「リースバック」の仕組みをわかりやすく解説!【住宅ローン返済が厳しい方は要チェック】

リースバックとは、売却後も住み続けられる不動産売却方法です。

コロナショックによる資金難でリースバックの需要は増加しており、さらにリースバックを取り扱う企業も増加傾向にあります。

とはいえ、まだまだ一般的な認知度は高いとはいえず、“売却しても住み続けられる”という点で仕組みがよくわからない…という方も多いリースバック。そこで今回は、リースバックの仕組みをわかりやすく解説します。

目次

リースバックの仕組みは「売却後の賃貸」

「リースバック」は、不動産を活用した資金調達方法の1つです。

具体的には、不動産を売却して売却金を得て、売却後には買主と賃貸借契約を締結してそのまま住み続ける・利用し続けるという一連の仕組みをリースバックといいます。

自宅とともに、店舗や事務所などの不動産もリースバックが可能です。

売主は借主に、買主は貸主に

リースバックでは、該当不動産の売却後、売主は借主に、買主は貸主となります。

賃貸借契約期間中は家賃が発生しますが、売却金としてまとまった金額を受領できるため、次のような方にリースバックは向いているといえるでしょう。

  • 住宅ローンが払えないけれど、転居はしたくない
  • 事業が上手くいかなくなってまとまった費用が欲しいけれど、事務所を移転すると顧客が離れてしまいそう
  • 老後資金が不足している

買主によっては将来的な買い戻しも可能になるため、一時的な資金難や業績悪化に陥ってしまった人の救済策としてもリースバックは適しています。

買い戻しとは?

売却後の賃貸借契約期間後に、貸主(買主)から不動産を売却してもらって所有権を取り戻すこと。

リースバックとよく比較される「リバースモーゲージ」との違いは、以下の記事をご参照ください。

相続対策としての活用方法も

リースバックは、相続対策としても有効になりえます。

相続する上で起こりがちなのが、相続人同士の揉め事です。揉め事の要因となることの多くは、相続資産の分割のしにくさ。不動産は所有権を分けることはできても、「共有」という形にしかできません。

共有者のうちの1人が「売りたい」といっても、他の共有者が「売りたくない」「自分が住みたい」といえば、話は平行線になってしまいます。

一方で、現金なら綺麗に分割することができます。被相続人が生前にリースバックすることで、相続時に現金だけ残るようにしておけば、「争族」が発生するリスクを下げることができるのです。

また自宅以外の資産が多く、一定の相続税がかかる相続においても、リースバックによって相続税にあてる現金を捻出できます。

コロナ禍でリースバックの需要が拡大中

実は2020年前半から、リースバックの需要は急上昇しています。その要因は、新型コロナウィルスの蔓延にあるといえるでしょう。

コロナ禍では、予期せず短期的に収入が激減してしまった人や事業者が多くなっています。

急激な収入減で困るのは、まず住宅ローンなど不動産の融資の返済ができなくってしまうこと。さらに、日々の生活や事業の維持をするためのお金にも困る人が多いことでしょう。しかも、ウィルスの蔓延という予想だにしなかった事態に際し、急な転居もなかなか考えられない状況にあると考えられます。

つまり、「ローンが払えない」「まとまった資金が必要」「転居も避けたい」というニーズが増えたことにより、これらのニーズを満たせるリースバックの需要が急上昇しているのです。

新規参入も多い

リースバックという仕組みは、コロナ以前から存在していました。しかしここに来て、リースバック業界に新規参入する業者が増加しています。

三好不動産(福岡市)は顧客から自宅を買い取った上で、引き続き賃貸契約を結んで住むことができるようにする「リースバック事業」を4月に始める。(2020/3/19日経新聞

戸建て分譲住宅のケイアイスター不動産はクレディセゾン子会社と連携し、顧客の自宅など不動産を買い取った上で賃貸契約を結び、住み続けることができるリースバック事業に参入する。(2020/5/19日経新聞

ポラスグループの中央住宅(埼玉県越谷市)は顧客の自宅などを買い取った上で賃貸契約を結ぶリースバック事業を6月1日から始める。(2020/5/30日経新聞

あらゆるエリアで、あらゆる企業でリースバックを検討できれば、より自分の状況にあったサービスを選択しやすくなるでしょう。しかしその反面、選択肢が増えたことで比較が難しくなったり、判断に悩んだりしてしまうこともあるかもしれません。

リースバックを選ぶ上で大事なのは、条件を把握すること、そして買取価格や賃料を比較することです。続いて紹介するリースバックのメリット・デメリットをご覧いただくことで、判断基準も見えてくるはずです。

リースバックのメリット

まずは、リースバックの3つのメリットを見ていきましょう。

メリット1.住み続けられる

リースバックのメリットは、なにより慣れ親しんだ家に住み続けられるです。

所有権は買主に移行しますが、引っ越しもいらず、生活環境も変わりません。はたからみても、家を売却したことはわからないでしょう。

メリット2.まとまった費用が得られる

リースバックも不動産の売却には他なりませんので、売却時には売却金が得られます。

リストラや病気、怪我、介護などにより、急に収入が減ってしまったり、まとまったお金が必要になったりしたときでも、生活環境を変えず、また借り入れもなくまとまった資金を得られることは、大きなメリットだといえるでしょう。

メリット3.住まいの維持費がなくなる

不動産を所有していると、固定資産税や管理費、積み立て修繕金などの維持費もばかにはなりませんよね。

リースバックで不動産を売却した後は、所有権が貸主に移行するため、継続的にかかる費用を家賃に一本化できます。

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リースバックのデメリット

メリットばかりに見えるリースバックですが、実はデメリットとされる部分もあります。こちらもよく認識した上で選択するようにしましょう。

デメリット1.結果として損してしまうことも

リースバックは、売却金が得られ、維持費が家賃に一本化できるとはいえ、賃貸契約期間が長期化すれば結果として損してしまうこともあります。

リースバックによる不動産売却は、相場価格より安くなることが一般的です。さらに、賃料は相場より高くなることも。そのため、リースバックによって賃貸借契約する期間は慎重に検討し、一時的な対策と考えるのが賢明です。

デメリット2.定期賃貸借契約であることも

リースバックを行う業者によっては、売却後の賃貸借契約の期間が決まっている(定期賃貸借契約)ことがあります。期間は業者によりますが、たとえば2年や3年、5年など、賃貸できる期間が決まっているということです。

賃貸借契約満了後の選択についても、買い戻しが可能なのか?賃貸契約が更新できるのか?は業者によるところ。そのため、リースバック前には契約内容をよくよく確認しておくことが大切です。

まとめ:リースバックは仕組みを理解した上で業者の比較と条件の把握を

リースバックは、資金難に陥ってしまったり人やまとまった費用が必要だけど転居したくないという状況に適した仕組みです。

しかし、条件によっては損してしまうリスクを秘めているのがリースバックの難点。検討する際には、複数の業者や条件を比較し、自分にあうリースバックを見つけるようにしてください。また、リースバックだけが最適な選択とは限りません。一般的な不動産売却や住み替えも、資金難を解決するための有効的な選択となりえます。

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この記事を書いた人

亀梨奈美のアバター 亀梨奈美 不動産ジャーナリスト/株式会社realwave代表取締役

大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。
2020年11月 株式会社real wave 設立。
不動産会社在籍時代は、都心部の支店を中心に契約書や各書面のチェック、監査業務に従事。プライベートでも複数の不動産売買歴あり。
不動産業界に携わって10年以上の経験を活かし、「わかりにくい不動産のことを初心者にもわかりやすく」をモットーに各メディアにて不動産記事を多数執筆。

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