初心者のための不動産投資を解説!仕組みやリスク・失敗パターンとは

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資産形成の手段としてだけでなく、生命保険代わりにもインフレ対策にもなる不動産投資は、人気の高い投資の1つです。老後資金不足問題や世界的に加速する金利上昇、日本でも進む物価高などを受け、昨今ではこれまで不動産投資をしてこなった初心者の方が興味を持つことも少なくありません。

初心者であっても不動産投資で利益を出すことは可能ですが、その他の投資と比べて初期費用が高く、人が住む不動産に投資するという性質上、投資を始める前に知っておくべきことはたくさんあります。

そこで本記事では、初心者が知っておきたい不動産投資の仕組みやリスク、失敗パターンなどを解説します。

目次

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初心者の方がまず理解しておくべき不動産投資の仕組み  

まずは、改めて不動産投資の仕組みを確認しておきましょう。

不動産投資とは

不動産投資は、不動産を購入し、人に貸したり、売ったりすることで利益を出す仕組みです。不動産投資をする目的は投資家によって異なりますが、以下のようなものが挙げられます。

  • セカンドインカムとして
  • 第二の年金として
  • 生命保険代わりとして
  • 節税目的として
  • インフレ対策として

不動産投資で利益が出る仕組み  

インカムゲインとキャピタルゲイン

不動産投資の利益は「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の2つです。

インカムゲイン

インカムゲインとは、資産を保有している間に得られる利益を指します。不動産投資では、主に賃料収入がこれにあたります。

キャピタルゲイン

キャピタルゲインは、投資資産の売却益を指します。継続的にインカムゲインが得られていたとしても、売却損が大きければ、これまでの利益を相殺し、投資全体の利益がマイナスになってしまう恐れもあります。

初心者が不動産投資を行う前にすべき3つのこと

初めて不動産投資をする方は、物件選びなど具体的な行動に移す前に、次の3つのことから取り掛かることをおすすめします。  

1.不動産投資について包括的に勉強する

不動産投資をすれば、必ず利益が出るわけではありません。他の投資と比べて取得費が高く、所有中の管理やメンテナンスも不可欠であることから、まずは不動産投資について包括的に勉強することをおすすめします。

投資の前に知っておくべきことは、次のように多岐にわたります。書籍やセミナーなど、自分にあった方法で学んでいきましょう。

  • 投資物件の売買にかかる諸費用や税金
  • 「利回り」の意味と見方
  • 不動産投資のリスク
  • 不動産投資の失敗事例
  • 市況
  • 不動産に必要なメンテナンス
  • 不動産投資物件の管理方法
  • 物件種別ごとのメリット・デメリット

本サイト「すみかうる」でも不動産投資に関するお役立ち情報を多数、発信していますので、お役立てください。

2.不動産投資の目的を整理する

自分がなぜ不動産投資をするのか不動産投資でどんな未来を創りたいのかといった目的や理由も整理しておきましょう。投資の目的や理由が曖昧だと、物件選びや出口戦略(投資物件の売却)を見誤ってしまう恐れがあります。

3.信頼できる不動産会社・エージェントを探す

不動産投資初心者の方は、信頼できる不動産会社や不動産エージェントを見つけられるかが不動産投資の成否を分けるといっても過言ではありません。自身もある程度の知識をつけたうえで複数社に相談するなどし、信頼できる不動産会社やエージェントを探しましょう。

不動産投資のメリット・デメリット

続いては、物件選びや資金計画を立てるうえでも知っておきたい不動産投資のメリット・デメリットを見ていきましょう。  

不動産投資のメリット   

不動産投資のメリットは、次のとおりです。

  • 副収入が得られる
  • 生命保険代わりになる
  • インフレ対策になる
  • 相続税対策になる
  • レバレッジ効果を効かせて大きく稼げる

副収入が得られる

資産形成を目的に不動産投資を始める方は少なくありません。インフレが懸念される中、年収は上がらず、老後資金問題などが取り沙汰されている昨今、とくに不動産投資に注目が集まっています。

生命保険代わりになる

ほとんどの投資家が、ローンを組んで収益物件を購入します。ローンを借り入れるには、基本的に団体信用生命保険(団信)への加入が求められます。団信とは、債務者に万一のことがあったときに、残債をゼロとする保険です。残債がゼロになるだけでなく、副収入が得られる収益物件を家族に遺せるため、不動産投資は生命保険の役割も果たせるといえるでしょう。

インフレ対策になる

不動産投資は、インフレ対策にもなります。インフレになると、貨幣の価値が下がりますが、不動産の価値は基本的に上がります。

相続税対策になる

不動産の相続税評価額は、時価より低くなるのが一般的です。一棟マンションやアパートを建てることにより土地の評価額も圧縮されるため、不動産投資は相続税対策としても有効な手段です。

レバレッジ効果を効かせて大きく稼げる

「レバレッジ効果」とは、てこの原理を指します。不動産投資はローンを借り入れて投資できるため、レバレッジ効果を効かせて少ない元手で大きく稼げます。

不動産投資のデメリット  

一方、不動産投資には次のようなデメリットもあるため、あらかじめ認識しておきましょう。

  • 利益が出るとは限らない
  • 住宅ローン審査が通りにくくなることも
  • すぐに手放すのが難しい

利益が出るとは限らない

どんな投資にもいえることですが、不動産投資には一定のリスクがあり、必ず利益が出るとはいえません。物件の維持・管理には相応の費用もかかるため、マイナスがどんどん膨らんでいってしまう恐れもあります。

住宅ローン審査が通りにくくなることも

融資を受けられることは不動産投資のメリットではありますが、不動産投資ローンを組んでいることで住宅ローン審査が通りにくくなってしまう可能性があるため注意が必要です。不動産投資ローンがその他の借り入れとみなされ、希望額を融資してもらえなかったり、金利の高いローンを選ばざるを得なくなってしまったりすることがあります。

すぐに手放すのが難しい

不動産は、株やREITのように簡単に手放させる資産ではありません。早くても数週間から数ヶ月、長ければ数年にわたって手放したくても手放せない状況が続く恐れがあります。

初心者の不動産投資の始め方

不動産投資の始め方

不動産投資を始める流れは、次のとおりです。

STEP

不動産投資について学ぶ

先述のとおり、初心者が不動産投資を始める前には、まず投資家自身が不動産投資を知ることが大切です。

STEP

不動産会社・不動産エージェント選び

気になる物件を見つけてから不動産会社に問い合わせようと考えている方も少なくないでしょう。しかし、投資初心者の方は、自分にあった物件を選ぶことも難しいはずです。従って、物件選びの前に不動産会社や不動産エージェントに相談することをおすすめします。

STEP

物件選び

不動産会社やエージェントに相談しながら、投資の目的に合ったエリア、物件種別、築年数などを決めていき、投資する物件の選択肢を絞っていきます。物件選びをするときは、机上で物件情報を見るだけでなく、実際に現地の周辺を歩いてみることもおすすめです。自分が住む物件ではありませんが、投資先は人が住む不動産。暮らしやすさや将来性を確かめたり、どんな人に向いているか考えたりしながら物件選びをしましょう。

STEP

物件の購入

投資物件を購入する際には、売買契約の前にローンを仮審査を受ける必要があります。仮審査を受けるときまでに、どれくらいの融資を受けて、どれくらいの頭金を入れるのか考えておきましょう。資金計画を考えるうえでは、後述する不動産投資のリスクを踏まえ、綿密な収支シミュレーションをすることが大切です。

STEP

管理会社を決める

投資物件を購入したら、いよいよ運用が始まりますが、その前に管理を委託するか、自身で管理するか決めましょう。初心者であれば管理会社に委託することをおすすめしますが、その場合は継続的に管理費がかかります。

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不動産投資で把握しておくべきリスク

不動産投資の5大リスク

不動産投資には、一定のリスクがあります。下記に挙げる5つのリスクは、初心者だからといって「知らなかった」では済まされないリスクばかりです。あらかじめこれらのリスクを把握し、適切に備えましょう。

1.空室リスク

投資物件を運用している間の収入源は、ほぼ家賃だけです。従って、空室は不動産投資における最大のリスクともいえます。空室リスクに対する備えは、物件選びの段階から始まります。空室にならないような魅力的な物件を選び、運用中も魅力を損なわないよう適切にメンテナンスしていくことが大切です。

2.滞納リスク

たとえ入居者が入っていたとしても、家賃を滞納されてしまうとその部屋の収入はなくなってしまいます。滞納リスクに備えるには、まず滞納しないような入居者か見極めることが大切です。そのうえで、家賃保証会社を利用すると一定期間の滞納がカバーできます。

3.老朽化リスク

老朽化は、どんな物件であっても避けることはできません。大切なのは、適切な時期に設備や建具などをメンテナンスしたり、状況に応じてリフォームしたりすることで老朽化の影響を最小限に留めることです。一棟マンションやアパートの場合は、大規模修繕の時期や内容を計画し、費用を積み立てておきましょう。

4.金利上昇リスク

変動金利でローンを借り入れている場合は、金利上昇にも備える必要があります。金利が上がれば毎月の返済額が上がり、利益を圧迫してしまいます。金利が上がっても、一定額を繰り上げ返済すれば返済額が大きく上がることは避けられます。金利上昇に備えるためにも、不動産投資をするうえではある程度の手元資金があると安心です。

5.自然災害リスク

不動産は、地震や火災、水害などの自然災害によって深刻なダメージを受けることもあります。修繕のため、想定外の費用がかかることもあるでしょう。自然災害リスクに備えるには、まず物件選びの段階でハザードマップを確認するなどして、自然災害リスクを把握することが大切です。加えて、地震保険や火災保険に加入するなどし、有事の際の費用負担をカバーできるようにしておきましょう。

不動産投資で失敗しがちな初心者の特徴

高額な物件を購入して行う不動産投資。「失敗」は、破綻にもつながりかねません。初心者に多い失敗は、不動産投資の良いイメージだけが先行してしまい、自身の知識や心構えが追いついていないことによって起こります。

学ぶ姿勢がない

不動産投資は、投資物件さえ購入すれば稼げるというものではありません。物件選びにも、運用中にも、出口の見極めにも、一定の知識が必要です。自身に学ぶ姿勢がなく、不動産会社の言いなりになってしまったり、その場しのぎの判断ばかりを繰り返してしまったりしては、成功するものも成功しません。

自主性がない

物件の購入時には不動産会社が、運用中は管理会社にサポートしてもらうことができます。しかし、さまざまな投資判断をするのは投資家自身に他なりません。サポートしてくれる企業や人の見解や助言を鵜呑みにするのではなく、専門家の意見を聞き入れながらも、自主性を持ったうえで自分ごととして判断していきましょう。

「イメージ」が先行してしまっている

「なんとなく儲かりそうだから」「節税になるって聞いたから」などという理由だけで不動産投資を始めてしまうと、失敗につながりやすくなります。

たとえば、住宅ローン控除やふるさと納税をしていることにより節税できるだけの所得税や住民税が残っていなければ、不動産投資で帳簿上の赤字が出たとしても節税にはつながりません。また、投資物件の広告でよく目にする「自己資金ゼロ」という言葉は非常に魅力的に感じられますが、フルローンに近い形で融資を受けると返済額が利益を圧迫し、ほとんど手元にお金が残らないこともあります。

不動産投資のメリットが自分にとってのメリットになるとは限りません。不動産投資の目的を明確にしたうえで、物件を選び、資金計画を立てることが大切です。

不動産投資に関するよくある質問  

最後に、不動産投資に関するよくある質問にお答えします。

不動産投資はサラリーマンやOLでも始められますか?

不動産投資は資金さえあれば、どなたでも始められます。一定の収入があれば融資を得ることもできます。

不動産投資は節税になりますか?

不動産投資は事業にあたるため、減価償却費をはじめ経費を計上することができます。帳簿上、赤字となった場合、給与など別の所得と相殺できるため節税できることがあります。また、本文中でも述べたとおり、不動産は現金と比べて相続税評価が低いため、相続税や贈与税の節税にもなります。

どのように不動産投資を学べばいいでしょうか?

昨今ではさまざまな情報が溢れているため、お金をかけなくても不動産投資を学ぶことができます。もちろん、書籍やセミナーなどにお金をかけて学ぶことも可能です。無料・有料問わず、情報が溢れている時代に気をつけたいのは、情報の精度と発信者の立場や思惑です。特定の企業や人の見解を鵜呑みにするのではなく、信頼できる情報を幅広く集め、自分に落とし込み、経験と合わせて理解を深めていきましょう。

「初心者の不動産投資」まとめ

初心者だからといって、不動産投資を始めるにあたり、必要以上に構えたり恐れたりする必要はありません。とはいえ、不動産投資は安易に始めていいものではありません。不安を感じているのであれば、まずは不動産投資についての知識を深めましょう。

当サイト「すみかうる」では、投資家に役立つ情報を多数、配信しています。「マンションナビ」では投資に役立つ相場情報を調べることもできますので、さまざまな投資判断にお役立てください。

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この記事を書いた人

亀梨奈美のアバター 亀梨奈美 不動産ジャーナリスト/株式会社realwave代表取締役

大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。
2020年11月 株式会社real wave 設立。
不動産会社在籍時代は、都心部の支店を中心に契約書や各書面のチェック、監査業務に従事。プライベートでも複数の不動産売買歴あり。
不動産業界に携わって10年以上の経験を活かし、「わかりにくい不動産のことを初心者にもわかりやすく」をモットーに各メディアにて不動産記事を多数執筆。

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