駅近マンションでも売れない?資産価値が高くなる条件や売却時のポイント
駅近マンションは、相対的に資産価値が高い傾向にありますが、マンションの価値は駅からの距離だけで決まるものではありません。たとえ駅近であっても、売れないマンションはあります。
本記事では「売れる駅近マンション」と「売れない駅近マンション」の特長とともに、駅からの距離以外にマンションの資産価値に影響する条件を解説します。

駅近マンションでも売れない?資産価値の高い物件の特長とは
マンションの資産価値は「駅からの距離」に大きな影響を受けます。
駅に近いほど、マンションの資産価値は高い傾向にあります。「駅近マンション」の中でも、売れやすいマンションにはいくつかの特長が見られます。
駅からの距離とマンション価格の関係
駅からの距離は「歩いて〇分」と表記されるケースが多いものです。
不動産業界では「80m」を「1分で歩ける距離」としているため、たとえば徒歩5分であれば、駅から321m~400mの距離にあるマンションだと考えられます。
【東京都】駅からの距離による平米単価(2021年8月~2022年7月の平均)
徒歩5分未満 | 徒歩5~9分 | 徒歩10~14分 | 15分以上 | 平均 | |
平米単価 | 100.42万円 | 93.21万円 | 74.19万円 | 55.32万円 | 80.79万円 |
上記のように、駅までの距離によって資産価値には大きな違いがあります。徒歩10分を超えると、そのエリアの平均価格を下回る可能性があるのです。
急行停車駅
「駅近」と一口にいっても、駅の利用者数や規模、周りの環境はさまざま。傾向として、各駅停車駅より急行停車駅のほうがマンション相場は高いものです。
将来性がある
マンションに限らず、不動産を取得する人はエリアの「将来性」を気にします。
- 再開発計画がある
- 大規模商業施設の建設が予定されている
- 路線の乗り入れが予定されている
これらの計画や予定がある駅の周辺は、期待の高まりから相場が上がったり、マンションの取り引きが活発になったりします。
ブランドマンション
「駅」や「立地」だけでマンションの価値が決まるわけではありません。マンションの持つ「魅力」も、資産価値や売れやすさに大きく影響します。
たとえば、いわゆる「ブランドマンション」の人気は非常に高く「駅近×ブランド」の相乗効果による、高い資産価値と需要に期待できます。

大規模マンション
マンションのブランドに限らず「大規模マンション」の人気も高いものです。「大規模」の目安は、総戸数100以上。
- 充実した共用施設
- 管理費・修繕積立金が格安
- リセールバリューにも期待できる
大規模マンションには上記のようなメリットがあり、駅近であればより一層マンションの魅力も高まります。
タワーマンション
「タワーマンション」もまた、人気のマンションの要件の1つです。
大規模マンション同様、共用施設が充実しており、眺望・セキュリティ・耐震性能……などにおいて他にはない魅力があることから、高い資産性とその維持に期待できます。
管理が良質
マンションの「管理」への注目度は、近年、非常に高まっています。
マンションの資産価値や快適性を維持するには、良質な管理を継続していく必要があります。マンション管理は住人による「管理組合」次第。いくらブランドがあっても、いくら立地が良くても、管理の質の高さには比例しません。
近年ではマンション管理に関する法整備も進み「マンションは管理を買え」という言葉もよく聞かれます。

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駅近マンションでも売れない物件の特長とは
「駅からの距離」は、マンションの資産価値を形成する大きな要因の1つです。しかし、マンションの価値や売れやすさに影響するのは、駅からの距離だけではありません。
駅近であっても売れないマンションには、次のような特長があります。

相場より高い
「駅近」は、その利便性や希少性から相場が高い傾向にあります。しかしながら、その相場より高い金額で売り出してしまっては、やはり需要は下がってしまうでしょう。
必ずしも相場通りで売り出す必要はありませんが、早期売却を望むのであれば、反響を見ながら価格を調整していく必要があります。
競合が強い
価格が高くても、買主にとって「唯一無二の物件」と思ってもらえれば売却できる可能性はあります。
しかし、競合となる類似物件が売り出されていればこの限りではありません。競合物件の価格やその他の条件が買主にとってより魅力的であれば、選んでもらえないでしょう。
利用者が少ない駅
地域によっては「駅近」よりも「幹線道路沿い」などの条件のほうが不動産の価値が高い場合があります。
「駅近」を過大評価することなく、駅周辺や地域全体の相場価格を確認することが大切です。
駅近マンションでよくある質問
- 「駅近」の定義とは?
-
一概にはいえませんが「駅から10分」ほどが駅近といわれるケースが多いです。80mを徒歩1分と換算しますので、駅から800mほどまでとなります。
- 「駅近マンション」なのに売れないのですが……
-
今一度、相場価格や競合物件の存在を確認しましょう。相場の確認には、マンションナビをご活用ください。
- 「駅近物件」以外は安値でもしょうがないの?
-
「駅からの距離」は、マンションの資産価値を形成する1つの要因にすぎません。「駅から近くないから安値」と結論付けることはできないでしょう。
駅近マンションの資産価値を調べる方法
駅近マンションの資産価値は、次の方法で調べられます。
レインズ・マーケット・インフォメーション
レインズ・マーケット・インフォメーションとは、国土交通大臣が指定する不動産流通機構が有する不動産の「成約事例」の情報を閲覧できるサイトです。
物件種別や駅からの距離を絞って検索できるため、駅近マンションの成約事例からご所有のマンションの価値を推測できます。

路線価
路線価は、国が定める土地の価格の基準です。「駅近」というのは立地を指すものですので、路線価の差から駅近の価値を推察できます。
路線価は国税庁のサイトから閲覧できます。
不動産ポータルサイト
SUUMOやHOME’S、at homeなどの不動産ポータルサイトで実際に売り出されているマンションの価格を見ることも、資産価値を推察するうえでは非常に効果的です。
ただし、マンションの広さによっても価格は異なります。ご所有のマンションの類似物件をいくつか抽出し、売り出し価格÷平米数から算出できる「平米単価」を比較してみましょう。
マンションナビ
駅近マンションの成約事例や売り出し価格を見ることは資産価値を推測するうえで効果的な方法ですが、マンション価格は「時期」や「個別要素」によって大きく変わるものです。
「推測」ではなく、ご所有のマンションの価格を知るには、不動産会社による査定を受けるのが最も確実で手軽だといえるでしょう。
マンションナビは、マンション専門の一括査定。マンション売却を得意とする複数の不動産会社に査定依頼し、マンションの「今」の価値を知りましょう。
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マンションの築年数と価格の推移
マンションは、駅からの距離のみならず、様々な条件が資産価値や売れやすさに影響します。その中でも「築年数」の影響は非常に大きいものです。
築年数によって資産価値はどれほど変わる?
■【東京都】築年帯別平帯単価(2021年8月~2022年7月の平均)
~1982年築 | 1983年~1990年築 | 1991年~2000年築 | 2001年~2010年築 | 2011年築~ | 平均 | |
平米単価 | 57.47万円 | 57.72万円 | 71.04万円 | 89.23万円 | 109.19万円 | 76.93万円 |
上記を見ると「1991年築~2000年築」「2001年築~2010年築」の下落率が大きいことがわかります。築年帯による価値の低下率は、一定ではありません。
購入後、駅からの距離は変わりませんが「経年」の進行は止められません。マンションの売却を検討する場合は、このような指標も参考に売却時期の判断をするようにしましょう。

「駅近」だけがマンションの価値ではない
マンションの資産価値や売れやすさに影響するのは、駅からの距離だけではありません。
もちろん、駅近マンションの価値は高い傾向にはあります。より好条件で売るには、相場を知り、マンション売却に強い不動産会社とともに売却していく必要があるでしょう。
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