不動産投資の失敗事例5選!注意点や成功させるポイントを解説!

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不動産投資は、多くの人が資産を増やす手段として注目しています。しかし、不動産投資にはリスクも伴うため、成功するためには一定の知識が必要です。不動産投資の失敗事例をあらかじめ把握しておき、失敗を避けるためのポイントを理解しておくことは、すべての不動産投資家に求められることだといえるでしょう。

本記事では、不動産投資での失敗事例やその対策を例示しながら、不動産投資を成功に導くポイントを解説します。

目次

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不動産投資の失敗事例5選   

まずは、よく起こりがちな不動産投資の5つの失敗事例を見ていきましょう。

失敗事例1.利回りだけ見て物件を選んでしまった 

失敗事例

「利回り15%」と物件情報サイトに書いてあったのに、実際には空室率が多く、その半分の利回りも確保できていない。利回り15%を想定してローンの借入額も決めたので、返済も厳しい……

「利回り」は、投資物件の収益性を表す指標の1つです。物件情報にも必ず明記されている利回りですが、その意味を正しく理解せずに物件を選んでしまうと「想定通りの収入が上げられない」など大きな失敗に結びつきやすくなります。

「利回りが高い物件を選べばいい」と考えているのであれば、それは投資判断としてやや安直です。たしかに高利回りであるに越したことはありませんが、大事なのはその利回りが実現できるかです。

2つの利回り

物件情報で表示されている利回りは、経費などの出費が考慮されておらず、満室経営を想定した「表面利回り」であることも少なくありません。経費がかさみ、空室率も高くなれば、実態と利回りの差は大きくなり、事例のようにローン返済ができなくなってしまったり、想定通りの収益が上げられなくなったりするおそれがあります。

失敗事例2.不動産会社の言葉を鵜呑みにしてしまった  

失敗事例

「このエリアは人気が出てくる」という不動産会社の言葉を信じて、高額な物件を購入。しかし、実際にはエリアの人気は伸び悩み、入居希望者が集まらない状態が続いた。

不動産投資の前に第三者の意見やアドバイスを参考にするのは良いことですが、それだけを鵜呑みにするのはリスクがあります。

昨今では、不動産投資人気の高まりを受け、不動産投資物件の販売業者や不動産投資コンサルティングを行う企業が増えています。しかし、これらの企業の見解やシミュレーションには、自社やその商品をよく見せるための要素が多分に含まれている可能性があります。

投資するのは、投資家自身に他なりません。複数の情報源を元に、自分自身でしっかりとした市場調査と分析を行うことが重要です。

失敗事例3.サブリース契約を理解せずに投資を始めてしまった

失敗事例

サブリース契約に魅力を感じ、物件を購入。しかし、実際にはサブリース会社からの家賃保証が一時的であり、その期間終了後には大幅な家賃ダウンや空室が続出。家賃収入が大きく減少し、ローン返済に困難が生じた。

サブリース契約に基づく不動産投資は、サブリース業者を貸主とした転貸という構図です。

サブリース業者による「家賃保証」や「滞納保証」は、オーナーにとって魅力的に映るでしょう。しかし、保証される家賃の金額やその後の家賃の取り決めなど契約内容をしっかり理解しておかないと、後々、大きなトラブルの原因となり得ます。サブリース契約に飛びつく前に、契約の詳細や会社の信頼性をしっかりと確認することが重要です。

失敗事例4.節税目的で不動産投資して失敗

失敗事例

節税を主目的として物件を購入。しかし、物件の収益性や運営コストを軽視してしまい、収益が想定よりも低く、結果として経済的な負担が増加した。節税効果も期待したほどではなかった。

節税効果も不動産投資のメリットの1つですが、それだけを目的としてしまうと、収益性の低い物件を選択してしまうリスクがあります。

不動産投資で節税効果が得られる人やケースは限定的です。まず、給与などのその他の所得との損益通算により節税効果を出すには、賃貸住宅経営で帳簿上の赤字を作らなければなりません。減価償却費は複数年に分散できますが、不動産の取得にかかった費用は購入した年しか計上できないため、2年目以降、自分が求めるだけの節税効果が得られるかよく確認する必要があります。

減価償却費も、未来永劫、計上できる経費ではありません。物件の構造や築年数によって計上できる期間は決まっているため「不動産投資=節税できる」とは思わず、自身の収入や物件の状況を基にシミュレーションをして節税効果を確かめることが大切です。

失敗事例5.返済計画の甘さから破綻

失敗事例

物件の収益見通しに基づいて、毎月の返済額を計算しローンを組んだが、予想外の出費や空室率の上昇、予期せぬ大きな修繕費などが発生し、毎月の収益が減少。当初の計画通りの返済が難しくなり、結果的にローンの返済に苦しむ状況となった。

返済計画の甘さは、多くの不動産投資家が陥る失敗の1つです。物件の収益性や市場動向を過大に評価し、楽観的な返済計画を立ててしまうと、思わぬ状況変化により計画が狂ってしまうリスクがあります。

ローンを組んで投資物件を購入する場合は、常に最悪のシナリオを想定し、冷静な判断で返済計画を立てる必要があります。たとえば、物件の老朽化に伴う修繕費用や経済情勢による空室率の上昇など、想定外の出費やリスクが発生する可能性を常に考慮することが大切です。

また、ローン返済計画を立てる際には、十分な資金をリザーブとして確保することも大切です。不測の事態に備え、いざという時に返済の資金を確保できるような計画を立てることで、投資のリスクを低減できます。

不動産投資に失敗する人の特徴  

不動産投資の失敗要因は多種多様ですが、失敗する人にはいくつかの特徴があります。

1.投資目的が明確ではない

不動産投資に失敗する投資家は、投資に対して何を求めているか明確になっていなことも少なくありません。目的が明確でないと、流行りの物件に飛びついたり、周囲の声に流されやすくなったりする傾向にあります。長期的な視点での投資戦略を形成しないまま投資を始めてしまう結果、市場の変動や困難な局面に適切に対応できず、不動産投資が失敗に終わることが多くなってしまうのです。

不動産投資の目的は、次のようにさまざまです。

  • セカンドインカムを得たい
  • 売却益を狙って大きく稼ぎたい
  • 節税したい

目的によって、選ぶべき物件や取るべき出口戦略、適切なローン借入額は異なります。まずは、自分が何を目的に不動産投資をするのかを明確し、目的に則した投資判断をしましょう。

2.投資に主体性がない 

成功する投資家は、様々な情報やアドバイスを受けながらも、最終的には自らの考えに基づいて投資判断しています。

他者の意見やアドバイスだけに頼って、物件選びや管理、出口設定などをしてしまうと、市場の変化や突発的な問題に柔軟に対応することが難しくなります外部の情報を活用する一方で、自らの意見や判断も大切にし、バランスよく投資判断することが重要です。

3.インプット不足

不動産投資で成功するには、常に市場の変動や新しい情報、税制の変更などにアンテナを張り巡らせておく必要があります。これらの情報収集を怠ったり、一度学んだ知識に固執し、新しい情報に目を向けなかったりすることも、不動産投資の失敗要因の1つとなります。

情報や知識のインプットやアップデートは、投資のリスクを減少させ、より適切な判断をするための武器となります。第三者の意見を聞くこともまた、インプットの1つです。しかし、単に言われるまま動くのではなく、自分の中に落とし込んだうえで、主体性を持ってアウトプットしていかなければなりません。

不動産投資で失敗しないための注意点   

不動産投資で失敗しないためには、リスクを想定した準備やリスクに対応できる運用が求められます。

不動産投資のリスクを知る

不動産投資の5大リスク

不動産投資での失敗を避けるには、失敗の要因となるリスクを知ることが大前提となります。不動産投資の主なリスクには、次の5つが挙げられます。

  1. 空室リスク
  2. 滞納リスク
  3. 老朽化リスク
  4. 金利上昇リスク
  5. 自然災害リスク

リスクの詳細や回避策は、以下の記事をご覧ください。

キャッシュフローを重要視する   

キャッシュフローとは、賃料収入から支出を差し引き、手元に残る現金を指します。このキャッシュフローがしっかりとプラスになるような物件を選ぶことが、安定した不動産投資の第一歩です。キャッシュフローに余裕があると、上述したリスクを避けられる可能性も高まります。

会計上、減価償却費などを計上することで赤字になっても、実態はキャッシュフローがプラスとなることも少なくありません。節税目的の投資だとしても、実質的な損失が大きくなってしまわないよう、またリスクに備えられるよう、キャッシュフローを重視した投資が求められます。

詳細なシミュレーションを行う

リスクを回避するには、リスクを想定したシミュレーションをすることが求められます。

先のとおり、物件情報として提示されている利回りは、満室経営できる前提かつ経費が考慮されていない「表面利回り」であることも多いものです。「利回り10%だから10年で回収できる」と安直に考えるのではなく、修繕費などの突発的な出費や空室率の上昇などのリスクを想定したうえで詳細なシミュレーションを行いましょう。

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不動産投資を成功させるポイント   

最後に、不動産投資の成功に導く3つのポイントを確認しておきましょう。

1.物件相場や周辺環境を念入りに調査して投資に臨む

物件選びは、不動産投資の成功を大きく左右します。そのエリアの家賃相場や近隣の公共・商業施設、さらには将来の開発計画なども調査して、物件の将来性をしっかりと見極めることが大切です。魅力的な環境の物件は、入居者がつきやすく、家賃も安定しやすい傾向にあります。

失敗事例を踏まえると「人気のエリア」「収益性が高い物件」といった第三者の助言や見解を参考にしても、鵜呑みにしないようにしましょう。家賃相場や周辺の環境、開発計画などは、自分でもインターネットで簡単に調べることもできます。

不動産投資をしている間には、さまざまな場面で判断を求められます。他者の「解釈」はあくまで参考にとどめ、一次データを自身で収集し、判断する“クセ”をつけることをおすすめします。

2.常に資産価値を把握しておく

不動産投資をしている間は、常に物件の資産価値を把握しておきましょう。運用中の収支バランスももちろん重視すべきですが、不動産投資は出口(売却)が決定して初めて利益が確定します。従って、常に出口をどこにおくか考えておく必要があるのです。

資産価値を常に把握しておくことで、以下のよう見通しを立てることができます。

  • 売却したお金でローンを完済できるか
  • 投資全体で得られる利益
  • 買い替え先の予算

3.臨機応変な投資判断を心がける

不動産投資を始める前には、リスクまで想定した具体的なシミュレーションが求められます。しかし、必ずしもシミュレーション通りに運用できるとは限りません。

不動産市場は、日々の経済状況や政策によって変わっていくものです。新型コロナウイルスの感染拡大など、誰もが予想し得なかった不足の事態に陥る可能性もあります。暮らし方、働き方の変化や価値観の多様化により、これまでの常識だった「都市部一極集中」や「駅近一択」といった人口の流れや物件の人気の傾向も、今後変わっていく可能性があります。

「変化」への対応力もまた、長期にわたる不動産投資において求められる重要な要素です。固定観念や投資当初のシミュレーションに捉われることなく、臨機応変な投資判断を心がけましょう。

不動産投資についてのよくある質問   

1.人口が減少しているけど、不動産投資に手を出して大丈夫?

人口の減少は、たしかに不動産投資にとって向かい風の1つとなります。しかし、すべてのエリアが同じような人口の推移を見せていくわけではないはずです。人口減少により、経済活動の場所をまとめる「コンパクトシティ」の形成が各地で進んでいます。エリアを選べば、今後も不動産投資は効果的な資産形成手段の1つだと考えられます。

2.不動産投資に失敗する要因は?

「利回りだけ見て物件を選んでしまった」「不動産会社の言葉を鵜呑みにしてしまった」などが要因になるものと考えられます。詳しくは本文をご覧ください。

3.不動産投資の失敗を回避するために大切なことは?

リスクを想定したうえで詳細なシミュレーションを実施し、キャッシュフローを重視した運用をすることが大切です。

 

「不動産投資 失敗」まとめ

不動産投資は大きなリターンを得るチャンスがある反面、リスクも一定程度あります。主体性を持った情報収集やリスクを想定した資金計画を怠ってしまうと、大きな失敗にもつながりかねません。失敗を回避するためには、良質な情報を取得し続けることも大切です。

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この記事を書いた人

亀梨奈美のアバター 亀梨奈美 不動産ジャーナリスト/株式会社realwave代表取締役

大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。
2020年11月 株式会社real wave 設立。
不動産会社在籍時代は、都心部の支店を中心に契約書や各書面のチェック、監査業務に従事。プライベートでも複数の不動産売買歴あり。
不動産業界に携わって10年以上の経験を活かし、「わかりにくい不動産のことを初心者にもわかりやすく」をモットーに各メディアにて不動産記事を多数執筆。

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