正直不動産2 第二話のあらすじと内容に関する解説!使用貸借の概要と注意点とは

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第2話 主な登場人物

【登坂不動産】
主人公・永瀬 財地(山下智久):登坂不動産のエース営業マン。嘘がつけない呪いにかかっており、正直すぎる営業を武器に不動産業界を生き抜いている
若手社員・月下咲良(福原遥):カスタマーファーストを第一に行動する登坂不動産の若手社員であり、永瀬のよきパートナーでもある
新入社員・十影健人(板垣瑞生):マダムの継孫として登坂不動産に入社することになったZ世代の新入社員。仕事よりもプライベートが第一で、残業せずにさっさと帰宅してしまう
新入社員、課長代理・藤原結弦(馬場徹):登坂社長がヘッドハンティングした敏腕営業マンで大地主の息子。売り手側の視点を熟知しており、永瀬のナンバーワンの座を脅かしていく。

【ミネルヴァ不動産】
営業・神木涼真(ディーンフジオカ):元登坂不動産の営業マンで、長年にわたってナンバーワンをとり続けた永瀬の師匠。悪魔じみた営業手法を武器に永瀬のライバルとして立ちはだかる

【そのほか】
桐山貴久(市原隼人):永瀬の元同僚でありライバル、不動産ブローカーをしている
榎本美波(泉里香):光友銀行の融資担当、永瀬のことが気になるようだが・・・

【第2話ゲスト】
寺島大助:輸入家具バイヤーをしており、ほとんど日本にいない
寺島喜助:寺島大助の父、肺炎を患っている
寺島直也:寺島大助の息子、喜助の介護をしている
寺島美由紀:大助の妻で、既に他界している
中村隆史:美由紀の弟で中村陶苑を継いでいる
坂上一郎:ミネルヴァ不動産の客で介護施設を経営している

とある地鎮祭で石碑を壊して以降、嘘がつけなくなってしまった不動産仲介会社の営業マンが、海千山千の不動産業界で奮闘する姿を描くNHKドラマ『正直不動産2』。

山下智久が演じる登坂不動産の敏腕営業マンである永瀬財地は、嘘八百を並べて売上トップを誇り、“ライアー永瀬”という異名をとっていました。

しかし、ある日地鎮祭でほこらを壊してしまったことで嘘がつけない呪い(嘘をつこうとすると不思議な風が吹き、本音が飛び出す)にかかり、一転して正直すぎる営業マンとして舵を切ることに。

本記事では2024年1月16日の夜10時に放映された、『正直不動産2』の第二話のレビューと話のポイントについて解説します。

目次

正直不動産第二話あらすじ

夜、永瀬の元を訪れた桐山が訪れます。

正直不動産第1話でミネルヴァ不動産に入社した、元登坂不動産のトップ営業マンの神木について動向を注視しているようです。

桐山は永瀬に神木は登坂不動産を退職したあとにとある架空契約を行って刑事事件寸前となり、「二度と不動産業界に戻らない」という念書を書いて見逃してもらったほか、神木が次に犯罪めいたことをしたら終わりであることを伝えます。

そうした中、なぜミネルヴァ不動産の鵤社長が神木を登用したのか、その理由がわかったら教えてほしいと永瀬に頼んだのです。

家を売り急ぐ大助と、残っている「粗大ゴミ」の正体

場面は切り替わり、登坂不動産オフィスへ。

前話の終わり、神木と光友銀行の榎本美波が仲睦まじく並んで歩いている姿を目撃した月下に榎本美波をどう思っているのか、思っていることがあるならちゃんと伝えなければダメだと言い残して去って行きます。

言葉の真意がわからず混乱する永瀬。

その後、永瀬のもとに1人の男(寺島大助)が訪れます。

寺島大助は輸入家具のバイヤーをしており、自宅をできるだけ早く売却したいと相談していたのです。

自宅は国立駅から徒歩20分のところにある50坪の一軒家で、築30年が経過していると話す大助に、永瀬は6,500万円ほどで売却できるはずだと伝えます。

また、現在は空き屋で粗大ゴミが残っているが、すぐに処分すると言い残して大助は去って行きました。

後日、物件調査として月島と十影をつれた永瀬が現地を訪れます。

ネットで調べればいいのではという十影に対し、臭いや騒音はネットで確認できないため実際に足を運ぶことが大切だと答える永瀬。

寺島家に到着すると、十影がスマホでムービーを撮影しながら一行はリビングへと足を進めます。

家の中は総じて整っているほか、庭も手入れが行き届いており綺麗な状態でした。

3人が話していると背後から呼びかける声がし、振り返るとそこには杖をついた老人と青年が立っていたのです。

老人は直也の父、寺島喜助であり、青年は大助の息子である寺島直也だと身分を明かします。

喜助は永瀬たちを泥棒かと疑ってかかり、永瀬はそこではじめて大助が家族に相談することなく自宅を売却しようと考えていたことに気づくのでした。

また、話をする中で家の登記名義人は大助であること、妻の美由紀は既に亡くなっていることを知ります。

「僕と祖父はこの家を出て行かなければならないのでしょうか」と心配する直也でしたが、喜助は永瀬に「大助に我々は絶対にここを出て行かないと伝えろ」と声を荒げるのでした。

登坂不動産に戻った永瀬は大助に事の次第を話すも、大助は「すぐに追い出す、あそこは俺の家だ」「家族じゃない、とっくに縁を切った」と言い放ちます。

家族間でなにがあったのか月島が尋ねますが、大助は不動産風情に関係ないと一喝するとカギを強引に奪い取って出て行ってしまいました。

その後、大助はミネルヴァ不動産の神木に同様の件を相談します。

事情を知った神木は、大助の物件周辺に介護施設付きマンションを立てる計画があること、1億円程度で売却できることを伝えたのです。

また、家の中にある粗大ゴミについても「こちらで処理しましょうか?粗大ゴミなんですよね?」と大助に投げかけました。

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神木がバケモノである理由と、神木の教え

結果としてまたも神木に客を取られる形となってしまった永瀬に、「神木に横取りされたのか」と問う大河部長。

その様子を見ていた十影と月島は「(神木は)どんな人なのか、そんなにすごそうな人に見えない」と尋ねます。

不思議がる2人をよそに、永瀬は「あの人はばけもんだよ」と12年前のことを話し出したのです。

12年前、当時まだ若手社員として登坂不動産で働いていた永瀬の営業成績はとても悲惨でした。

そうした中、当時課長であった大河真澄が神木には近づくなと忠告したにも関わらず、トップを走り続ける神木に対し「どうやったら成績があがるんですか?」と尋ねたのです。

神木は永瀬を上から下まで見渡すと「それじゃ成約が取れるわけない」と外へ連れ出しました。

神木は高級スーツ店へ永瀬を連れて行き、総額70万円を超える格好へ永瀬を着替えさせます。

困惑する永瀬に身だしなみを整えるようにいい、「(購入金額は)すぐに取り返せる」と伝えたのです。

その後、高級レストランでディナーを食べながら神木は永瀬に「すぐにタワマンを買え」と指示し、「人間は服、靴、時計など身につける物を自分の一部だと思い込む傾向にある。だから最高の物を身につけ、最高の家に住め。全てはおまえ自身を映す鏡だ(拡張自我)」と述べたのです。

神木は「永瀬、俺の動きを真似してみろ」といって立ち上がり、永瀬の前で人目もはばからずにタップダンスを披露します。

「ミラーリング、意識的に客のマネをすることで相手に親近感を与えることができる。客のしぐさだけではなく、息づかいまでまねろ。心臓の鼓動までシンクロさせれば家なんて簡単に売れる」と、店員に制止されても神木は踊り続けたのです。

「完全にイカれてる」と呟いた永瀬でしたが、結果として永瀬に言われるままタワマンに引っ越し、服や時計を変え、神木の言うとおりに営業したところあっという間にナンバー2に登り詰めたのでした。

そしてそのころ、ミネルヴァ不動産では花澤涼子がかつて犯罪スレスレの手法をとっていた神木に対し「寺島邸の跡地に施設を建てる計画は架空なのではないか」と尋ねていました。

神木はそんなことは二度としないといい、確かにかつては成績トップが危うくなれば契約をでっちあげてでもトップをとっていたこと、前にいた会社で密告されて不動産業界にいられなくなったと話したのです。

そして、当時住んでいた家賃100万のタワマン、外車やクルーザーのローン等を支払うことが難しくなってあっという間にホームレスに転落したこと、しかし今は億ションを5部屋売って再びタワマンで暮らしていること、人の悩みや不安、カネがあれば9割が解決できると花澤に伝えます。

ごめんなさい、なんともならないんです

寺島直也から電話があり、呼び出された永瀬。

寺島邸ではミネルヴァ不動産が依頼した作業員が次々に家の中の家財をトラックに積み込んでおり、母の形見ですら直也の手から奪いとろうとしていたのです。

慌てて制止する永瀬に対し、その場にいた神木は大助に室内の物をすべて処分するように頼まれたこと、7日前には退去依頼を出しているのに喜助と直也が無視したと述べました。

そのとき、肺炎を患っている祖父の喜助が発作を起こし、永瀬は神木に今日のところは引き上げてくれと頼みます。

神木たちが去って行ったあと、喜助は永瀬に「この家はどうなった?」と尋ね、「直也はずっと私の面倒をみてきた。バイト代も全部この家のバリアフリーのために使ったんだ。直也だけでもこの家に住めるようにしてくれ。お願いだ、頼む。」と懇願します。

それを聞いた永瀬は「わかりました、なんとかしてみます」と言いかけますが、途中でまたも風が吹き、正直に告げたのです。

「なんともならないんです・・・!法的にこの家の所有者は大助さんであり、喜助さんと直也さんは出て行かなければならない可能性が高い」

そう伝えた永瀬に対し、やるせなさから憤る月島は「私は諦めません!」と告げ、そもそも寺島家になにがあったのかその原因を突き止めようと決めます。

その夜、神木は榎本美波を食事に誘い、交際してくれないかと尋ねました。

永瀬は神木と美波が路上を歩いているところを見かけ、月島が言っていたのはこのことだったのかと気づいたのでした。

神木と別れた美波を永瀬が呼び止め、神木が近づいたのは裏があるはずだと忠告するも、「私のことなんだとおもってるんですか?」「私が誰と付き合おうが関係ない」と言い換えされてしまいます。

逆転のカギを握る「使用貸借契約」

月下は寺島一家が不仲になってしまった原因を探るため、亡くなった美由紀の実家がある栃木益子町へと出向いていました。

実家の窯元には美由紀の弟、中村隆史の姿が。

月島が不在にしている間、登坂不動産では十影が撮ったムービーを見返す永瀬の姿。

そこに登坂社長が訪れ、付箋のついた宅建六法を永瀬のデスク上に忘れていったのです。

おもむろにそれを手に取り、付箋のページを開くと、そこに書かれていたのは民法597条の使用貸借についてでした。

(期間満了等による使用貸借の終了)
第五百九十七条 当事者が使用貸借の期間を定めたときは、使用貸借は、その期間が満了することによって終了する。
2 当事者が使用貸借の期間を定めなかった場合において、使用及び収益の目的を定めたときは、使用貸借は、借主がその目的に従い使用及び収益を終えることによって終了する。
3 使用貸借は、借主の死亡によって終了する。

出典:e-GOV法令検索

永瀬は再び寺島邸を訪問、すでに売買契約が結ばれ、直也は引っ越し作業の真っ最中。

ちょっとだけ話を聞いてもらえないかという永瀬に、喜助は「いまさらなにをしにきた、出て行くしかないと行ったのはあんたたちだ。」と怒りをあらわにします。

永瀬はなにやらメモ書きを直也に手渡すと、その場を後にしました。

数日後、ミネルヴァ不動産では地主の坂上が鵤社長のもとを訪れていました。

「いい買い物ができたよ。社長、また安く買いたたけそうな土地があったらおしえてよ、高齢化社会で介護付きマンションが儲かるのよ」と話す坂上に対し、鵤社長は「その代わり、そちらの施設で年寄りが死んだらすぐに教えてくれ。特に土地持ちで身寄りがない年寄りが死んだときはすぐにね」と応えたのです。

そんな怪しい話をしている中、「これはどういうことだ!」と大助が怒鳴り込んできたのです。

どうやら大助の元に使用貸借をしている旨の通知書が届き、それによれば勝手な売買ができないというのでした。

怒りで興奮する大助に、花澤が使用貸借と賃貸借契約の違いについて説明します。

使用貸借と賃貸借契約の違い
使用貸借:不動産などを無償で貸し付ける
賃貸借契約:不動産などを有償で貸し付ける

続けて、使用貸借は諾成契約であり必ずしも書面による契約を有しないほか、父と息子が10年間住んでいることから法的に使用貸借の関係にある。

息子は父の介護をあの家でしており、大助が一方的にあの家を売ることはできないと告げたのでした。

一連の話を聞いていた坂上は「父の介護なんて話きいていない、老人を追い出して買った土地に介護施設が建つなんてごめんだ」とミネルヴァ不動産を後にしました。

逆転のカギを握る「使用貸借契約」

「本当にありがとうございました。」と永瀬に礼をいう直也。

永瀬から手渡されたメモには使用貸借について弁護士に相談してみるとよい旨が記されていたのでした。

しかしそこへ、「息子に悪知恵を吹き込んだのはお前かと」大助が怒鳴り込んできたのです。

そんな大助に永瀬は「輸入家具の会社が既に倒産しているんですよね」と伝え、そんなことでこの思い出が詰まった家を売っていいのかと問います。

そして、憤る大助に「誰か一人が得をするために誰かが泣くような仲介はしたくない」と自身の思いを告げたのでした。

そんな大助は、父である喜助こそ亡くなった妻の美由紀をこの家から追い出し、体調不良へと追い込んだ原因であると主張します。

だからこそ、父を許すことはできないのだと。

その発言を聞き、月島がそれは大助の勘違いであると述べました。

美由紀さんの実の母が倒れ、介護のために栃木と東京を慌ただしく行き来する美由紀さんの姿を見て、喜助さんが快く送り出した、決して美由紀さんを追い出したわけではない。

これらの話を美由紀の弟である隆史から直接聞いたと明かしたのです。

また、大助は父と息子の世話を妻一人にすべて押しつけてしまったという負い目があり、美由紀さんは自分を恨みながらこの世を去ったのだと思っていました。

しかし、実際は世界中を飛び回っている大助のために、日本に帰ってきたときぐらい四季を感じてほしいと思い、妻が丹精を込めて庭の植物を育てていたのでした。

また、その意思を継いで直也も喜助も庭の手入れを続けていたのです。

大助は肺炎で体調が思わしくない父の元へ行き、謝ろうとしますが、そんな大助に父は「おかえり」と声を振り絞って伝えました。

すすり泣きながら「おかえり」と喜助の手を握り返す大助。そこにはもう、確執もなにもない、平和だった頃の寺島家の姿がありました。

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結末と第二話のポイント 

最終的に大助は知り合いの家具会社に就職が決まり、今の家に住みながら借金を返済していくことを決意しました。

今回も登坂不動産に1円の利益もありませんでしたが、登坂社長はどこか安心したような表情を浮かべていました。

今回ご紹介した第二話は「使用貸借」がキーワードとなるエピソードでした。

話の中では使用貸借が諾成契約であり、勝手な売買が認められないとされていますが、実際はそうとも限らない点に注意が必要です。

あくまでも使用貸借をして住んでいるのが介護が必要となる老人とその息子であり、その話を聞いた坂上(買主)がそんなところに介護施設付きマンションを建てるわけにはいかないと契約を解除したのがそもそもの始まりです。

使用貸借は買主に契約を解除させようと決意させたひとつのきっかけに過ぎないといえるでしょう。

先にも述べたように使用貸借とは無償で他人のものを使用する契約であり、賃貸借契約とは大きく異なります。

【使用貸借と賃貸借契約の違い】

使用貸借賃貸借契約
契約の成立諾成契約諾成契約
※ただし書面を要するケースが多い
有償性無償(タダ)有償
借主の権利建物の使用収益建物の使用収益
借主の義務目的物の返還目的物の返還賃料支払義務
対抗要件×
借地借家法の適用×
終了時の借主保護×
当事者の死亡借主が死亡した時点で契約終了貸主が死亡しても契約は終了しない借主、貸主の死亡によって契約が終了することはない

上記から、万が一大助が坂上(買主)に自宅を売却した場合、喜助や直也は第三者である坂上に対して権利を主張することはできません。

話がひっくり返る可能性は非常に低く、退去までの時間を稼いで所有者との間で交渉を行うことしかできないでしょう。

今回の第2話では、その結果、買主が契約を取りやめたことが問題の解決に繋がったといえます。

実際に、使用貸借を巡る不動産トラブルは後を絶たず、家族間で骨肉の争いに発展してしまうケースも少なくありません。

こうしたトラブルを防止するためにも、賃貸条件を記した書面をきちんと交わしておくことが大切です。

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この記事を書いた人

元信託銀行員。宅建士・ 2級FP技能士をはじめ、複数の金融・不動産資格を所持。それらの知識をもとに、「初心者にもわかりやすい執筆」を心がけている。2児の子育て中でもあり、子育て世帯向けの資産形成、女性向けのライフプラン記事を得意とする。

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