「住宅ローンの返済が滞り、自宅を任意売却するしかない…」
このような状況でも、自宅を出て行きたくないという思いから、無理を重ねてローン返済を続けている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな方にお伝えしたいのが、任意売却後も自宅に住み続けられる方法があるということ。
本記事では、任意売却後に自宅に住み続けられる2つの方法について詳しく解説しますので、ぜひ最後まで読み進めてみてくださいね。
任意売却後も多くの方が自宅に住み続けたい
たくさんの思い出がつまったご自宅を離れることは辛いですよね。実際、多くの方が任意売却後も自宅に住み続けたいという希望を持っています。
自宅に住み続けるメリット
任意売却後も自宅に住み続けるメリットは、以下のようなものがあります。
- 居住環境や生活スタイルを変えなくても良い
- 長年築いてきたご近所付き合いを継続できる
- 周囲に任意売却したことがバレない
お子さんの学校や高齢のご家族の病院などの問題を考えると、居住環境や生活スタイルを変えずに、そのまま自宅に住み続けられるメリットはとても大きなものです。少しでも可能性があるなら、自宅に住むことを諦めたくないですよね。
自宅に住み続ける方法はある
任意売却後も、リースバック・買い戻しという2つの方法を利用できれば、任意売却後も自宅に住み続けることは可能です。
しかし、どちらの方法にも事前の準備や買主設定など、クリアすべき条件があり、実現へのハードルは低くありません。
さらにこの2つの方法はそれぞれ万能な解決策ではなく、メリットとともにデメリットがあることもあらかじめ認識しておきましょう。
自宅に住み続ける方法① リースバック
任意売却後も自宅に住み続ける1つ目の方法が、リースバック(以下リースバック)です。
リースバックとは、任意売却した自宅の購入者に毎月リース料(賃料)を払い、そのまま住み続けるという方法です。
任意売却によって住宅ローンの問題が解決される上、自宅に住み続けるという希望も叶う理想的な方法ですが、実現するのは簡単ではありません。
リースバックで自宅に住み続けるには
リースバックで自宅に住み続けるには、大前提として、購入後、貸し出してくれる方に自宅を購入してもらわなくては成立しません。まず、買主を見つけるのが難題となるんですね。
またリースバックの場合、一般的な賃貸契約と同様の賃貸借契約を結ぶため、安定した収入があり、連帯保証人を立てるか賃貸保証会社に加入するなどの条件をクリアする必要があります。経済的に苦しいがゆえに任意売却をするのですから、この条件もまた厳しいものにもなるでしょう。
リースバックのメリット
では続いて、リースバックのメリットについてみていきましょう。
- 自宅から引っ越さずに住宅ローンを整理できる
- 売却したことがバレない
自宅から引っ越さずに住宅ローンの滞納問題を解決できる
任意売却は債務整理の1つなので、住宅ローンの滞納に対する悩みが解消されます。その上で自宅に住み続けることができれば、変わらぬ環境でリスタートできるのです。
売却した事実を知られることがない
競売による売却の場合、インターネットや新聞に事実が公表され、自宅への訪問者や自宅周辺への聞き取りも増えることから、競売にかけられたことが周囲にわかってしまいます。
対して、任意売却による売却かつリースバックが利用できれば、住宅ローンの返済が苦しかったことはもちろん、売却したことさえ知られずに日常生活を送ることができます。
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リースバックのデメリット
一方、リースバックにはデメリットもあります。
- 通常の賃貸よりもリース料金が高め
- 通常の売却に比べて販売価格が安くなる可能性が
通常の賃貸よりもリース料金が高め
リースバックは、自宅の購入者に対してリース料=家賃を支払って自宅に住み続けます。
一概にはいえませんが、1年間のリース料は住宅買取価格の10%ほどになるといわれています。そのため、通常の賃貸物件の相場よりも家賃が高めになるのが一般的です。
リースを続けた場合、10年(120か月分)で住宅の購入価格と等しくなりますが、賃貸の状態が続いているだけで所有権は戻りません。
通常の売却に比べて販売価格が安くなる可能性が
任意売却自体は通常の売却に近い金額での売却が期待できますが、リースバック前提での売却の場合、売却価格が安くなる場合があります。
やはり買主からすれば条件付きの購入になるので、価格面である程度の妥協が必要になるケースが多いのです。
自宅に住み続ける方法② 買戻し
任意売却後に自宅に住み続ける2つ目の方法が、買戻しです。文字通り、自宅を買い戻すことで住み続けられるという方法です。
買戻しとは?
買戻しするためには、売却時に「買戻し特約」をつけて、将来の買戻しの約束を取り付ける必要があります。一般的に買戻し特約付きの売却で買主となってくれるのは、親・子・兄弟などの家族や親戚です。逆にいえば、近い間柄の人でしか、買戻し特約を付けた売買契約など締結してくれないんですね。
買主が承諾すれば、買戻しまでの期間は無償で家に住み続けることができますが、リースバックのように毎月決まった賃料を支払うケースもあります。
一見、ご自宅を近しい相手に購入もらって貸し出してもらう方が、融通がききそうですよね。ところが、実際に買戻しを実現させるのはリースバック以上に難しいともいえるのです。
親子間・親族間売買はハードルが高い
一般的な銀行の場合、以下のような理由により、親子間や親族間での住宅ローンは認められず、融資を通すことが非常に難しくなります。
- 親子や兄妹間では相続や贈与が一般的なので、住宅ローンを組んで売買すること自体が珍しい
- 金利の低い住宅ローンを借金返済にあてるなど、本来の目的とは異なる用途に使用されるリスクがある
- 近しい間柄の売買ということで、売却価格に公正さが欠ける可能性がある(価格が低すぎると贈与税がかかるケースもある)
地元の地銀やノンバンクなど金融機関によっては、融資をしてくれる場合もありますが、一般的な住宅ローンよりは確実に金利が高くなります。
こういった意味合いから、まず親子間・親族間売買しなければならない買戻しは、あまり現実的とはいえないのです。
ただし、リースバックの延長として買戻しに応じてくれる専門業者も少ないながら存在します。リースバック・買戻し、いずれも買主を見つけることがまず難しいもの。ですが、適切な不動産会社に任意売却を依頼することで、実現の可能性は高まります。
まとめ
今回は、任意売却後に自宅に住み続ける2つの方法ということで、リースバックと買戻しについて解説しました。
いずれの方法も簡単にできるものではないので、事前の準備と専門家の協力は不可欠だといえるでしょう。