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住宅ローンが残っていてもマンション売却はできる?売却手順・ローン完済・注意点を徹底解説!

「住宅ローンが残っているマンションは、売れないのでは…」と不安に思っていませんか?
急な転勤や離婚など、購入時には想定していなかった事情により、売却が必要になることもありますよね。

実はローン返済中のマンションでも売却は可能なんです。
ただし、そのためにはクリアすべき条件がいくつかあります。

本記事が売却手順やローン完済のコツ、注意点を徹底解説し、あなたの不安を解消します。

目次

住宅ローンが残っているマンションは売却可能?

住宅ローンが残っているマンションを売却するには、以下2つの条件を満たす必要があります。

1.現在のローン残高をすべて返済する
2.「抵当権」を解除(抹消)する
※抵当権とは:住宅ローンを借りる際、金融機関が不動産を担保とする権利のこと。ローンを完済しないと解除できません。

条件をクリアするために、まずはご自身の状況を正確に把握することが重要です。
具体的な手順とポイントを見ていきましょう。

アンダーローンとオーバーローンの違いを理解しよう

住宅ローンが残っているマンションを売却するとき、重要なポイントになるのが「アンダーローン」と「オーバーローン」です。

アンダーローン:売却価格 > ローン残高 
マンションの売却価格がローン残高を上回る状態

オーバーローン:売却価格 < ローン残高 
マンションの売却価格よりもローン残高が多い状態

アンダーローンの場合、売却代金でローンを完済でき、さらに手元に資金が残るため、スムーズに売却が進められます。
一方、オーバーローンは売却価格よりもローン残高の方が多いので、自己資金を追加しなければ完済できません。
抵当権が残ったマンションは買主が付きにくく、基本的には完済、または自己資金を用いた対応が必要となります。

売却可能かを判断するカギは「現在のローン残高」

マンションを売却できるかどうかは、「現在のローン残高」と「想定される売却価格」を比較することで判断できます。ローン残高を確認するには、銀行から「残高証明書」を取得するほか、ネットバンキングや返済予定表でも確認可能です。

一方、売却価格は不動産会社による査定で把握できます。
複数社から査定を取ることで、より正確な相場を知れるので、判断材料として役立つでしょう。

銀行にローン残高証明書を発行してもらう

ローン残高証明書は、毎年年末近くに銀行から郵送されますが、金融機関の窓口、オンライン手続きなどで発行依頼することも可能です。この証明書は、売却時の交渉や一括返済、抵当権抹消手続きなどで必要となる重要な書類なので、大切に保管しておきましょう。
ローン残高証明書の発行を依頼すると、手元に届くまでに通常1〜2週間ほどかかるため、早めに手続きしておくと安心です。

ネットバンキングで残債を確認する

ネットバンキングにログインすれば、現在のローン残高をリアルタイムで確認できます。
通帳の記録や返済予定表とあわせて確認すれば、より正確な債務状況を把握できるでしょう。
こまめにチェックしておくことで、売却のタイミングも判断しやすくなります。

返済予定表でも目安を把握できる

ローン契約時に受け取る「返済予定表」には、毎月の返済額とその時点の残高が記載されています。
売却を検討している時期の残債額を予測するための目安として活用できます。
残高証明書を取得する前の参考情報としても便利です。

住宅ローン残債がある状態でマンションを売却する基本ステップ

住宅ローン残債がある状態でマンションを売却するには、さまざまな手続きを経る必要があります。
ここでは、売却をスムーズに進めるための初期段階における重要ポイントを解説します。

不動産会社への相談は早めがカギ

スムーズな売却を目指すためには、できるだけ早く不動産会社に相談することが重要です。
ローン残高と想定される売却価格を比較し、資金計画についてプロの意見を聞くことで、アンダーローンか、オーバーローンかが明確になります。
また、不動産会社からは初期段階での資金計画について具体的なアドバイスがもらえるため、安心して売却準備の第一歩を踏み出せるでしょう。

売却査定で適正価格を知る

次のステップは、不動産会社による売却査定を受け、マンションの適正価格を把握することです。
査定を依頼する際には、多くの場合、現在のローン残高を伝える必要があります。
売却価格でローンを完済できるかどうかを不動産会社が判断し、現実的な売却戦略を立てるために重要だからです。
査定結果を参考にすれば、売却後に必要となる自己資金や資金繰りの見通しが立てやすくなるでしょう。
さらに、売り出す価格帯やタイミングなど、効果的な販売計画を立てるうえでも大切な情報になります。

複数社へ一括査定を依頼するメリット

一括査定サービスを利用すると、インターネットを通じて複数の不動産会社から査定結果をまとめて受け取れるため、相場の把握がしやすくなります。
同じ物件でも、会社によって査定額や販売戦略に違いがあるため、比較検討することが売却成功のポイントです。
特に住宅ローンが残っている場合には、銀行との調整や複雑な手続きに精通した会社を選ぶことが重要といえます。

信頼できる不動産会社の選び方

ローン残債があるマンションの売却には、専門性と実績を持つ不動産会社のサポートが欠かせません。
金融機関との交渉や複雑な手続きを任せるため、専門知識と実績はもちろん、親身な対応も重要です。
単に査定価格が高いだけでなく、個別の事情を理解し、最後までサポートしてくれる信頼できるパートナーを見極めましょう。

実績・売却力・口コミなどを見る

不動産会社を選ぶ際は、その会社の売却実績や対応スピード、利用者からの口コミ評価を確認しましょう。
特にローンが残る物件の取り扱い実績が多い会社は、抵当権の解除や金融機関との交渉に慣れており、安心して任せられます。
公式サイトや比較サイトなどで過去の実績を丁寧にチェックし、信頼できる会社を見つけることが、売却成功への第一歩です。

査定金額より「戦略提案」が重要

不動産会社を選ぶ際、つい査定額の高さに目がいきがちですが、ローン残債がある状況では特に「戦略提案」が重要です。
具体的には、ローン残債の精算方法や、売却後の資金計画、必要であれば住み替えのサポート(仮住まいの手配など)まで、親身になって提案してくれる会社を選びましょう。
売却に伴うさまざまな課題を一緒に解決してくれるパートナーかどうかが、成功するためのポイントになります。

アンダーローンの場合|売却益が出るケース

マンションの売却価格が住宅ローンの残高を上回る「アンダーローン」は、売却において理想的な状態です。
ここでは、アンダーローンの基本的な知識から、売却によるローン完済までの流れ、売却益が出た場合の税金について解説します。

アンダーローンとは?

アンダーローンとは、マンションの売却価格が、その時点で残っている住宅ローンの残高よりも多い状態を指します。

たとえば、住宅ローンの残高が2,000万円で、マンションが2,500万円で売却できた場合、500万円の余剰金が生まれることになります。この余剰金は、新しい住まいの購入資金や諸費用、あるいは貯蓄などに充てられます。

アンダーローンであれば、売却によって経済的な負担を軽減しつつ、スムーズに次のステップへ進める可能性が高まるでしょう。

売却によるローン完済の流れ

アンダーローンの場合、マンションの売却代金で住宅ローンを完済し、抵当権を抹消する手続きを行います。
この際の流れは、主に買主への物件引き渡しと同時に行われる決済日に集中します。
売却代金が金融機関に振り込まれると、その資金を使ってローンが一括返済され、住んだマンションに設定されていた抵当権が消滅します。

この手続きが完了して初めて、所有権が買主へ完全に移転します。

売買契約締結後、決済日に住宅ローンを完済

買主と売買契約を締結した後、物件の引き渡しと残代金の支払いが行われる「決済日」が設定されます。
この日、買主から支払われた売却代金が売主の口座に入金され、その資金を使って金融機関へ住宅ローンを一括で返済します。
事前に金融機関へ一括返済の申し出を行い、正確な返済額や手続きについて確認しておくことが重要です。
不動産会社が段取りをサポートしてくれるので、指示に従って準備を進めましょう。

抵当権の抹消手続き

住宅ローンを完済すると、金融機関から抵当権抹消に必要な書類が発行されます。
抵当権とは、ローン返済が滞った場合に金融機関が不動産を差し押さえる権利のことで、これが残ったままでは買主は安心して物件を購入できません。
そのため、売却時には抵当権を法務局で抹消する手続きが必要です。
抹消登記には登録免許税として1件あたり1,000円の費用がかかります。

【抵当権抹消の手続き】

・金融機関から必要書類(登記原因証明情報など)を取得
・法務局で抹消登記申請
・司法書士に依頼するのが一般的(売主が対応することも可能)

この一連の流れをスムーズに進めるためにも、事前の準備と司法書士との連携が重要です。

司法書士による登記手続きのポイント

抵当権抹消登記や所有権移転登記といった決済日に行われる登記手続きは、専門的な知識が必要なため、司法書士に依頼するのが一般的です。
事前に必要書類を揃えておくことで、手続きがスムーズに進みます。

【主な必要書類】
登記識別情報(権利証)
印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
本人確認書類
委任状(司法書士に手続きを委任するため)
売買契約書の写し

司法書士へ依頼すると費用はかかりますが、複雑な手続きを正確かつスムーズに進めてくれるため、安心して任せられます。

売却益が出た場合の税金と控除制度

アンダーローンでマンションを売却し、購入時より高く売れて利益(譲渡所得)が出た場合には、所得税と住民税が課税されます。
ただし、自宅(居住用財産)の売却には、税負担を軽くできる特例が用意されています。
代表的なのが「3,000万円特別控除」で、一定の条件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円を差し引くことが可能です。
さらに、所有期間が10年を超えている場合には、「軽減税率の特例」が適用されることもあり、通常よりも低い税率で済むケースがあります。
これらの特例を活用するには条件の確認が必要なため、事前に不動産会社や税理士に相談し、自分の状況に合った節税方法を検討しておきましょう。

オーバーローンの場合|ローンが残るときの3つの対処法

マンションの売却価格が住宅ローンの残高を下回ってしまう状態を「オーバーローン」といいます。
この状態では、売却代金だけでローンを完済できませんが、諦める必要はありません。
ここでは、オーバーローンになってしまった場合に考えられる3つの主な対処法と、それぞれのポイントをわかりやすく解説します。

オーバーローンとは?

前述した通り、オーバーローンとはマンションを売却しても住宅ローンの残高を全て返済できない状態を指します。この場合、売却代金で返済しきれなかった不足分の資金を別途用意しなければ、抵当権を抹消できず、原則として売却は完了できません。
この状態を放置してしまうと、最悪の場合は競売に進む可能性もあるため、早めの対策と適切な対処法を知っておくことが非常に重要です。

自己資金で不足分を補うケース

もっとも基本的な対処法は、自己資金でローン残高と売却価格の差額を補填し、ローンを完済する方法です。
ローンが完済できれば、抵当権を抹消し、通常通りにマンションを売却できます。
ただし、売却には仲介手数料や引越し費用などの諸経費もかかるため、ローン残高だけでなく、手続きでかかるすべての費用まで含んだ資金計画が必要です。
事前に不動産会社や金融機関と相談し、必要な資金額を正確に把握するようにしましょう。スクが伴うものもあるため、自分の状況や将来の資金計画に合った方法を選ぶことが大切です。

住み替えローンで次の家の購入と同時に売却

新しい住まいに住み替える予定がある場合、「住み替えローン」の利用も選択肢の一つです。
住み替えローンとは、現在のローン残債のうち売却代金で返済しきれない不足分と、新居の購入費用をまとめて借り入れできるローンです。たとえば、ローン残債が200万円残り、新居の購入費用が3,000万円の場合、合計3,200万円を新たに借り入れるイメージです。
自己資金が不足している場合でも、このローンを利用すれば売却と新居購入を同時に進められる可能性があります。
ただし、通常の住宅ローンより審査が厳しくなる傾向があるため、利用を検討する場合は早めに金融機関へ相談し、条件や返済計画を詳しく確認しましょう。

任意売却を活用する場合

自己資金での補填や住み替えローンの利用が難しいオーバーローンの状況では、「任意売却」という手段を検討することになります。
これは、住宅ローンを借りている金融機関(債権者)の合意を得て、市場価格に近い価格でマンションを売却する方法です。
強制的な競売に比べて売却価格が高くなる傾向があり、引越し時期などもある程度交渉できるため、売主の生活再建への影響を比較的抑えやすいというメリットがあります。
ただし、手続きには専門知識が必要で、信用情報への影響も考えなければならないため、専門家のサポートを受けながら慎重に進めることをおすすめします。

売却前に確認しておきたい注意点

住宅ローンが残っているマンションの売却では、事前の確認と準備がとても重要です。
ここではローン残高や税金、物件の状況など、売却前に押さえておくべき注意点を解説します。

ローン残高と売却価格の差を冷静に試算する

マンション売却を決断する前に、まず住宅ローンの正確な残高と、想定される売却価格を把握し、その差額を試算する必要があります。
アンダーローンか、オーバーローンかによって、その後の売却戦略や必要な自己資金が大きく変わってきます。
特にオーバーローンの場合は、不足分をどう補填するかの具体的な計画が必須です。

所有期間と譲渡所得税の関係をチェック

マンションを売却して利益(譲渡所得)が出た場合、その利益に対して所得税と住民税が課税されます。
この税率は、マンションを所有していた期間によって大きく異なり、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」として高い税率(約39%)、5年を超える場合は「長期譲渡所得」として低い税率(約20%)が適用されます。
さらに、マイホームの場合は所有期間が10年を超えると軽減税率の特例が使えることもあります。
売却のタイミングを検討する際には、この所有期間と税率の関係を理解し、計画的に判断することで、税負担を軽減できる可能性があります。

賃貸中のマンションの場合は注意が必要

現在、賃貸に出しているマンション(投資用物件や、転勤などで一時的に貸している物件)を売却する場合、通常の空室物件の売却とは異なる注意点があります。
入居者がいる状態で売却する(オーナーチェンジ物件)場合、買主は主に投資家となり、自身で居住したい買主に比べて市場が限定されるため、売却価格に影響が出ることがあります。
また、賃貸借契約を買主が引き継ぐ形で現況引き渡しとする場合は、契約内容や敷金の扱いなどを明確にし、売買契約書にそのことを正確に記載することが、後のトラブルを避けるために不可欠です。
入居者との関係や契約内容を事前にしっかり整理しておきましょう。

買主との契約不適合責任も想定しておく

マンションを売却した後、事前に説明のなかった建物の欠陥(雨漏り、シロアリ被害、主要な設備の隠れた故障など)が見つかった場合、売主は買主に対して契約不適合責任を負う可能性があります。
これを避けるためには、売却前に物件の状態を正直に開示することが最も重要です。
可能であれば専門家による建物状況調査(インスペクション)を実施し、その結果を買主に伝えたり、知りうる不具合は修繕するか、あるいは修繕しない場合はそのことを明確に説明し、合意を得ておくことが大切です。
透明性のある情報開示が、買主との信頼関係を築き、安全な取引を実現する第一歩となります。

よくある質問|住宅ローンが残っているマンション売却に関する疑問

ここでは、住宅ローンが残っている状態でマンションを売却する際に、多くの方が抱える疑問にお答えします。
売却可否の判断基準や費用の負担、手続きに関する実務的なポイントをQ&A形式でまとめました。

住宅ローン残債がいくらあれば売却できる?

売却価格がローン残高を上回っていれば、売却は可能です(アンダーローン)。
また、ローンの方が多い場合(オーバーローン)でも、差額を自己資金で補えるなら問題ありません。
仲介手数料や諸費用も含めた資金計画を立て、複数の不動産会社に査定を依頼しておくことが重要です。

オーバーローンの場合、差額は分割で返せる?

金融機関に相談することで、不足分を分割返済に切り替えることが可能な場合があります。
ただし、追加借入には審査が必要で、金利や返済期間にも注意が必要です。
事前に返済計画を立て、将来的な収支見通しを踏まえて慎重に判断しましょう。

抵当権の抹消は自分でできる?司法書士が必要?

自分でもできますが、書類の準備や法務局への提出などに専門的な知識が求められます。
そのため、多くの方は司法書士に依頼するケースが一般的です。
自分で対応したい場合は、完済証明書や登記識別情報などを準備し、正確に手続きを行いましょう。

まとめ

住宅ローンが残っているマンションでも、事前に準備と確認を行えば、スムーズに売却することが可能です。
ローン残高の確認、譲渡所得税や所有期間の確認、賃貸中の条件整理、契約不適合責任の想定など、押さえるべきポイントは多岐にわたります。
不安がある場合は、不動産会社や税理士などの専門家に相談し、納得のいく形で安心して売却を進めましょう。
将来の資金計画や住み替えも含めて、長期的な視点で判断することが成功の鍵です。

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この記事を書いた人

不動産専門のコピーライターとして、オウンドメディアのコンテンツ企画・制作、SNS運用など幅広い広報活動に従事。
不動産投資や建物管理の実務経験を活かし、マンション売却を検討する方に向けて、具体的で役立つ情報を発信しています。
宅地建物取引士・FP2級保有。

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