壁に傷が付いてしまうリスクもあります。
業者にハウスクリーニングを依頼する前には、賠償責任保険への加入状況も確認しておきましょう。
ハウスクリーニングの内容
ハウスクリーニングの具体的な清掃内容について、「エアコン・フローリング・換気扇・壁紙・浴室・トイレ」の6箇所に分けてご紹介します。
代表的な清掃箇所なので、業者への依頼時に参考にしてください。
エアコン
エアコンのクリーニングでは、パーツを取り外してから内部に洗剤を吹き付けるのが一般的です。
内部のホコリや汚れに洗剤をなじませたら、高圧洗浄機で一気に洗い流します。
はじめに取り外したパーツも、ブラシや洗剤などを使ってキレイにします。
最後にエアコン本体やパーツの水滴を拭き上げ、元に戻す流れです。
自分でエアコンを掃除する場合、外側の拭き上げやフィルターのホコリ取りくらいしかできません。
複雑かつ繊細な構造のエアコン内部は、無理に掃除すると故障や感電などにつながるおそれがあります。
エアコン内部の汚れは、送風時のにおいの原因にもなるため、マンション売却前にクリーニングしておいたほうが良いでしょう。
フローリング
フローリングのクリーニングは、表面の洗浄後にワックスを塗布します。
ワックスの塗布は、家具の移動や養生が必要になる大掛かりな作業です。
プロに依頼することで、的確かつ迅速に対応してもらえます。
ワックスを塗布したフローリングは輝きを取り戻すため、購入希望者に良い印象を与えるでしょう。
業者によっては、古いワックスを剥がしてから塗り直すパターンもあり、そのほうが均一でキレイな仕上がりとなります。
換気扇
キッチンの換気扇はホコリや油を吸い込むため、頑固な汚れが溜まりやすい部分です。
パーツを取り外してつけ置きし、汚れを浮かせてからブラシなどでこすります。
本体の汚れも拭き上げ、乾かしてからパーツを元に戻す流れです。
調理をするキッチン周りの清潔感は、マンションの買い手にとって気になる点です。
換気扇は自分で掃除できる範囲が限られているため、業者に依頼して新品のような姿に戻してもらいましょう。
壁紙
壁紙のクリーニングでは、ホコリを取り除いたり、洗浄で汚れを落としたりするのが一般的です。
業者によっては、汚れの範囲に応じて壁紙を塗り直してくれるケースもあります。
毎日見ている壁紙は、汚れていることに気づきにくいものです。
壁紙は面積が広いため、クリーニングで白さを取り戻すことで、部屋が一気に明るく見えます。
浴室
湿度が高く、カビや水垢などが発生しやすい浴室は、全体的に清掃してもらえるケースが多いです。
水垢によって曇った鏡や蛇口まわり、頑固なカビが生えた壁も、プロに任せればピカピカになります。
排水口のぬめりや浴槽の皮脂汚れも、洗剤を使い分けながら落としてもらえます。
汚れが落ちることで、気になるにおいが解消されるという点も、浴室クリーニングのメリットのひとつです。
浴室の清潔感は、内覧時の好印象につながります。
トイレ
トイレのクリーニングは、便器はもちろん、壁や天井、床まで清掃してもらえます。
便器の中やフチ裏にこびりついた頑固な汚れを落とすためには、素材に合わせた洗剤やプロの清掃技術が必要です。
クリーニングでは、トイレ全体に付着した見えない汚れまで拭き上げてもらえるため、嫌なにおいも解消されます。
トイレの汚れやにおいは、中古住宅の購入を検討するうえで気になるポイントです。
業者に依頼して、清潔感のあるピカピカな状態にしておきましょう。
マンションのハウスクリーニング費用【相場・戸建てとの違い】
ここでは、マンションのハウスクリーニング費用について解説していきます。
以下の3点について、詳しく見ていきましょう。
- 間取り別・箇所別のハウスクリーニング費用相場
- ハウスクリーニング費用が相場よりも高くなるケース
- マンションと戸建てのハウスクリーニング費用の違い
間取り別・箇所別のハウスクリーニング費用相場
室内全体のクリーニングを依頼する場合は、間取りごとに料金が設定されているケースがほとんどです。
エアコンやキッチンなど、ピンポイントの依頼であれば、清掃箇所ごとの料金が適用されます。
間取りごとのハウスクリーニング費用の相場は、以下のとおりです。
間取り | 費用相場 |
---|---|
1R・1K・1DK | 3万円~5万円 |
1LDK・2LDK・3DK | 4万円~7万円 |
3LDK・4DK | 5万円~10万円 |
4LDK〜 | 8万円~ |
清掃箇所ごとに見ると、以下のような費用相場となります。
清掃箇所 | 費用相場 |
---|---|
エアコン | 1.2万円〜2.3万円 |
フローリング | 1.2万円〜2万円 |
換気扇 | 1.6万円〜1.8万円 |
壁紙 | 1.3万円〜1.9万円 |
浴室 | 1.8万円〜2万円 |
トイレ | 1万円〜1.2万円 |
ハウスクリーニングにかかる費用は、業者やエリア、居住状況、汚れの程度などによって変わります。
業者に依頼する際は、マンションの情報を元に見積もりを出してもらいましょう。
ハウスクリーニング費用が相場よりも高くなるケース
以下のようなケースだと、ハウスクリーニングの費用が相場よりも高くなってしまう可能性があります。
- 居住中に依頼する
- オプションを付ける
- 部屋が広い
マンションに住んでいる状態でハウスクリーニングを依頼すると、費用が高くなる傾向があります。
家具や家電を保護したり、移動したりする作業が発生してしまうためです。
オプションによってハウスクリーニングの費用が高くなるケースもあります。
除菌消臭やコーティング加工など、業者ごとにオプションの範囲や単価が異なるため、あらかじめ料金体系を確認しておきましょう。
またフローリングや壁紙のクリーニングでは、部屋が広いほど作業範囲が広がるため、費用も高くなります。
マンションと戸建てのハウスクリーニング費用の違い
部屋数が同じでも、マンションよりも戸建てのほうが、ハウスクリーニングの費用が高くなりやすいです。
マンションであれば、部屋の形や配置がある程度決まっているため、基本的には間取りどおりの料金が適用されます。
一方で戸建ての場合、階段や長い廊下があったりトイレが2つあったりするため、間取りによっては追加料金がかかる可能性が高いのです。
ハウスクリーニングの費用を安く抑えるコツ
ハウスクリーニングの費用を安く抑えるコツは、以下の3つです。
- 繁忙期を避ける
- 複数の業者から見積もりをもらう
- パッケージプランを利用する
マンションの売却時には、税金や手数料などで支出が増えるため、可能な限りハウスクリーニング費用を安く抑えていきましょう。
繁忙期を避ける
繁忙期を避けたタイミングでハウスクリーニングをおこなうと、安いプランが出ていたり、値引きしてくれたりする可能性があります。
ハウスクリーニングの繁忙期は、引越しが多い3月〜4月頃と、大掃除の時期である12月です。
6月〜8月頃には、エアコンのクリーニング依頼が増えます。
ハウスクリーニングの繁忙期には、料金が高くなるだけでなく、予約が取りづらいというデメリットもあります。
マンションの売却スケジュールに余裕があれば、繁忙期を避けた1月〜2月・9月〜10月頃にハウスクリーニングをおこないましょう。
複数の業者から見積もりをもらう
ハウスクリーニングの業者を選ぶ際には、複数の業者に見積もりをもらいましょう。
見積もりから以下のポイントをチェックして、お得な業者を選ぶことが大切です。
- 標準プランの作業内容
- オプション範囲
- 補償内容
- 見積もりの総額と内訳
標準プランの作業内容に、希望するクリーニングが入っているほうが安く済みます。
複数のオプションを組み合わせることになると、合計額が高くなりやすいためです。
ハウスクリーニングでは、家具を移動させる際に床を傷つけるなどの損害が発生する可能性がゼロではありません。
万が一のことを考えて、補償内容も確認しておきましょう。
また「何にいくらかかるのか」が明確な見積もりのほうが、実際に依頼するうえで安心できます。
総額や内訳を見て、わからない点があれば業者に質問してみてください。
ハウスクリーニング業者の見積もりを比較することで、相場を掴めるだけでなく、サービスの違いもチェックできます。
パッケージプランを利用する
ハウスクリーニング費用を安く抑えるコツとして、パッケージプランの利用も挙げられます。
パッケージプランとは、複数の清掃箇所を組み合わせることで、1箇所だけの依頼よりも単価が安くなるというものです。
「水回りだけ」「リビングだけ」など、業者によってさまざまなプランがあります。
キレイにしたい箇所をピックアップしたら、パッケージプランの有無を確認しましょう。
マンション売却時のハウスクリーニングに関するQ&A
ここでは、マンション売却時のハウスクリーニングに関するQ&Aをご紹介します。
マンション売却時におけるハウスクリーニングまとめ

この記事で解説した、マンション売却におけるハウスクリーニングのポイントは以下のとおりです。
- ハウスクリーニングとは、清掃の専門業者に住まいを隅々までキレイにしてもらうサービスのこと
- ハウスクリーニングをおこなうと、マンションの購入希望者が増える可能性がある
- 一方で「費用がかかる」「住まいに傷が付くリスクがある」というデメリットもある
- ハウスクリーニングの代表的な清掃箇所は「エアコン・フローリング・換気扇・壁紙・浴室・トイレ」
- 部屋の広さやオプションによって費用が高くなる可能性がある
- ハウスクリーニング費用を安く抑えるポイントは「閑散期」「相見積もり」「パッケージプラン」
手間はかかりますが、複数の業者を比較して適切なハウスクリーニングをおこなうことで、スムーズなマンション売却となる可能性が高まります。
購入希望者に好印象を持ってもらえるよう、予算内で最善を尽くしましょう。
またハウスクリーニングをおこなう前に、現時点のマンションの価値を知りたい場合は、一括査定がおすすめです。
マンション専門の一括査定サービス「マンションナビ」は、インターネットから複数の不動産会社へ簡単に査定依頼ができます。ぜひご活用ください。
詳しいハウスケア情報はこちら