土地総合情報システムを使ってマンションの適正価格を確認しよう！具体的な使い方も解説

マンションの売却を検討する際、適正な価格設定が非常に重要です。価格が高すぎると買い手がつかない一方、安すぎると損をしてしまう可能性があり、売却の成功や失敗をわける大きな要素となるでしょう。

そうした中、マンションの売却価格を決定するための強力なツールとして注目されているのが「土地総合情報システム」です。

令和6年3月に土地総合情報システムは廃止されており、令和6年4月から「不動産情報ライブラリ」に名称が変わっていますが中身は変わっていませんので、本記事では、土地総合情報システム（現：不動産情報ライブラリ）の使い方や活用方法、注意点について詳しく解説します。

マンション売却の適正価格を知るために重要なポイント

マンション売却を検討する際、多くの方が「いくらで売れるのだろう？」と悩む方も多いのではないでしょうか。

価格設定を誤ると、さまざまなリスクが生じることになります。たとえば、高すぎる価格設定では買い手がつかず、売却期間が長期化してしまいます。

反対に、安すぎる価格設定では本来得られたはずの利益を逃してしまう恐れがあるでしょう。また、不適切な価格設定は市場で敬遠され、値下げを重ねることになりかねません。

こうしたリスクを避けるためには、信頼できるデータに基づいて適正価格を設定することが大切です。

具体的には公示地価や路線価を参考にしつつ、土地総合情報システム（現：不動産情報ライブラリ）や不動産情報サイトを活用して、近隣の物件の取引事例を調べることをおすすめします。
これにより、市場の実勢価格を把握し、適正な価格設定が可能になります。

また、不動産市場の動向を把握し、売却タイミングを決めることも重要です。
市場が上昇トレンドにある時期に売却することで、価格を最大化することができます。

さらに、複数の不動産会社からの査定や、不動産鑑定士の意見も参考にし、多角的に価格を評価することを心掛けましょう。

・マンションの売却価格と動向を知りたいときには、土地総合情報システム（現：不動産情報ライブラリ）が役立つ。

土地総合情報（現：不動産情報ライブラリ）システムとは？

土地総合情報システムは、国土交通省が提供するサービスで、全国の土地や不動産取引価格の情報を誰でも簡単に調べられるツールです。

このシステムは、平成18年4月からスタートされ、実際に物件を取得された方へのアンケートを基にデータベースが構築されており、4半期に一度更新されます。

対象の物件には宅地、中古マンション、農地、林地などが含まれています。

※国土交通省　土地総合情報システム（現：不動産情報ライブラリ）

※令和6年4月に「不動産情報ライブラリ」に名称が変わっています。https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000069.html

土地総合情報システム（現：不動産情報ライブラリ）を使ったマンション売却価格の決め方

土地総合情報システムを使って適切な売却価格を決めるには、いくつかのステップを踏む必要があります。
ここでは、実際の使い方について順を追って説明します。

使い方ステップ1：エリアを選択

サイトにアクセスし、「不動産取引価格情報検索」を押下したら、自分のマンションが所在する地域を選択しましょう。

具体的には、システムの検索画面で時期、不動産の種類、地域などを指定し、検索範囲を最適化します。

使い方ステップ2：取引事例を確認

検索結果から、自分のマンションと条件が近い取引事例をピックアップします。

特に、築年数、最寄駅、取引時期などが似ている物件に注目し、その物件の取引価格を参考にするとよいでしょう。

提供されるデータには、所在地、取引時期、取引価格、土地の面積・形状、建物の用途・構造、床面積、建築年、前面道路、最寄駅や都市計画情報などが含まれます。

使い方ステップ3：近隣エリアや他の取引データも確認する

正確な相場把握のためには、同じマンション内の過去の取引事例を確認することが大切です。

また、近隣の類似マンションの取引価格や、直近1年程度の取引推移を見ることで、より包括的な価格判断が可能になるでしょう。

土地総合情報システム（現：不動産情報ライブラリ）を使うメリット

土地総合情報システム（現：不動産情報ライブラリ）はマンション売却を検討する方にとって、非常に役立つツールです。
ここでは、このシステムを活用することで得られる具体的なメリットについて説明します。

相場を把握できる

土地総合情報システム（現：不動産情報ライブラリ）では実際に売買が行われた成約価格が確認できるため、不動産の相場を正確に把握可能です。

一般のポータルサイトでは売却中の物件情報しか見ることができませんが、土地総合情報システム（現：不動産情報ライブラリ）では成約済みの価格を調べられるため、より信頼性の高い相場を確認できます。

信頼性の高いデータを基に価格を設定できる

このシステムは国土交通省が運営しているため、提供されるデータの信頼性が高く、不動産の売却や購入の際に重要な参考資料となるでしょう。

地価公示や都道府県地価調査の価格も合わせて確認できることから、多角的に不動産の価値を評価できます。

交渉力の向上が期待できる

土地総合情報システム（現：不動産情報ライブラリ）で得たデータを基に、不動産会社との交渉力を高められます。
自分で相場を把握していることで、売却価格や購入価格の交渉において自信を持って臨むことができるでしょう。

特に、複数の不動産会社から査定を受ける際は、他の会社の査定結果と比較する材料として利用できます。

土地総合情報システム（現：不動産情報ライブラリ）を使う際の注意点

土地総合情報システム（現：不動産情報ライブラリ）は便利なツールである一方、利用する際に知っておくべき注意点があります。
これらの点を理解することによって、より効果的にシステムを活用できるでしょう。

データの時期に関する注意点

土地総合情報システム（現：不動産情報ライブラリ）の情報は過去の取引データであり、必ずしも現在の市場状況を反映しているわけではありません。

市場動向や季節的な変動も考慮に入れて価格設定を行う必要があります。

また、アンケートの回答が誠実に行われているかも定かではないため、単体での情報を鵜呑みにするのではなく、色々な相場情報と比較し、自分で調査していくことが大切です。

取引データの網羅性について

システムに登録されているのは、あくまでも一部の取引事例であることを認識しておく必要があります。
すべての取引が登録されているわけではなく、特に新築物件や特殊な取引条件の物件は含まれていない可能性があります。

また、物件の個別性といった観点において、基本的な情報は確認できますが、階数や向き、内装の状態、改修履歴などの個別具体的な条件までは把握できません。

これらは価格に大きく影響する可能性があるため、データの解釈には注意しましょう。

公示価格と実勢価格の違い

土地総合情報システム（現：不動産情報ライブラリ）では公示価格と実勢価格の両方が提供されていますが、これらは異なるため、どちらを基に価格設定を行うかを明確にする必要があります。

公示価格は基準地価や路線価などを基に算出される一方、実勢価格は実際の取引価格を反映しているからです。

土地総合情報システム（現：不動産情報ライブラリ）で得たデータをどう活用するか

土地総合情報システム（現：不動産情報ライブラリ）から得られるデータは、マンション売却における様々な場面で活用することができます。
ここでは、具体的な活用方法と、そのデータを最大限に活かすためのポイントについて解説します。

不動産会社との査定交渉での活用

不動産会社に査定を依頼する際、土地総合情報システム（現：不動産情報ライブラリ）のデータを参考資料として活用することで、より具体的な相談が可能になります。

また、複数の不動産会社から査定額を取得したときは、システムのデータを基準として各社の査定額の妥当性を判断することができるでしょう。

売却価格設定時の根拠として

実際の取引事例に基づいたデータであるため、売却価格を設定する際の根拠として活用できます。

ローン残高や諸費用などを差し引いた最低ラインを決めておけば、売り出し価格を下げる時や購入検討者より価格交渉があった場合に冷静な判断ができます。

さらに、最新のデータを確認することで市場の動向を把握し、より正確な価格設定が可能になるでしょう。

相続税や贈与税の計算

土地総合情報システム（現：不動産情報ライブラリ）で得たデータを利用して、相続税や贈与税の課税額を算出できます。

特に、農地や林地の場合、面積が大きく価格や課税額のイメージが持ちにくいケースが多いため、精度の高い相場で売却価格を設定するのに役立つはずです。

土地総合情報システム（現：不動産情報ライブラリ）のまとめ

土地総合情報システム（現：不動産情報ライブラリ）は、マンション売却価格を決める際の重要なツールです。
ただし、このシステムのデータだけでなく、不動産会社の査定や市場動向なども考慮に入れて、総合的に判断することが欠かせません。

適正価格での売却を実現するためには、まず土地総合情報システム（現：不動産情報ライブラリ）で相場を確認し、その上で複数の不動産会社に査定を依頼することをおすすめします。

信頼できるデータと専門家の意見を組み合わせることで、より正確な相場を把握し、スムーズな取引を実現できるでしょう。

参考：土地総合情報システム（現：不動産情報ライブラリ）