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買主は瑕疵があることを知らずにマンション、戸建て、土地を購入してしまった際には瑕疵担保責任(契約不適合)を売主に対して問うことができるとされています。瑕疵担保責任(契約不適合)とはどのような責任なのでしょうか。また、売主は瑕疵担保責任(契約不適合)を買主に問うことで、どれほどの請求がされるのでしょうか。買主から瑕疵担保責任(契約不適合)でどれほどの損害を請求されるのかを解説して行きます。
瑕疵担保責任における買主の請求を説明する前に、まずは瑕疵担保責任自体がどのような責任なのかについて解説していきます。
瑕疵担保責任の瑕疵(かし)は普段あまり耳にする言葉ではないでしょう。瑕疵とは、売買契約の目的物であるマンション、戸建て、土地などの不動産有しているはずの性能や品質にかけてしまっていることです。マンションや戸建てなどの建築物における瑕疵としてあげられる具体例は雨漏り、シロアリによる被害、土壌汚染、過去に犯された事件、近隣の騒音・異臭・振動などがあります。
上記のような瑕疵が売買のタイミングで注意していたのにも気づけず、引き渡し後に発覚したとしましょう。このとき見つかった瑕疵のことを「隠れた瑕疵」と言います。
瑕疵担保責任とは、「隠れた瑕疵」が発見された際に、買主に損害が出てしまわないよう売主が責任を取ることです。買主は、瑕疵が発見されてから1年間であれば、売主に対して瑕疵担保責任を問い、損害賠償の請求ができます。
瑕疵担保責任の規定は、原則決まっています。原則的に決められている規定は売主の責任がかなり重いです。そのため負担を軽減するために、売主と買主が話し合って定めた「任意規定」を定めるのが一般的です。期間についても、原則瑕疵担保責任を売主に問えるのは発見されてから1年間とされています。しかし、引き渡しから3ヶ月間がより一般的な期間となります。
・瑕疵とは、売買契約の目的物であるマンション、戸建て、土地などの不動産有しているはずの性能や品質にかけてしまっていること。
・瑕疵が売買のタイミングで注意していたのにも気づけず、引き渡し後に発覚したと場合に見つかった瑕疵のことを「隠れた瑕疵」と呼ぶ。
・瑕疵担保責任とは、「隠れた瑕疵」が発見された際に、買主に損害が出てしまわないよう売主が責任を取ること。
瑕疵担保責任は、2020年4月に民法改正により「契約不適合責任」になり、内容が大幅に見直されました。改正点は多岐に渡りますが、主なものを2つ紹介しておきます。「瑕疵」の概念が取り払われた点と、保証範囲が変更された点の2点です。
まず、「瑕疵」の概念が取り払われた件についてです。そもそも「瑕疵」という言葉が日常的に使われるものではないため、わかりづらいとされて名称が「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」へと改正されました。瑕疵の概念がなくなり、売主に対しての責任が軽くなったと思いきや、そうではありません。契約不適合責任では、売買された不動産が契約の目的に合わなかった場合の責任が問われます。そのため瑕疵でなくても、契約の目的に満たなければ責任を問われることになりました。一部損傷のある物件を完全なものとして売却した場合、契約と不動産の状態が不適合であるため、契約不適合責任を問われることになります。
また、瑕疵担保責任よりも広い範囲での責任が問われるようになったのも事実です。瑕疵担保責任では「隠れた瑕疵」が責任の対象でした。しかし、隠れていたことの証明が難しく認められない場合も。そこで契約不適合責任では、隠れているかいないかに関わらず、欠陥がある場合には買主は売主に対して責任を問えるようになったのです。
・瑕疵担保責任は、2020年4月に民法改正により「契約不適合責任」になり、内容が大幅に見直された。
・契約不適合責任では、売買された不動産が契約の目的に合わなかった場合の責任が問われ、瑕疵でなくても、契約の目的に満たなければ責任を問われることになった。
・さらに、契約不適合責任では、隠れているかいないかに関わらず、欠陥がある場合には買主は売主に対して責任を問えるようになった。
瑕疵担保責任の中で、買主は売主に対して2つのうちのどちらかを請求することができます。「追完請求」と「代金減額請求」の2つです。それぞれがどのようなもので、どのように異なるのかを解説していきます。
「追完請求」とは、売買のあった不動産が品質や性質が契約の目的を満たしていなかった場合に、目的物の補修、代替物の引渡し、または不足分の引渡しを買主が売主に請求することです。追完請求をすることで、改めて契約の目的を満たす「完全なもの」を請求することができます。
仮に付属設備のエアコンが故障していた場合、買主は売主に対して修補費用を請求することができます。修理ができず、代替物が用意できるようであれば新しいエアコンを要求することもできるのです。
対して「代金減額請求」とは、買主が売主に対して追完請求をしたのにも関わらず費用を支払ってもらえなかったり、修補が不可能だったりする際に請求することができるものです。代金減額請求では、元々の購入価格を減額してもらうことを訴えることで、一部払い戻しを請求することです。あくまで追完請求ができなかった場合に請求できます。
仮に土壌汚染があり修理費用を支払ってもらえなかったとします。この場合、買主は売主に対して元々の購入価格から土壌汚染されていることを考慮した額を減額してもらえるよう訴えることができます。
・瑕疵担保責任の中で、買主は売主に対して「追完請求」と「代金減額請求」の2つのうち、どちらかを求めることができる。
・「追完請求」とは、売買のあった不動産が品質や性質が契約の目的を満たしていなかった場合に、目的物の補修、代替物の引渡し、または不足分の引渡しを買主が売主に請求すること。
・「代金減額請求」とは、買主が売主に対して追完請求をしたのにも関わらず費用を支払ってもらえなかったり、修補が不可能だったりする際に請求することができるもの。
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追完請求は、瑕疵があった場合に契約の目的が満たせるよう改めて売主に請求することを指します。具体的にはどのようなことなのでしょうか。
買主は、購入したマンション、戸建て、土地が契約の目的を満たしていないことが購入後に発覚した場合には、売主に対して追完請求をすることができます。発覚から1年間が請求できる期間とされているものの、任意規則を定めている場合にはその規定通りの期間でしか請求をすることができません。不動産の引き渡し後すぐに、すべての設備が正常に稼働するかどうかをチェックしておくことをおすすめします。
雨漏りが発覚した場合、契約書に雨漏りについての記載が一切ない場合には、買主は売主に対して追完請求をすることができます。しかし瑕疵担保責任では、雨漏りがあったとしても「売買の契約前のタイミングから知っていたのか、知らなかったのか」を追求され、なかなか請求に至れませんでした。知らなかったことが証明されれば、修補代の請求ができるようになるのです。
契約不適合責任の場合は、知っていたのか知らなかったのかは重要ではなく、契約目的に満たない場合には追完請求ができるようになりました。
・追完請求は、発覚から1年間が請求できる期間とされているものの、任意規則を定めている場合にはその規定通りの期間でしか請求をすることができない。
・ただし、民法改正後の契約不適合責任の場合は、知っていたのか知らなかったのかは重要ではなく、契約目的に満たない場合には追完請求ができるようになっている。
買主が売主に対して追完請求が請求できなかった場合に請求することのできる代金減額請求。代金減額請求とは具体的にどのようなときに請求することができるのでしょうか。
基本的に、追完請求をするのが瑕疵担保責任です。しかし、中には修補費用を求めることができなかったり、新しいものと交換することができなかったりすることもありますよね。そんなときに請求するのが代金減額請求です。
さらに、追完請求ができるものであったとしても、支払い期限を設けたのにも関わらず売主が対応してくれない場合には代金減額請求をすることができます。
引き渡し後に購入した物件が事故物件であることが発覚したとします。この場合、修補費用を求めることができないため、追完請求をすることはできません。そこで、事故物件だった場合の価格を元々の購入価格から差し引いた額を減額してもらえるよう売主に請求することができます。
・追完請求ができるものであったとしても、支払い期限を設けたのにも関わらず売主が対応してくれない場合には代金減額請求をすることができる。
マンション、戸建て、土地などの不動産を購入した際、中古の物件だと何かしら瑕疵がある可能性があります。瑕疵とは、契約の目的を満たすことのできない欠陥のことです。瑕疵が見つかった場合には瑕疵担保責任を売主に対して問うことができます。民法改正により契約不適合責任になった今、買主の立場はより守られるようになったため、思い切って請求して来られる場合もありますので、売却をする際は要注意です。請求できる期限が限られているので、なるべく早いうちに設備等をチェックするようにしましょう。
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