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マンション売却時になぜ確定申告が必要と言われるかご存知でしょうか。その理由は、節税ができる特例があるからです。マンション売却した時に、利益がある場合も損失が出た場合にも、確定申告をすることで、譲渡所得税の税金を特例を使うことで、節税することができます。今回はマンション売却時の確定申告で税金を節税できる5つの特例をまとめました。
そもそも、マンションを売却した際には税金がかかることをご存知でしょうか。まず始めに、マンションを売却した際にかかる税金を一覧でご紹介していきます。
マンションを売却する際にかかる税金は全部で6つあります。
税金の種類 | 納付のタイミング | 税率等 |
---|---|---|
印紙税 | 売買契約のタイミング | 売買金額によって異なる |
登録免許税 (抵当権抹消) | 引渡のタイミング | 不動産1個につき1,000円 |
消費税 | 各サービス料を支払うタイミング | 料金の10% |
所得税 | 確定申告のタイミング | 長期:15% 短期:30% |
住民税 | 給与天引きの場合:翌年6月~翌々年5月 | 長期:5% 短期:9% |
復興特別所得税 | 確定申告のタイミング | 一律2.1% |
所得税と住民税をまとめて「譲渡所得税」と言い、合計で5つと表される場合もあります。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
売買契約書を交わすときには収入印紙が必要となります。収入印紙とは国庫の収入になる税や手数料を徴収するために、発行される証書で必ず支払わなければなりません。これを用いて支払う印紙税とは、売買契約書を交わすときに発生する税金です。
契約書に記された金額によって、税額が決まっています。
詳しい税率に関しては、下記の表をご覧ください。
契約書記載の契約金額 | 本来の税率 | 軽減税率 |
---|---|---|
1万円以下 | 非課税 | 非課税 |
1万円から10万円 | 200円 | 200円(軽減税率適用外) |
10万円超・50万円以下 | 400円 | 200円 |
50万円超・100万円以下 | 1,000円 | 500円 |
100万円超・500万円 | 2,000円 | 1,000円 |
500万超・1,000万円以下 | 10,000円 | 5,000円 |
1,000万円超・5,000万以下 | 20,000円 | 10,000円 |
5,000万円超・1億円以下 | 60,000円 | 30,000万 |
1億円超・5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
5億円超・10億円以下 | 20万円 | 16万円 |
10億円超・50億円以下 | 40万円 | 32万円 |
50億円超えるもの | 60万円 | 48万円 |
住宅ローンでマンションを購入したケースであれば、そのマンションに抵当権がかけられているので、売却する際にはそのマンションの抵当権を抹消する必要があります。
抵当権を外すには、ローンを完済した上で抵当権の抹消登記をしなければなりません。
このような、抵当権を抹消する費用を登録免許税と呼びます。マンションの登録免許税の費用として2,000円が発生します。(土地に1,000円・建物に1,000円)
不動産会社への仲介手数料に消費税が発生します。2019年(令和元年)10月からは消費税は10%に引き上げられています。
マンション売却時に生じる税金の所得税と住民税は譲渡所得税と呼ばれています。
譲渡所得税(所得税・住民税)の税率は、マンションを所有してから短期間か、長期間かで税率が変わります。長短は5年以下か5年超かで分岐と覚えておきましょう。
税の種類 | 所得税 | 住民税 | 合計 |
---|---|---|---|
短期譲渡所得税(5年以下) | 30% | 9% | 39% |
長期譲渡所得税(5年以上) | 20% | 5% | 25% |
譲渡所得税の5年の数え方
所有期間の5年とは、マンションを売却した年の1月1日がキーポイントとなります。売却した年の1月1日が所得日から5年経過しているかどうかで判定します。
例えば、平成30年中にマンションを売却すると、平成29年1月1日が判定に用いられます。この例ですと、平成24年12月31日以前に購入のものは長期譲渡所得税で計算します。
売却した年の1月1日を基準にする関係以上、実際の所有期間が5年間よりも長くなることが多いです。
復興特別所得税は認知度が低いため、マンション売却時の確定申告の申告書にも記載漏れが多いです。
復興特別所得税は2011年12月に東日本大震災からの復興のための施策として、交付された税金です。
復興特別所得税の税率は一律2.1%と覚えておきましょう。復興特別所得税は所有期間による変動はありません。
ここから、これらマンションの売却時にかかる6つの税金の中で、確定申告で節税ができる特例をご紹介していきます。
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まず始めに、マンションの売却したときにかかる税金を節税するための特例は5つ用意されています。
全て、居住用のマイホームを売却した時にかかる税金を節税できる特例であるということを注意して下さい。
その特例の5つも、マンションを売却した時に譲渡益が出ているか、譲渡損失が出ているかで使える特例が変わってきますので、考え方を紹介します。
まずは、譲渡所得がプラス(譲渡益)なのかマイナス(譲渡損失)なのかを押さえる必要があります。
譲渡所得の計算式は下記のように表されます。
譲渡所得 = 譲渡収入金額 – 譲渡費用 – 取得費用 – 特別控除額
つまり、マンションを売却した時の売値から、マンションを売却にかかった費用、更にそのマンションを購入した費用を引いて、プラス(譲渡益)になるか、マイナス(譲渡損失)になるかということです。
譲渡収入金額とは難しい言い方をしていますが、マンションを売却した時の売値です。
計算式に登場する譲渡費用や取得費用について気になる方は下記の記事を参照ください。
譲渡益が出た時に使える税金の節税特例は3つあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
まず1つ目の特例は、3,000万円の特別控除です。
居住用(マイホーム)の物件であり、自分が実際に住んでいたマンションであれば、この制度で3,000万円の特別控除の特例を使えます。
譲渡収入金額 – 譲渡費用 – 取得費用 < 特別控除額(3000万円)
つまり、マンションを売却した時の売値から、売却にかかった費用とそのマンションを購入するのにかかった費用を引いた金額が3,000万円未満であるときは、税金が課税されません。
ほとんどの人が、マンションを売却して、3,000万円以上の利益が出ることはないので、税金はかからないということがお判りいただけるのではないでしょうか。
念のため、満たすべき要件がありますので、以下を確認下さい。
基本的に、居住用(マイホーム)として自分が住んでいるマンションを売却する場合は、3,000万円の特別控除の特例を利用することができます。
2つめの特例は、「軽減税率の特例」です。売却したマンションの所有期間が10年を超えている場合は、課税所得額に応じて軽減税率の特例を受けることができます。
なお、この軽減税率の特例は、前述の「3,000万円の特別控除の特例」と併用できます。
譲渡所得 | 所得税 | 住民税 |
---|---|---|
6,000万円以下 | 10.210% | 4% |
6,000万円超 | 15.315% | 5% |
先ほど、マンションを5年以上保有した場合には、所得税・住民税(譲渡所得税)も軽減されるとお話しましたが、この特例を使うと、より減税をすることができます。
軽減税率を受けるための条件
適用条件は、マンションを譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例と同じですが、売却したマンションの所有期間が、売却した年の1月1日現在において、10年を超えていなければいけません。また、前年、前々年にこの特例を受けていないことも適用条件です。
3つ目に「特定居住用財産の買換え特例」を見ていきます。
例えば、2,000万円で購入したマンション(Aとします)を3,000万円で売却したと仮定します。この後、4,000万円のマンション(Bとします)を買った場合、通常1,000万円の譲渡益が発生し、課税対象となります。※経費などはこの仮定では考えないものとします。
このとき、一定の要件のもとで1,000万への課税を将来へと繰り越すことができます。これを「特定居住用財産の買換え特例」といいます。
売却した時は課税が行われず(免除にはなりません)、買換えたマンションを将来売却するときまで課税が繰り延べられます。
買換えたマンションBを、将来5,000万円で売却した場合について考えます。マンションBの譲渡益は1,000万円ですが、その金額だけに課税されるのではなく、特例を受け課税が繰り延べられていたマンションA売却時の1,000万円を加えた2,000万円が課税対象となります。
買換え特例を受けるための条件
10年以上その建物に住んでおり、居住用として利用していることが必要です。また、身内への売却ではないことが必要です。
基本的に、これまで見てきた事例は、マンションを売却して譲渡益が出た場合の特例となります。
前述した通り、マンションを売却して譲渡益が出る人も少ないので、譲渡損失が出た場合に使える特例を見ていきましょう。
譲渡損失が出た時に使える税金の節税特例は2つあります。
マンション(マイホーム)を売却して譲渡益ではなく譲渡損失が発生した場合には、「繰越控除の特例」受けられる可能性があります。
要件を満たしていることが条件になりますが、売却したその年の他の所得と相殺することで、所得税や住民税を控除することができます。これを損益通算と言います。
また、売った年の所得よりも譲渡損失が大きくて相殺しきれなかった場合は、翌年以後3年間に渡り繰り越して所得から控除することができます。これを譲渡繰越と言います。
例えば、サラリーマンであれば既に所得税を天引きで払っていますが、確定申告で赤字を報告することで、税金が戻ってくることになります。冒頭でも簡単に触れていましたが、これを損益通算と言います。
税金を納めるのではなくとも、損益通算や税金の手続きを行う上で、計算結果は複雑なものになりがちです。特にローンがあった場合は個人で計算してもミスをする可能性があります。税務署や税理士に確認しながら、進めたほうがいいでしょう。
どんなシーンに使える特例なのか、2つをそれぞれ詳しく見ていきましょう。
居住用のマンションなどの不動産を買換えるなどしたことによって譲渡損失が生じた場合に、一定の要件を満たすことで認められる特例です。
認められる要件
<売却したマンションに関して>
5年以上所有していた
<購入した不動産に関して>
延床面積が50平方メートル以上である
売却した年を挟んで3年の間に購入(買換え)した
購入した年の大晦日の時点で、ローンが10年以上残っている
購入した翌年の大晦日までに入居する見込みがある
この場合は、先ほど紹介した通り、売った年の他の所得と相殺して、さらに所得税や住民税を減らすことができます。
また、売った年の所得よりも譲渡損失のほうが大きく、相殺し切れない場合は、翌年以降の所得からも繰り越して差し引ける「繰越控除」を利用できる場合もあります。
こちらも住んでいたマンションの売却に際して譲渡損失が生じた場合に、一定の要件を満たすことで認められる特例です。
認められる要件
5年以上所有していた
売買契約を結ぶ前日の段階で、住宅ローンが10年以上残っている
こちらの場合も、さらに所得税や住民税を減らすことができたり、翌年以降の所得からも繰り越して差し引ける繰越控除を利用できる場合があります。
この場合に必要な書類や必要な手続きをさらに、詳しく知りたい方は、下記の記事を参照ください。
これらの特例を受ける場合は確定申告が必要となりますので、確定申告についての必要知識も同時に押さえておくようにしましょう。
いかがでしょうか。
マンションを売却する際に利益がでることは少ないので、確定申告はしなくても良いと考えている人も多いかと思いますが、損失が有った時こそ、確定申告をすることで、所得税や住民税などのマンションを売却する際にかかる税金を節税・安く抑えることが可能となります。
それには、確定申告をする必要がありますので、税理士などの専門家に早めに相談することをお勧めします。
もちろん、売却に特化して、節税までを手厚くフォローしてくれる不動産会社に相談することも解決になるかもしれません。
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