マンション買い替え時の注意すべきポイント!買い替えの流れと併せて解説!
現在住んでいるマンションでは何かと不便を感じた際に、検討することになるのが「買い替え」です。買い替えについての注意点を知るためには、どのような流れで手続きを進めていかなくてはいけないのかを把握しておく必要があります。買い替えの際に「売り先行」か「買い先行」のどちらを選ぶのかによっても流れや注意点は異なります。それぞれどのようなものなのか、どのような流れで手続きを進めるのか、気をつけるべき注意点は何なのかを解説していきます。

マンションの買い替えとは

マンションの買い替えとは、もともと住んでいた物件を売却し、新居を購入することを意味します。買い換えの一般的な流れは以下の通りです。
- 現在のマンションの評価(査定)
- 売却または購入の優先順位決定
- 資金計画の立案
- 売却活動または購入活動の開始
- 契約および決済
- 引っ越し
家族が増えて手狭になったり、子どもの独立で広すぎる家になったりと、家族構成の変化がきっかけになることが多いでしょう。また、建物の老朽化対策として住み替えを検討する方もいます。転勤や転職で生活拠点を変える必要が出てきたり、単純により便利な場所や、より良い環境に住みたいと思うケースもあるでしょう。最近では、リモートワークの増加に伴い、仕事スペースを確保するために広い家に移りたいと考える人も増えています。
マンションの買い替え時に立ち止まっておくべき3つのポイント
ここでは、マンションの買い替え時に押さえておきたい3つのポイントについて解説します。
POINT①売却先行か、購入先行判断
マンションの買い替えで最初に直面する重要な決断として、現在の物件を先に売却するか、新しい物件を先に購入するかといったことが挙げられます。
売却先行の場合、予算が明確になるため新居選びがしやすくなるほか、二重ローンのリスクを避けられるというメリットがあるでしょう。一方、購入先行の場合は、理想の物件が見つかったらすぐに購入できる柔軟性があることに加え、引っ越しの回数を1回に抑えられる可能性が高くなります。
それぞれの進め方は以下の通りです。
- マンションの売却査定をしてもらう
- 売り出し価格を決める
- 媒介契約を結ぶ(売却)
- 売却活動を始める
- 売買契約を結ぶ
- 売却したマンションの引き渡しをする
- 新居を探し始める
- 売買契約を結ぶ(購入)
- 購入したマンションを引き渡してもらう
- 買い替え先新居を探す
- 売買契約を結ぶ(購入)
- 引渡しを受ける
- マンションの売却査定をしてもらう
- 売り出し価格を決定する
- 媒介契約を結ぶ
- 売却活動を始める
- 売買契約を結ぶ(売却)
- 売却マンションの引渡しをする
どちらを選択するかは、個人の資金力や希望する物件の市場状況、生活環境の変化のタイミングなどを考慮して決定することが大切です。
POINT②資金計画をしっかり立てる
マンションの買い替えにおいて、適切な資金計画を立てることは非常に重要です。資金計画を立てる際は、以下の手順で進めるとよいでしょう。
- 現在のマンションの査定額の確認
- 残債の確認(ある場合)
- 新居の予算設定
- 諸経費の見積もり(仲介手数料、税金、引っ越し費用など)
- 自己資金の確認
- 必要な場合は新規ローンの検討
なお、住宅ローンの残債がある場合には売却益で返済するほか、借り換えを行う、住み替えローンを利用するなどの方法があります。それぞれのケースで最適な選択は異なりますので、ファイナンシャルプランナーや不動産会社に相談するのもひとつの手です。
POINT③スケジュール管理が鍵になる
買い替えのスケジュール管理は、スムーズな住み替えを実現するうえでは欠かせません。売却と購入のタイミングを適切に調整することで、仮住まいの期間を最小限に抑えるほか、二重ローンのリスクも軽減できます。また、一般的な売却から引き渡しまでの流れは以下の通りです。
不要品の整理、軽微な修繕など
内覧対応、価格交渉など
契約書の作成、契約締結
残置物の処分、清掃など
鍵の引き渡し、残金決済
上記の流れを踏まえつつ、新居の購入や引っ越しのスケジュールも考慮して全体の計画を立てるようにしましょう。この際、売却物件の引き渡しと購入物件の引き渡しの日程を近づけることで、仮住まいの期間を最小限に抑えられます。
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マンションの買い替えの際の注意点

マンションの買い替えにおいて注意したい点を3つ、それぞれ解説します。
注意点①住み替えローンを利用する場合の注意
住み替えローンは、新居を購入してから現在の住宅を売却する際に役立ちますが、いくつかの点に注意しなければなりません。まず、住み替えローンでは一時的に2つの物件のローンを抱えることになるため、審査基準が通常のローンより厳しくなります。また、リスクに応じて金利が設定されることから、通常のローンより金利が高くなる場合があります。
さらに、多くの住み替えローンには期間制限があり、通常1〜2年程度の間に旧物件を売却することが求められます。この期限内に売却できない場合、2つのローンを長期間抱えることになり、財政的な負担が大きくなってしまう点に注意しましょう。
注意点②マンション売却時の諸費用を忘れない
マンションの売却時に発生する、主な費用は以下の通りです。
仲介手数料:売却価格の3〜3.6%(税別)
不動産取得税:固定資産税評価額の3〜4%
登録免許税:売却価格の2%
固定資産税・都市計画税の精算金:売却年の1月1日から引き渡し日までの分
ローン繰上返済手数料:金融機関によって異なる(0〜3%程度)
これらの費用を事前に把握し、資金計画に組み込むほか、売却価格から諸費用を差し引いて実際に手元に残る金額を正確に把握しておくことが大切です。
注意点③引っ越しのタイミングと費用
引っ越しの時期によって費用が大きく変動することも、見落としがちな注意点です。一般的に、3月〜4月は引っ越しのピークシーズンで、料金が20〜30%ほど上昇します。一方、6月〜8月は比較的閑散期であるため、料金が安くなる傾向があります。
また、新居の購入と旧居の売却のタイミングによっては、一時的な仮住まいが必要になることもあるでしょう。この場合、追加の引っ越し費用や家賃が発生するため、全体の費用計画に組み込んでおく必要があります。可能であれば、引っ越しの時期を柔軟に調整し、コストを抑える工夫をするのものもよいでしょう。
マンション買い替えの成功例を紹介
実際の買い替え成功例を知ることで、具体的なイメージを掴むことができます。ここでは2つの事例を紹介します。
事例1:都心のコンパクトマンションから郊外の広めのマンションへ
30代夫婦、子ども1人の3人家族が、都心の2LDK(70㎡)から郊外の3LDK(90㎡)に買い替えた事例です。
- 早期から資金計画を立て、住宅ローンの事前審査を受けていた
- 売却を先行し、確定した予算で新居を探した
- 引っ越しのタイミングを調整し、仮住まいなしで直接新居に移動できた
この家族は、子どもの成長に伴い広い住居が必要になったことをきっかけに買い替えを決意しました。綿密な計画と準備により、スムーズな買い替えの実現に至っています。
事例2:築古マンションから新築マンションへ
40代夫婦、子ども2人の4人家族が、築25年の3LDK(80㎡)から新築の4LDK(100㎡)に買い替えた事例です。
- 住み替えローンを利用し、新居購入を先行
- 売却物件のリフォームを行い、付加価値をつけて高額売却を実現
- 不動産会社と密に連携し、売却活動を効率的に進めた
この家族は、建物の老朽化と家族の成長を理由に買い替えを決意しました。住み替えローンを上手く活用し、理想の新居を確保しながらも旧居の価値を高めて売却することに成功しています。
これらの事例から、早期の計画立案、柔軟な資金調達、専門家の活用が買い替えの成功につながることがわかるでしょう。
まとめ

マンションの買い替えを成功させるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
- 買い替えの基本を理解する
- 売却先行か購入先行かを慎重に判断する
- 売却先行:予算が明確になり、二重ローンのリスクを回避できる。
- 購入先行:理想の物件をすぐに確保でき、引っ越しを1回で済ませられる可能性が高い。
- それぞれのメリット・デメリットを考慮し、自身の状況に合わせて選択する。
- 綿密な資金計画を立てる
- 現在のマンションの査定、残債の確認、新居の予算設定、諸経費の見積もりを行う。
- 必要に応じて、住み替えローンなどの金融商品の活用を検討する。
- スケジュール管理を徹底する
- 売却と購入のタイミングを適切に調整し、仮住まいの期間を最小限に抑える。
- 一般的な売却の流れ(準備、売り出し、契約、引き渡し)を理解し、計画を立てる。
- 諸費用や税金に注意する
- 仲介手数料、不動産取得税、登録免許税、固定資産税などの諸費用を事前に把握する。
- 買い先行の場合、一時的に二重の固定資産税がかかる可能性がある。
- 引っ越しの時期とコストを考慮する
- 繁忙期(3月〜4月)は料金が上昇し、閑散期(6月〜8月)は比較的安い。
- 可能であれば、引っ越しの時期を調整してコストを抑える。
- 専門家のアドバイスを活用する
- 不動産会社やファイナンシャルプランナーに相談し、適切なアドバイスを得る。
- 事前の情報収集と準備を怠らない
マンションの買い替えには、もともと住んでいた物件を先に売却する「売り先行」と、新居を先に購入する「買い先行」の2つの方法があります。どちらの方法を用いて買い替えをするかによって流れが異なります。
それぞれ注意点も違うため、どちらの方法で買い替えを進めるかの判断も、どのような資産計画を立てるかで変わってきます。事前に一括査定サイトを使って、今の自分のマンションの価値がいくらになるかを確認してみることをお勧めします。